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11月15日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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朝日教育シンポジウム 主催朝日新聞社 共催 朝日学生新聞社 特別協賛 ベネッセコーポレーション 子どもの主体性をどう育てるか~将来の為に、個性や環境に合わせた教育方法をともに考える~ グローバル社会のいま、「主体性」を持って課題に取り組むことができる人材が求められています。子どもの主体性やチャレンジ精神をどう育てるか。2月21日、東京・千代田区のベルサール神保町アネックスで朝日新聞教育シンポジウムが開催されました。

主体的に学び続ける力を身につけ、社会で活躍するために

未来社会に求められる能力

ベネッセ教育総合研究所 情報企画室長小泉和義さん

ベネッセ教育総合研究所 情報企画室長小泉和義さん

 31・9%※─この数字は今年10歳になるお子さんが22世紀まで生存する確率です。大人にとっての22世紀はずいぶんと先の未来ですが、子どもにとっては現実的な未来です。ではこれからの日本の未来はどうなっていくでしょうか。人口減と高齢化、グローバル化が進み、多くの職業が人間の能力を超えた人工知能に移行するという予測もあります。従来の知識や技術だけでは新しい世界に対応できなくなるかもしれません。不確実な社会に適応するには、正解をより速く、正しく見つけ出すこと以上に、自ら問いを発して答えをつくりだしていく力が求められるでしょう。

 社会で必要とされる力が変わることにより、子どもたちが学校で学ぶ内容、ひいては入試もかわってきます。国立教育政策研究所は、今後社会で必要とされる力を基礎力、思考力、実践力とまとめています。なかでも思考力は、知識・技術を持っているだけではなく、それを使って何ができるか、自分で考えられる力です。大学入試でもそこが問われる時代になってきました。2020年からはセンター試験に変わって新テストが導入され、記述式の問題が出される予定です。さらに、本格的に入試が変わるのが24年。新しい学習指導要領で学ぶ今の小学校3年生たちが、新しい試験に挑みます。知識があっても考える力がなければ通用しない時代、主体的に学ぶことは入試においても不可欠になるのです。

親の適切なサポートも必要

主体的に学ぶために大切な要素

 来たるべき変化に不安を覚える人もいるかもしれませんが、悲観的になる必要はなく、「新しい力を持つ子どもたちが世の中をつくっていく」という前向きな視点で考えてほしいと思います。では、主体的に学ぶために必要な要素は何かというと、学ぶ目的を見つけ、やる気を高める「学習意欲」、自分を客観的に見つめなおし、行動を決める「自己理解」、学習の質を高める「学習方法」の三つのキーワードが挙げられます。

 親は、勉強に取り組む子どものプロセスをきちんとほめ、一緒に考える。そして子ども自身に決めさせることも大切です。たとえば、何か出来事があったときに「どうしてこうなってしまったのだろうね」「どうすればいいだろう?」と原因と解決策を問う。先回りして親が何かを決めたり、指図したりしない。コミュニケーションをとり、子どもが責任を持って行動できる場面をつくっていくことです。

 子どもが主体的な学び手になるためには、その子自身の努力がもちろん大事です。しかし初めから自己を見つめ、自分に合った方法で学ぶことができる子供はいません。いつかそれができるようになるために、子供のうちは、大人がサポートしていくことが重要になります。「手を離すために手をかける」ことを実践していきましょう。

※ 国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計(出生中位、死亡中位) 平成24(2012)年1月推計(06年生まれの子2101年までの存命率)

将来を生き抜くために〜主体的な学び方について考える〜

やる気を引き出すのは環境から

 主体性というのは、自分から何かをやる気になることを指します。社会のさまざまな分野で成功している人は、何かのきっかけがあって夢中になる対象を見つけているものです。その対象と出会える環境がなければ、なかなか主体性も生まれない。中高生に目標を持たせるためには、いろいろな可能性を考えさせる環境づくりが大事です。

 中高生がのめり込み夢中になるポイントがどこにあるのか、何に才能を発揮できそうか。それを見つけるには、一流のものに触れさせるといいと思います。ワクワクしてあこがれる気持ちがやる気に結びつくのです。今は、世界の情報が簡単に手に入る世の中ですから、家庭でも意識して一流のものを知る機会を設けるといいのではないでしょうか。

 私の場合、子どものころにピアノを習わせられましたが、どうも自分の中にセンスを感じなかった。ちょっとやってみたときに「あっ、センスがある」と感じるというのもやる気のもとです。ですから、中高生が何かに取り組んでいるとき、親や教師は「センスがあるね」などと声をかけてあげると、その子はうれしくなり、がんばります。その子のエネルギーが今どれだけ出ているか、枯れていないか、親や教師が見抜く必要があるでしょう。そして「今、何を意識してやっている?」と声をかけることが有効です。テニスの素振りでも、英語の勉強でも漠然とやるのではなく、課題意識を持つことが主体性につながるのです。

追い風になるように声をかける

 中高生が初めから主体性をもつのは難しいでしょうから、まずやらせてみる。時には強制して機会を与えることも必要です。また、反復練習がやがて質的変化を起こす、という上達の原理があります。量をこなして、ある一点をこえると、本当の面白さに気づき、身についていくものです。

 勉強のスタイルは人それぞれ違います。「結果が出やすく、ストレスが少ない」ことをポイントに、自分でやり方を見つけると、他人から言われなくてもエネルギーを出せるようになり、伸びていきます。やる気には追い風がほしいのです。適切なところで「今のはいいね」「もうすこし」と基準を示してあげると、自己修正能力もついてきます。主体性の種をつくり、芽を育てていくときに、横にいてどんなコメントをするか、それが重要だと思います。

さいとう・たかし/東京大学法学部卒。明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。
『声に出して読みたい日本語』『身体感覚を取り戻す』『読書力』など著書多数。TBS系「情報7daysニュースキャスター」に出演中。

トークセッション主体的な学びを育む環境・方法とは

目標を定めるための環境が大事

石戸 奈々子さん

CANVAS理事長 石戸 奈々子さん
いしど・ななこ/東京大学工学部卒業後、マサチューセッツ工科大学メディアラボ客員研究員を経て、子ども向け創造・表現活動を推進するNPO「CANVAS」を設立。

野村 忠宏さん

柔道家 野村 忠宏さん
のむら・ただひろ/祖父は柔道場館長、父も叔父も柔道家。国際的な大会で前人未到の三連覇を達成。けがと戦いながら40歳まで現役を続行。著書に『戦う理由』。

村上 久乃さん

㈱ベネッセコーポレーション 教育サービス開発本部長 村上 久乃さん

森 まどかさん

司会 森 まどかさん

 第1部で小泉さんは、これからの学びに必要な三つのキーワード「学習意欲」「学習方法」「自己理解」を挙げられました。学習意欲には学ぶ目的を見つけることが重要だということですが、石戸さんはご自身が東京大学、マサチューセッツ工科大学と難関校に進まれ、NPO法人を設立、野村さんは柔道で大きな成果を挙げられました。それぞれのご経験から、学びの目的についてどう考えますか。

石戸 私は小さいころに家族と科学館によく行っていたことから、どうしても宇宙に関する仕事をしたいと思っていました。航空宇宙工学科がある大学以外は絶対に行かないと決めて進学したのです。そしてたまたま授業の中で、MITのメディアラボというところに行き、十何年どうしても宇宙に行きたかったのにもかかわらず、その瞬間に「私が行きたかったのは宇宙じゃなくてメディアラボだった」と気付いたんです。振り返ってみれば宇宙に行きたいのは未知なものを探究したかったからで、その「今ある世界を探究したい」という気持ちが「今までどこにもない世界をつくっていきたい」に変わったということだと思います。

 小さい頃から知らないことに対する憧れが育つ環境が整っていたのですね。

石戸 特別に「これをやりなさい」という家ではなかったのですが、興味があるものに対してはつき合ってくれる親でした。やりたいことをずっとやっていられる環境にはあったと思います。

野村 私が柔道を始めたきっかけも環境です。祖父が道場を創設し、父も叔父も柔道家という家に生まれ、気がつくと道場にいました。でも、特に強制されたことはなく、柔道のほかにも水泳、サッカー、野球もやりながら、書道や塾にも通い、忙しい小学生時代を送っていました。柔道は強くはなかったのですが楽しかったです。祖父に初めて習った大技の背負い投げで、自分より大きな相手に勝てたことがあり、その成功体験から、大好きなこの技を磨いていけば、すごい選手になれるんじゃないか、未来の自分に期待しようと思ったんです。

齋藤 やはり、「あっ、自分はこれでいけるかも」というセンスの目覚めというのは、目標を定めるためには大きなきっかけになると思います。野村さんの場合はそれが技との出会いだったのですね。

野村 自分はそのとき本当に弱かったんですね。周りからは「野村家の息子」、「柔道一家の息子」と見られて、中学生のときは結構苦しい思いをしたのですが、それでも今あきらめたらもったいないと思って。親は試合に負けても怒ることもなく、「強くなれ、強くなれ」ということもなかった。それは恵まれていたと思います。自分で、それこそ主体性を持ってやってきました。

石戸 「主体性」や「創造性」は、本来子どもたちみんなが持っているものだと思っています。子どもに必要なことは「学ぶって楽しいんだ」「学ぶとどんどん世界が広がっていくんだ」と知ること、そして自分に合った学び方を知り、生涯にわたって学び続ける力を持つことではないでしょうか。そのために大人が様々な機会を提供することが大事だと思います。

村上 目標に向けて自分で計画を立て、それをやり切ることは大人でもなかなかできないことです。特に子どもたちには、意欲を持たせるサポートが必要です。主体的に学ぶ子を育てるため、ベネッセの進研ゼミも、今までの一人で取り組むための教材提供から、自ら学び続ける力を身につける教育サービス「進研ゼミプラス」へと進化しています。

 進研ゼミが一番進化した点とは何ですか。

村上 今回は特に、個別学習カリキュラムの実現と人による指導のサポートの充実が大きな進化となります。タブレットを使って目標や日々の学習計画の設定を行うことにより、一人ひとりに合った学習内容を提供し、その子が目標に対して今どういう状態なのか、家族と一緒に見守り、支えていきます。一人ひとりの適切なタイミングで声をかけ、本人が今の状況を把握できるように、個別の学習カリキュラムと個別の振り返りができるシステムの強化をしていきます。

石戸 子どもが自分に合った学び方を知ることはとても大事ですね。

 ではキーワードにもあった、学習方法についてはいかがでしょうか。

野村 私は部活のなかで柔道をやっていたので、最初は与えられたメニューをこなすだけで精いっぱいでした。そこから、少しずつ意識を高めて、質を伴った稽古にしていきました。大学の時には、普段の稽古から試合を意識して全力を出し切ることが重要だと先生から教わり、その積み重ねで、強くなれました。

齋藤 勉強もスポーツも戦いだと考えて、そこに自分が挑むための戦略的思考を身につけるといいと思います。それには野村さんの背負い投げのように、自分の得意技を中心にしたスタイルが必要です。たとえば、ノートに学習内容を上手にまとめるのが得意であれば、その上手なまとめ方を主軸として、勉強方法を組み立てる。さらに二つくらいの技を組み合わせるとそれがスタイルになるでしょう。どんな場面でも「自分の得意技は何なのか」と問いかけてほしい。机に長時間座っているのが得意な子もいれば、そうでない子もいる。それぞれスタイルは違いますから。

野村 戦うスタイルとしては、私の場合得意な背負い投げが100だとしたら、ほかの技が80です。相手がこの100の背負い投げを意識するので、ほかの80が効いてくるのです。また、逆にほかの技もできるんだ、とそっちに相手の意識が行ったら、100の背負い投げが時には120になってくるのです。ある時記者に「野村さんは背負い投げが研究されて2連覇は難しいのでは」と言われ、それなら5試合全部違う技で勝ちます、といってその通りになりました。(笑)

 さすがですね。石戸さんはいかがですか。

石戸 私は普段から子どもたちに「協働」を大事にした学びを提供するようにしています。学校では個人の能力が測られてきました。しかし、社会に出るとそれよりもどうやってチームを組み、その中でよりよい成果を上げられるかが問われます。今後ますますグローバル化して、世界中の多様な価値観を持つ人と協働して、どれだけの価値を生み出すことができるかということが大事になってきます。「自分は何ができるからこれをしよう」ではなくて、自分は何がしたい、何をすべきかということを考えて、足りないものは集めてくればいい。協働前提の発想にすると実は自分の可能性に対して無限大の期待を持てるのです。

弱みを知り、強みを生かすために

 では、ご自分の強みと弱み、夢に近づくための目標と現実とのギャップなどをどのように理解してきましたか。

野村 3歳から始めて40歳まで現役を続けましたが、試合が始まるまでは恐怖との戦いです。弱いからこそ考えるんです。畳の上の稽古以外に、スポーツ心理学を学んだり、いい練習を積み重ねるためにスポーツ医学を学んだり。それも続けてきたのは自分のためです。自分がこうありたいから、というのが一番でした。その自主性を支えてくれたのは家族でしたね。父や先生の一つの言葉で自分の方向性の間違いに気づいたこともありました。

石戸 私はあまり戦略的に考えたことがなく、とにかく夢に向かって突進したタイプです。ただ、それがずっと好きで楽しかったのです。もともと、遊びと学びは同じものだと思います。はまったものに出合ったときは、たとえ向いていなくても一歩進んでみることも大事だと思います。海外の子どもたちと接していると、アメリカの子は、自分がどの程度できるかにかかわらず「自分はできるんだ」「自分には可能性があるんだ」という自信が高い気がします。でも実際は日本の子のクリエイティビティーは高い。できることに対してもっと自信を持つことも大事だと思います。

齋藤 子どもたちに、自分のエネルギーが出せる場所はどこなのかということをわかってほしい。どこに身を置くかということが大切です。環境が人を育てます。その学校に行ったからこういう先生に出会えた。大学の柔道部にいたからこうなった、ということがあると思うんです。会社を選ぶときも、そこで自分が良い人間関係を築けるかが大事です。社会性を発揮し、それぞれの役割をしっかり果たしながら全体で連携をとってやっていく。「チームワーク」ができるような人格というものを意識することが大きな仕事につながると思います。

村上 大人も子どもも、自分の強みと弱みを認識し、それをどう生かすかさえ考えれば、新しい価値を生み出せると思います。教育においては、「決定的な弱み」をつぶしておく必要があります。私たちはこれまでの進研ゼミを進化させ、子どもたち一人ひとりが目標に向かって計画を立て、実現していくということをサポートしていきます。日々の学習を通じて、社会に出てからも重要な「主体的に学び続ける力」を身につけるお手伝いをしていきたいと思います。

進研ゼミ+(プラス)365日の学習を見守りサポートする、学びの革命

 これからの変化の世の中を生き抜く、主体的な力を養っていくために必要なのは、自分の力で学ぶこと。でも自分一人で学習することは難しい。一人ひとりの学びを365日見守り、適切なタイミングで適切なサポートがあればこそ、人は学習を続けられる。こうして生まれたのが進研ゼミプラスです。

 進研ゼミプラスは、これまでの教科書タイプ別・レベル別の教材の良さに加え、iPadを使った個別学習システムと赤ペンコーチによるサポートを強化。iPadを使った学習では定期試験対策、受験などの学習目標を設定すると、現在の成績や生活スタイルに合わせた個別カリキュラムを決められるほか、一人ひとりの理解度を分析して間違え方に合わせた出題をすることで力を伸ばします。

 それを365日見守るのが赤ペンコーチ。一人ひとりの学習履歴や生活や性格、目標をみて、適切なタイミングでアドバイスや励ましをし、手を差し伸べます。

 自分に合った学習方法ができ、くじけそうな時、つまずいた時の人のサポートがあるから学習を続けていくことができる。進研ゼミは自分の力で目標達成をしようとするあなたを、全力で支えます。

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