よくわかる

林修の特別授業

テーマ
協同組合

Lesson 14 JA未来新聞

農業と地域の活性化

日本の農業を持続可能に

今から10年、20年後。日本の農業は大きく様変わりしているかもしれません。ロボットやAIの使用が当たり前になる一方で、若い就農者が増え地域はにぎわいを取り戻す。各地で始まっている新たな取り組みから、そうした明るい未来図が見えてきそうです。林修編集長と望月まりなリポーターが、農業の今とこれからをお伝えします。

低温熟成で美味しくなったニンジンが消費者の評判となり、農家にとっても冬場の収入に。
【望月リポーターへの指示】
少子高齢化が進む日本。 農業で地域に 元気をもたらす 取り組みを取材せよ。

雪下・雪室野菜の取り組みJAえちご上越

取材協力
あるるんの杜 亦野潤一 さん

雪を味方につけた農業

「雪室人参」の甘さを生かしたドレッシングが大ヒット商品に

望月編集長、今回私はJAえちご上越を取材してきました。編集長は、「雪下野菜」って知ってますか?

面白いネーミングですね。でも普通、雪の下では野菜は育たないのでは?

望月実はそうじゃないんです。上越地域はもともと米の単作地帯でしたが、現在は大根やキャベツ、ニンジンなどの野菜を、雪が積もってから掘り出して収穫する農法に多くの農家が取り組んでいます。低温熟成で甘みが増しておいしくなると、消費者の評判も上々だそうです。

ただ上越地域には、昔から「雪室」という冷温貯蔵施設がありますよね。

望月さすが編集長! 雪下野菜はおいしいですが、雪のなかでの収穫作業はやっぱり負担が大きいそうで、最近ではJAが中心となって「雪室野菜」の普及に取り組んでいます。秋に収穫した野菜を密閉施設に雪と一緒に保存すると、温度は0~5度で湿度は90%以上という、雪下と似た状態になるそうです。

電気冷蔵庫の庫内は乾燥するので雪下のような環境は望めないですからね。古くて新しい技術として非常に面白いと思います。JAえちご上越の雪下・雪室野菜はどこで買えるんですか?

県外から訪れる人も多い食と農のテーマパーク「上越あるるん村」

望月上越市にある食と農のテーマパーク「上越あるるん村」で冬期間限定販売されます。JAファーマーズマーケット(直売所)の「あるるん畑」、地元食材を使ったレストランやカフェがある「あるるんの杜」、鮮魚センターの「あるるんの海」という三つの複合施設で、首都圏から買い物にくる人もいると聞きました。

米作だけでは冬場に農家の収入をどう確保するかが問題ですが、こういう場所に出店することで生活も安定しますね。

望月その通りです。生産者それぞれにファンがいて、楽しみに待ってくれていることがやる気につながり、「やめようと思っていたけどもう少し続ける」という小規模農家の方もいるそうですよ。

まりなのまとめ

雪国だからできる低温熟成の野菜が 消費者を掴み、冬場の収入の確保や 農業の持続につながります

市田柿GI取得プロジェクトJAみなみ信州

取材協力
営農企画課 田中廣彦 さん

ブランドを生かして地域を守る

なかなかいい取材をしましたね。他にも何か情報がありますか?

望月では、JAみなみ信州の「市田柿」の話題はどうでしょう?

いいですね、市田柿は私も好きですよ。ようかんのようにもっちりとした食感と上品な甘さで、果物というより高級な和菓子のようですよね。

望月そう、その市田柿ですが、一時期は外国産などの模倣品が増えて地元の人たちは大変困っていたそうです。一方で生産農家ごとの品質のバラつきも多少あったことから、JAみなみ信州では2016年に市田柿のGI(地理的表示)保護登録認証を取得しました。

GI登録された地域ブランド産品は、生産方法や品質など基準を満たしたものだけがその名称を使用でき、名称の不正使用などに対しては農水省が責任を持って取り締まってくれます。買う人とつくる人双方にとってメリットのある制度ですね。

昔ながらの柿のれんは秋の風物詩

望月近ごろ市田柿は、美容や健康にうれしい成分を多く含む「スーパーフード」としても注目を集めていて、若い女性たちを中心に人気が高まっているんです。そのうえ現在は、地元の大学などと協力して「機能性食品」の認証取得をめざした研究を進めているそうで、こちらも大いに期待したいですね。

GIの登録によって、地域に何か変化がありましたか?

望月市田柿をつくってみたいという新規就農希望者が、県外からもやってくるようになったそうです。JAみなみ信州では、農地の取得から営農指導まで2年間しっかりサポートして、新しい担い手育成に努めています。

若い人が加わることで、市田柿ブランドをさらに発展させる斬新なアイデアが出てくるかもしれません。これからがますます楽しみですね。

まりなのまとめ

地域ブランド化により、品質の統一や 模倣品をなくすことにつながります

【望月リポーターからの報告】
豪雪も特産品も地域の財産とし農業の活性化にも役立てているんです

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