成蹊大学

世界と未来に貢献するために

新緑の欅(けやき)並木の先に広がるキャンパス。全学生が4年間ワンキャンパスで過ごし、文理融合の学びに触れる
トップが語る

自分の専門性を確立して
時代を創る連携の一翼を担う

超IT社会を生き抜く
三つの力を伸ばす

北川 浩学長

──成蹊大学では、時代に即応する学びとして「超IT社会への対応力強化」を掲げていますね。

 技術革新が進み、AI(人工知能)などを装着したスマートマシンが活躍する超IT社会がやってきます。一説には現在の半分以上の職業はAIアプリや知能ロボットに置き換わると言われており、様々な職業で「作業の仕方」が変わっていくことになります。本学では、変容する社会で人が活躍する領域と備えるべきスキルを具体的に捉え、教育カリキュラムに反映させていこうとしています。

──超IT社会で活躍するのはどのような人材でしょうか。

 これからの職業(仕事)領域は、AIやスマートマシンを「つくる分野」「使いこなす分野」、そして「導入されない分野」に分かれます。特に重要になると想定されるのが「使いこなす分野」です。そのため、文理の区別なくIT機器やプログラムの活用力があり、自分の専門分野を生かすための普遍的なスキルを身につけている人材が重用されると考えています。今、本学が重視するのは「ゼロから創造する発想」「視野を限定しない総合的思考」「コミュニケーション」という三つのスキルです。これは現時点で人がAIよりも秀でている要素で、今後10年から20年先、二十歳前後の若者が社会の主軸として働いている時代には、欠かせないものだと考えています。
 AIは将棋や囲碁のように、ルール(フレーム)があるものに対して膨大なデータから最適解を取り出すことは得意ですが、「一番売れる新しい製品をデザインする」というような明確なルールや思考フレームの設定がないミッションでは、強みを発揮できません。AIに置き換わらない、人が価値を創造するための力を磨いていく必要があるでしょう。

──現代社会では、異なる分野での協働が創造性を高めるポイントの一つと言われます。

 先のミッションで考えてみると、モノを製品として販売・展開する時には、専門家たちの多様な視点が取り入れられます。例えば、電子機器なら、開発に携わる技術者だけではなく、自国と販売国の法律や宗教的な忌避事項に触れないかの調査、使用感がもたらす心理効果の検証などのために法律、宗教、心理分野のスペシャリストが協働します。専門性を持った人が集うからこそ時代にフィットするモノが生まれるので、大学できちんと「自分の軸となる学問領域」を持つことは重要です。
 本学は各分野で掘り下げ型カリキュラムによる専門性の確立を目指しています。また、連携による価値創造を実現できるように、現場で意見を出し合えるコミュニケーション力を高めていくことにも注力しています。

──再来年度の学部改組の構想が発表されましたが、それぞれの専門性の確立に対してどのような狙いがあるのでしょうか。

 経営学部を新設し、併せて経済学部を大規模に刷新します。新たに開設する経営学部には「総合経営学科」を設置、経済学部を「経済数理学科」「現代経済学科」の2学科編成とする構想です
 経営学部の「総合経営学科」では、経営を総合的な人間の営みと捉え、経済学、情報分析、心理学や法律などを絡めた厚みのある学びにより、徹底して総合的思考を追究していきます。
 経済学部の「経済数理学科」は、経済分析のスペシャリストを養成するために、プログラミングや数理モデル分析、データ解析などを取り入れます。「現代経済学科」は、フィールドワークやケーススタディーで課題解決策を実践的に導き出す教育プログラムが特徴です。

──伝統の少人数教育など、コミュニケーション力を高める学びにも特徴があります。

 1年次から全学年に設置するゼミナール、双方向の対話型講義は特に重視しています。このほか学内公募による学部融合型の人材育成プログラム「丸の内ビジネス研修」では異分野間の協働や企業担当者へのプレゼンテーションなどを取り入れ、大きな成果をあげています。

※改組後の学科名称と学修プログラムの詳細は計画中のため変更の可能性あり

伝統的に教員と学生の距離が近く発表や議論に活気がある

わくわくできる分野を
自分なりに追究する

──社会で求められ続ける人材でいるために、どのようなことが必要でしょうか。

 いつの時代にも「次は何を学べばいいか」と自問することですね。学び続ける意志を持つことはとても重要です。意志を持つというと難しく感じられますが、これは習慣にできます。
 私自身が長く実践し、学生たちにもアドバイスしてきたのですが、自分のための時間を持つことから始めてみると、感覚がつかめると思います。3分でも5分でも、心からわくわくできることに取り組んでください。毎日の生活にこの時間があると、他人の価値観に振り回されずに自分を見つめることができ、やりたいことが明確になってきます。物事を掘り下げて知識を深めたり技能を高めたりする喜びも実感できるでしょう。

──成蹊大学では「自奮自発の精神」も重視されていますね。

 今年の入学式では新入生に「どんどん失敗しましょう」と伝えました。失敗に不寛容な世の中ですから、これまでは知らぬ間に萎縮してしまったこともあったはずです。しかし、成蹊大学での4年間は違います。目標や問題意識を持った学生が自発的に様々なプロジェクトを立ち上げており、大学もバックアップしています。ワンキャンパスで過ごす中で、刺激し合える教員や仲間との出会いもあるでしょう。ぜひ成蹊大学で生涯の軸となる学びを深めながら、自分らしい道をひらいていただきたいと思います。

NEWS[最新ニュース]

NEWS 1ESDを推進する研究機関として開設
成蹊学園サステナビリティ教育研究センター
 創立時から多様な価値観を育むことを目指してきた成蹊学園。今年4月、持続可能な開発のための教育(ESD)を小学校から大学まで縦断的に推進する「成蹊学園サステナビリティ教育研究センター」を開設。学園内外から研究者が集結し、次代の社会づくりを担うスキルを養うESDや成蹊学園独自の「理化教育」、地球環境などに関する研究に取り組んでいる。
NEWS 2武蔵野市との地域共生プロジェクトが
私立大学研究ブランディング事業に選定
 昨年、文部科学省の私立大学研究ブランディング事業に成蹊大学の「学融合的アプローチによる地域共生社会の実装スキームの確立と社会実践」が選定された。法・文・理工学部の教授らが地域活動実績と外部機関との連携をもとに、パイロット自治体である武蔵野市の課題解決に取り組むもので「障害者支援」「高齢者支援」「親子支援」「政策デザイン」を柱としている。

『大学ランキング』杉澤編集長が見た「成蹊大学」

学び続ける意志

 社会で求められる人材の条件として、北川浩学長が挙げるのは「学び続ける意志」。インタビューのなかで学長は、さらに続けて「これは習慣にできます」、習慣にするには「わくわくできることに取り組んでください」とも述べています。社会の変化が速いこれからの時代は、最新の知識もすぐに古くなり、すべての人に真の意味での生涯学習が必須と言われます。北川学長の言葉は、こうした社会の潮流と合致するものと言えそうです。

ワンキャンパス

 経済・法・文・理工学部の全学生が集うキャンパスを舞台に、成蹊学園として小学校から大学までを貫くESD(持続可能な開発のための教育)の取り組みがあり、学融合的アプローチで挑む地元・武蔵野市の課題解決プロジェクトもある。約7,500人という中規模大学ながら、多様な刺激にあふれた環境と言えそうです。「住みたい街」として人気の吉祥寺駅至近にキャンパスがあることも、受験生にとっては大きな魅力でしょう。

杉澤誠記編集長
朝日新聞出版『大学ランキング』編集長

掲載大学一覧[関 東]

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