同志社大学

「良心教育」を進めた創立者・新島襄の志を受け継ぎ、キリスト教主義、自由主義、国際主義を教育理念とする同志社大学。創立150周年となる2025年に向け「同志社大学VISION2025」を推進中だ。伝統と創造性の融合で良心に満ちた人物を輩出する。

クラーク記念館(今出川キャンパス)

多様性の推進に向けた改革を

ダイバーシティキャンパスの確立へ

植木朝子 学長

 「同志社大学VISION2025」では、「学びのかたちの新展開」「キャンパスライフの質的向上」「創造と共同による研究力の向上」など6つのビジョンを策定し、全学が一丸となって取り組んでいます。
 ダイバーシティ推進への取り組みをより明確にするため、昨年度は「同志社大学ダイバーシティ推進宣言」を制定し社会に公表しました。今年4月には「スチューデントダイバーシティ・アクセシビリティ支援室」を開設。身体や精神などに障がいのある学生および多様な性別や性的指向・性自認を持つ学生への支援を2つの柱としています。大学全体が多様な個の集合体としてイノベーティブなキャンパスを実現できるよう関連部署をつなぐハブとなり理想の連携を目指します。
 コロナ禍でも学生の学びを継続させるため、授業収録機材や授業支援システムの増強、パソコンとWi−Fiルーターの貸与などICT環境を整備しました。学生には授業が円滑に受講できるように「ネット配信授業の受講準備資料」を大学ホームページで公開し、教員には「ネット配信授業実施に関するガイドライン(暫定版)」を提示して教育の質保証を推進しています。
 本学の特色を生かした研究活動も展開中です。赤ちゃん学研究センターは文部科学省「特色ある共同研究拠点の整備の推進事業〜機能強化支援〜」の採択3年目を迎え、共同利用・共同拠点の中間報告でA評価を獲得。文化庁が公募した「大学・研究機関等との共同研究事業」には本学の創造経済研究センターが採択されました。健康長寿の延伸を目指す「宇宙生体医工学研究プロジェクト」、同志社−ダイキン「次の環境」研究センター(下記参照)においても着々と研究が進んでいます。

多様な価値観を理解する教育寮が開寮

 今年9月には日本人学生と留学生が共に生活し、多様な価値観を理解し合う本学初の教育寮「継志寮」が開寮予定です。さらに刊行物などでダイバーシティの啓発に力を入れ、ダイバーシティキャンパスの具現化を目指します。また今年度は対面授業とネット配信授業を併用するハイブリッド型授業の検討などポストコロナに向け新たな教育の形を構築し、多様性を積極的に受容するグローバルマインドの涵養を目的にICTを駆使したオンライン国際連携学習も強化します。
 新島が「人一人ハ大切ナリ」の言葉を残したように、個性を尊重し多様性を大切にする教育を展開します。

多様性を進め、
教育を発展させる改革を

ボランティア活動を通して 
社会課題に向き合う

現場と学部の学びが結び付き
リーダーとしても成長

政策学部 政策学科 3年 岸本 涼子 さん

 主に同志社大学と同志社女子大学の今出川キャンパスに通う学生約250人が所属するボランティアサークル「ASUVID今出川」の代表を務めています。IVUSA(NPO法人国際ボランティア学生協会)の支部として、地域活性化・環境保護・子どもの教育支援・国際協力・減災防災を5本柱に掲げ、自分たちのやりたいボランティアを選択して取り組みます。IVUSAが行うプロジェクトにも参加でき、今年3月には琵琶湖岸で大規模清掃活動をしました。この団体で大切にしているSDGs(持続可能な開発目標)との関わりも学び、ゴールの一つ「14海の豊かさを守ろう」とのつながりを実感しました。

管理が行き届かず竹やぶになってしまった荒れ地を整備

 私は神戸出身で、周りに阪神・淡路大震災を経験した人が多く、特に減災防災に関心が高いです。昨年はコロナ禍で活動制限がありましたが京都市市民防災センターを見学し、水害体験では、水圧によるドア開放の困難さを体験。今年はハザードマップを確認して避難場所まで歩くなど、暮らしに役立つ活動にも力を入れたいです。
 ボランティア活動を通して現場を目の当たりにするので、問題を自分事として考えられます。お茶が特産の地域で後継者不足の話を直接聞いた時は、地域活性化の必要性を痛感しました。現場経験と政策を考える学部の学びとが結び付き授業にのめり込んでいます。
 メンバー250人のボランティアの考え方や参加の仕方は様々。多様な価値観を尊重し、強制することはありません。グループ・班制度を設け、それぞれの長がまとめ役をしてくれています。統括する代表になると運営側に回ることが多く、下級生の意見の吸い上げに苦労しますが、SNSやオンライン会議も活用し積極的にコミュニケーションを図っています。
  同志社大学は伝統があり、重要文化財の建物が立ち、歴史の町京都に立地していてボランティアに限らずたくさんのことが学べます。大学での経験を生かし、将来は色々な分野にアプローチできる公務員を目指したいと思っています。

長野県での災害救援活動の様子

社会人との共修で 
環境保全テーマに取り組む

新たなアイデア・技術を提案し
地球温暖化の問題に貢献したい

理工学研究科 数理環境科学専攻 新エネルギーシステム研究室 修士2年 山田 敦也 さん

 昨年、同志社大学内に誕生した同志社−ダイキン「次の環境」研究センターのセンター長・後藤琢也理工学部教授の研究室に、学部4年の時から在籍しています。後藤教授の授業を通して資源エネルギーの問題に興味を持ち、現在は二酸化炭素を原料として有用な物質を合成する研究に取り組んでいます。

溶融塩電解法という手法を用いて二酸化炭素の電気分解を試みる

 大学院生を対象にした「次の環境」協創コースが春学期から開設されました。私はダイキン工業の社員の人たちと共修・協創ができるこのコースに魅力を感じ、オープンイノベーションにも興味があったので4月から履修しています。
 「科学と良心」という科目ではダイキン工業の若手社員の方を交え、同志社大学の教育の原点である「良心」の視点から資源エネルギーや脳科学など様々なテーマで毎週ディスカッションします。社会経験があり豊富な知識から生まれる考え方は驚きの連続で刺激があり、私たちの意見も採用してくださり有意義な議論がなされています。履修して2カ月ですが次の環境をつくる上で自分は何ができるのかを考えられ、アウトプットの質も向上し成長を感じています。
 最終的に企業との共同研究を目指す「ミッション研究」はまさに協創の科目です。私はエアコンの冷媒にフロンの代わりに二酸化炭素や新しい物質が使えないかを研究中で、他の専攻の院生や社員の方とディスカッションし、新技術を生み出したいと思っています。
 文理融合の学びがあるのもこのコースの特徴です。「現代世界を読み解くためのリテラシー」ではイスラム圏の情勢やイスラム教について学び、ビジネス展開するにはまずその地域を知り、考えてアイデアを出す大切さを実感。理系だけでなく人文・社会科学のアプローチから新たな気付きを得られています。
 今後は後藤教授のように興味あることに挑戦し続ける熱い技術者になって、地球温暖化の問題の打開につながるアイデアを提案していきたいです。

イスラム圏の情勢を学び、日本との文化の違いを知る

EVENT INFO [イベント情報]

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オープンキャンパス開催 ライブ配信※要事前登録

8月7日(土)・8日(日・祝)・9日(月・休)
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