東京経済大学

考え抜く実学。

「金融」「公共」の選抜プログラム始動
学問と実務をつなぐ新たな挑戦へ

「金融」「公共」分野で
活躍できる人材を

岡本英男学長(左)と、中村豪経済学部長。国分寺キャンパスにて

 東京経済大学の経済学部では、2023年度から「金融選抜プログラム」「公共選抜プログラム」が新たに開講される。その狙いや、いま大学で学ぶ意義について、岡本英男学長と中村豪経済学部長に話を聞いた。

──新たなプログラムを創設した背景を教えてください。

中村 近年、金融業界や公的な仕事を志望する学生が非常に増えていることが背景にあります。一方で、DXやAIの進展に伴う金融業界の進化は著しく、公的な仕事もニーズの多様化によってそのあり方が問われるなど、いずれの分野も大きな変化の時を迎えています。

 そんな中、これからの金融・公共分野で活躍できる人材を育てるために必要なことは何か。私たちは、学術的な「基礎理解」を強化するとともに、それを実務につなげる「実践教育」が重要であると考え、両者を融合した「金融選抜プログラム」「公共選抜プログラム」を創設しました(下図)。2年次から3年間、経済学部から選抜された各学年30人程度が対象です。

──「実践教育」の場として実施される「プログラム生限定の独自科目」とは。

中村 「金融選抜」では、金融業界の第一線で働くOB・OGをゲスト講師に招き、金融の最前線を学ぶ「金融実践講座」と、金融分野で不可欠なデータサイエンスを学ぶ「金融データ分析」を開講します。

 また「公共選抜」では、実際に公的機関で働く「インターンシップ科目」等を実施します。現場を知ることで、求められる役割・スキルを考えるなど、早くから問題意識を高める機会を設けます。

いずれのプログラムも経済学部生のみ所属することが可能です。

変化の時代こそ
“土台”を鍛えよ

──学術的な「基礎理解」は、どのように強化しますか。

中村 金融を例にすると、学生はフィンテックや暗号資産などの目新しいトピックに関心が向きがちです。それ自体は悪いことではありませんが、同時に「金融の役割とは」「投資とは何か」といった本質的な理解も深めていかなければ、ロジカルにものを考えることはできません。そこで役立つのが、経済学部が開講している専門科目群です。プログラム生には、独自の必修科目や履修モデルを設定。卒業後を見据え、体系立てて学びを積み上げていくことができる環境を用意します。

──一方で、資格取得や公務員試験の対策にはどのように注力するのでしょうか。

岡本 本学にはもともと、公認会計士や税理士などの難関資格や公務員試験に挑む学生向けに、専門学校の資格対策講座をキャンパス内で割安で受講できるキャリア・サポートコース(CSC)という制度があります。「金融選抜」「公共選抜」でも、この制度と連携するほか、独自の面接試験対策なども実施し、合格へ向けてサポートします。

──基礎・実践の学びを深め、さらに試験対策に取り組むのは、なかなか大変そうです。学生に求める姿勢は。

岡本 かつての私の教え子で、地方自治体で公務員として働いている卒業生がいます。公務員試験の勉強と、ゼミや授業との両立は楽ではなかったと思いますが、財政学のゼミでピケティの原書を読み解いたり、仲間と議論を重ねたりした経験は、今後さまざまなことが待ち受ける人生において必ず糧になると信じています。

 特に、今日のような変化の時代こそ、知識の蓄積という基礎力、いわば“土台”を固めることを大切にしてほしい。それが、社会の大きな変化にも対応しうる底力となるはずですから。

──プログラム生は、周囲にどんな影響を与えるでしょうか。

岡本 身近な友人が一生懸命に勉強に打ち込んでいる姿は、ゼミや授業の場でもいい刺激になり、何気ない会話の中で「そんな本読んでいるんだ」「そんな夢があるの」と触発されたり、仲間内でライバル意識が芽生えたりもするでしょう。経済学部、そして大学全体のさらなる進化へとつながることを期待しています。

「ゼミは生涯の思い出」
教員との温かい関係

──東京経済大が伝統的に重視しているゼミ教育について教えてください。

岡本 学長という立場上、多くの卒業生にお会いしますが「東経大のゼミは一生の思い出」と語る人は少なくありません。現在セブン-イレブン・ジャパンの代表取締役社長を務めておられる永松文彦さんも、「週末に教授の自宅を訪ねて質問したこともある。当時の自分には吸収しきれないほど多くのことを教えていただいた」と、まるで昨日のことのように語られていました。

 学びたいという若者の意欲に、教員が熱意を持って応える。学部やゼミの枠を超え、皆で学生を丁寧に育てていく。東経大に長年受け継がれてきたこの学風を、私は誇りに思っています。

中村 そうですね。大学の規模がさほど大きくない分、コミュニケーションは密です。例えばマーケティングに興味があるという学生に「経営学部の○○先生のところに行ってみたら?」と勧めたり、逆にほかの先生から「○○さんの指導をよろしく」と頼まれたり。こうしたオープンな関係性は学問において重要ですし、「自分のことを知っている親しい先生」が大勢いる環境は、学生にとっても居心地のいいものだと思います。

学問は、これからを
生きる指針になる

──これから大学で学ぶ世代へメッセージをお願いします。

中村 若い皆さんに伝えたいのは、学びは未来を切り開く指針になるということです。

 例えば経済学。経済理論を学べば世の中を論理的に見つめることができるし、経済史から現代に通じるヒントが得られることもある。世界経済を知れば、日本の立ち位置が見えてくる。つまり学ぶことが、社会は今後どうあるべきか、そのために我々は何をすべきかを考える手がかりになるわけです。先行きの見えない混沌とした時代だからこそ、学問に真摯(しんし)に向き合う姿勢を大切にしてほしいと願っています。

岡本 本学は、122年の伝統を大切にしながら、これからの時代に活躍できる人材、社会課題解決に貢献できる人材を送り出すため、常に進化を続けています。経済・経営・コミュニケーション・現代法の4学部に加えて、教養教育も充実しているので、皆さんの関心のある学び、そして生涯の師・友に必ず出会えるでしょう。緑豊かな美しい国分寺のキャンパスで、共に学びましょう。

CAMPUS TOPIC

2022年4月、
ついに始動したコミュニケーション学部の新体制で
多様性の社会を生きる人材を育成

 2022年度、従来のコミュニケーション学部が「メディア社会学科」と「国際コミュニケーション学科」の2学科体制に改組された。東京経済大が1995年に日本初のコミュニケーション学部を立ち上げてから27年。コミュニケーションの重要性とメディアの多様性は、いまも世界的に高まり続けている。その潮流を捉えた新体制の「メディア社会学科」では、現代社会に欠かせない多様なメディアについて、理論と実践の両面で学ぶ。「国際コミュニケーション学科」では、ヒト・モノ・コトの国境を越えた「移動」の観点から、社会の動きを見通せる人材の育成をめざしている。

 同学部では海外へのインターンシップの機会も用意しているが、21年度生はコロナ禍のためオンラインでの研修となった。それでも積極的に取り組んだ学生からは「いままで自分がいかにぬるい世界に甘んじていたか実感した」「自分たちの文化を発信していくことの重要性を感じた」など、刺激を受けたという声が上がった。新体制での初年度となる22年度は、感染状況を見ながらカナダやオーストラリア現地への渡航も予定している。

グループで取り組むゼミやワークショップ、映像編集などで学生自らが手を動かす科目も多い。
学生同士のコミュニケーションも大きな学びのひとつになる

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