青山学院大学

知をつむぎ、世界をむすび、
未来をつくる

世界へと羽ばたく
科学者・エンジニアを育成

産業界と連携した
研究体制を推進する

相模原キャンパスにて、橋本修副学長(左)、佐竹美奈子さん(中央)、三上真利亜さん(右)

 青山学院大学は11学部25学科を擁する総合大学。4学部の学生が学ぶ相模原キャンパス(神奈川県相模原市)は、理系の拠点でもある。理工学部の特長や強みについて、同学部の橋本修教授はこう話す。
 「特長の一つは産学連携の研究が多いことです」
 橋本教授の研究を例に説明しよう。橋本教授の専門は「生体・環境電磁工学」。スマートフォンの普及などによって生活空間にはさまざまな電波があふれている。その電波を吸収、遮蔽(しゃへい)するなどして電波環境を良好にするための技術開発が主な研究テーマだ。医療機関や電機メーカーなどとの共同研究も多く、企業から相談を受けて電波のデバイスや機器などを設計。それをもとに企業が製作した機器などの評価を大学の研究室で行う。「企業などとの連携によって、3~5年のサイクルで技術や製品の実用化をめざしています」と橋本教授。理工学部をはじめ、青山学院大学では、多くの企業などと先端技術の共同研究を行っている。
 橋本教授は、研究・産学連携担当/相模原キャンパス総務・財務担当副学長を務めており、全学的な産学連携を推進している。2018年4月には、「統合研究機構」を設置。2019年4月には、同機構内に企業と大学の連携を進める「リエゾンセンター」を開設し、企業と大学をつなぐ役割を果たす専門的な人材も配置している。

文理の枠を超えた
連携にも力を入れる

留学先のカナダで笑顔を見せる三上さん

 産学の連携だけでなく、文理や学科の枠を超えた連携にも力を入れる。産業界では、金融とテクノロジーを組み合わせたフィンテックのように、文理双方の知識や技術が必要とされる研究が注目を集めている。
 相模原キャンパスにある社会情報学部など、文系の社会科学、人間科学と理系の情報科学を融合させた、時代のニーズにあった学部があるのも強みだ。
 「総合大学として、さまざまな専門分野の教員が協働して研究を進めることができるのは本学の大きな特長です。理工学部など、研究室や学科の枠組みを超えて、特色ある研究を行いやすい環境があるのも強みです」(橋本教授)
 こうした大学での研究成果を国内だけでなく、グローバルに発信するには高い語学力が求められる。青山学院大学は「英語の青山」といわれるほど英語教育に定評がある。理工学部では2013年度から1年次と2年次の英語科目「English Core」8科目すべてを習熟度別にクラス分けして必修化。さらに2014年度には、学生の海外留学をサポートする「理工学国際プログラム」が始まった。
 また、理工学部では、海外留学を見据えて4年間で卒業できるように、カリキュラムを見直したため、留学希望者が増えている。理工学研究科理工学専攻機械創造コース博士前期課程1年の三上真利亜さんは、理工学国際プログラムで2017年8月から8カ月間、カナダのブリティッシュコロンビア大学に留学した。
 「ケロウナにあるオカナガンキャンパスで学びました。移民を広く受け入れてきた国なので、教授も学生も英語が第一言語でない方が多く、授業などでも比較的わかりやすい英語が使われていたため、専門科目も学びやすかったです」
 三上さんは、菅原佳城准教授の研究室で、「変位拡大機構」の機能を向上させるために、構造の工夫と制御法についての研究をしている。レンズの焦点距離調整など精密機械に使われている技術だ。4年次には英語で卒業研究発表を行い、英語力に自信がついた。

海外からの留学生と
日常的に交流できる

社会情報学部のゼミ合宿でプログラムを開発。右端が佐竹さん

 海外からの留学生の受け入れも盛んだ。2024年までに、40カ国200以上の海外の大学と協定を締結し、インバウンド留学生の受け入れを増やすため、英語講義科目の専門科目数を現在の約200から300に増やす予定だ。
 社会情報学部社会情報学科4年の佐竹美奈子さんが話す。
 「留学生と会話を通して国際交流を図り、英語などの語学力を高められる『チャットルーム』に参加するなど、キャンパス内で異文化理解も深めています。また、本学の夏の海外インターンシップに参加予定です」
 キャンパスの近くにある国際学生寮(相模原)のイベントなどでも、交流が広がる。
 佐竹さんが所属する宮治裕教授のゼミでは「テクノロジーを使って何かをつくりだす」という自由なテーマで研究ができる。佐竹さんはウェブサービスを構築するためのプログラミング技術などを学んでいる。ゼミ合宿では開発やサービスの考案などを競い合う、ハッカソンに参加した。
 青山学院大学は女子学生の比率が高く、理工学部でも約20%を占める。三上さんは「女子学生と女性教員とのつながりが強く、女性エンジニアとしてどのような道に進めば良いのか、相談できるのも心強いです」と話す。英語力と機械工学の知識を生かした仕事をしたいという。
 佐竹さんは「卒業後、プログラミングのスキルをさらに向上させ、エンジニアとして社会や産業に貢献できるサービスをつくりたいです」と語る。
 2019年に開校70周年を迎えた青山学院大学。グローバルな教育・研究環境をさらに整備し、世界に貢献できる人材を育成する取り組みを進める。
 「国際学会での研究発表や企業との共同研究を経験することで、学生にはプレゼンテーション力や語学力をさらに高めてほしいと思います」(橋本教授)

CAMPUS TOPICS ①

若手研究者を支援する奨学金と
国際学会発表時の旅費を支援する
制度を相次いで新設
 青山学院大学は2019年4月、若手研究者を経済面で手厚く支援する制度を相次いで新設した。「青山学院大学若手研究者育成奨学金(給付型)」と、「国際学会発表支援制度」だ。
 「若手研究者育成奨学金」は、大学院博士後期課程入学者や一貫制博士課程3年次進級者などの授業料を実質的に無償化するもの(施設設備料などは別途必要)。高度な専門性と研究能力を備えた、社会に貢献する若手研究者の育成をめざし、新設された。
 一方の「国際学会発表支援制度」は、大学院博士前期・後期課程の学生が国内で開催される国際学会で研究発表を行う際に最大7万円、海外で開催される学会の場合には最大15万円の旅費を支援する。「これからの大学教育では、文系も含めてさらなる大学院への進学率の向上と進学者に対する支援の拡充が重要」と制度の意義を話す橋本修教授。海外の国際学会で研究発表を予定している三上真利亜さんにとっても、追い風となる。

CAMPUS TOPICS ②

社会にあふれる膨大なデータから
新しい価値を創造する
データサイエンティストを育成
 IoTの普及などにより、社会には膨大なデータがあふれている。そのデータを解析し、新たな価値を創造する「データサイエンティスト」が求められるようになった。青山学院大学は2019年4月、大学院理工学研究科全コースの博士前期課程の学生を対象とした「データサイエンティスト育成プログラム」をスタートさせた。企業や地方公共団体などの連携機関と協力し、データサイエンティストに必須とされる「データを読み解く洞察力」「先端的な技術を実践する応用力」「分析結果の妥当性を判断する評価能力」を養成していく。
 プログラムの大きな特長は、企業などから実データの提供を受け、実際のニーズに応じた問題解決型の演習を取り入れていることだ。さらには、技術的なスキルを身につけるための演習科目、知識を深めるための講義科目を組み合わせ、実践的な専門人材の育成をめざす。

※Internet of Thingsの略。あらゆる物がインターネットを通じてつながることによって実現する新たなサービス、ビジネスモデル、またはそれを可能にする要素技術の総称。

掲載大学一覧[関 東]

OPEN