創価大学

価値創造を実践する「世界市民」を育む

建学の理念と創立50周年の伝統を基に
社会に新たな価値を生み出す

次なる10年に向けた
新グランドデザイン

研究プロジェクトやSDGsへの貢献など学生自らが積極的に活動する

 今年4月に創立50周年を迎えた創価大学は、10年後の2030年を見据えた中長期計画「Soka University Grand Design2021‐2030」を策定し、「価値創造を実践する『世界市民』を育む大学」をテーマに新たな取り組みを開始した。

 この「世界市民」について、馬場善久学長はこう説明する。

「本学では、開学当初から学生が異なる文化やバックグラウンドを持つ学生と触れ合い、刺激し合える環境づくりに力を入れてきました。世界市民とは、国際性と多様性を受容する力に加え、知識基盤と実践的能力、そして、創造的な思考力を併せ持ち、社会が求める価値を世界に向けて創造できる人材です」

 この理念と伝統を基に、グランドデザインでは「教育」「研究」「SDGs(持続可能な開発目標)」「ダイバーシティ(多様性)」の四つを戦略分野として掲げ、変化する社会を支える「世界市民」が育つ教育システムの構築や、学際的な研究でSDGsに貢献する先導的役割を担うことなどをめざす。

創価大学は2021年4月、創立50周年を迎えた

特色ある国際研究や
多様性豊かな教育環境

馬場善久学長

 なかでも研究分野では、重点研究を中心に成果を上げている。DNAやタンパク質に次ぐ「第三の生命鎖」といわれる糖鎖(とうさ)の研究では、国内で数少ない専門研究センター「糖鎖生命システム融合研究所」を学内に有し、創価大学の教員が代表を務める研究グループで世界初の糖鎖科学ポータルを開発した。

 さらに「プランクトン工学研究所」では、プランクトンが持つ特性やさまざまな機能を実社会で利活用するための基礎研究、応用技術開発を行う。例えば、エチオピア最大のタナ湖で過剰に繁茂し、水質悪化や漁業の妨げとなっている水草ホテイアオイの資源化をめざす研究がある。

 ホテイアオイを刈り取って湖沼環境の改善を図りつつ、回収したホテイアオイを利用してバイオ炭などの土壌改良材をつくり、また、それを使って大量培養した藻の一種スピルリナを栄養食品として商品化するなどの有効活用方法を確立する。

 この研究には、同研究所を中心に理工・経済・経営・看護学部のほか、国内の研究機関や企業、また現地の大学などが携わり、文理融合の国際共同研究のプロジェクトとして、環境保全やエネルギーの確保、農業・経済振興、子どもの栄養状態改善などさまざまな社会課題の解決をめざす。

 この研究を含め二つのプロジェクトが「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」に採択されている。このプログラムは科学技術振興機構(JST)や国際協力機構(JICA)などが、国際社会で取り組むべき環境課題を支援するもので、これらのプロジェクトには大きな期待が寄せられている。

 こうした社会課題の解決は国連が採択したSDGsへの貢献にもつながる。SDGsは、創価大学の教育方針である「創造的人間の育成」と共通する点が多く、研究だけでなく教育や学生生活全般で、SDGsを意識した活動が活発化している。

 また、ダイバーシティは、創価大学が開学当時から大切にしてきた精神だ。外国語学部を持たない中規模大学でありながら、18言語にわたる言語教育を実施、留学がまだ一般的でなかった1980年代から学生の交換留学を積極的に推進してきた。さらに、多様性豊かなキャンパスの実現に向け、55の国・地域からの留学生を受け入れている。コロナ禍で留学生は一時的に減少しているが、それでも全学生の約10%が留学生だ。

 学生たちは、このような教育環境のなかで、国際感覚を養い、社会が求める価値を世界に向けて創造する力を育んでいる。

知識だけでなく
実践できる人材を

 創価大学は2010年度に最初の中長期計画を策定、キャンパスのグローバル化や教育環境の整備などで成果を上げてきた。

 馬場学長は、「この10年で学生は想像もしなかったほど目覚ましい成長を遂げました」と振り返る。

 「大学や教員が主導するのではなく、学生が自ら考え行動を起こす事例が増えています。研究でもさまざまな学生プロジェクトが進行しているうえ、多くの学生有志の団体がSDGsを意識した活動を展開し、社会を変えようと発信を続けています。コロナ禍にあってもオンラインを活用し、世界の人々と積極的に意見交換して行動につなげていく姿は頼もしいです」

 今回の新グランドデザイン策定で特にこだわったのは「実践」だと馬場学長は強調する。

 「学問や知識を身につけるだけでは、起こせる変化は小さい。行動を通して成長できる人材を養成するという決意を込めて実践という言葉を加え、それぞれの取り組みの成果を可視化することを重視しています」

 そして、今後の社会を背負っていく学生たちに馬場学長はこうエールを送る。

 「『価値創造を実践する世界市民』の精神を身につけた学生は、常に自ら必要なことを学び、成長していけるはずです。レジリエンス(困難を乗り越える力)を発揮して、社会に価値を発信してほしいと期待しています」

CAMPUS TOPICS ①

学生自らのアイデアと行動で
SDGsへの取り組みを展開し
社会課題の解決に向けて発信

 創価大学のSDGsへの取り組みは、学生がアイデアを出し、アクションを起こしている例が数多くみられるのが特徴の一つだ。キャンパスでのペットボトル削減に取り組む経済学部、西浦昭雄ゼミの「チームPLASS」は、学生を対象にマイボトル使用状況について調査を実施、マイボトル用の給水場所がないことが課題であることを突き止めた。そこで、マイボトル用ウォーターサーバーの導入を提案。大学のSDGs推進センターと連携して試験導入を行い、2021年4月、学内9カ所に設置した。また、学生組織「ASPIRE SOKA」がSDGsに関するイベント開催や関心を持つ学生の交流発信の拠点となる活動に取り組むほか、学生有志の団体「Climate Action SOKA」は2019年の国連気候行動サミットに合わせてアクションミーティングを開催するなど社会をよりよい方向に変えるための発信と行動を続けている。

CAMPUS TOPICS ②

スーパーグローバル大学として
二回連続で最高評価「S」を獲得
国際交流や外国語力が向上

 新たな取り組みに挑戦し、日本のグローバル化をけん引する大学を重点支援するため文部科学省が定めているのが「スーパーグローバル大学」だ。創価大学は、「『世界市民』教育プログラム」が評価され、同事業に採択されている。2017年度と2020年度に実施された二度の中間評価で、創価大学はいずれも5段階評価のうち最高評価「S」を受けた。海外交流大学の数では最終年度の2023年度に向けた目標値をすでに達成しているほか、外国語力基準を満たす学生数も目標の90%以上を達成するなど、数値目標の多くを早期にクリアしている。さらに、平和、開発、環境、人権といった分野の研究・教育活動が着実に進展していること、創価大学の特徴の一つでもあるアフリカ諸国への留学生派遣数が目標値を大幅に上回ったこと、外国人学生数や教員数などの指標も大幅に向上したことなどが評価されている。

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