千葉商科大学

「商いの力」で持続可能な社会をめざす

高い倫理観を備えた
ビジネスリーダーを育成

「商業道徳」と重なる
SDGsの理念

2019年2月、自然エネルギー100%大学(電力)を達成したことを都内で発表した。写真中央が原科幸彦学長

 「SDGsは、本学の教育理念である『商業道徳の涵養(かんよう)』、つまり、『まっとうな商いをするための心構えを培うこと』に合致するものです」
 千葉商科大学の原科幸彦学長は、2015年9月の国連サミットで、人類共通の課題として採択された「持続可能な開発目標」、通称SDGsについて、そう語る。SDGsは、貧困や飢餓の撲滅、気候変動や環境問題への対応など17の目標に及ぶ。
 「実学教育」を掲げる千葉商科大学では、建学以来、うそをつかない、約束を守る、卑劣なまねはしないといった「武士的精神」や、近江商人の経営哲学である「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」を基礎とする「商業道徳の涵養」に努めてきた。
 大局的な見地に立ち、時代の変化を捉え、社会のさまざまな課題を解決する高い倫理観を備えた指導者「治道家(ちどうか)」の育成を進める。原科学長は、こうした取り組みがSDGsの理念に重なると指摘する。
 「社会をよりよい方向に変革し、継続して発展させていくには、安定的な雇用の創出をはじめ、社会にどう貢献するかが重要です。SDGsへの取り組みを通じ、学生にそのマインドを根づかせたい」(原科学長)
 原科学長が主導する「学長プロジェクト」を起点に、学生や教職員がSDGsの実現に向けて、さまざまな教育研究活動や地域貢献活動を推進している。たとえば、日本初の「自然エネルギー100%大学」への挑戦だ。大学が千葉県野田市に建設したメガソーラー(大規模太陽光発電)などで発電する電力量と、大学内で消費するエネルギー量を同じにするもので、発電での貢献である。
 2017年11月に目標を掲げ、2019年1月には電力での100%を達成した。2020年度までに、ガスも含めたすべての消費エネルギーに相当する発電を行うことを第2の目標に掲げている。

学生が手がける
多数のプロジェクト

学生が環境学習講師として地元小学校の教壇に立つ

 発電施設などの「ハードウェア」だけに頼るのでは学生の意識は醸成されない。千葉商科大学では、エネルギーの消費量を「見える化」したりする「ソフトウェア」、さらには、学生や教職員一人ひとりの意識が行動につながる「ハートウェア」を加えた三つの力を結集する。
 「ハートウェアの中核となるのが学生の自主的な取り組みです」(原科学長)
 学生団体「SONE(自然エネルギー達成学生機構)」は、「学生に無理をさせない省エネ活動」をモットーに、学生目線で省エネや地球温暖化防止への取り組みを考え、大学とともに活動する。キャンパス内の自動販売機を省エネ型に変更するよう大学側や事業者に提言。場所によって異なる教室内の温度を調査して、最適な空調温度を分析したりしている。
 また、学生が企画運営する「コミュニティカフェ・プロジェクト」では、地域住民も利用できるカフェを開店。開発途上国の自立をめざしたフェアトレード(公正な貿易)によるコーヒーなどの提供を通して、環境や社会に配慮した商品やサービスを選択するエシカル消費を啓発する。さらに、地元の市川市との包括協定の一環として、研修を受けた学生が市内の小学校で講師として教壇に立ち、地球温暖化などについて、ともに考えるプログラムも実施している。

ビジネスの現場で
リーダーシップを

 SDGsの実現に向けた取り組みはさらに広がる。2018年5月、返済の必要のない給付型奨学金の原資とするため、日本株式を対象としたESG投資を開始した。ESG投資とは、環境、社会、企業統治に配慮する企業などに対して行う投資のこと。持続可能な事業を行う企業をサポートし、得られた運用益で学生を経済的に支援する。
 原科学長は今後、大学としての「SDGs行動憲章」の策定や研究所の設置などにも着手し、SDGsの意義をさらに浸透させたいと話す。
 「教育は社会を変える力を持っています。SDGsのマインドを身につけた学生が将来、ビジネスの現場でリーダーシップを発揮することを期待しています」(原科学長)
 千葉商科大学の強みは、企業経営に欠かせない実践的な会計教育だ。たとえば、全国大学対抗簿記大会では、2018年秋、大会史上初の団体戦7連覇を樹立した。
 卒業生の多くは簿記会計の知識を持ち、多様なビジネスの現場で活躍している。経営を数値化できる、盤石な会計学の知識を持つ人材は、現場にいながら経営者側の視点に立つことができる貴重な戦力となっている。
 また、卒業生には企業の社長も多い。帝国データバンク「全国社長出身大学分析2018年」によると、千葉商科大学出身の社長の数は1334人。全国780大学中47位となっている。商いに信用がますます求められる時代だからこそ、SDGsの理念と重なる千葉商科大学の理念を継承していく資質が重要なのだ。

CAMPUS TOPICS ①

創立100周年に向け
オリジナルワインづくりに挑戦。
キャンパスでブドウを栽培する
 キャンパスでブドウを育て、オリジナルワインづくりをめざすプロジェクトが始動した。千葉商科大学が2018年度に創立90周年を迎えたことを記念し、10年後の100周年に向けて市川市産オリジナルワインを醸造する「CUC100ワイン・プロジェクト」だ。2018年度は学生と教職員でプロジェクトメンバーを結成。キャンパス内の投球練習場をブドウ栽培用の農地に転用するため、土壌の改良に取り組んだ。2019年3月に行われた着手式では、学生や関係者らがブドウの苗木を植え、プロジェクトの成功を誓い合った。
 この農地ではソーラー・シェアリング(農地に支柱を立て、上部に太陽光発電設備を設置し、農業と発電事業を同時に行う)も実施する。学生がクラウドファンディングを活用して、初期費用の一部を支援金として調達したことも注目を集めた。農作業は地域住民とも協力して行い、地域交流や未来の農業について考える場としても活用していくという。当面、5年後の、300本のワイン完成をめざし、ブドウ栽培に力を注ぐ。
プロジェクトを通して、地域住民との交流も促進していく

CAMPUS TOPICS ②

大学独自の就活ナビサイト
「me R AI」がオープン。
企業から個別のオファーが届く
 経団連主導の「就活ルール」の廃止が決まり、新卒学生の通年採用が拡大するなか、従来の画一的な就職活動が多様化していくことが見込まれる。千葉商科大学では、こうした流れに対応するため、2019年5月、独自の就活ナビサイト「me R AI(ミライ)」をオープンした。学生が自らのプロフィルや自己PRをサイトに登録し、それを見た企業から個別のオファーを受け取ることができる。このサイトを利用する主な企業は、千葉商科大学の学生をインターンシップ(就業体験)で受け入れたり、学内で開催される合同会社説明会などへの参加を通し、大学のキャリア教育を支援したりしてきた、800社を超える企業群「CUCアライアンス企業」だ。
 学生が、企業から直接オファーを受ける仕組み自体は2017年度から実施。企業、学生双方から好評を得ていた。さらに専用サイトを開設することで、使い勝手やマッチング精度の向上が見込まれるほか、学生、企業とも、より効率的な情報収集が可能になるという。当面は学生のサイト登録を進め、2019年9月をめどに企業からのオファー機能を付加する予定だ。
企業から直接オファーを受けられる就活ナビサイト「me R AI」

掲載大学一覧[関 東]

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