慶應義塾大学

世界に冠たる研究型大学として

大学のいま

英語で学び、発信する
世界水準の教育プログラム

外国人留学生と同じテーマで議論するなかで豊かな国際感覚が養われる

意欲を後押しする
個性的なカリキュラム

 グローバル化が進みさまざまな価値観が交錯する現代社会から、人工知能(AI)の台頭により社会のあり方が根本から問われようとしている時代へ。世界はいま、人類がかつて経験したことのないような大きな転換期を迎えている。こうした時代を先導するには、日本語での教育環境にとどまらず、世界各国の人と議論を交わすなかで自分なりの考えを構築し、発信できなければならない。
 創立以来160年にわたり日本の近代教育をリードしてきた慶應義塾大学には、世界水準に合わせたさまざまなプログラムがある。その一つが、英語(または、その他の外国語)で授業を行う「GIC」(Global Interdisciplinary Courses)だ。GICで取り上げられる授業は、科学、環境、音楽、演劇、武士道、貧困、ビジネスなど幅広く、所属する学部や英語力に関係なく自由に履修できる。他大学から招いた講師や外国人講師も多く、バラエティーに富んでいるのが魅力だ。基礎的な科目である「GICコア科目」と、専門レベルの「GICリサーチ科目」からなり、選択できる科目数も400以上と極めて多い。卒業までに必要な単位を取得すると修了証が授与され、就職活動などに生かすことができる。初年度に続き、昨年度も熱意をもって臨んだ学生が修了証を手にした。
 経済学部では、4年間一貫して英語で経済学を学ぶ9月入学のプログラム「PEARL」(Programme in Economics for Alliances, Research and Leadership)が2016年にスタートした。世界を舞台に活躍できる経済人を育てるため、意欲ある学生は5年間で学士号と修士号を取得できる。なかでも、フランスの名門HEC経営大学院とのダブルディグリー制度は、大きな特色の一つだろう。3年間は慶應義塾で、その後2年間はHEC経営大学院で学び、所定の要件を修めると慶應義塾大学経済学士号とHEC経営大学院修士号が取得できる。年間2人までと、選び抜かれた学生しか参加できない少数精鋭プログラムだ。
 PEARLのカリキュラムは通常の経済学部と同じだが、ここで学ぶには独自の入試に合格する必要がある。国際的な大学入学資格である国際バカロレア資格(IB)や、アメリカの大学進学適性試験(SAT・ACT)のスコアが選考基準となるため、求められる語学力は非常に高いといえる。
 総合政策学部と環境情報学部では、核となるすべての授業が英語で行われる「GIGAプログラム」(Global Information and Governance Academic Program)を2011年に開始した。社会の複雑な問題を発見、解決するために必要な科学技術、デザイン、国際戦略等を統合した学びを提供している。卒業に必要な単位をすべて英語で取得できるこのプログラムは、外国人留学生にも人気が高い。

綱島SST国際学生寮の広々としたフリースペース

世界に広がる提携校
国際学生寮も増設

 学内にとどまらず、海外で学ぶチャンスも多い。現在、世界340以上の大学・高等教育機関と協定を結び、活発な交換留学や学術交流を進めている。また、慶應義塾大学と海外の教育機関の両方で学び、卒業時に二つの学位が取得できるダブルディグリープログラムも、世界29の協定校との間で実施している。
 今年3月には、留学生と日本人学生が共に暮らす国際学生寮が新たに元住吉(川崎市)と綱島(横浜市)にオープンした。慶應義塾大学では寮も大切な教育の場と捉えており、現在10の学生寮で約1500人が暮らしている。ここで深めた友情は、卒業後に国際的なネットワークを形成するうえでの貴重な財産となるに違いない。
 幕末期に3度にわたり欧米諸国を視察した創立者・福澤諭吉は、古いしきたりや慣習にとらわれない新しい教育を実践してきた。慶應義塾大学にこれまでの大学教育の枠を超えた先駆的なプログラムが多いのは、世界に照準を合わせ、時代の先導者を世に送り出そうとしてきたことの表れだろう。日本の「慶應」から、世界の「KEIO」へ。その目線は常に未来を見据えている。

NEWS[最新ニュース]

NEWS 1先進医療の開発拠点となる
大学病院の1号館が完成
 東京・信濃町にある慶應義塾大学病院の1号館(新病院棟)が5月、開院した。地上11階、地下2階の免震構造で、国内最大級の手術室、女性専用病棟、最先端の医療機器などを備えている。
 従来の診療科の枠組みを超えた医療チームによる診療や、より高度な再生医療などにより、国際医療の拠点として患者を支える。落ち着きのある「杜(もり)」をコンセプトにした院内には、次世代を担う医療人を育てるための教育スペースも豊富に設けられている。
NEWS 2進化する技術の未来を探る
「サイバー文明研究センター」発足
 いまや情報技術は単に便利な道具であることを超え、人間の存在そのものに大きな影響を与えるほど進化している。その変化を人類の幸福につなげるため、「サイバー文明研究センター」が4月に開設された。
 学内の研究者を中心に、文理融合型のネットワークとして最先端の研究を進めていく。技術進化の可能性やリスクの検証、社会的インパクトの分析、未来を切り拓(ひら)く道具や方法の開発などを通し、この新しい研究分野を開拓していく。
 共同センター長には、カーネギーメロン大学やペンシルバニア大学で研究を主導してきたDavid Farber博士を迎え、同じく共同センター長に就任した政策・メディア研究科委員長の村井純教授とともに、世界的な取り組みへと発展させていく。
NEWS 3「慶應ミュージアム・コモンズ(仮称)」
三田キャンパスに2020年度開設予定
 160年におよぶ歴史のなかで集積された貴重な文化財や学術資料をまとめ、活用・保存するための施設「慶應ミュージアム・コモンズ(仮称)」が、2020年度中に三田キャンパスに新設される。
 これまでも、三田キャンパス南別館のアート・スペースをはじめ、学内のいくつかの施設で資料の展示活動が行われてきたが、全学的な学術・文化資料の施設はなかった。所蔵する学術資料のなかには国宝や重要文化財も含まれており、それらの公開や教育・研究で活用するための拠点づくりが求められてきた。「慶應ミュージアム・コモンズ(仮称)」は、その中核としての役割を担うとともに、大学生や小学校から高校までの一貫教育校の生徒を対象にした体験型教育、学外の研究者との共同研究、高度な生涯学習など、幅広い活動を進める予定だ。
 先端的なIT技術を駆使し、アナログコンテンツとデジタルコンテンツを融合させた新たな展示・収蔵モデルも提案していく。

『大学ランキング』杉澤編集長が見た「慶應義塾大学」

選択できる科目数は400以上

 学部横断プログラムの「GIC」で選択できる科目の数と、内容の幅広さが目を引きます。経済学部や総合政策学部、環境情報学部の英語授業も専門性が高く、外国からの留学生も多く履修しているので、実質的に海外で学んでいるのと同じような環境と言ってよいでしょう。さすがは慶應、半端ない、という印象です。

国際学生寮

 世界340以上の大学・高等教育機関と協定を結ぶ大学ならではの施設が、国際学生寮。現在は10の学生寮で約1,500人が暮らしているそうです。高度な学術英語を学ぶ授業だけでなく、オフの時間にも外国の言葉や文化にふれることで、さらに幅広い国際感覚が身につくことが期待できます。

杉澤誠記編集長
朝日新聞出版『大学ランキング』編集長

掲載大学一覧[関 東]

OPEN