明治大学

「個」を強くする大学

グローバル企業の経営者と考える
地球規模で活躍する人材とは?

 2020年10月からボルボ・カー・ジャパン株式会社の代表取締役社長を務めるマーティン・パーソン氏は明治大学経営学部で1年間、留学生として学んだ経験を持つ。地球規模で働いてきたスウェーデン人経営者が考える留学の意義や今後のグローバル教育とは──。「グローバル経営人材」と「価値創造人材」の育成を目標に掲げる明治大学経営学部の大倉学学部長が話を聞いた。

大きな転機となった
明治大学での1年間

ボルボ・カー・ジャパンのマーティン・パーソン代表取締役社長(左)と、明治大学経営学部の大倉学学部長

大倉 1996年に交換留学生として本学にいらしたそうですね。

パーソン はい、リンショーピン大学大学院の修士課程のときです。スウェーデンでは工学専攻でしたが、同時にマネジメント学やマーケティング学も学んでいたので、経営学部は理想的な環境だと感じました。

大倉 当時、私は明治大学で専任講師を務めていましたが、学部教育の国際化はまだ遅れていましたね。

パーソン そう思います(苦笑)。留学する前の私は日本語ができなかったのでリンショーピン大学に相談すると、「大丈夫、明治大学には英語で受けられる授業がたくさんありますから」と言われました。安心して駿河台キャンパスの留学生窓口に行くと、「英語の授業はほとんどないんです」と言われてしまいました。

大倉 申し訳なかったです(苦笑)。

パーソン ただ、1年を無駄に過ごすわけにはいかないので、必死に日本語を勉強しました。毎晩、漢字を学んだり、日本語の本を読んだり、チャレンジするしかない状況でしたね。

大倉 現在の経営学部では37科目、56クラスで英語による授業が行われており、16カ国から215人の留学生を受け入れています。

パーソン それは素晴らしいですね。私にとって明治大学での1年間は人生の大きな転機になったと感じています。何より日本語ができるようになったのは大きい。もともとグローバルに働きたいと思っていましたし、日本語が理解できることでその夢が叶(かな)うと感じました。

大倉 99年から10年間、ボルボ・カー・ジャパンの前身であるボルボ・ジャパンの社員として日本で働いていらっしゃいますね。

パーソン 大変でしたよ(笑)。働く時間が長かったですし、私自身も朝から晩まで働く猛烈ビジネスマンとして頑張りました。今振り返ると貴重な時間だったと思います。日本での現地採用で、現場からマネジメントまでの業務を一通り見た経験は今の自分に活(い)きています。

英語でビジネスを
学ぶ「GREAT」

パーソン氏(左)はボルボ・カー本社のグローバルアフターセールス責任者、ボルボ・カー・チャイナの副社長、ボルボ・カー・ロシアの社長などを歴任。明治大学への留学を決めた理由は、「日本行きが一番大きなチャレンジかなと感じたから」と話す。経営学部の大倉学学部長は1987年に明治大学経営学部卒業。その後、明治大学大学院経営学研究科博士後期課程で学び、専任講師、専任准教授などを経て2005年から専任教授。主に財務会計論、国際会計論を研究

大倉 明治大学は「『個』を強くする大学」という理念を掲げています。グローバルに働いてきたパーソンさんから見て、この方針はどのように映りますか。

パーソン 「自分が何をやりたいのか」という個人の思いは今のビジネス界で大切なものなので、素晴らしいと思います。人に言われたことをやるのではなく、自分がやりたいことに挑戦する姿勢はビジネスを発展させる上でとても重要です。

大倉 パーソンさんの初来日から約25年、明治大学も国際化を進めてきました。経営学部は2015年に「GREAT」というカリキュラムを始めました。「Global Resources English Applied Track」の頭文字をとったもので、1学年100人を対象に、1年次から英語でビジネスを学ぶプログラムです。

パーソン とても良い取り組みだと思います。

大倉 経営学部では3、4年生になると、一部の大学院の授業を受けられます。大学院の授業はより専門的で、また英語で行われるものもありますが、「GREAT」の発足以降、こうした制度にチャレンジする学生が増えました。「海外トップユニバーシティ留学プログラム」という大学の制度で、スタンフォード大学やハーバード大学のサマーセッションに参加した学生もいます。

パーソン それは素晴らしいですね。実は20年に12年ぶりに日本に戻って来たとき、日本が前より内向きになったように感じられたんです。ですから、今の明治大学の国際化の動きはとても価値あるものだと思います。

大倉 「GREAT」は経営学部のポリシーである「『グローバル経営人材』と『価値創造人材』の育成」を体現したもので、学生が外向きになるように留学制度も充実させています。

パーソン チャレンジできる仕組みですね。明治大学のグローバル人材育成の話を聞いて、とてもうれしく感じます。明治大学は「『個』を強くする大学」という話がありましたが、人として成長する上では海外留学などチャレンジが絶対に必要です。

柔軟で意欲的な態度が
グローバル人材には必要

大倉 人材育成に関して、1953年に明治大学経営学部を創設した佐々木吉郎(きちろう)先生は「教育は今日に役立つ人間をつくるのではない。明日に役立つ人間をつくるのだ」という言葉を残しています。

パーソン 自動車業界にとっては特に重要な考え方ですね。電気自動車の登場など、自動車業界は現在進行形で変革を遂げています。私たちはデジタルの技術を含め、未来を見据えなければなりません。ただ、未来がどうなるかは誰にも分からない。ですから、自分自身でどうすべきかを考えられる人材が必要とされています。私自身も、固定観念にとらわれず、主体的でチャレンジ精神が旺盛な人と一緒に働きたいです。

大倉 佐々木先生の言葉は、未来を予測してイノベーティブであることが大切であると読み替えられると思います。「グローバル経営人材」も「価値創造人材」もいかに革新的な視点で付加価値を創造できるかが問われるはずで、そうした人材を育てる教育を続けていきたいです。

パーソン 明治大学にはグローバルな人材を世界へ送り続ける大学であってほしいですね。世界展開をしている自動車企業の人間として、グローバルな考え方を持つことの大切さは身に染(し)みてわかっていますので。

大倉 パーソンさんが考える「グローバル」にはどんな要素が含まれていますか。

パーソン 語学力に加え、マインドセットの問題だと思います。新しい発想が出てきたとき、大切なのは「チャレンジしてみよう」という前向きな姿勢です。私はこうした柔軟で意欲的な態度がグローバルなマインドセットだと考えています。

大倉 つまり、未来に対する変化を恐れない姿勢が大切だと。

パーソン おっしゃるとおりです。チャレンジがなければ進化もありません。

大倉 明治大学には10の学部がありますが、共通項は、「前へ」をキーワードに、チャレンジする姿勢を大切にしていることです。大学として常に挑戦を続け、さらに発展していきたいと思います。

パーソン ぜひ、お互いにチャレンジしていきましょう。明治大学のさらなる挑戦に期待しています。

VOICE - 学長の声

創立150周年に向け
新たな学びの機会創出へ
進化の歩みを加速させる

 2年以上におよぶ新型コロナウイルス感染症の拡大や世界情勢の混乱の中で、大学の意義、教育の在り方が問われています。

 そうした中で、明治大学は、ポストコロナを見据えた新しい教育システムの構築へと歩みを進めています。コロナ収束後は、単に従来の授業形態に戻すのではなく、過去2年間で蓄えたオンライン授業のノウハウを生かした新しいメディア授業を展開するなど、全学的に教育改革を進めています。

 また、グローバル展開も再開しています。明治大学のグローバル展開は、2009年度に「グローバル30(国際化拠点整備事業)」に採択されてから、急速に進展してきました。そして、コロナ禍前の19年度には海外への留学・海外からの留学生数がいずれも2300人を超え、明治大学は日本でも屈指の国際的な大学になっています。

 20年度はコロナ禍で渡航規制が続きましたが、海外協定校と互いに講義を提供し合う、いわゆる“オンライン留学”の制度をいち早く整備して単位認定を可能とし、学生交流が立ち止まることはありませんでした。

 21年度の秋には、実際に現地に赴く留学も再開しています。異なる環境の地域に身を置き、現地の風・匂い・景色・人・文化に触れ、多様な考え方や価値観に出会うことで、学生は大きく成長することでしょう。

 今後は、2031年に迎える創立150周年に向けて、世界の大学との連携・協力をさらに進めます。例えば、教員・研究者が複数の大学で教育・研究活動を行うことが可能となる「クロスアポイントメント制度」の導入です。これを国内外の大学や企業との間で利用することで、国境を越えた「教育・研究の融合」を実現していきます。

 明治大学は、これからも、世界の諸問題に正面から立ち向かい、自ら状況を切り開く「前へ」の精神を持ち、問題解決への道筋を提示できる「Thinker(思索者)」であると同時に、そのアイデアを社会に実装できる能力を備えた「Doer(実行者)」を広く世界に送り出します。

大六野耕作学長

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