早稲田大学

時代を切り拓く伝統と校風

受け継がれる大隈重信の「建学の精神」で
世界で輝き国際的に貢献できる人材を育成

連綿と受け継がれる
大隈公の建学の理念

大隈重信の精神を受け継ぐ田中愛治総長

 2032年に創立150周年を迎える早稲田大学は、12年に策定した中長期計画「Waseda Vision 150」で掲げる「世界で輝き、世界に貢献する大学」になるための取り組みを続けている。今年は創立150周年まで残り10年であると同時に、創設者である大隈重信の没後100年でもあり、まさに節目の年となる。

 田中愛治総長は「大隈重信の建学の精神は創立当初から現在まで連綿と受け継がれている」と言う。その理念とは「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」である。

 「大隈が最初に示したのが『模範国民の造就』で、これについて『一身一家一国のみならず進んで世界に貢献する抱負がなければならぬ』と話しています。世界に貢献するための座標軸として『学問の活用』が必要で、その学問というものはあらゆる政治権力や金権などから切り離されたものであるべきだとしたのが『学問の独立』です。大隈は建学当時、政治と大学を切り離すため、初めて早稲田を訪れたのは創立15年目の時でした。自身が学問の独立を実践していたのです」

 この3つの建学の精神に加え、早稲田大学校歌では「進取の精神」と謳(うた)っているが、これも大隈の「停滞は死滅なり」の言葉から生まれた理念だという。

 「つまり、改革を続けることが進取の精神です。世界に、そしてグローバル社会に貢献するため、私も創立者と同じ進取の精神で改革に取り組んでいきます。2050年までを見据えた「Waseda Vision 150 and Beyond」を実現し、「世界で輝くWASEDA」を目指します」

世界に貢献できる
文理融合の人材育成

それぞれのアイデアを生かし、積極的に行動する学生たち

 日本と日本の私学は大きな課題を抱えている。長期的には少子高齢化による18歳人口の減少傾向だ。12年には120万人だった18歳人口は50年には80万人に減少する見通し。人口が減れば高等教育を受ける人口も減少し、それが国際競争力の低下につながってしまう。また、中期的には日本のデジタル化の遅れがある。

 「日本でデジタル化が遅れた理由の1つに、文系と理系に分かれた教育システムがある。文系の多くはデジタル化の知識が乏しく、知識や技術がある理系は人々のニーズや心理を感知できていないのです」

 田中総長はその最たる事例として、コロナ禍で混乱した救急搬送を挙げる。感染者数がピークに達した時期は、通報があって救急隊員が駆けつけても搬送先が見つけられず、何時間も電話を掛け続けるという事態が発生した。しかし、これもデジタル化が進んでいれば、どの病院で何床の空きがあり、一番早く診療できるのはどこか、AI(人工知能)が瞬時に答えを出してくれたはずだという。

 「だからこそ、文理はもっと融合すべきで、オールラウンドに勉強する必要がある。大隈は和算に長(た)けた父に育てられ数字に強く、英語やオランダ語を学んだ文理融合の人でした。それで統計局の基をつくり通貨制度を決めて、造幣局を作ることができた」

 世界に貢献できる文理融合の人材を集めるため、早稲田大学政治経済学部では21年から数学を必須にした。政治や経済を体系的に学ぶためには統計学やデータ科学が必要だとの考えからだ。また、数年前からどの学部の入試でも数学の選択が可能になっている。

 「高校2年生から文系と理系に分かれて受験勉強をして、数学や物理・化学を知らずに社会に出て、自分は文系の人だと思い込んでいる。理系の人も同じで、文理は分断しています。高校時代に数学の勉強を諦めない学生の入学を促しました」

 オールラウンドに基礎学力の高い人材を集めたうえで、早稲田大学が学生に提供するのが、社会に出てからも役に立つ学習効果の高い授業だ。新型コロナ、地球温暖化、格差社会、専制主義国家……。これら正解のない問題に対して、自分で考えて自分なりの答えを導く「たくましい知性」を身に付けるための教育環境を整えてきた。その一つが、どの学部の学生でも学べるグローバルエデュケーションセンターの基盤教育で、学生たちは①学術的文章の作成力、②論理的な英語を発信する力、③数学的思考力、④データに基づき論証する力、⑤実践的なICTの能力を磨くことができる。

どんな人でも対等で
居場所が見つかる大学

 視野を広げ、世界中の誰もが納得のいく解決策を導くための「しなやかな感性」を身に付けるための環境や機会も充実している。しなやかな感性とはダイバーシティ、すなわち多様性を認めることである。

 「大隈は建学当初からダイバーシティを実践していました。1900年代初めには清国から留学生を迎え始め、のべ3000人が学んでいたといいます。またジェンダーの問題にも踏み込んでおり、『国民の半分は女性であり、男性の力だけでは国民の力の半分しか使わないことになる』という趣旨を述べ、女性の教育も大事にしてきました。1901年に日本女子大学が設立された際にも大隈は力を貸したといわれています」

 まさに大隈重信の建学の精神を受け継いだ改革が進められているのである。

 「早稲田大学には2つの優れた魅力があると思います。一つは、誰もが対等で、誰にでも居場所があるということです。学問研究からスポーツ、音楽や演劇、囲碁・将棋、作家もいるし企業のトップになった人もたくさんいます。学生時代に何をやっても許される多様性があるからです。もう一つは人のために自分から進んで一肌脱ぐ人が多いことです。東日本大震災の後のボランティア活動でも早稲田の学生は力を合わせて働ける人が多かったと言われました。世界に貢献したいと考える人にとって、これは魅力ある環境だと自負しています」と田中総長は語った。

Student's Voices

学生が主役であることを実感
学生が学び、行動する早稲田大学

 早稲田大学の学生は何を求めて同大学に入学し、何を学び、そして何を獲得したのか。現役の学生である社会科学部3年の江口夏織さん、文化構想学部4年の奥村幸乃さん、そして商学部2年の平井太門さんの3人に早稲田大学生のリアルを聞いた。

──早稲田大学は率直にどんな大学だと感じますか。

江口 「こうはいナビ」という在学生が新入生や高校生をサポートする活動を行っています。こうはいナビをはじめ、学生参画のプロジェクトが盛んな大学だと思います。学生が主体的に動く、学生が主役の大学であることを強く感じます。

奥村 学生に対する情報提供が早くて的確ですね。コロナ禍で不安な日々を過ごしていましたが、田中総長からのメッセージがあり、とても安心しました。

平井 学びの幅が広いと感じます。僕はプロフェッショナルズ・ワークショップに参加していますが、企業の人のリアルな声が聞けます。

──入学して何か変化があったり、成長したりしたと実感しますか。

江口 こうはいナビでいろんな困難を経験したこともあり、やりぬく力が身につきました。

奥村 入学前は勉強ばかりでしたが、大学に入って好奇心が刺激され、行動力がつきました。親や高校の友だちからは変わったね、と言われるぐらいです。

平井 何でも挑戦しようという気持ちが強くなりました。早稲田大学は規模が大きいのでその中でも埋没したくないと考えています。


未来をつくるのは今、学生の自分達


──今後、社会を担っていく役割になるのですが、社会とどう関わりを持っていきたいと考えていますか。

江口 社会科学部で学んでいることもあり、社会の根底から支えられるようになりたいと考えています。本当に支援が必要な人に手が差し伸べられるようになりたいです。

奥村 地域社会学、環境社会学を学んでいて、大きな問題解決も大事ですが、まずは足元の小さな組織や地域などの課題や問題を解決できるようになりたいです。そのことを学べたのは大きな経験です。

平井 商学部での学びに加え、副専攻としてカーボンニュートラルリーダーの科目を履修しています。将来的には、自分の仕事とは別に、環境に関して何らかの貢献ができたらと考えています。

──早稲田大学に進学を考えている高校生にメッセージを。

奥村 やりたいことが決まってなくても早稲田ではいろんな可能性を発見することができます。ここには多様なバッググラウンドを持つ人が集まっているので、学生生活は必ず充実したものになります。

平井 4年間同じキャンパスで深い付き合いができますし、多様性があるのでネットワークも広がります。みんな意識が高いので、自分も意識が高くなります。早稲田は必ず大きく成長させてくれます。

江口 早稲田大学にはもちろん、お二人が話すようなよいところがあります。でも、日本、そして世界にはいろんな大学があります。大学は早稲田だけではありません。その大学が自分に合うか、合わないか、いろいろと検討して早稲田に行きたいということが大切だと思います。

左から江口夏織さん、平井太門さん、奥村幸乃さん

CAMPUS TOPIC

学生が輝く、早稲田の未来へ
早稲田大学応援基金が2022年4月スタート

 早稲田大学では「世界で輝くWASEDA」の実現のため、長期的に大学全体を支え、より充実した教育を学生に提供できるよう、教育と研究の質の向上を実現させるための中心的な募金として、2022年4月より「早稲田大学応援基金」の寄付募集を開始した。

 寄付金は本基金の運用原資として保全され、その運用益を学生育成に資する教育研究事業の支援のために幅広く、有効に活用していく。「早稲田大学応援基金」は、早稲田大学を応援する全ての方の「想(おも)い」を次世代へとつなぎ、教育研究活動のさらなる充実と世界に貢献する学生の育成を目指すための柱となる。

掲載大学一覧[関 東]

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