法政大学

自由を生き抜く実践知

自分で決めたかった、
法政ならそれができた。

 「自分で決めたかった、法政ならそれができた」
 2019年4月3日に行われた入学式の式辞で、田中優子総長は法政大学の卒業生である為末大さんの言葉にふれた。
 為末さんは元陸上競技選手のスポーツコメンテーターで、現在は会社経営者としても活躍している。
 「法政大学在学中に陸上競技選手としてオリンピックに出場した為末さんは、大学を選ぶとき、自ら目標を設定し、監督やコーチの助言を受けながら、練習内容を自分で決めるという方法をとりたかったそうです。そしてその為末さんの希望を、法政大学だけが受け入れたのです」
 そして、自らも法政大学・大学院で学んだ卒業生の一人として田中総長は、「自分で決めたかった。法政ならそれができた」という為末さんの言葉は「私自身の言葉でもあります」と、法政大学の真価を新入生に語りかけた。

入学式で祝辞を述べる田中優子総長

自主的・先進的・
創造的なコミュニティー

 この話が端的に表すように、法政大学の一番の強みは、自分で考え、判断し、自ら活動をつくり出していく自由さと伸びやかさにある。これは140年前の大学創設時から変わらない。
 法政大学の創設者は著名な学者や政治家ではない。これからの日本社会には法律の知識が必要だと考え、そのために、自分たち自身も市井の人々も学べる場が欲しいと考えた20代の若者たちだった。そしてその思いに応え、無報酬で教育に情熱を傾け続けたのが、当時、政府の法律顧問として招かれ来日していたギュスターヴ・エミール・ボアソナード博士だった。
 いまもこの学生イニシアチブは進化し続けている。たとえば、近年では全国各地の大学でみられるオープンキャンパスの学生スタッフは、法政大学では全国の先駆けとして2002年に生まれている。そのきっかけも、学生たちからの発案だった。自ら企画し活動したいという学生の提案を職員が(しんし)に受け止め、ともに実現に結びつけたのだ。いま多くの大学のオープンキャンパスでは、大学主導で学生スタッフを募り、企画・運営する。だが、法政大学では現在も有志の学生がスタッフとして主体的に企画し、運営まで一貫して担っている。
 自主性、すなわち校歌にうたわれる〝進取の気象〟を重んじる学風は、学生の活動だけにとどまらない。
 法政大学では、2016年の大学憲章「自由を生き抜く実践知」制定を記念し、憲章の精神を体現する学生・教職員による活動を顕彰する「自由を生き抜く実践知大賞」を2017年度に創設した。その第1回大賞は「自主マスコミ講座」、2018年度第2回大賞は「法政グローバルデイ」であった。
 「自主マスコミ講座」は、教員、職員、そして同講座卒業生のマスコミ関係者が、いずれも有志による自主的活動として、30年以上にわたって継続している。多くのマスコミ関係者をここから輩出し、「マスコミに強い法政」というブランドをつくり上げた。「法政グローバルデイ」も、学生と教職員からなる実行委員が、創意工夫をこらして企画・運営を担う国際系のイベントである。
 同賞ではこのほかにも、入職1~3年目の若手職員が中心となり主体的に企画・編集した『大学職員のためのとっさのひとこと英会話』冊子の事例や、英語学位プログラムの実施に向けた諸課題に部局の枠を超えて取り組む体制を自らつくった「英語学位プログラム実現プロジェクト」など、職員による部局横断的で主体的な取り組みも表彰されている。
 このように法政大学では、学生・教職員の自由で主体的な発意で、先進的かつユニークな活動がさまざまに立ち上がり、展開している。そしてこの文化は、学生・教職員よりさらに一回り大きな輪にも支えられている。その輪が卒業生と保護者だ。卒業生組織は「一般社団法人法政大学校友会」、保護者組織は「法政大学後援会」という。校友会の発足は1887年(明治20年)、後援会(当初は「法政大学父兄会」)の設立は1947年(昭和22年)と、その歴史はいずれも極めて古い。
 後援会の設立は国内の大学で最も古く、しかもこれもまた保護者自身の発案だった。第2次大戦で壊滅的被害を受けた大学の窮状を総長から聞いた学生の父母たちが、その支援を提案して誕生した組織だ。現在では保護者組織を有する大学も多いが、その大半は大学側が運営する組織である。それに対し、法政大学では今も、保護者自ら運営する組織として大学を支えている。
 学生・教職員・卒業生・保護者がその垣根を越えて、主体的かつ創造的に、これからの大学に必要な活動を常に生み出し続けている。この進取の気象による「コミュニティーのちから」こそが、法政大学の最大の強みなのだろう。

オープンキャンパスでは学生スタッフが活躍

CAMPUS TOPICS ①

社会人教育のパイオニアが
「履修証明プログラム」を開設
 法政大学は教育・研究・社会貢献の三つのビジョンを掲げており、その中の社会貢献のビジョンでは「世界中の人々が、高度な市民教育を受けられる場となる」ことをめざしている。
 法政大学大学院は、日本の私立大学で初めて夜間の社会人大学院を設けたほか、企業家養成コースも日本で初めて設けるなど、「社会に開かれた大学院」のパイオニアとして知られている。
 今年、法政大学では大学が持つ知的資産を生かし、さらに積極的な社会貢献を促進するため、社会人がよりアクセスしやすい履修環境を整え、自立した市民を育てる生涯教育の拠点として「履修証明プログラム」を開設した。「健康とスポーツ」は今年4月より開講、「公共政策研究科 SDGs Plus」は大学院公共政策研究科にて今秋より開講予定だ。また「江戸東京を学ぶ」の開講も検討中。これらのプログラム修了者に対しては、学校教育法に基づく「履修証明書」が交付される。
出典:「大学ランキング2020」朝日新聞出版発行

CAMPUS TOPICS ②

「HOSEIミュージアム」2020年春開設
大学の過去・現在・未来を
ネットワークする発信の拠点
 法政大学で長年待望されていた大学ミュージアムが、長期ビジョン(HOSEI2030)の一環として、ブランディング戦略に取り組む過程で具体的施策となり、2020年春に「HOSEIミュージアム」として開設予定だ。本ミュージアムは「人・地球社会の持続可能性」のための実験型ミュージアムをコンセプトとし、法政大学140年の歴史を通じて蓄積した豊富な学術・文化資産を収蔵、公開する。研究コラボレーションの促進を図るとともに、同大学の自校教育の質を高め、資源のデジタル化を進めることで、国内外に向けて法政大学の価値とブランドを発信する。
 ミュージアムは、その中心的機能を有する「ミュージアム・コア」、各キャンパスの個性を伝える「ミュージアム・サテライト」、学内資源をウェブサイト上で公開する「デジタル・アーカイブ」などから構成される。
[問い合わせ先]法政大学史センター:03-3264-6501

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