成蹊大学

世界と未来に貢献する人間教育を

突き抜けた個性を磨き
変容する時代を生き抜く

協働にフォーカスした
人材育成の大改革

かつてキャリア支援センターの所長を務めた北川浩学長。学生との距離が近く、研修プログラムなどの学生の取り組みを現場で見守る

 AI(人工知能)やロボットの台頭、IoT(モノのインターネット)化の進展。昨今は、社会に存在する仕事の半分近くが機械の作業に置き換わる可能性があることが示唆され、その領域と内容に高い関心が寄せられている。
 いよいよ到来する超スマート社会(Society5.0)と呼ばれる時代に、人間の手に残る仕事とはどんなものだろうか。活躍する人物には、どんな素養が必要だろうか。成蹊大学の北川浩学長は、時代を担うカギとして「総合的思考力」「創造的思考力」「真のコミュニケーション力」の三つを挙げる。
 「まず、AIはデータがないと機能しないため、良識や見識に照らした物事の総合判断は人間の手に残るでしょう。またデータのないところから何かを創造すること、さらに、おもてなしに代表される細やかで密なコミュニケーションも人の手から失われないはずです。次なる社会ではこうした三つの力を備える必要があります」
 北川学長は続けて、その力を生かすための異分野協働スキルも欠かせないという。
 「現代社会の課題は複合的で、一つの専門領域だけでは解決できません。創造性が点と点をつなぐことから発生すると考えれば、一人の知識よりも多様な人間の集合知をもって取り組むべきです。実社会ではすでに、個人や企業などさまざまな単位で協働プロジェクトによる連携が生まれています。チームでの動きに慣れること、強いチームを形成することも大切だと考えています。強いチームとは、異なる分野で突き抜けた個性を持っている人を集めた集団のこと。課題解決に近づくには、深い知識を持った多様な人間が議論・提案・検証を重ねることが必要になるでしょう。こうした経験を学内外で数多く積む機会を生み出しています」
 徹底した社会考察を軸に、時代に即応した学びを創出する成蹊大学は、これらを鍛えるために「ワンキャンパスの利を生かした文理融合」「協働のためのディシプリン(専門性)の確立」をめざすカリキュラムを編成してきた。来春、その学びを拡充する学部改組や新コースの開設といった大規模な改革プロジェクト「成蹊ブリリアント2020」を始動させる。「これからの人材はオール60点ではなく、何か一つでも95点の突き抜けた個性を持つ必要があります。チームに選ばれる力を身につける学びにご期待ください」

選ばれる力をつける
学部再編と新たな学び

丸の内ビジネス研修では端的な説明も高い評価を得た

 「成蹊ブリリアント2020」における最大の改革は、これまで経済経営学科のみを置いていた経済学部の再編だ。経済学部は「経済数理学科」「現代経済学科」の2学科とし、経営学部を新設して「総合経営学科」を置く。その学びは全く新しいものになるという。
 「経済数理学科」は経済分析のスペシャリストを養成すべく、プログラミングや数理モデル分析、データ解析などを取り入れる。「現代経済学科」はフィールドワークやケーススタディーを多用し、現場の声をベースにした課題解決策を実践的に導き出す。経営学部の「総合経営学科」は、経営を総合的な人間の営みと捉え、経営学の基礎から応用までを学ぶ過程で、法律・心理学・情報分析・グローバルなど関連性の高い学問領域に触れながら総合的な思考力と情報処理能力を追究していく。チーム全体をまとめ、集合知の発揮に寄与する力を養うことが狙いだ。
 このほかにも、理工学部情報科学科では2年次から「コンピュータ科学コース」「データ数理コース」に分け、理系学部でもディシプリンを明確にし、即戦スキルを有する人材を育成する。
 さらに、全学生が自分の学修デザインに基づいて履修できる副専攻制度がスタートする。「国際関係」「総合IT」「社会福祉」「哲学思想」など16領域からなり、グローバル視点・英語力・ITといった、これからの必須知識とされるスキルを身につける体制を構築。各専攻領域で8科目程度(16単位)を修得すると修了認定される。
 「5学部でディシプリンを確立し、その学問との掛け算で飛躍できるカリキュラムをそろえます。専門分野に加えて一定系統の学びに触れることで思考に広がりが生まれ、多角的なアプローチができるようになります。特に『総合IT』はオンライン授業を基軸としており、どの学部の学生でも履修できます。興味のある分野、備えるべきスキルを具体的に考えることも自らの道をひらくヒントです」
 掛け算型の学びは他にもある。文学部では「日本語教員養成コース」「芸術文化行政コース」を全学科の学生が履修できる学科横断型のコースとして開設。
 選抜プログラムでは、学部横断型の国際教育プログラム「EAGLE(Education for Academic and Global Learners in English)」を導入する。英語科目は原則オールイングリッシュの実践型授業で、聞く・読む・話す・書くの4技能を強化し、1年次の夏休みにはイギリス・ケンブリッジ大学へ短期留学する。その後、中・長期留学や海外インターンシップなどで海外経験を積む。留学時の授業料の減免や奨学金給付など経済的支援が充実しているが、EAGLE生には留学奨学金を増額し、さらなるバックアップをする。帰国後は優先参加枠が設けられた成蹊大学の看板プログラム「丸の内ビジネス研修(MBT)」などを活用し、キャリアデザインまでもサポートする。

異分野での緊張が
学生を飛躍させる

ゼミや研究室での活発な議論の習慣が協働力を高める

 MBT(Marunouchi Business Training)は、北川学長自らが立ち上げた産学連携人材育成プログラムである。全学部から選抜された約30人が、学部を横断する6、7人のグループで協力企業が提示した課題の解決策を提案・発表する。およそ7カ月にわたって議論と検証を重ねていくプログラムは、課されるテーマの難度が年々高まっている。
 「社会構造や企業の存続に関わるリアルな問いかけが増えてきました。産学連携プロジェクトとしても大きな意義を果たすものに育ちつつあると感じています」
 今年度の学生が取り組んでいるのは「人口減少社会を逆手に取った新たなビジネスの提案」といったビジネスモデルのプレゼンテーションの他、特定の世代と製品を結ぶCMの制作などがあり、アウトプットも広がりを見せている。自分の夢やミッションのために時間をかけてトレーニングしていく、個とチームでの学び。この二つには共通点がある、と北川学長は語る。「緊張感ですね。異分野に身一つで飛び込んでスイッチを入れること、あるいは丸の内というアウェーの空間でスーツに身を包み企業担当者にプレゼンテーションすること。かけてきた時間と、その場に立つことによって生まれる緊張感が学生を大きく飛躍させます。本学は本物に触れる学びを通じた『自奮自発』を重視していますが、より多くの学生が成長のチャンスをつかめるようなプログラムの増設を進めていきます」
 建学時から「個性の尊重」を掲げている成蹊大学。1年次から全学年に設置するゼミナールをはじめ、幅広い学問領域で双方向型の少人数授業を取り入れており、一人ひとりと向き合うきめ細かな教育システムが特徴だ。伝統的に学生と教職員の距離が近く、1年次から利用できるキャリア支援センターなどにも多くの学生が足を運ぶ。3年次からのキャリア指導では、企業の紹介や面接対策など一人ひとりの要望に応じてきめ細かなアドバイスをする。
 このほか、学生が立案したボランティア活動を助成する「成蹊大学社会活動支援奨学金」など、自発的な取り組みのバックアップ体制も整う。こうした手厚さは、成蹊大学ならではといえるだろう。特にボランティアなどの社会活動は、教育・研究とともに成蹊大学が社会的責任として定めている「成蹊大学USR(大学の社会的責任)フィールド」の一端で、学生や教職員が学内外の多様な輪の中で存在感を発揮している。
 学修カリキュラムや選抜プログラム、課外活動など、成蹊大学にはチャレンジの機会が無数にある。4年間で挑戦する姿勢を培ってほしい、と北川学長。
 「現代社会は安定や静けさとは程遠いものです。荒れた海への船出に耐えうる確かな力をつけること、これが大学で学ぶ意義でしょう。成蹊大学は不確実な社会に立ち向かうための教育を懸命につくっています。意欲ある学生の皆さん、ぜひ私たちと未来を語り合いましょう」

CAMPUS TOPICS ①

学園全体でESD教育を推進
教育研究センターを起点に
持続可能な社会の実現をめざす
 成蹊学園では、100年以上前の実務学校創立当時から実験・観察・校外学習などの「本物に触れる」体験を重視しており、情報の収集や分析といったアクティブラーニングを通して、科学的思考力と課題抽出力を高める教育体制を構築してきた。こうした学びは、ESD教育(持続可能な社会の担い手を育む教育)で掲げられる能力開発との共通項でもある。長く取り組んできた歴史を生かして、今後は社会への還元にも注力するという。
 昨年4月、その拠点として「成蹊学園サステナビリティ教育研究センター」を開設。小・中・高・大を縦断する組織と位置付け、各校の教員と外部研究者が協働している。今年4月には1年間のESD教育の報告会として「ESD 成蹊フォーラム 2019 武蔵野の自然と成蹊の学び」を開催。児童や学生たちの象徴的な活動を表彰するとともに、客員フェローである東京大学大気海洋研究所の猿渡敏郎助教から、成蹊中高での深海魚特別講義について報告があった。
フォーラムには学園関係者や近隣住民など約120人が集った

CAMPUS TOPICS ②

新たな奨学金制度を導入
地方出身学生をサポートする
「成蹊大学吉祥寺ブリリアント奨学金」
 入学後、4年間継続して給付を受けることができる、地方出身学生を対象にした予約型奨学金「成蹊大学吉祥寺ブリリアント奨学金」が2020年度からスタートする。給付額は年額45万円。入試出願前に採用が決定(内定)するのが特徴で、入学後の本手続きによって給付を受けることができる。申請期間は、2019年11月1日(金)から12月2日(月)。詳細は成蹊大学HPで公開している。

掲載大学一覧[関 東]

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