福岡女子大学

1923年、全国初の公立女子専門学校として設立された福岡女子大学。8年間のリニューアル工事により一新されたキャンパスでは、クォーター制の導入など新たな改革が進む。留学生と暮らす全寮制教育や、多彩な国際交流プログラム、質の高い英語教育など、学生の国際性を育む教育が高い評価を獲得。世界で活躍する数多くの女性リーダーを社会へ送り出している。

100年の伝統と誇りを継続し、
ユニークな改革を展開

最新の設備を整えた
新キャンパスが誕生

キャンパスの約90%を建て替え

 創立100周年を迎える2023年へ向けて、福岡女子大学はさまざまな改革に着手している。18年度からは全学で一斉にクォーター制を導入し、海外留学がしやすい環境と併せて、短期集中型の学びのシステムを整備した。また、100周年事業として「女性リーダーシップセンター(仮)」と「国際フードスタディセンター(仮)」を設立するほか、文理統合教育の実施と教職協働の推進、「福岡女子大学フィルハーモニーオーケストラ」の結成──などに取り組む方針だ。
 18年4月には、10年度から進めてきたキャンパス整備が完了。8年間で学内施設の約90%を建て替えるという大規模なリニューアルにより、キャンパスが一新された。蔵書数が20万冊にのぼる新図書館は、吹き抜けの空間を利用した開放的な施設で、その館内や地域連携センターには絵画やオブジェ約200点が展示されている。また、体育館「スポーツキューブ」や最新の設備を整えた研究棟など、学習環境に恵まれている点が同大学の大きな魅力となっている。

海外を日常的に体験する
画期的な全寮制教育

国際学友寮なでしこ

 福岡女子大学の最大の魅力は、国際交流の機会にあふれている点だ。特に注目されるのが、留学生と日本人学生が共に暮らす画期的な全寮制教育。日本人学生は全員が初年次の1年間、留学生は4年間を「国際学友寮なでしこ」で共同生活する。留学生の比率は学生全体の約10%にのぼり、日本人学生が留学生と国際交流を深め、多様な価値観や考え方に触れる国際教育の場として機能している。
 寮は4DKのユニットを4人でルームシェアするスタイル。各人に個室があるためプライバシーは守られており、「自立した生活」と「他者との共存」が両立できる。寮生の日常生活は、2年次以上の上級生で構成される「なでしこメイト」がサポートする。なでしこメイトの一人、国際教養学科2年の樗木由季子さんは、「寮へ入ったその日に友達ができて、そこから交流の輪が広がりました。1年生に楽しい寮生活を送ってほしい」と話す。
 毎朝1時間の「イングリッシュ・タイム」や週1回の「イングリッシュ・デイ」など、英語を使って生活するプログラムも実施。日本人と留学生の相互理解を促す「異文化理解講座」や、女子寮ならではの華やかなクリスマスパーティーなど、寮内活動も充実している。
 同大学のランチタイムの名物となっているのが、学生たちが自主的に運営する「ランゲージ・カフェ」だ。毎週火曜と木曜の昼休みに学生たちが弁当を持ち寄り、国際交流を図る。テーブルごとに「英語」「中国語」「フランス語」「ベトナム語」など、7つの言語に分かれ、外国人留学生や留学先から帰国した日本人学生が「サポーター」として先生役を務める。
 ランゲージ・カフェの狙いは、留学を希望する学生を支援することと、留学を経験した学生に活躍の場を与えること。一般学生は誰でも参加でき、外国語や海外の文化を日常的に学べるとあって、毎回平均50人ほどが集まるなど、人気が高まっている。

学生の7割が卒業までに
海外での学びを体験

海外の学生とともに学ぶキャンパスライフ

 国際交流のネットワークも広がる。世界19カ国・地域の30大学・学部と交流協定を締結しており、学生の7割が卒業までに留学や語学・文化研修、海外体験学習などで海外へ派遣されている。また、「ASEAN-EU域内大学コンソーシアム福岡(CASEUF)」の夏季学内留学プログラムでは、ASEANやEUの有力大学と連携し、同大学の学生が留学生と英語による授業を受ける。海外の学生とともに学ぶ体験は、学生に大きな刺激を与えるに違いない。
 国内にいながら海外留学を模擬的に体験できるのが「イングリッシュ・ビレッジ」。同大学で日本現代文化を英語で履修する短期留学生とともに、日本人学生がキャンプ場で合宿形式の研修に取り組む。合宿中は日本語の使用禁止で、短期留学生と英語で会話をしながら、英語での模擬授業や集団ゲームなどに参加し、英語空間に慣れ親しむ狙いだ。
 そのほかにも、日本人学生が留学生をマンツーマンでサポートする「JDメイツ」、高校生が留学生や学生と交流する「高校生のためのイングリッシュ・キャンプ」など、学生の国際性を育む取り組みが目白押し。こうした学びを通じて、国際性を備えた数多くの女性リーダーの卵たちが、同大学から巣立っていくことだろう

CLOSE UP[注目情報]

女性リーダーを育てる多彩な体験学習

 福岡女子大学の大きな特色は、充実した体験学習だ。同大学のディプロマ・ポリシーには「主体的な自己を確立し、自ら率先して新しい社会づくりに挑戦する使命感と情熱、行動力」とあり、その資質を培う教育として体験学習が重視されている。
 国際文理学部・共通教育機構(体験学習)の和栗百恵准教授は、「本学が掲げる『次代の女性リーダーを育成』とは、よりよい社会をつくりだすためにリーダーシップを発揮する人を育てる、ということです。そのために、多様な人々と出逢い、交流し、課題解決のために協働する機会を創り出し、学生たちの成長を支援しています」と語っている。
 毎年、テーマ、内容や期間も様々な国内外体験学習プログラムが正規科目として開講されている。韓国の梨花女子大学校、タイのマヒドン大学と連携した「アジア食文化論」は3大学の学生がそれぞれの国を訪れ、英語で食の安全や食文化を学ぶ。フィンランドやクロアチアでのインターンシップや、スリランカでの多民族との交流を行うプログラムもある。国内では、企業や地域コミュニティと連携した食育や子どもの居場所づくりをテーマにしたものや、伊万里、水俣、杖立温泉などでの調査、課題解決のプログラムも展開されている。
 「正規科目だけではなく、課外活動でも『体験を通して学ぶ』を本学では大切にしています。寮でのチーム活動はもちろんのこと、ランゲージカフェやJDメイツの他、教職員と共に大学運営・企画実施に携わる学生委員や広報サポーターなど。時にはざらつきも伴う他者との協働のプロセスは、失敗することも含め、『正解を出す』とは全く異なる営みです。正解がない、変化の激しい社会において、『よりよい社会』を諦めない構えを培っているのです」と和栗准教授。学生たちの成長を促す教育が注目を集めている。

「地域における食育の実践」の様子

VOICE[在学生より]

在学生
国際文理学部 環境科学科 3年
後藤 百那さん
(福岡県立福岡高校卒)
学生主体の大学運営や
環境問題に取り組んでいます

 福岡女子大学では学生が入学時に必ず委員会に所属する決まりがあります。その中のオリエンテーション委員会の副委員長として、活動の改革に取り組んできました。自治会内委員会の活動を明確化することで、新入生が目的意識を持てるように工夫しました。引継ぎ後も新執行部の学生委員と共に、これまで不明確だったビジョンとミッションを私たち自身が主体となって考え、来年度の新入生オリエンテーションを刷新すべく、活動を続けています。
 また、海外で学ぶ環境が整い、留学生との交流が盛んな所も魅力のひとつです。英語での授業も豊富なので、国際性が身に付きます。私は原子力問題に関心があり、環境科学科を選択していますが、語学研修で訪れたニュージーランドでは、再生可能エネルギーについて学んだほか、多民族の国においてさまざまな文化に触れることができました。将来は公の職に就き、授業で学んだ浮体式洋上風力発電の導入など環境問題にかかわっていきたいです。

在学生
国際文理学部 国際教養学科 2年
樗木 由季子さん
(鹿児島県立甲南高校卒)
留学生との共同生活で
文化や習慣の違いを体感

 国際関係や国際協力の分野に興味があり、福岡女子大学の国際教養学科を受験しました。留学生たちと寮で共同生活できるのも大きな魅力で、日常的な生活の中で文化や習慣の違いを体感することができます。私の場合は同室の中国人やスリランカ人と自国の料理をごちそうし合ったり、ゲームをしたり、充実した寮生活を送っています。初年次の1年間で寮に住むほとんどの人と仲良くなることができました。
 また、1年生の寮生活をサポートするために、2年次からは「なでしこメイト」として寮の運営に携わっています。毎週月曜の「寮活動」では、交流イベントや英語でのアクティビティを企画。留学生との間には、文化の違いからトラブルが起きることもありますが、それを乗り越えて理解し合うところに大きな意義があり、寮生活の楽しさがあると思います。寮生活をはじめ、本学での学びを生かして、将来は世界のさまざまな国を巡ることができる仕事に就きたいと考えています。

●福岡女子大学(公)

【創 立】 1923年(福岡県女子専門学校として創立)
【学 部】 国際文理学部
【学部別就職率(国際系学部)】 全国27位(九州2位)
【女子大 研究 教員1人あたり科研費】 全国8位(九州2位)
【女子大 国際化 外国人留学生】 全国3位(九州1位)
【公立大学 国際化 外国人留学生】 全国3位(九州1位)
【外国人教員の比率 規模別 学生数1000人以上3000人未満】 全国7位(九州1位)
(いずれも『大学ランキング2019版』より)
〒813-8529 福岡県福岡市東区香住ヶ丘1-1-1 
☎092-661-2411(代表)
http://www.fwu.ac.jp/

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