九州大学

わが国を代表する基幹総合大学として、グローバル人材を数多く輩出してきた九州大学。今年10月には国内の大学でトップクラスの広さを誇る伊都キャンパスが完成を迎え、ほとんどの教育・研究機関が集結する。また、今年から半世紀ぶりの新学部「共創学部」がスタート。文理の垣根を超えたカリキュラムや高度な英語教育に大きな注目が集まっている。

世界に躍進する
屈指の基幹総合大学

グローバルな学習環境の
伊都キャンパスが完成

まもなく完成を迎える伊都キャンパス

 2005年に開始された九州大学の伊都キャンパス移転事業。今年9月には移転が完了し、いよいよ伊都キャンパスが完成する。久保千春総長は伊都キャンパスについて、「古来より大陸文化を取り入れた伊都の国として歴史ある場所。近くには糸島のきれいな海岸線や田園が広がっており、勉学にいそしむ素晴らしい環境です」と語っている。
 伊都キャンパスは約272㌶にのぼる広大な敷地を有しており、その広さは国内の大学でトップクラス。1年生全員が受ける基幹教育をはじめ、同大学のほとんどの教育・研究機関が一つのキャンパスに集結する。文理の垣根を超えた、新たな学びの環境が整った。
 同キャンパスに新たに開館する中央図書館は,九⼤100年の歴史の中で国内外から収集した260万冊を超えるコレクションにアクセスできる国内最⼤規模の⼤学図書館。学生同⼠や教員と学生による討論にも、膨⼤な資料を活用した研究にも対応できる施設を備え、多様な学習・教育・研究のニーズを満たす。
 キャンパス内には学生寮が設置されており、日本人学生が留学生とルームシェアができる部屋もある。寮生活以外にも留学生たちと触れ合える機会はきわめて多く、多文化と共生できるグローバルな環境のキャンパスといえるだろう。

学生9人に1人が留学生
海外留学サポートも充実

SALCでは気軽に国際交流できる

 学生たちの国際性を育み、数多くのグローバル人材を輩出しているのも九州大学の大きな特色だ。全学生数1万8669人のうち、留学生数は世界99カ国・地域から訪れた2313人。(18年5月現在)全学生のおよそ9人に1人が留学生であり、国内の大学で10年連続トップ10(国立大に限ると10年連続トップ5)に入るほど、多くの留学生たちが学んでいる。
 同大学は世界49カ国・384機関と交流協定を締結しており、海外留学する学生も、15年度995人、16年度1101人、17年度1995人と増加の一途をたどる。キャンパスごとにグローバル学生交流センターが設置されており、留学コーディネーターが海外留学に関する渡航の手続きや各種奨学金の相談など、学生の留学に向けた幅広いサポートを実施している。
 学生の英語力を高める環境も整備されている。正課の授業外での自主的な英語学習をサポートする「SALC」では、リラックスした雰囲気の中、学生が自分の興味に応じた英語学習を楽しむ。スタッフはさまざまな国の留学生が務めており、英語以外にも中国語、韓国語、フランス語、ロシア語やスペイン語のランゲージ・テーブルが開催されている。
 国際化の取り組みとして個性的なのが、学生が主体となって留学生と日本人学生の交流を促進し、大学の国際化について学生の視点から提言する「国際化学生委員会(SCIKyu:サイキュウ)」。学生が中心となって大学の国際化を進めるという、全国的にも例を見ない取り組みだ。
 「九大生の皆さんには若い時期に世界へ羽ばたき、留学を通して国籍・性別の壁にとらわれない自らの価値観を確立し、国際的な視野を身につけ、そして将来の日本をリードしながら世界に貢献できるグローバル人材として、さまざまな分野で活躍してほしい」と、久保総長は激励する。

地球規模の課題解決へ向け
「共創学部」がスタート

久保千春総長

 今年4月からは同大学で半世紀ぶりとなる新学部「共創学部」がスタートした。人類が抱える諸課題の存在する領域として4つのエリア「人間・生命」「人と社会」「国家と地域」「地球・環境」を設定し、人文科学、社会科学、自然科学を横断的に学ぶ。語学力やディスカッション能力の育成も徹底し、地球規模の課題を解決する人材の養成を目指している。
 知識・技能のみならず、思考力・判断力・表現力や主体性・協働性を持つ多様な学生を選抜するため、「AO入試」「推薦入試」「一般入試」「国際型入試」の4タイプの入試を実施。今年入学した第1期生たちの志望理由書に書かれた「興味・関心のある課題や問題」はさまざまだが、4年間で自分ならではの考え方を身につけ、課題を解決したいという強い意思は共通している。今後、同学部から新たなイノベーションを担う人材が数多く巣立っていくだろう。

CLOSE UP[注目情報]

デザインで社会課題を解決!

 九州大学大学院芸術工学研究院は、2018年4月、専門分野の異なる21名の研究者で構成される「SDGsデザインユニット」(ユニット長:井上滋樹教授)を新設した。SDGsとは、15年9月の国連サミットで採択された持続可能な開発目標のこと。貧困や飢餓の問題、環境問題、男女平等など、30年までに解決すべき課題として「世界を変える17の目標」を掲げている。
 ユニットでは、SDGsに関連するメソッド開発などの「研究活動」、企業との商品開発などの「制作活動」、行政と連携した「社会システム構築」などを相互に関係させ、大学内外の組織や個人と連携する「運動」として、社会の課題解決に挑戦していく。
 産業界との連携プログラムの第一弾としては、「九大×花王 クリエイティブコラボ」が始まっている。ユニットの教員に加え、SDGs目標達成をすすめる学生サークル「KD-SDGs」の学生や福岡の制作会社も加わり、花王のデザイナーやコピーライターなどの社員など総勢31名が合同で映像コンテンツ制作、商品開発などをすすめている。
 また、「共創学部」の合宿では、共創学部専任教員でもある井上教授を中心に、スケッチブックに描きながら考える「デザイン発想法」を活用した「SDGsデザインワークショップ」を実施した。学生と教員約130名が一堂に会し、貧困問題などについて熱く語り合い、たくさんの解決アイデアを出し合った。
 人類の課題は、一人では解決できない。九州大学が社会のプラットフォームになり、海外の大学、企業、国際機関の仲間とも連携し、地域でそして世界で、異なる組織や人をつなぎ、共に向き合い、学び会い、解決策を見いだす新しい場となっていくことだろう。

共創学部の合宿で実施された「SDGsデザインワークショップ」

VOICE[在学生より]

在学生
共創学部 1年
中田 裕太郎さん
文系も理系も学べる共創学部で
多様な仲間と出合っています

 理系ですが読書も好きだったので、文系も理系も学べる共創学部を受験しました。学部に入ってからの第一印象は、いろいろなことに自由にチャレンジできる場ということ。専門性を高めることも、同時に周辺の学びを取り込むこともできるところに魅力を感じました。考え方も価値観も多種多様な仲間たちと出合えるので刺激が多く、得体の知れないブラックボックスに入っていくような感覚です。
 私の夢は農業を学び、海外で農業の研究や、アフリカで現地の人と作物を育てるなどの活動をすることです。共創学部は英語での授業が圧倒的に多く、英語でプレゼンテーションやディスカッションをする機会も豊富。留学も義務付けられているため、英語を学ぶには最適の環境です。明確な夢がある人、それがまだ見つからないけどモチベーションが高い人、海外で活躍したいと考えている人にお勧めしたい学部です。

在学生
工学部 機械航空工学科 航空宇宙工学コース 4年
松下 悠里さん
人工衛星の設計に挑戦中!
学生を全力で応援する大学です

 現在打ち込んでいるのは人工衛星の設計です。所属している宇宙機ダイナミクス研究所で、宇宙ごみ観測技術実証衛星「Q-Li(きゅうり)」の姿勢系の設計に携わっています。姿勢系とは、衛星に搭載したセンサの情報から、衛星の向きや運動を推定する、いわば衛星の「三半規管」です。先輩方に教えていただきながら、実践的に衛星の設計方法を学ぶことができ、とても楽しいです。また、現在は広報の取りまとめ役として、Q-Li開発費の一部をクラウドファンディングで集める準備をしています。
 九州大学は目標に向かって努力する学生を全力で応援する大学です。全国・全世界から学生が集まり、たくさんの授業を自由に選択できるため、新しい価値観を学べる環境にあり、現在目標のない人でも目標を見つけられる大学です。九州大学で得た経験と、ともに目標に向かって努力する仲間は一生の財産です。

●九州大学(国)

【創 立】 1911年
【学 部】 共創学部、文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、芸術工学部、農学部
【社会人からの評価 自分の子どもに入学してほしい】 全国6位
【大学図書館 蔵書冊数】 全国6位
【学生寮 定員(全学生)】 全国5位
【「サイエンス」掲載論文数(2017年)】 全国4位
(いずれも『大学ランキング2019版』より)
〒819-0395 福岡県福岡市西区元岡744 
☎092-802-2130(広報室)
http://www.kyushu-u.ac.jp/

掲載大学一覧[九州・山口・沖縄]

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