朝日新聞デジタル
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大阪芸術大学

魅力ある学びを高校生特派員が体験取材!

安田 朱里 さん
同志社女子高校3年

兼崎 愛里 さん
京都府立鳥羽高校2年

相馬 萌乃 さん
大阪府立東住吉高校1年

大阪芸術大学 魅力ある学びを高校生特派員が体験取材!

大阪芸術大学芸術学部には全部で15の学科があります。そのうち「写真学科」「アートサイエンス学科」「芸術計画学科」の3学科の授業を朝日中高生新聞の高校生特派員が体験取材をしました。特徴的なことは、いずれの学科も「職業」として、「アート」を捉えていること。実社会で活躍する先生たちから学ぶ授業はいずれも実践的で刺激的です。好きなことを「職業」にする魅力に迫ります。

写真学科

写真の世界が広がる「ドローン実習」を体験

 写真学科では2018年4月よりドローンの授業がスタートします。それに先立ち行われた一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会による教職員向けの研修に、高校生特派員3名が参加しました。まずは教室でドローンのしくみや扱い方の説明を受けます。
 ドローンは手軽に空撮ができるとあって人気になっていますが、現時点では操縦するために必要な資格や免許というものはありません。しかし禁止区域での飛行や落下事故など、多くの問題点も見られます。そこで正しい知識と技術を得た証として同協会が認定試験を行い、合格者に修了証を授与しています。
 「本来なら研修費用が必要となりますが、写真学科では授業として行うため研修代は不要です。通常の授業料に含まれています」とは、ドローン授業導入の発案者である赤木正和先生。
 1時間の講義のあとは4班に分かれて、ドローンのプロペラを着脱したりシミュレーターを使用した模擬フライトに挑戦しました。想像していたよりも簡単ですが、ゲーム感覚で操作すると振り幅が大きくなり安定しません。動きが滑らかすぎて最初は微調整に戸惑いますが、3人とも数分で合格点をいただけました。

プロフェッショナルな先生たちがいっぱい

 お昼の休憩時間を利用して赤木先生の研究室で写真学科の織作峰子学科長にインタビューしました。写真と動画の境界がなくなっていること、4K映像に対応した大阪芸術大学の実験ドームのことなど、「写真のいま」を聞くことができました。
 部屋の壁面には大きく引き伸ばされたイルカの写真、そして片隅にはダイビングスーツがかけられています。実は赤木先生は、水中カメラマンとしてダイビング雑誌や、TV番組、映画なども手がけてきたプロのカメラマンです。「昨年の夏には、ゼミ生を連れて野生のイルカ130頭が生息する伊豆諸島の御蔵島に行ってきました」。壁面の写真はその時に動画撮影したものだとか。「今は超高精細映像が可能なので動画から切り出した写真でも鮮明に引き延ばすことができます」と聞き、写真表現の未来を知ることができました。

楽しみながら、キャリアアップもできる

 午後からはいよいよグラウンドでのドローン実習です。安全面を考慮して、ヘルメットとゴーグルを着用し、フライトに挑戦です。検定試験を受ける先生たちはドローンを操作し、地面に置いたパイロンの上を正確に移動することを求められますが、私たちはサワリだけ。インストラクターさんに付き添ってもらい、上下左右、気楽に操作させてもらいました。

相馬さん「シミュレーションと同じ感じだったので、抵抗なく操縦できました」

兼崎さん「室内と外では空気が全く違います。普段はあまり気にならないわずかな風も感じるとることができました」

安田さん「室内と外では空気が全く違います。普段はあまり気にならないわずかな風も感じるとることができました」

 実際にドローンを操縦してみた感想は三人三様ですが、異口同音に「おもしろかった!」と。最後はみんなで上空のドローンから記念撮影。天候にも恵まれ、絶好のドローン日和となりました。

アートサイエンス学科

世界一のクリスマスツリーを空間演出する「ネイキッド未来授業」

 12月3日、神戸メリケンパークでアートサイエンス学科の特別講義「ネイキッド未来授業」が開催されました。高校生特派員2名を含め、全国から集まった高校生たち約20名が参加。
「アートサイエンス学科は2017年4月に誕生したばかりの新しい学科です。“芸術とテクノロジーの交差点”をコンセプトにしています。既存の枠にとらわれない新しい発想で、いろいろなものを創っていくことが特徴です」とは、学科長の武村泰宏先生。
 他学科とのコラボレーションも多く、芸術系15学科を擁する大阪芸術大学ならではの学科です。

先生は国内外で活躍するトップクリエイターたち

 自由な発想力・表現法を学ぶアートサイエンス学科の先生は、メディアや広告、エンターテイメント業界などで活躍するクリエイターたちです。今回特別講義を行うネイキッドの村松亮太郎先生は、プロジェクションマッピングの第一人者で、東京駅や大阪市中央公会堂、あべのハルカス展望台など、日本各地でプロジェクションマッピングを使った空間演出を手がけ、多くの人たちに感動を与えてきました。
 村松先生の特別講義では参加者と言葉のキャッチボールをしながら約1時間、先生のキャリアや作品に対する熱い想いを語っていただきました。先生がネイキッドという会社を立ち上げたのは、今から20年前のことだそうです。

「コンピュータと出会い、いろいろな可能性を感じた」と言います。映画が好きで役者になったそうですが、トレンディードラマ全盛期時代の作品に違和感を感じ、創る側に。動画制作からタイトルのデザイン、音楽、インターネット配信など、Macを駆使して独学であらゆることに挑戦したそうです。
「当時、ネイキッドのような会社はどこにもありませんでした。だからネットで知り合った3人と新しい会社をつくりました。僕たちの仕事は、“創造を売る仕事”です。お金を払ってでも見たいという人に対して、“感動を与えたい”という想いで作品を創っています」

人々に感動を与えるアートサイエンス

 講義の後は全員で「世界一のクリスマスツリー」を見学しました。昨日点灯式を終えたばかり。しかも日曜日ということもあり、多くの観光客で賑わっていました。赤や黄、青など、さまざまな色に変化するクリスマスツリーを見て「きれい!」という感動の声が暗闇の中を飛び交います。「感動を与える仕事」という意味がよく理解できます。
「今回は、動的なライティングともう一つ、新しい試みに挑戦しています」
 木の幹に触れると、かすかな鼓動が手のひらに伝わってきます。先ほどの講義で先生が言われていた「触覚」という新しい試みです。
 「昨年の大阪市中央公会堂でのプロジェクションマッピングは作品にただ感動し、ハルカス展望台のマッピング・イリュージョンは創る側の想いを感じ、今回はアートサイエンスそのものが理解できました」と言う村松作品の大ファン・若狭裕也さん(大阪府立咲洲高校3年生)は、4月からアートサイ エンス学科に進学するそうです。


安田さん「写真学科のドローン実習と、今回のアートサイエンス学科の特別講義に参加しましたが、同じアートというくくりなのに、こんなにも違うものなのかと思いました。15学科のすべてを体験したいくらいアートの奥深さを感じました」

兼崎さん「村松先生の講義は“生き方”を教えてもらえたようでした。受験というレールに乗って進路選択をしていましたが、“好きなこと”“やりたいこと”を学べばいいんだと思うようになりました。今までになかったタイプの先生だったので、いい経験になりました」

 村松先生のバイタリティとアートサイエンスの広がりを実感できた一日でした。

芸術計画学科

OSAKA 光のルネサンスに舞うアートイベント「生命のひかり」

 12月14日から25日まで、大阪の中之島公園一帯で今年も「光のルネサンス」が開催されました。今回で15回目となる冬の風物詩ですが、大阪市中央公会堂が光りで彩られたり、台湾のランタン1000個を飾った通路が出現するなど、毎年新しいイベントが加わり、今年も多くの人たちに感動を与えました。
 私たちが芸術計画学科の皆さんを訪ねたのは開催前日の午後6時近く。明日からのお披露目に備えて、ようやく準備を終えた頃です。冬まっただ中の作業ですが、先輩たちはものすごく生き生きとしていました。

徹底的に面白いことをやろう!

「アートイベントは自分たちが楽しくなかったら、見る人に楽しみを与えることはできません。学生たちには、“徹底的に面白いことをやろう!”と言っています」とは、芸術計画学科の村上敬造先生です。
 村上先生は、『愛・地球博』や『2010上海EXPO』など、数多くの博覧会や国際会議の企画・制作・運営を手がけてきた名プロデューサーです。

兼崎さん「くら寿司の『ビッくらポン』も先生の企画と聞いてビックリ。アイデアって楽しいな、と思いました」
 「家族連れでも楽しめる回転寿司屋にしたい」という要望を受けて、当時、幼稚園児だったお子さんに「何が欲しい」と尋ねたら「ガチャガチャ!」という答えが返ってきたのだそうです。「モノを作るときは、いつも妻や子どもなど誰か特定の人をイメージしています。上海万博では僕の手がけたパビリオンに500万人が訪れましたが、一人の人を楽しませようと思えば、思いのほか皆の心に届くものです」
 モノづくりの大切な部分を教えてもらったようです。

相馬さん「私の高校でも来年から映像や放送の授業が始まりますが、村上先生の教えを胸に取り組んでいこうと思います」

今年度からイベントの授業が大幅に増加

 中之島公園の最東端、芝生広場に設置された「生命のひかり」は、地面から夜空に向かって力強く伸びる高さ5メートルのバルーンオブジェです。

兼崎さん「音楽に合わせて変化する光の中でバルーンがダンスしているよう。すごくきれいで情熱を感じました」
 企画を担当したクララ・スンジャヤさん(3年生)は、来日4年目を迎えたインドネシアからの留学生です。「芸術計画学科は、簡単に言うと“ヒトとコトをつなぐ”学科です。私のように学芸員になりたい人やイベントプロデューサーになりたい人が学んでいます」。昨年度までは座学中心でしたが、今年から新しいカリキュラムになりイベントの授業が大幅に増えたそうです。

相馬さん「今までで一番楽しかった授業は何ですか」
 「インテックス大阪で行われた『’17食博覧会・大阪』です。1日平均5万人以上が訪れる巨大イベントにスタッフとして関われたことは、他では味わえない貴重な体験ができました」
 音響を担当した上田(じょうた)菜月さん(2年生)がいま最も力を入れていることは、「バンド活動」です。高校時代から音楽を続け、現在も軽音サークルに所属してボーカルとギターを担当しています。「舞台も自分たちで作るので、最初は照明を学ぶつもりでした」。芸術計画学科の良さは、イベントプロデュースに関わるすべてが学べることだそう。今は音づくりに興味を持っています。「ギターの音を大きくしたり、低音を強めにしたりと、自分の好みの音を作れるのが楽しい。楽しかった授業は、自分たちのバンドのレコーディングをしたことです」。
 「学生が面白い、先生が面白い、少人数だから先生との距離が近い」と、楽しさいっぱいに芸術計画学科の良さを語ってくれたのが印象的でした。

大阪芸術大学

〒585-8555
大阪府南河内郡河南町東山469
TEL: 0721-93-3781(代表)
http://www.osaka-geidai.ac.jp/geidai/index.html

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