大阪電気通信大学

1941年の学園創立以来、工学系大学として実践的教育に取り組んできた大阪電気通信大学。今年度、満を持して建築学科を開設した。その学びの根幹を探る。

(左)アトリエでは自らの手で製図し、思考しながらアイデアを形にする建築の基礎を養う/(右)研究室前のフリースペースにはITテーブルを設置。図面などのデータをITテーブル上に映し出し、教員と学生が自由にコミュニケーションを図る

新・建築学を創る、
人間力と技術力の融合

建築家に必要なICT運用力と
コミュニケーション力を養成

入学後すぐの研修で訪れた博物館明治村(愛知県犬山市)は、明治時代の建造物などを移築して公開している

 技術の進化や社会の多様化に伴い、ますます複雑化する建築へのニーズ。次世代の建築家には、ICT(情報通信技術)を使いこなすとともに、建てる側と向き合う人間力がこれまで以上に求められる。この春、大阪電気通信大学に新設された工学部建築学科は、こうした未来志向の建築家の養成を目指す。「本学はいち早く情報分野の教育を提供してきたので、建築学のICT化にもしっかり対応できます。ただ、それを使いこなす技術以前に、コミュニケーション力が重要です」と同学科主任の佐々木厚司教授は話す。その養成の場のひとつがアトリエだ。実技を学ぶ多目的製図室で、設計実習時間はもちろん1年生から自由に使える。「上級生下級生の区別なく学生同士、また教員と交流できる場です。学園祭など課外活動で、皆で何かを創り上げる場にもなるはず。学生の作品を展示するスペースもあり、モノづくり大学としてのアピールを建築学科から打ち出したいですね」と期待する。
 入学後の早い時期からフィールドワークを実施するのも特徴だ。例えば今年5月、新入生の親睦会をかねて、明治時代の名建築を保存展示する博物館明治村で研修を行った。グループで一つの建築を観察、記録。研修後のグループワークで「自分は、この建築のどの部分に魅力を感じたのか」と意見を交わし、表現力やコミュニケーション力をみがく。製図の勉強や道具の利用法を学ぶ前段階として、白紙の状態から建築への手がかりを見つける視座を養う。また、NPO法人と連携した研修として、京町家でまちづくりプロジェクトも実施する予定だ。「依頼者のニーズに耳を傾け、新たな提案をする。実社会の中でもまれながら、プロデュース力も育まれるでしょう」と佐々木教授は話す。
 建築の魅力は“完成がないこと”と佐々木教授。「建物は造ったところから始まり、絶えず更新する必要があります。しかも建物にはオリジナリティーがあるので、建築家にはクリエーターの要素も必要。学生はここで多彩な力を備え、社会で評価される建築家になってほしいですね」と、一期生の未来を思い描く。

印象に残った博物館明治村内の建築物を​記録。研修後、仲間同士で共有し、建築に対する「見る目」を養う

相手と向き合う建築にこそ
求められるコンピュータ技術

 ICTの充実した教育環境のもと、1年生の手書き製図、2年生のCAD、3年生は前期でコンピュテーショナルデザイン、後期にBIM(※下記参照)と、段階を追って技術面を習得する。「建築は単体受注生産なので、二度と同じモノはできない。設計の手法もそのつど一から考えなければなりません。ですから、適材適所のソフト選びや簡単なプログラミングなど、臨機応変なテクニックやロジックが求められます」と話すのは飯島憲一教授。最先端のBIMについては、「現在、建築業界に浸透しつつある状態。電子決済があっという間に広まったような現象が今後起きるはず。基本をしっかり習得して、卒業後の強みにしてほしいですね」
 こうしたデジタルツールは、商談の場でも重要だ。「製図は本来プロからプロへの指示書。買い手側がそれを見ても、売り手側の思いが伝わらないかもしれません。しかしコンピュータグラフィックスや3D、バーチャルリアリティーなどを上手に使うことで、完成品のイメージがより具体化し、お互いのコミュニケーションが良好になります」
 飯島教授は想像する。「僕らの世代は2次元でモノづくりをしてきましたが、ICTにあふれた時代に育った一期生は、3次元で発想して3次元のソフトを使いこなすかもしれない。彼らがどんな風に学び巣立っていくのか、今から楽しみです」

最先端の建築システム「BIM」とは?

 BIM(ビム※Building Information Modelingの略称)とは、建てようとする建築物の立体モデルをコンピュータ上で再現するものだ。この3次元の立体モデルに情報を付与し、企画、設計、施工、維持管理などのあらゆる情報を一元で管理できる「プラットフォーム」ともいえる。建築では、設計から施工まで多くの人々が関わる。プロジェクトに関わるすべての人がネットワーク上でコミュニケーションができるようになり、誰もがどこからでもリアルタイムに正確な建物の情報を共有できるようになるため、建築業界を変えていくツールとして期待されている。

関係者間における建築情報の共有イメージ
本図は、日刊建設通信新聞社発行「BIM その進化と活用 : 建築を目指す人、BIMに取り組む人のガイドブック」中の図をベースに作成したものです。

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