長崎大学

輝かしい国際交流の歴史、貴重な文化遺産、そして原爆の記憶。希有なバックグラウンドを教育的資源とし、地域が内包する地球規模の課題解決に取り組んでいる長崎大学。「長崎に根づく伝統的文化を継承しつつ、豊かな心を育み、地球の平和を支える科学を創造することによって、社会の調和的発展に寄与する」を理念に、地域と連携しながら個性の光を放ち続けている。

国際都市「長崎」で地球規模の課題を解決

地球規模の課題を抱える
長崎で学ぶことの意義

稀有な歴史と豊かな自然に恵まれた長崎

 構造的な経済不況やエネルギー問題、環境破壊といった21世紀の世界的な課題は、国内のとりわけ地方に深刻な影響を及ぼしている。離島や僻地を多く抱える長崎県でも医療、産業、教育、観光などにおいて数多くの課題が山積している状況だ。
 長崎大学では、地域に基盤を置く総合大学として、地域のニーズに応え、教育研究の成果を地域に還元することで、地方創生の原動力となり続けてきた。さらに、長年にわたり培ってきた個性と伝統を基盤に、地域での持続的発展から地球規模の課題解決まで、さまざまな分野で社会に貢献できる人材の育成を目指している。
 教育目標達成のために、産業界と連携して実学を主体としたカリキュラムを導入し、学生が地域の企業と力を合わせて課題解決に取り組む実践型授業にウエートを置いている。その土台にあるのは、長崎という特異な風土である。日本中のどの大学でもできない学びが、長崎大学にはあると言っていい。

企業と学生の協働による
世界レベルの研究開発

オリーブオイル搾油機の試作機と開発に携わる学生たち

 地域が抱える困難な課題の解決に向け、工学部では企業と学生の協働による多彩なプロジェクトを展開している。
 造船技術に特化してきた長崎では精密機械技術が手薄となっており、地元に誘致された自動車部品メーカーが長崎大学に共同研究を要請。構想から実用化まで4年の歳月をかけ、精密機器の製品検査を自動的に行う画期的な検査機を開発した。また、産業用刃物のメーカーとの連携プロジェクトでは、世界トップレベルの技術開発に貢献している。
 「企業とタッグを組むことで学生には実学的な収穫があり、企業側も学生たちが中に入ることで新しい発想が生まれる。産学連携事業は、地域貢献と教育という二つの役割を担っています」
 これが地方の国立大学の一つの形であると、プロジェクトを推進した工学研究科の矢澤孝哲教授は語る。社会の現場で鍛えられた学生のスキルアップはめざましく、精密工学会の全国大会で入賞した学生もいるという。
 農業分野でも工学技術のニーズは高く、高齢者の作業軽減を目的に学生らがオリーブオイルの搾油機の小型化に取り組んだ。矢澤教授は課題解決に向けて突き進んで行く学生の姿を、このように捉えている。
 「真剣に共同研究に取り組んでいる学生は、あるとき一気に成長します。その瞬間を見ることができるのも我々の喜びです」

チーム長崎で示す
地域活性化のモデルプラン

学生が開発したアプリを用いて修学旅行生に名所の説明を行う様子

 経済学部では、昨年度から地域の社会人と学生グループが共修する「ビジネス実践力育成プログラム」を2年次からのカリキュラムに導入した。このプログラムの特徴は、ビジネスの現場で働く社会人とともに学びながら、企業のビジネスプランを立案・遂行していく点にある。社会人を巻き込んでビジネスの基礎から実践までを体系的に学べるプログラムは、経済系の学部としてはあまり類をみないといえよう。
 このプログラムで身に付けた社会人基礎力を〝実験〟する場が、3年次から始まるゼミ活動に組み込まれた「実践体験型PBL」である。PBLは学生が企業の課題解決に取り組む教育方法であり、同学部では地元企業や店舗の協力を得て、経済学部での学びを実社会で活かす機会を提供している。学生たちは実社会で課題の抽出から解決に向けた学習計画、解決策の立案を行うことで、自ら主体的に学ぶ姿勢を育んでいく。
 旅行会社とともに取り組んだ新しい修学旅行の企画・運営では、アプリを使って長崎の魅力を伝えるプランが実現化。地元商店街の活性化プロジェクトでは、学生が自ら企画して商店街の一画に「学生市場」をオープンした。
 「失敗も含め実社会でいろんな経験をすることにより、学生たちは考える力、前に進む力をつけています。チーム長崎で、地域の課題解決のモデルプランを日本中に示していけたらいいですね」
 同学部の津留﨑和義准教授は、今後に大きな期待を寄せている。

CLOSE UP[注目情報]

水産学部生が漫画で活躍!『第九の波濤』

 一目惚れした釣り好きの彼女を追って、長崎大学水産学部に入学した東京育ちの海老原湊が、荒波にもまれながら夢と希望の大学生活を送る・・・・・・。
 現在、「週刊少年サンデー」(小学館)で好評連載中の『第九の波濤』は、長崎大学水産学部が舞台の青春漫画。執筆者はサッカー漫画『ファンタジスタ』などで知られる人気漫画家の草場道輝氏で、同大学水産学部の卒業生でもある。大学時代の同級生である高谷智裕教授が作品の監修を務めており、水産学をテーマにした本格的な海洋浪漫が描かれていると評判だ。劇中には、水産学部の訓練の様子や大学周辺と思われる風景がたびたび登場するなど、卒業生ならではのリアルな描写が目を引く。
 同大学の水産学部といえば、附属練習船での乗船実習が有名だが、草場氏も在学中、2カ月の航海実習を体験した一人。先頃、練習船の4代目長崎丸が竣工した際には第一次航海に乗船し、母校のために乗船体験漫画を描き下ろしてくれたというエピソードもある。
 コミックスは第5巻が7月18日頃発売。長崎の海風に鍛えられてたくましく成長していく主人公の姿に注目が集まっている。

VOICE[在学生より]

在学生
環境科学部 環境科学科 4年
小形 幸平さん(北海道大麻高校出身)
歴史ある国際都市・長崎で
世界につながることができた

 鎖国や世界大戦などいろんな時代のターニングポイントとなった長崎には、きっと学ぶことがあると思い北海道の高校から長崎大学へ進学しました。実際にまちを歩くだけでも歴史の遺産に出会うことができ、住んでみて良かったと実感しています。
 全学の学生が特別なプログラムで英語を学べる「長崎グローバル+コース」では、モチベーションの高い他学部の学生に刺激をもらうことができました。この経験を活かし、昨年は長崎県下の企業の海外展開における課題を解決する「長崎ブレークスループロジェクト」に参加。チーム代表として1カ月間インドに滞在し、日本のカーコーティング技術のプロモーションを行いました。現地で人脈もできたので、将来的にはインドでビジネスをしてみたいです。
 長崎はかつて世界の窓口だった国際都市。私も長崎大学に来たことで、世界とつながることができました。

在学生
教育学部 特別支援教育コース 3年
藤川 優さん(筑陽学園高校出身)
長崎大でしかできないことに
どんどんチャレンジしてほしい

 地元・福岡の大学にも教育学部はありますが、長崎大学の教育学部には離島教育など長崎大学ならではの教育や実習があると聞いてここを選びました。両親の仕事の関係で小さいときから障がいのある人と関わることが多く、私もその道へ進みたいと。授業でとても印象に残っているのが、障がいのある子どもが、親切なことをしてくれた人のことを「天使」と呼んでいたという先生の体験談です。私も子どものピュアな部分を個性として尊重しながら支援していける教育者になりたいと決意しました。
 今もっとも打ち込んでいるのは部活動の「龍踊部」。長崎の伝統芸能である龍踊りをもっと広めようと、学内外での祭りやイベントで踊りを披露しています。観客から「モッテコーイ」の声をいただくと、すごくやりがいを感じます。これから入学する皆さんにも、ぜひ長崎でしかできないことにチャレンジしてほしいです。

●長崎大学(国)

【創 立】 1857年(医学伝習所として創基)
【学 部】 多文化社会学部、教育学部、経済学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、環境科学部、水産学部
【国家試験合格(率)理学療法士】 全国1位
【論文引用度指数(クラリベイト・アナリティクス論文引用度指数)地球科学(2012〜2016年)】 九州・山口・沖縄1位
【学際系学部の大学院進学率】 九州・山口・沖縄1位
(いずれも『大学ランキング2019版』より)
〒852-8521 長崎県長崎市文教町1-14 
☎095-819-2007(広報戦略本部)
http://www.nagasaki-u.ac.jp/

掲載大学一覧[九州・山口・沖縄]

OPEN