成蹊大学

自分の将来と社会の未来をつくるために

国内外での豊富な連携プログラムで
無二の個性を磨き社会に寄与

創立時から個性重視
伝統の教育で世に貢献

今春就任した森雄一学長。文学部教員として20年以上にわたり教鞭をとる

 「コップの中をみよ」──成蹊学園の創立者・中村春二は今から約100年前に、大小さまざまな形状のコップに教師が水を注ぎ込む絵で自身の教育思想を示した。生徒に教育を提供するさまを表したもので、明治の世に広がった画一的な教育に疑問を持った中村が、個々を見つめる人間教育の必要性を説いたものだ。成蹊大学には今日に至るまで、その教えが受け継がれている。

 建学の精神である個性の尊重、品性の陶冶(とうや)、勤労の実践について、森雄一学長は「成蹊大学では個性の尊重を掲げ、現代にも通じる多様性を重視しています。その上で、教職員と学生の距離が近く一人ひとりを見つめる伝統がある教育で、品格を備えた人物を育みます。そして、勤労は社会とのつながりとして捉え、大学と学生が世に貢献することを目指しているのです」と語る。

自ら学びをデザイン
連携プログラムも充実

 学びの場としては少人数教育と一体感にこだわり、経済・経営・法・文・理工の全5学部をワンキャンパスに置く。過去数年は専門性を高めるべく、学問領域を再編した学部改組やカリキュラム改編で学修環境を整備。確かな専門性を備えると共に、興味・関心に沿って自分だけの学びをデザインできる副専攻(下図参照)も設けられた。「例えばDX時代に対応する基礎知識が学べる総合IT、社会課題に直結するSDGs、あるいはデータサイエンスのような新潮流の学問も文系理系を問わず体系立てて学ぶことができます。また、キャンパス内で培った無二の個性を生かしつつ、学外で人間性を磨く仕掛けも用意しています」と森学長。その言葉通り、成蹊大学には学外での学びを重視するプログラムが数多くある。

 その代表の一つが約7カ月にわたって実施される産学連携人材育成プログラム「丸の内ビジネス研修」(MBT)だろう。多数の有力企業の協力の下、学生は学内準備研修やインターンシップを経て、企業から提示された課題に文理融合のグループで挑む。異なる考え方や専門分野への相互理解を深めながら協働して課題に取り組み、成果を企業担当者の前でプレゼンテーションする名物プログラムだ。加えて、一昨年には文系4学部6学科対象の選抜型グローバル教育プログラム“EAGLE”(Education for Academic and Global Learners in English)も始動した。ほぼ全ての講義を英語で進め、語学力と国際感覚を身につけるもので、1年次は夏休みを利用して英国ケンブリッジ大学に3週間の留学が予定されている。中長期の留学や海外インターンシップのサポート体制も手厚いが、EAGLEでは単なる英語の使い手を養成するのではなく、グローバル市民としての教養と知見も身につけることに狙いがあるという。

 このような産業界の課題やグローバルな視点を養うものと、ローカルな課題に着目したものをバランスよく配しているのも成蹊大学の特長の一つだ。理工学部では11年前から吉祥寺を舞台にしたプロジェクト型授業を実施しており、災害発生時の障がい者避難所環境調査用チェックリストの試作と検証などさまざまな考察・提案が反響を呼んだ。また文学部では市民協働型のアート展である武蔵野アール・ブリュットと連携し、障がいを持つ人の芸術振興の一翼を担った。

 森学長は「いずれも多様な人を包摂する社会・文化を発展させていくプロジェクトです。成蹊大学は吉祥寺にキャンパスを移転してから、まもなく100年を迎えます。懐の深い街を舞台に、本学のたくさんの若者が活躍していることをうれしく思っています。学生たちは、企業や地域の皆さんと触れ合って得られる刺激を糧に成長を続けているところです。今後も多様な機会を創出し、学生が自らの成長に満足して巣立っていける環境の整備に注力します」と力を込める。

全18領域で構成。
興味関心やニーズに即した学びをサポートしている

分野横断型授業が充実
新棟が24年完成予定

理工学部エリアの再開発で文理融合のコラボスペースを備えた新棟が誕生する(2024年秋竣工予定) 提供:竹中工務店
※計画内容は現段階のものであり、変更となる可能性があります。

 その環境整備の一環として専門分野の異なる教員によるチームティーチングが推進されており、分野や学部を横断するアクティブラーニング型の授業も設置されている。また、MBTのような文理融合のプログラムはもちろん、1年次から導入されるキャリア教育科目など文理双方の学生が混ざり合う機会が用意され、多様な視点に触れて協働する下地が整っているという。

 こうした文理融合の学びを深化させるため、施設の拡充も進められる。2024年秋の使用開始を目指す地上5階建ての新棟建設が発表された。これまでの理工学部エリアを再開発し、理工学部の新たな教育・研究の拠点としつつも、ラーニングコモンズなどを設置した文理の学生の学び合い・交流の拠点と位置づけ、アクティブラーニングや自発的な学修を促進する場として整備する。

社会・環境を次代へ
つなぎ方を共に考える

 成蹊学園は個性尊重の人間教育を根幹に据え、小中高大を擁する総合学園として長きにわたり実験や観察、校外学習などを通じた“本物に触れる”体験学習を実施している。“持続可能な社会”の実現が全世界的に課題となってきた昨今、成蹊学園では先覚的視点から18年に「成蹊学園サステナビリティ教育研究センター」を、次いで20年に「成蹊大学Society 5.0研究所」を開設。現在、社会で問題となっていることや重要視されていることと成蹊の教育を掛け合わせ、その成果を社会に還元している。

 新型コロナウイルス感染症による社会の大きな変容と不安定な国際情勢に、不安を覚える人は少なくないだろう。森学長は若い世代に贈りたい言葉がある。

 「自分の将来を見据えると同時に、社会全体の未来について考えてみることが大切だと思います。ぜひSDGsやDX、グローバル化などの社会課題に直結するテーマにさらに深い関心を持っていただければと思います。そして困っている人、立場の弱い人に配慮する視点で、何ができるかを想像してください。私たちは22世紀の人々にどんな社会・環境をつないでいけるでしょうか。それを考える気概を持つ人を、成蹊大学はお待ちしています」

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