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04月20日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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広告特集 企画・制作 朝日新聞広告局
京都府宇治市の立命館宇治中学校では読書教育に力を入れており、3年間で100冊2万ページの読了を目指している。 全生徒に電子ブックリーダー「kobo Touch」を配布し、朝の読書の時間で活用しているという。7月19日には作家 荒俣宏さんによる出張授業が開催され、本の読み方について学ぶ貴重な機会となった。

何より大切なのはたくさん読むこと

 「今日は僕が作家になれた秘密を無料で教えちゃいます」

 スライドを使いながらの荒俣さんの話が始まった。荒俣さんは子供の頃から本が好きで、中学、高校時代は昼食代やバス代として親からもらったお金を、すべて本代にしていたという。たくさんの本を読みたいがゆえに、6年間、昼ご飯を食べず、毎日学校まで30分も歩いたというから筋金入りだ。

 「いい本もあれば悪い本もあるので、何よりたくさん読むことが大切です。そのうえでみなさんには、自分の視点で何かを見つける力、何でも面白がる力を磨いてほしいと思います。どんな本でも面白がれる力をつければ、世界がぐっと広がります。世の中への興味も高まり、自分の考えや意見を持てるようになります。大人と対等に話ができるようになります」

 面白がる力を身につけるうえで荒俣さんがすすめるのが『三国志』。「三国志は判子をめぐるバトルの物語なんです。古代中国では武力で他を制した者か、『伝国の玉璽(ぎょくじ)』という判子を持っている者が、みかどになれたんです」と荒俣さん。

 話はそこから、判子の意味、古代の日本が中国からもらった金印について、始皇帝の時代の逸話をもとに「完璧」という言葉が生まれるまで……。博覧強記の荒俣さんの話はとどまるところを知らない。さらに話は古典や古文に及ぶ。

 「難しいイメージのゲーテの『ファウスト』は、実はワイドショーでとりあげられるような事件を描いたスキャンダラスな作品です」「古文が読めると世界が広がります。江戸時代の漫画は大人が読むもので、奇抜なアイデアがとにかく面白い」と、江戸時代の漫画の魅力を紹介する。荒俣さんによると、江戸は眼鏡の輸入大国であり、当時、眼鏡は魔法のようなものとして一大ブームとなり、目がいい人もかけていたという。

 その後、江戸時代に活躍した浮世草子作家、井原西鶴の『好色一代男』や『日本永代蔵』についても語る。荒俣さんの「本を面白がる力」に圧倒されながらも、生徒たちは好奇心に満ちた目を輝かせていた。

師匠を持つことが将来の大きな力に

 子供の頃から本の虫だった荒俣さんは、学校には話のあう友達がほとんどいなかったという。そこで中学時代から、学校の外の作家や研究者に直接手紙を書いて弟子入りをお願いし、交流を持った。子供の頃から、友達はお年寄りばかりだったという。

 「子供でも真剣に思いを伝えれば意外と返事は返ってくるものです。師匠を持つと世界が大きく広がります。人脈も広がり、将来、大きな力になります。僕が作家になれたのは、師匠から多くのことを学び、チャンスを与えてもらえたからです」と、師匠を持つことの大切さを訴えた。そして「こんなに面白がる力を持っている人はほかにいない」と、師匠の一人である漫画家の水木しげるさんと世界を旅したエピソードも紹介した。

 講演後、生徒からは荒俣さんへの質問が続々と寄せられた。心から楽しそうに本について語る荒俣さんの話は、「もっともっとたくさんの本を読みたい」と、多くの生徒の読書欲に火をつけたようす。これをきっかけに、読書の時間もますます充実したものになることだろう。

生徒からの質問と荒俣さんの答え

 生まれてはじめて書いた本は?
 小学校6年のときに漫画を書いて出版社に送りましたが反応はありませんでした。

 どうしたら荒俣先生みたいな人生を送れますか?
 僕みたいな変わった子供が楽しく生きるひけつは自分を変えないことです。あきらめずに30年間頑張っていれば、いつかは光が当たるでしょう。

 一番、面白かった本は?
 子供の頃読んだ本で最初にはまったのは、山川惣治の『少年ケニヤ』です。アフリカの様々な生き物のことが描かれていて、ティラノサウルスを日本で初めて紹介した本でもあります。

 今、弟子はいますか?
 弟子のような若者はいることはいますが、「こんなことやってみるか」とチャンスを与えようとすると「大変だからいいです」と逃げてしまう人が多いのが残念です。

電子書籍で学ぶ 読書に模範解答なし、作者と自由に対話を

荒俣 宏(あらまた・ひろし)
作家。 1947年東京都生まれ。博物学者、翻訳家。著書に『帝都物語』(日本SF大賞)、『世界大博物図鑑』(第2巻「魚類」サントリー学芸賞)、『日本妖怪巡礼団』『白樺記』『セクシーガールの起原』など。武蔵野美術大学客員教授。サイバー大学客員教授。
楽天だからできる教育CSR
福島の子供たちに本を読む機会を提供

楽天は、福島県の子供たちに、本を読む機会を提供することを目的に、「楽天いどうとしょかん」を昨年末に開始しました。搭載する本は、楽天ユーザーの支援により1,200冊用意しています。対象は、乳幼児から小学生までとなり、勉強に使える図鑑や子供たちに人気のマンガのほか、付き添いで来られる保護者の方々用の本も用意しています。

更に、子供たちや付き添いでいらっしゃる保護者の方々に読書の新しいスタイルを体験いただくため、電子ブックリーダー「kobo Touch」も40台搭載しています。(株)学研ホールディングス、(株)学研教育出版の協力により子供たち向けの有料コンテンツも期間限定で無償でお楽しみいただけるようにしています。

楽天のCSR 社会的責任