駒澤大学

しなやかな、意思。

禅(ZEN)のこころを学び
しなやかで芯のある駒澤人に

駒澤大学のオリジンは
仏教の教えと禅

今年4月に就任した各務洋子学長

 「デジタル技術の進展を背景に、グローバル化が新たな段階に入ったといわれます。長い歴史を持ち、ゆるぎない仏教の精神を大切にしてきた駒澤大学が、仏教と違う畑で育った私を学長に選出したことは、新たなステージに進み始めた証でもあると考えます」

 今年4月に就任した各務洋子学長は、今の時代における駒澤大学の存在意義についてこう語る。

 駒澤大学の建学の理念を簡潔に表す言葉である「行学一如」は、自己形成をめざす「行」と学問研究である「学」が一体であるという意味を示す。

 「理念は、『信誠敬愛』として具体化されています。仏教の教えを信じ、自他の尊厳を認め合うこと、誠実に生きること、慈悲の心を持つことを意味します」

 全学部の学生は「仏教と人間」という必修科目で、1年間仏教を学び、その理念を体得していく。

 「組織にはそれぞれに個性があり、それが唯一無二のブランドであり、存在意義となります。ブランドを確立するには、個性つまり、オリジナリティを示すことが大切です。駒澤大学のオリジンは、仏教の教えと禅の精神です」

 その理念に基づき、社会で活躍できる教養と、駒澤大学で学んだというアイデンティティを持つ人材を「駒澤人」と名付け、その育成に取り組んでいる。

 「駒澤大学で過ごした大学生活を通して確立されたアイデンティティは唯一無二の経験として、グローバル社会で生きる皆さんの自信につながることでしょう」と各務学長は期待する。

 2017年に始動した長期ビジョン「駒澤2030」に基づき、「駒澤大学ブランディング計画」を実行中だ。コンセプトの一つを「自分の道を見つけ出すための〝よりどころ〟としてこころ・まなび・つながりを提供する」という言葉で表現した。スローガンは、和文では「しなやかな、意思。」、英文では「Learn Actively. Live Wisely.」と掲げている。

 「仏教感を直接伝えているわけではないのですが、今の大学生の心に刺さる言葉を模索した成果です。しなやかで折れない竹のような主体性を持って勉学に励み、柔軟に生きていく心を育んでほしいとの願いが込められています」

デジタル化推進と
ダイバーシティ尊重

駒沢キャンパスにある「坐禅堂」

 昨年はコロナ禍により、寂しく過ごしていた学生も多い。そんな中、授業で「坐禅」を体験していた学生からは、心が落ち着いたという声もあった。

 「〝ZEN〟(禅)は海外でも注目されており、本学では私立大学研究ブランディング事業の一環として『禅と心』の研究成果を国内外に発信する特設サイトを開設しました。ここでは『坐禅』が身心に与える影響の科学的な検証や、さまざまな分野の研究者との禅(ZEN)に関する共同研究により、現代人が抱える『心』の問題に対し、新たな提言を行っています。キャンパス内には『坐禅堂』や『禅文化歴史博物館』があり、禅を身近に感じる環境が整っています。学生時代に育んだ心のよりどころは、皆さんの個性に彩りを加えるに違いありません」

 また、コロナ禍に対応した教育のデジタル化を急速に進めている。教職員と学生が分断なく通信できる情報のプラットフォームの構築、オンライン授業の効率化、出席管理システムの導入など多岐にわたる。

 「学長に就任した際、二つの柱を公約として掲げました。一つはデジタル化の推進によるマネジメント改革、二つ目はダイバーシティの尊重による個を生かす大学です。これからの4年間で世界に通用する水準にまで上げていきたいと考えています」

 デジタル化により教職員の働き方、学生の学び方の多様化も実現していく。ハンディキャップのある学生、遠距離通学の学生らもオンラインの活用で解決される問題は多いという。ITはこうした効率化と個々を生かした取り組みができることが利点だ。「デジタル化を先行させ環境を整えることと、ダイバーシティの推進を同時に進めます。ジェンダーなどさまざまな意味で個が生かされ、一人ひとりの力がどんな条件でも発揮できる組織を築いていきたい」と各務学長は話す。

多様性の中で
個を生かす

 2022年、駒沢キャンパス(東京都世田谷区)では、大学の更なる高度化をめざし、新たな図書館の完成を予定している。学生が互いに意見交換をしながら学修できる場や、研究に打ち込める場を作り、フロアによってニーズに応じたサービスを提供する。約125万冊の蔵書の大半を占めた閉架図書も多くは開架として提供する。

 「今後は本学が有する貴重な仏教の書物などを公開する機会も提供したいと考えています。一方、授業で行っているプロジェクトを、チームで一緒にインターネットで調べ議論する『場』から、さまざまな気づきが生まれることでしょう。またITを駆使して海外の書物を検索したり、海外の研究者とやり取りしたり、グローバルに開かれた図書館をめざしています」

 環境整備を着実に進めてきた駒澤大学は、多様性の中で学ぶ場の実現にも力を注いでいる。日本だけではなく、世界での活躍を熱望する学生も多く集う。海外国籍の教員が、語学だけではなく専門科目を教える学部もある。多様性への理解は、語学の勉強からだけではなく、専門科目の学びを通して肌で感じることができる。海外での事例やエピソードが、学生にとっては非常に新鮮である。

 「世界には78億人が暮らし、78億通りの考え方がある。大学での学びを通して、さまざまな角度から多様性を実感してほしい。禅を発信することによって世界のいろいろな国から興味をもった人が学びに来てくれることを期待しています」

 その上で、各務学長は学生をこう激励する。「多様性の中での合意形成や意思決定の経験を通じて、個を生かすことの難しさを4年間で経験してほしい。卒業後、ここで奮闘した経験は必ず生かされるはずです」

CAMPUS TOPICS

人と情報が集まり、
新たな智を生む「自他協創」の拠点
新図書館が2022年に開館

 大学開校140周年を迎える2022年、新図書館の完成を予定している。人と情報が集まり、出会い、新たな智を生む「自他協創」の新拠点となる建物は、地上6階、地下3階、延べ床面積約1万1000㎡。利用者のさまざまな学修スタイルに合わせた図書館だ。書架を建物の中央に配置し、オープンな空間と開かれた書架(智の蔵)となっている。上層階に行くほど専門性と研究色が高まるフロアゾーニングで、利用者が居場所を自由に選ぶことができる。紙媒体と電子媒体をシームレスに利用できるハイブリッド・アーカイブズをめざす。これまでの閲覧席のほか、個人ブースやグループで学べるスペース、可動式テーブル席、カウンター席、ソファ席も設ける。1、2階は交流広場で、学生がコミュニケーションを取りながら学習できる場。3、4階は最新のICT機器を活用し、利用者のニーズに応じた活動を促す。5階は個別に学修するための落ち着いた空間で、調査や研究に必要な資料、デジタル機器を利用できる。6階は、貴重資料等の特殊な資料を活用し、卒業論文や修士論文など専門性の高い研究に長時間没頭できる静寂空間を作る。

各フロアの中央部に蔵書スペース「智の蔵」を設け、その周囲に閲覧スペースを配置した構造になっている。中央に集まる「智」を使い、蓄え、つなげる役割もある

掲載大学一覧[関 東]

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