成蹊大学

世界と未来に貢献する人間教育を

学園本館は池袋から吉祥寺に移転した1924(大正13)年に建てられた。同年に植樹されたけやきが美しい並木道をつくる

時代に即した研究と教育で
いち早く社会課題に挑む

多様なコラボが
新しい社会を拓く

北川 浩学長 

 オンライン授業やテレワークなど、日々の暮らしでIoT(モノのインターネット)化の加速を実感する機会が増えている。2020年は、個人も社会も変わらざるを得ない事態に見舞われた。日本ではこれをきっかけとして、産業から生活まであらゆるシーンにAI(人工知能)やロボット、ビッグデータといった革新技術が取り入れられる超スマート社会(Society 5.0)が本格的に幕を開けたと言えるだろう。
 成蹊大学は、新たな時代の到来に備えた人材育成方針をいち早く掲げ、教育環境の整備とプログラム構築に向き合ってきた。今年4月には「成蹊大学 Society 5.0研究所」を開設。徹底した社会考察で学内改革を進めてきた北川浩学長は、研究所の意義をこう語る。
 「日本に超スマート社会の波がくるのは、少し先のこととされていました。しかし、私たちは今、未曽有の事態によって突如浮き彫りになったさまざまな課題に直面しています。個人情報保護やビッグデータの活用など、日本社会は新しい時代を迎えるための制度的課題を残したままコロナ禍に突入しました。社会は個人にどこまで強要し、個人はどこまで許容するのか、どうすれば折り合いをつけられるのかを探っていかねばなりません。社会構造や文化に影響を及ぼす研究をリードしていくことに、使命を感じます」
 同研究所は先端テクノロジーに特化したものとせず、超スマート社会をどのようにつくっていくべきかを多分野の見地から学融合的に研究する。また、企業や地方自治体といった団体との協働・連携によってシステムを実装するという。
 「ゴミの分別をサポートするアプリや建物のエネルギー消費量を測る機器の導入など、社会課題の解決につながるテーマに取り組みます。また、実装から解決に至ったプロセスも、細かく検証したいと考えています」
 成果は人材育成にも生かされる予定だ。研究内容をフィードバックする講義や、学生が発案・参画するプロジェクトの実施、さらには、小学校から大学までが同じ敷地内にある成蹊学園の利点を生かした学びの創出も視野に入れている。
 「未来を担う人材には、人と人がつながり協力し合うSDGs(持続可能な開発目標)の基本理念に通じる学びが必要だと考えています。ワンキャンパスという本学ならではの環境のメリットを柔軟に取り入れていきます。技術だけが発展した殺伐とした社会では、真の豊かな暮らしは実現できません。人間を中心にして多様なもの(価値観、知識、技術など)がコラボする姿こそ、これからの時代に求められるものだと思います」

※「成蹊大学Society 5.0研究所」の設置運営には、三菱創業150周年記念事業委員会から支援を受けている。

研究と教育の新体制が
本格的に始動

この春から本格始動した「Society 5.0 for SDGs:成蹊モデル」

 成蹊大学では『Society 5.0 for SDGs:成蹊モデル』(上図参照)を掲げ、「理論」「実践」「教育」を柱として時代が求める「持続可能な社会の実現に寄与する力」を備えた人材の育成に取り組んでいる。
 「理論」を導き出すのは、成蹊大学 Society 5.0研究所だ。その理論の「実践」は、18年4月にESD(持続可能な開発のための教育)の推進に向けて立ち上げられた「成蹊学園 サステナビリティ教育研究センター」が担う。同研究所は、成蹊学園をはじめ、さまざまな学校・地域・企業・研究機関のハブ(拠点)として機能。学生ボランティアが参加するプロジェクトの実施や、地域の企業・団体とのイベント共催などで着実に存在感を強めている。二つの研究機関のタッグによって、活動を深化させる基盤が整えられた。
 先述の通り、これらを「教育」に反映させるための動き出しも早い。「今、これまでの文明の形態や価値観が大きく変わろうとしています。今後の教育機関は、どの分野においても『SDGsを念頭に置いた超スマート社会に対応する研究と教育』を意識せざるを得ないでしょう。成蹊大学はすでに、この変化に即して研究と教育の舵(かじ)をきっています」と北川学長。理論・実践・教育の大改革がもたらす効果にぜひ期待してほしいと続ける。

突き抜けた個性を磨く
学修プログラム

ゼミや研究室での活発な議論により互いを高め合う

 進展する超スマート社会で活躍するには、AIでは達成できない人間だけが持ち得る力を伸ばす必要がある。具体的には、どのような力のことなのだろうか。北川学長は、良識に照らして物事を判断する「総合的思考力」、物事をつないで新しいモノや策を生み出す「創造的思考力」、状況に応じた細やかな気配りができる「真のコミュニケーション力」の三つを挙げる。
 「現代社会の課題は複合的で、一つの専門領域だけでは解決できません。課題の解決に向けて異なる専門分野を持つ人が集まり、それぞれが得意とする力を発揮することが重要です。さまざまな分野で誰にも負けないスキルを持った人がチームを組むことで、総合力や創造力が高められます。チームに選ばれる人材になるには、自分だけの強みを持つ必要があるのです」
 成蹊大学では現在、成蹊学園が100年以上にわたって築いてきた伝統を継承しながら「ゼミの成蹊」「プロジェクトの成蹊」「コラボの成蹊」を核として、さらなる教育の充実を図っている。
 今年度からは、超スマート社会で活躍できる人材を育成するための教育改革「成蹊ブリリアント2020」が始動。既存の経済学部を改組して新たに経営学部を設置し、経済学部、経営学部、法学部、文学部、理工学部の全5学部で、より専門性を確立できる学修環境を整えた。このほか、学部横断型のグローバル教育プログラム「EAGLE(Education for Academic and Global Learners in English)」や、もう一つの専門性を身につけるための「副専攻制度」もスタート。北川学長はこうしたカリキュラムやプログラムを通じて、突き抜けた個性を持つ山型の人材を育成したいと語る。
 「〈山〉という字をイメージしてください。中央の縦線が軸となる専門の力を、両脇の二本がITスキルと副専攻で身につけた力を表します。主専攻で専門知識を深め、副専攻で将来を見越した学問領域に触れておくのもいいでしょう。生涯にわたって学び続ける自奮自発の精神が息づく成蹊大学が提供するのは、こういった学びです。皆さんが自信を持って社会に羽ばたくための学修プログラムをそろえています」

柔軟性と発想力が
世界を変えていく

 社会は混迷し、閉塞感を強めている。しかし、北川学長はあらゆる状況をプラスに捉える視点を持ってほしいと語る。
 「20世紀までに築き上げられた価値観や常識は、崩れ去ろうとしています。新たな社会を動かすのは、慣習や社会構造に対して先入観を持たない世代です。若者の柔軟性と発想力が世界をつくり変えていくことになるでしょう。学問を前に推し進めるのは、当たり前とされる物事に疑問を持ち、探究する姿勢です。意欲ある学生の皆さん、社会に出るために学びを深めようとするあなた方は、人類の希望の光です。成蹊大学で未来を語り合える日を、楽しみにしています」

CAMPUS TOPICS ①

4年間の学びを支える奨学金制度
地方出身学生を対象にした
「成蹊大学吉祥寺ブリリアント奨学金」
 入学後、4年間継続して給付を受けることができる、地方出身学生を対象にした予約型奨学金「成蹊大学吉祥寺ブリリアント奨学金(成蹊大学地方出身学生予約型奨学金)」。給付額は年額45万円。入試出願前に採用が決定(内定)するのが特徴で、入学後の本手続きによって給付を受けることができる。詳細は成蹊大学のウェブサイトで公開中。

CAMPUS TOPICS ②

専門分野にプラスして
もう一つの専門性が身につく
副専攻制度がスタート
 所属学部学科の専門分野に加え、興味関心に沿った「学びのデザイン」をかなえる副専攻制度がスタートした。文系・理系を問わずすべての学生に必要な情報技術の基礎知識が学べる「総合IT」をはじめ、「社会福祉」「国際関係」「心理学」など16の副専攻が用意されている。「経営学部だが、世界の歴史や政治経済にも興味がある」「理工学部で得られる技能を生かして、将来は自分のビジネスを展開したい」といった学修ニーズに応える制度で、学生一人ひとりがマルチな専門性を備えるチャンスが開かれている。

掲載大学一覧[関 東]

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