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税制編 住宅ローン編
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ふじさき・ひとし/大手税理士法人にて法人クライアントに対する税務コンサルティングに従事。2004年1月に独立開業。おもに中堅・中小企業に関する税務・会計・資金繰りを中心としたコンサルティングを行っている。
土地にはかからず建物部分のみに課税

 消費税率が2014年4月から8%に、15年10月から10%に上がる予定であることは、多くの方がご存じでしょう。ただ住宅を購入する場合、土地部分には消費税がかからず、建物部分のみが課税対象であることを知らない方が意外といます。
 例えば5000万円の分譲戸建ての場合、土地代が3000万円、建物代が2000万円なら、消費税は現行で2000万円×5%の100万円、8%で160万円、10%で200万円となります。諸費用のうち消費税がかかるのは仲介手数料、融資事務手数料、登記の司法書士報酬などです。一方、火災保険料や団体信用生命保険料等は課税されません。また、個人間での中古住宅の売買についても消費税がかからないことを覚えておきましょう。

住宅の引き渡し時に課税 注文住宅等は特例あり

 原則として、消費税が課税されるのは住宅が引き渡される時です。引き渡しが14年3月末までなら現行の5%、4月以降なら8%の新税率が適用されます。売買契約を結んだのが増税前でも、引き渡しが増税後なら、新税率が適用されます。
 ただし注文住宅を建てるために工務店などと工事請負契約を結ぶ場合などは事情が異なります。前回の消費税増税時には、新税率が適用される半年前の指定日の前日までに最終契約を結んでいれば、引き渡しが増税の施行日以降でも、旧税率が適用される特例措置がとられました。今回もおそらく同様の措置がとられるでしょう。現在、新築やリフォームの予定がある人は、指定日の前日までに契約を済ませることができれば、現行の5%の税率が適用されます。準備は計画的に進めたいものです。
 ただ消費税増税は、政権交代や景気動向によっては、時期が変更になる可能性もあります。また住宅ローン減税の延長など、消費税増税の負担を緩和する対策も検討されています。影響が大きいとはいえ、消費税は住宅購入における一つの条件に過ぎません。やみくもにあせることなく、正しい知識をもって冷静に対処していただきたいですね。
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◎消費税負担軽減対策に注目を

まいは国民生活の基盤であり、裾野が広い住宅の需要減少は、国の経済全体に与える影響が大きい。そのため消費税率の高い先進国の多くでも、住宅に関しては消費税を非課税にするなどの負担軽減策をとっている。
 日本においても現在、ローン残高の1%を控除できる住宅ローン減税や、住宅取得等資金の贈与に係る非課税措置などの住宅取得に対する支援制度が用意されている。しかし上図のように、これらの制度は年々、控除額などが減額されていき、住宅ローン減税は2013年で終了する予定。この状態のまま消費税が増税されれば、住宅を購入する人にとって大きな負担増となりかねない。
 ただし8月に成立した消費増税法では、住宅取得に対する特例措置を検討することが明記されており、何らかの負担軽減策がとられる可能性が高い。
 国土交通省は10月23日に、住宅ローン減税を5年間延長し、最大控除額を500万円に引き上げる、さらに登録免許税や印紙税、不動産取得税などを非課税にするなどの案を提示した。控除の対象となる所得税額が低い層の負担を軽減するため、現状では控除額に上限がある住民税からの控除額拡大や、給付措置なども要望している。
 住宅購入の際には、これら諸制度の動向もぜひ考慮したい。
監修協力/社団法人 住宅生産団体連合会
三菱東京UFJ銀行の住宅ローン