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日本医科大学 学長 弦間 昭彦×アエラ編集長 井原 圭子 対談

「克己殉公」の学是を継承しながら、
国際競争力を備えた医療人を育成

日本医科大学は、1876年に設立された「済生学舎」をルーツとする国内最古の私立医科大学だ。
昨年10月に就任した弦間昭彦学長に、その伝統と今後のビジョンについて井原圭子アエラ編集長が聞いた。

知識と人間性を備えたバランスのよい卒業生が活躍

井原圭子編集長(以下、井原) 日本医科大学は日本を代表する医大であり、野口英世をはじめ著名な医学者を輩出してきました。ご自身も卒業生ですが、学長に就任されて改めて大学の特長は何だと思われますか?

 日本医科大学 学長 弦間 昭彦
日本医科大学 学長 弦間 昭彦

げんま・あきひこ 1983年、日本医科大学卒業。89年、同大学院修了。国立がんセンター研究所病理部、慈山会医学研究所付属坪井病院内科医長、米国National Cancer Institute留学などを経て、2008年、日本医科大学主任教授、13年、同大学医学部長。15年10月から現職。

弦間昭彦学長(以下、弦間) 学是である「克己殉公」にすべてが集約されています。「我が身を捨てて広く人々のために尽くす」という意味で、野口先生だけでなく、第2次世界大戦後にドイツでチフスの治療に奔走した肥沼信次先生など、この学是を実践してきた先輩が少なくないことが私たちの誇りであり、伝統です。近年は医学部進学が相当な難関になってきていますが、本学出身者には知識や医療技術だけでなく、倫理観や人間性も備えたバランスの取れた医師が多いと評価されているのもその証しといえるかもしれません。

井原 ところで、創立130周年を迎えた2006年に「アクションプラン21」を策定し、ちょうど10年が経ちました。その内容をご説明ください。

弦間 千駄木(東京都文京区)にある大学と付属病院の再開発プロジェクトの名称であり、これまでに医学部校舎と新病院をリニューアル。日本医科大学付属病院が強みとしてきた救急医療と集中治療室を、我が国で例を見ないほど強化、充実させています。18年の入院病棟の完成が最終的なゴールとなります。また、専門性の高い各科の医師が集結する、大学病院ならではの総合診療も特長。底の深さと広がりが両立し、後期研修医も必ず参加しています。新人が経験を積める場であるとともに、彼らのバイタリティーが総合診療部門を活性化させるという相乗効果も期待できます。

井原 学長の専門である、がん治療はいかがでしょうか。

弦間 あまり知られていないのですが、実は日本医科大学付属病院は東京都(2013年)において、がんの手術数で国立がん研究センター中央病院、がん研究会有明病院、虎の門病院に次いで4番目。化学療法でも3番目の実績があるのです。

私は呼吸器専門医であり、主に肺がんの治療にあたっていますが、この分野でも、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など、ここ数年で画期的な治療法が次々と開発されています。また、「リバイオプシーバンク」をつくり、未来型の分子診断治療を始めています。

井原 免疫療法は手術、放射線、化学療法(抗がん剤)という3大治療の次に位置付けられる第4のがん治療法と言われています。がんになっても治療をしながら働ける時代になりましたから、先生の研究も多くの患者を救うことになるでしょう。

弦間 そもそも私が呼吸器科を選んだ理由は、学生時代に『ガン回廊の朝』(柳田邦男著)を読んだからなのです。本学の先輩である坪井栄孝先生をはじめとする医師や研究者が、どのようにがんと闘ったのかを描いたノンフィクションであり、大いに刺激されました。

井原 先生は大学院修了後に、国立がんセンター研究所や米国留学などを経て、日本医科大学に教授として着任されていますが、がん治療一筋というのはとても素晴らしいことだと思います。それを今は後輩たちに教えているわけですね。

他大学と連携して新たな課題に取り組む

 アエラ編集長 井原 圭子
アエラ編集長 井原 圭子

いはら・けいこ 1988年、朝日新聞社入社。96年、東京本社社会部員、2008年、朝日新聞出版新書編集部次長、10年、アエラ副編集長に就任。デジタル・ライツ部長、メディカル朝日編集長などを経て、16年4月から現職。

井原 学長に就任されて、「ミッションビジョン」を策定したそうですが、その内容を教えていただけますか?

弦間 先ほどの「アクションプラン21」は病院が主体ですが、「ミッションビジョン」は学校法人として私たちが責任をもって果たさなければならない任務を宣誓したものです。学校法人日本医科大学としてのミッションは、「知を創造し、価値を社会に還元する。科学と発明の循環によって人類を豊かにする」ことであり、これを実現するために様々な取り組みを行います。

井原 例えばどんな取り組みがあるのでしょう。

弦間 一つは「大学複数化」です。私どもの学校法人には、日本医科大学と日本獣医生命科学大学があるので、この2大学をさらに有機的・戦略的に拡大していきたいと考えています。それだけでなく、他大学とも協同研究などを実施する予定です。すでに東京理科大学や早稲田大学、京都大学、そのほか薬学系大学とはコラボレーションをしています。たとえば東京理科大学とは30を超えるテーマで共同シンポジウムを開催しており、今後、統計学など本学にはない科目を東京理科大で学んだり、理工系の技術や理論を医療に応用したり、ということを考えています。

井原 ビッグデータの解析や創薬研究なども活発に行われそうですね。

弦間 医学部だけでは限界があるため、他分野との融合をはかって健康増進、予防医学、疾病医療について考えていく仕組みをつくっていきたいですね。

20年後に世界最高峰の学術機関になる

弦間 学内でも環境整備を進めており、予習・復習をネット上で行うeラーニング学修支援のシステムを開発中です。また、小グループ学修の授業でも電子黒板を駆使して、グループごとの学習成果を共有できるようにします。学内外での改革・改善を遂行して、20年後には世界最高峰の学術機関になることが目標です。

井原 実習の現場である付属病院の院長と学長は、同世代と伺っています。お二人で意見交換することもあるのでしょうか。

弦間 日本医科大学付属病院長の坂本篤裕先生とは同級生なんです。どちらも病院や大学を積極的に変えようと努力しています。特に文京区は日本の医療教育の中心地であり、診療機関の競争も激しい。ですからレベルの高い医療を提供できる。こうした環境も生かしながら、優れた医療人を育成していきたいですね。

井原 若い学長と病院長がタッグを組んで、さらなる進化を遂げようとしているのですね。医学の道を目指す人だけでなく、広くアエラ読者にも注目してほしい大学だと思います。本日はありがとうございました。

学校法人日本医科大学