西日本工業大学

「より高度な知識と実践的な能力を持った人材がほしい」という地元工業界の要請に応え、1967年に開学した西日本工業大学。ものづくりの基盤を担う工学部とデザイン学部の2学部を、それぞれの学びの関連産業に囲まれた環境に設置し、実践的な学びの場を提供している。日本のものづくりが世界的にクローズアップされる中、同大学の教育力に期待が寄せられている。

日本屈指の産業拠点が学びのフィールド

全日本ロボット相撲大会
優勝の技術を地域に還元

第29回全日本ロボット相撲大会で優勝、文部科学大臣賞受賞

 地域で学ぶことが、学生の能力や大学の価値を高める。こうした考えのもと開学以来、地域とのつながりや学びと実践の結びつきを重視してきた西日本工業大学。その理念が評価され、2014年には文部科学省『地(知)の拠点整備事業(COC事業)』に福岡県で唯一採択された。この機能をさらに強化し、地域の課題解決に向けた高度な教育研究プロジェクトを展開し、学びの地平を広げている。
 プロジェクトの中には、世界に通用するスケールのものも少なくない。工学部総合システム工学科電気情報工学系武村泰範准教授の研究室の学生チームが果たした「第29回全日本ロボット相撲大会」優勝もその一つ。出場台数約1300台の頂点に立った技術が評価され文部科学大臣賞を受賞したほか、日本代表として出場した世界大会では第4位の成績をおさめた。
 チームを組んだ二人の学生は、コンピュータープログラムで戦う「自律型部門」に出場。数十パターンの戦術をプログラミングした中から相手の動きを予測して戦術を選び、次々と対戦相手を倒していった。
 武村研究室では、このロボット技術を大分市の企業や他大学と連携し、衛生管理の厳しい食品加工工場の排水溝の掃除ロボットに応用。製品化に向けて研究を進めている。

地域と結びついた新しい
ものづくりを世界に発信

「ミラノサローネ」で英語でプレゼンする学生

 産学官連携によるデザイン学部建築学科の「京築のヒノキと暮らすプロジェクト」(略称:ちくらす)も大いに話題を呼んでいる。京築地域の森林資源の有効活用を目的に、デザイン学部建築学科石垣充教授の研究室と西南女学院大学が組み、行政、企業一体となって新たなデザインの家具や木製品の開発を目指すプロジェクトだ。
 ちくらすでは学生発案によるコンペ形式で多様な商品を開発しており、その一つである「ヒノキかおる名刺入れ」が、木の良さや価値の再発見につながる製品・取り組みを評価する「ウッドデザイン賞2017」で入賞。今年4月には、イタリア・ミラノの国際家具見本市「ミラノサローネ」に合わせた現地のデザインウィークで展示された。
 「本学からは3人の学生が現地へ出向き、英語でプレゼンテーションを行いました。ミラノのデザインウィークは先端的なデザインが多数展示されているので、多くのことを吸収できたと思います」と石垣教授。参加した学生も「外国人を惹き付ける製品づくりのきっかけにしたい」と手応えを語る。
 ミラノではちくらすが江戸川木材工業株式会社と日立オートモティブシステムズ株式会社の技術をもとに開発したヒノキの制震装置も同時に展示され、地震国であるイタリアで関心を集めたという。いずれの製品も今後は上海などアジア圏でのプロモーションが予定されており、学びのフィールドは世界へと広がりを見せている。

地域を支える力が
日本を支える力になる

ものづくりの企業群に囲まれている北九州・京築地域

 さまざまな企業と連携して革新的なものづくりに挑戦できるのも、日本有数の産業拠点という地の利によるところが大きい。同大学のある北九州地域と京築地域は日本の近代化を牽引してきた歴史があり、現在も自動車、半導体、素材・部材などを中心とした産業が集積している。また、情報産業や流通業、サービス業などの振興も著しく、あらゆる生活に関わる豊かなものづくりの土壌が広がっている。
 このまちのすべてを学びの領域としている同大学では、インターンシップや大規模な学内企業セミナーなど、地元企業と密接に結びついた就職支援に取り組んでいる。さらに、地域産業界と連携した実践型教育によって在学中から企業と深いつながりを持つ学生も多く、毎年、高い県内就職率を記録している。一方、地域の課題解決に取り組む研究やプロジェクトを通じて、さらに専門分野の探求を望む学生も多い。その道筋の一つとして同大学では、生産システム分野と環境システム分野から成る大学院を設置しており、国公立大学の大学院へも数多くの学生が進学している。どの道に進んだとしても、一人ひとりの学生が地域の産業地図を塗り替え、日本を支える力となっていくのは間違いない。

CLOSE UP[注目情報]

就職と大学院、将来への広い選択肢

 日本有数の産業拠点、北九州市・京築地域。この街のすべてを学びのフィールドとした西日本工業大学は、99.6%(2017年度、就職者225人/就職希望者226人)という高い就職率を誇っている。特筆すべきは、就職者の約半数が福岡県内に就職していることである。
 その要因には、自治体や地元企業と連携し、環境問題や地域活性化などの様々な課題解決に取り組む、地域連携プロジェクトがある。そこで得た知識や技術が、社会で必要とされ、企業からの信頼につながっているといえる。
 さらに、地域に根差した就職活動のサポート制度が充実しており、インターンシップには4人に1人が参加していることも高い就職率につながっている。
 就職だけではない。同大学から大学院へ進学した卒業生の9割以上が国公立大学の大学院へ進学している。理由は、万全のバックアップ体制にある。例えば年に2回開催する「大学院進学特別講義」では大学院に進学した先輩たちを招いて、研究内容や進学のための学習方法を直接聞く機会がある。1年次から大学院進学を意識しながら確実にステップアップできる環境がある。将来の選択肢が広いことは同大学ならではの特徴といえるだろう。

VOICE[在学生より]

在学生
工学部 総合システム工学科 4年
高橋 美貴さん(福岡県立京都高校出身)
西工大で見つけた専門分野を
大学院でさらに深めて研究職に

 機械工学系の機械コースで学んでいます。このコースは、機械技術者として必要な専門知識と技術をベースに、各種機械装置の設計や製造、メンテナンスなど幅広い分野のエンジニアへの道が拓かれています。広範な知識を身に付けながら自分に合った専門分野を見つけたいと思い、このコースを選択しました。工学技術は難解な部分もたくさんありますが、先生方がとても丁寧に指導してくださるので、「ものづくり演習」や「機械工学実験」などの実習もスムーズに行うことができます。
 インターンシップは、新日鐵住金(株)八幡製鐵所へ行きました。また、卒業後は国公立の大学院へ進んでより深く学び、研究職を目指します。企業には女性ならではの視点を持った技術職の需要があるといわれているので、機械工学を多くの女子に注目してもらえたらうれしいですね。

在学生
デザイン学部 建築学科 4年
有瀬 千絵さん(福岡県立北筑高校出身)
建築とデザインの両方を身に付け
地元のまちづくりに生かしたい

 建築とともにデザインや美術を学べることが、私にとって大きな魅力でした。1年次から実践的な授業が取り入れられ、課題に取り組むことで建築のプロセスを理解し、基本技術を身に付けていくことができます。より使いやすく快適な住宅やインテリアを開発するための「人間工学」で修得した「目の錯覚」を設計に取り入れるなど、さまざまな角度から課題に取り組んでいます。技術だけでなく、「造形演習」や「3D・CAD」などでプレゼンテーション力を磨いていけるので、企業に入っても大いに役立つのではないでしょうか。
 卒業後は、大好きな生まれた町をたくさんの人に知ってもらえるよう、美しい風景を守り、生かす仕事をするのが目標です。西工大には授業料全額と半額免除の特別奨学生制度があり、学生をサポートする体制も整っています。「のびのびとした環境で安心して興味のあることが学べる」と後輩にもすすめています。

●西日本工業大学(私)

【創 立】 1967年(西日本工業大学 開学)
【学 部】 工学部:総合システム工学科(機械工学系、電気情報工学系、土木工学系)、デザイン学部:建築学科、情報デザイン学科
【学部別就職率、工、理工学部】 全国1位
【国家試験合格 技術士】 九州10位
【私立 初年度納付金(安い) 工、理工学部】 九州・山口・沖縄2位
【募集人員の増加数(2017年度と2013年度の比較)】 九州・山口・沖縄5位
(いずれも『大学ランキング2019版』より)
おばせキャンパス:〒800-0394 福岡県京都郡苅田町新津1-11
小倉キャンパス:〒803-8787 北九州市小倉北区室町1-2-11
☎0930-23-1491(代表)
http://www3.nishitech.ac.jp/

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