関東学院大学

「社会連携教育」で実践力を育む

社会課題解決の装置としての大学は
横浜・関内キャンパスの開校で「知の拠点」に

課題解決力を
養うには教養が必要

小山嚴也学長は「社会と関わる場面をより増やしたい」と話す

 企業人を相手に学生たちがプレゼンテーションを行う──関東学院大学では珍しくない光景だ。経営学部の「K-biz」という取り組みでは11社のサポーター企業の協力を得て、ビジネスにおける現場視点の獲得や社会課題をテーマとした教育を推進しながら社会連携の学びを進める。「K-bizアクティブ・チャレンジ」と名づけられたコンペティションではサポーター企業から実践的な課題が出され、参加学生は出題企業の担当者の前でプレゼンを進めたあと、企画や提案に対してアドバイスをもらう。

 「K-biz」に代表されるように、関東学院大学は世の中が直面している課題を扱う「社会連携教育」に重心を置く。法学部による群馬県上野村での関係人口拡大支援や、栄養学部が協力した有名企業の商品をベースとしたアレンジレシピ集の出版など、事例は豊富だ。経済学部も公的機関から提供されたビッグデータなどをもとに、しかるべき政策を検討する。小山嚴也学長が言葉に力を込める。

 「課題は教室の中ではなく、社会の中にあります。課題を解決しようとするなら、大学に閉じこもっているのではなく、課題とそれを取り巻く人々に向き合わなければなりません。私たちは『社会課題解決の装置としての大学』でありたいですし、特に地域社会と積極的に関わっていきたいと考えています」

 小山学長は「課題発見力や課題解決力を養うには教養が必要です」と続ける。物事を多面的に捉えたほうが、何が問題なのか、どうすれば改善できるかを見いだしやすくなる。リベラルアーツで知の総合力を育むべく、「グローバル・インスティテュート」という全学部共通のコースを新たに立ち上げ、国連が掲げるSDGsを軸に、歴史や哲学を含めて知見を広げていく。

 「衆力(しゅりき)功をなす」ということわざがあるように、課題解決に際しても知見を寄せ合うほうが効果は大きくなる。小山学長は一人の研究者として実感している。

 「今、南三陸の牡蠣(かき)の養殖に関して、材料・表面工学研究所、経営学部、栄養学部の先生方と私とで、お互いの専門性を結びつけながら高品質化とブランディング化を推し進めています。単独の視点で課題解決はできません。大学教育の前提は研究にありますし、私たち研究者が『教養の交流』を実践して共同研究を行うことで、学生たちにモデルをどんどん示していきたい。学部の垣根を超えた社会連携教育も充実させていきます」

「人になれ 奉仕せよ」
という校訓の価値

 学部の枠を超えた「知の拠点」として期待が集まるのが「横浜・関内キャンパス」(神奈川県横浜市)だ。国際都市である横浜の、行政機関やオフィスビル、商業施設が立ち並ぶ関内・関外地区に2023年4月に開校予定で、地上17階、地下2階建ての校舎では、法学部、経営学部、人間共生学部コミュニケーション学科の学生たちが学ぶ。

 横浜・関内キャンパスは教員や学生のためだけの学び舎ではない。デジタル図書館、ホール、ギャラリー、ラウンジ、コワーキングスペース、ブックカフェといった施設などが設置され、市民に開放される。誰もが気軽に立ち寄れる多様な機能が特色だ。地域や社会とつながる「知の拠点」であり、学生たちの世界は間違いなく広がっていく。小山学長が話す。

 「関内エリアの地域イベントやフードフェスティバルに参加したり、学園祭というより関内地区を巻き込んだ行事を開催したりするなど、社会と関わる場面をより増やしたいと思っています。社会課題を間近で見ることで得られるものは必ずあります。大学は研究機関なので、知の資産が豊富にある。横浜・関内キャンパスの開校をきっかけに、関東学院大学の知見を社会に生かす取り組みをより活発化していく予定です。社会連携教育も学部の枠にとらわれず、ゼミ単位の交流を盛んにして新たな視点を生み出していきたいと考えています」

 関東学院大学の前身となった横浜バプテスト神学校は1884年に創設された。140年近い歴史で培われてきた伝統の精神が学究の軸にある。小山学長は、社会連携教育を成熟させるなかでも、確固たる信条がある環境は有意義だと感じている。

 「キリスト教を建学の精神とする私たちの校訓は『人になれ 奉仕せよ』というものです。学びを通して人格を陶冶(とうや)し、人のため、社会のため、人類のために尽くす人材を育てる目標を掲げています。『社会課題解決の装置としての大学』であるうえで『奉仕せよ』という指針の存在はとても大きい。そうした心構えは社会に出てから、より一層価値を増すはずです」

横浜・関内キャンパスは企業、地域、市民などと「知の交流」を図る場となる

CAMPUS TOPIC ①

動画で「知の資産」を発信
関東学院大学の研究者の
頭の中を巡る知の冒険

 関東学院大学は大学の公式YouTubeチャンネルで「#KGU_RESEARCHERS -研究者たちが今考えていること。-」というタイトルの動画を配信している。大学で教鞭(きょうべん)をとる学者たちの研究内容を紹介するもので、ホスト役を務める小山嚴也学長は、「私たちの持つ『知の資産』を世の中に還元したいという思いで始めました。『大人の教養講座』や、社会とつながる『知の拠点』として機能させたいと考えています」と話す。

 公開中の動画は、「アニメ聖地巡礼と地域ブランディング」「X線で探る宇宙と天文学の魅力」「魔女と腹話術 ~Witch of Endor~」「看護経済学の観点から見るエンパワーメント」など多分野にわたる。11学部13学科を擁する総合大学の知の資産に無料でふれられる点が大きな特色だ。日頃ふれる機会が少ない、研究者たちの思考を探る。

今すぐ動画をチェック!

CAMPUS TOPIC ②

プラスチックめっきの技術を
生かした学びができる
「表面工学コース」を新設

 理工学部理工学科では2023年4月にコースの新設および改組を予定している。「表面工学コース」が新たに開設され、従来の「健康・スポーツ計測コース」に代わり、「健康科学・テクノロジーコース」が設置される。

 「表面工学コースの開設は満を持してのものです」と小山学長。関東学院大学は1962年に世界で初めてプラスチックにめっきを施す技術を開発し、さらにはプラスチックめっきを国内で初めて量産化させている。その伝統を背景に、23年4月からは、金属やガラス、プラスチックなど材料の「表面」に加工を施し新たな機能を生み出す「表面工学」を専門的に学ぶことができる。

 健康科学・テクノロジーコースでは「健康科学」と「データ科学」を融合した「デジタルヘルスケア」の学びを提供。データ科学の切り口で健康への理解を深める。

表面工学コースで学ぶめっき技術を用いる半導体は通信機器、自動車、医療機器などに必須のもの
健康科学・テクノロジーコースでは、初年度からパソコンを使った実践的なデータ処理を学ぶ

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