東洋大学

時代の要請に応える教育・研究・社会貢献を

地球社会の未来を拓くため
教育・研究環境を拡充する

教育環境を整備し
新時代を担う人材育成

2020年4月に就任した矢口悦子学長。専門は社会教育学、生涯学習論

 2020年4月に東洋大学の学長に就任した矢口悦子氏。全国的にもまだ数少ない女性学長だが、東洋大学としては二人目だ。初代女性学長の神田道子氏(00~03年)は、日本の私立総合大学で初めて学長になった女性。そして、さかのぼること104年前には、日本の私大で初めて女子の入学を許可した。そうした経緯から、矢口学長はこう思いを込める。
 「女性の学長ということに、特別の思いや不安はありません。本学では当たり前のように受け止めていただいています。ただ、学長としての重責・緊張感は今もひしと感じています」
 東京・埼玉・群馬に5つのキャンパスをもち、13学部に3万人を超える学生が在籍する、全国有数の規模の総合大学だ。1887年、哲学者の井上円了によって創立され、円了の思想「諸学の基礎は哲学にあり」を建学の精神に置く。
 現在、時代の変化を見すえた学部再編・キャンパス移転を構想している。
 「キャンパスの特徴をはっきりと打ち出し、そこに共通のテーマをもった学部を配置し、そして、互いに連携を図ることで教育の質を向上させ、新たな時代を担う人材を育成します」

情報・スポーツ科学・
福祉の学術拠点に

赤羽台キャンパスに建設中の新校舎完成予想図
学生や地域の人々がコミュニケーションを図れる場に

パース図提供:東洋大学赤羽台キャンパス設計管理共同企業体(隈研吾建築都市設計事務所・日本設計・戸田建設)

 2021年度に、ライフデザイン学部・研究科を朝霞キャンパス(埼玉県朝霞市)から赤羽台キャンパス(東京都北区)に移転する。移転は、13年に学校法人東洋大学と東京都北区およびUR都市機構(独立行政法人都市再生機構)が締結した「赤羽台地区における大学等の整備に係る協定」に基づくもので、構想段階から三者で協議を進めてきた。2年後の23年度には、福祉とスポーツ科学に関する教育研究を行う2学部「福祉社会デザイン学部(※)」「健康スポーツ科学部(※)」を開設する。
 「どちらも人々の幸福な生活を高めることを目的としています。福祉社会デザイン学部では、福祉系学部でこれまでにない教育体系を構築予定です。健康スポーツ科学部は、健康・スポーツコンテンツや栄養科学を通じ、社会課題の解決を図っていきます。坂村健教授を学部長とする既設の情報連携学部との協働により、新しい教育スタイルが生み出されることも期待しており、将来的には、これらの分野におけるアジアの拠点となることも目指しています」
 両学部ともに北区と全面的に連携し、実践的教育を実施。「人生100年時代」といわれる現在、福祉分野の発展と健康スポーツの推進は重要なテーマだ。北区は、東京23区のなかで最も高齢化の進んだ地域。この分野での連携を求めていた北区とマッチした形だ。地域との連携をより深化させ、大学がもつ広範な研究・技術力と福祉分野での協働で、国内外の諸課題の解決にチャレンジする。
 移転に伴い建設中の新校舎は、新国立競技場も手掛けた隈研吾建築都市設計事務所が担当した。
 「つながり合う空間を演出しています。開かれた空間(広場)を複数配置し、そこでの交流を通じて学生や地域の人々が出会い、コミュニケーションを図れるような構造になっています」

(※)2020年6月現在設置構想中。学部の名称は仮称であり、計画内容は変更になる場合がある

国際社会の多様性に
学ぶ「地球市民」の育成

 さらに、21年度には社会学部社会文化システム学科を国際社会学科に改組。多文化共生と多様性の推進・活用(ダイバーシティ・マネジメント)を実践的に担うことのできる「地球市民(グローバル・シティズン)」の育成を掲げる。
 「15年に国連サミットで採択された『SDGs(持続可能な開発目標)』のゴールとされている地球規模の課題をより深く学んでほしいと考えています。どの課題にも、多様な側面があり、歴史、宗教、ジェンダーなどの文化的背景や経済的状況などへの理解がなくては、本質をとらえることはできません。多様性を柔軟に受け止め、探究を続けることで、共生の糸口が見えてきます。社会に向けた課題解決のためのアプローチ、それ自体を創造するような人材を育成していきます」
 キャンパス移転や学部再編など、時代の要請に応える教育・研究・社会貢献を展開する東洋大学への期待はいっそう高まる。矢口学長は未来を見すえて、力強くこう語る。
 「長期的な展望で進められてきた改革が、実現しつつあります。少子高齢化が加速する社会において、SDGsに象徴されるような地球規模の課題解決には、生命、健康、生活、共生、パートナーシップというような価値に連なる学問間の連携や協働が重要になります。その実践が本学の変革であり、それぞれのキャンパスが今後担っていく役割であると捉えています」

CAMPUS TOPICS

地球社会の明るい未来への貢献を目指す中期計画を策定
キャンパスの整備や学部学科の再編を推進
 2020年3月、学校法人東洋大学は中期計画「TOYO GRAND DESIGN 2020-2024」を策定した。計画では、「研究」の高度化が「教育」を進化させ、その二つがさらに「社会貢献・社会連携活動」を高めることにつながるとしている。その中心には「地球社会の明るい未来を拓く(他者のために自己を磨く)」ことを目指すという基本構想がある。
 起点となる「研究」では、創立者の井上円了の説いた「主体的に社会の課題に取り組む」ことで新しい価値の創造を目指す。「教育」では、「研究の高度化が教育の高度化をけん引する」ことを推進しつつ、哲学を礎とする東洋大学らしく、「変化の激しい時代の中で、変化に動じない自分の哲学を持ち、明るい未来を担える人材を育てる」との目標を掲げる。
 そして、これらの活動が、社会貢献・社会連携活動の高度化につながることを前提に、教職員や学生が「活動の中で奮闘する」ことで、より多くの人に明るい未来を届けることを計画に盛り込んでいる。
2022年以降、中期計画を礎とした大改編
 中期計画を土台として、キャンパスの整備や学部学科の再編を推進する。
 2022年には、赤羽台キャンパスに国際学生寮が完成。外国人留学生と日本人学生が一緒に暮らす「混住型学生寮」の建設により、外国人留学生に対するプレゼンスを向上させるとともに、日本人学生とコミュニケーションをとる機会を増やすことで、より一層の大学の国際化を図ることが狙いだ。
 さらに、23年度には学部を改組し、福祉とスポーツ科学にかかわる2学部5学科を赤羽台キャンパスに開設し、体育館や図書館も併設予定だ。24年度には、板倉キャンパス(群馬県板倉町)の生命科学部、食環境科学部食環境科学科フードサイエンス専攻/健康栄養学科、川越キャンパス(埼玉県川越市)の理工学部生体医工学科を朝霞キャンパスに移転。食環境科学部食環境科学科スポーツ・食品機能専攻は赤羽台キャンパスに移転する。こうした取り組みにより、研究・教育・社会貢献の体制の整備を図る。

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