九州大学

SDGS

わが国を代表する基幹総合大学として、数多くのグローバル人材を輩出してきた九州大学。2018年10月には国内最大級の広さを誇る「伊都キャンパス」が完成した。昨年新設された「共創学部」では文系・理系の枠を超えた体系的なカリキュラムや徹底した語学教育に注目が集まる。学生たちの起業への支援に力を入れている点も特色だ。

国内最大級の
「伊都キャンパス」が完成

最先端研究の舞台となる
国内最大級のキャンパスが完成

学生・教職員約1万9千人が集う伊都キャンパス

 2005年に開始された九州大学の伊都キャンパス移転事業は、18年10月に完了した。約272ヘクタールにのぼる広大な敷地を有する伊都キャンパスは、国内の大学でトップクラスの広さ。広大な土地を生かした〝実証実験キャンパス〟であり、準天頂衛星システム「みちびき」を利用した道案内ロボットで、企業と連携し第5世代移動通信方式(5G)を用いた実証実験など、多くの実証実験が行われている。
 近年では、未来社会のエネルギーシステムを構想する「エネルギー研究教育機構」に続く研究教育機構として、「アジア・オセアニア研究教育機構」を設置し、アジア・オセアニア地域で生じている社会的課題の解決、社会問題の発生抑制への貢献を目指している。また、世界で九州大学のみが持つ超伝導技術を基盤とし、航空機の電気推進化、空飛ぶ車の開発を行う「先進電気推進飛行体研究センター」、カイコ等による医薬品等の開発・実用化等に取り組む「昆虫科学・新産業創生研究センター」などが新たに設置され、次世代に向けた最先端の研究の舞台となっている。

国際性を飛躍的に高め
グローバル人材を輩出する

講義や学生生活を通じて多くの留学生と交流できる

 学生たちの国際性を育み、数多くのグローバル人材を輩出しているのも九州大学の大きな特色だ。全学生数1万8619人のうち、留学生数は世界102カ国・地域から訪れた2387人(19年5月現在)。全学生のおよそ8人に1人が留学生であり、国内の大学で11年連続トップ10に入るほど、多くの留学生たちが学んでいる。
 18年4月にスタートした新学部「共創学部」では、「チーム型学習法」を積極的に取り入れ、他者と協働して課題解決を行うプロセスを学ぶとともに、「英語インテンシブコース」を設け、徹底した英語教育を実施。さらに、多彩な留学生とのクラス・シェアや海外大学への留学などを義務付け、異なる価値観や文化的背景を認識してコミュニケーション力の向上を図ることも特徴となっている。
 世界大学ランキングで有名な英国QS社が主催するQS―APPLEが、今年度は同大学をホスト校として福岡で開催されることも決定している。本会議が日本で開催されるのは初めてのことで、国際性を飛躍的に高めている同大学から、今後も数多くのグローバル人材が輩出されていくのは間違いない。
 また、18年4月に設立したSDGsデザインユニットでは、株式会社花王との共同プロジェクトとして、衛生観念の啓発・衛生環境の改善を目的とした絵本をインド貧困地域の児童に配布するなど、産業界や国際機関と連携し、社会課題をデザインによって解決する様々な事業を行っている。19年度には新事業としてSDGsデザイン国際賞「SDGs Design International Awards 2019」の開催を決定。世界中の学生を対象に、募集テーマに沿うデザインを公募し、優れたものを表彰していく。

学生の夢の実現へ向け
起業家精神を養成する

ビジネスコンテストでの発表の様子(起業部)

 学生の積極的なチャレンジを促す環境が整っている点も、同大学の大きな魅力だ。「九州大学ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター(QREC)」は、全学部・大学院生を対象として、社会のあらゆる分野で積極的に新しい価値創造にチャレンジし、自らの夢を実現するアントレプレナー育成を目指している。
 QRECは学生や院生が企画するユニークな研究・調査プロジェクトについて、助成や実行をサポートする全学事業「チャレンジ&クリエイション(C&C)」を1997年からスタート。ここでのプロジェクトを事業化し、起業を実現した学生も出始めている。
 17年には本気で起業をする学生を支援するために大学公認の部活動として「起業部」が設立された。部員はチームを組んでビジネスプランを作成し、国内外のビジネスコンテストに参加しながらプランをブラッシュアップし、起業を目指す。起業の準備中や起業後も学外の起業家やベンチャーキャピタル、弁護士、会計士がメンターとして企業支援を行う仕組みだ。九州大学という基幹総合大学の支援を受け、多くの起業家がここから巣立っていくことだろう。

CLOSE UP[注目情報]

デザインで未来を創る! 新しい芸術工学部へ!!

 2020年4月から九州大学芸術工学部で新しいデザイン教育が始まる。芸術工学部が50年前に誕生して以来、グローバル化、少子高齢化など大学を取り巻く社会構造が大きく変化し、経済活動の持続可能性が深刻に問われ、価値観の転換を含め、人類がこれまでに経験したことがないような社会的課題が生じている。
 デザインの対象は「モノ」から「コト」へ、さらに「ビジョン」へと拡大し、従来は形や色など意匠的、表層的な成果を目的としてデザインが行われていたが、ユーザーエクスペリエンス(UX)やサービス、あるいはビジネスモデル、社会システムなどの仕組みへと広がっている。さらに、現状の課題に対する解決に限らず、将来のあり得る、また、そうありたい社会のビジョン、「未来はこうもあり得るのではないか」という「問い」の創造までをデザイン概念が含むようになった。
 多くの企業からは、様々な領域を横断する能力を持ち、社会変化に柔軟に対応し将来の姿・仕組みを構想できる「高度デザイン人材」が求められている。このようなデザインの拡大、変化に対応し、社会が要請する高度デザイン人材を育成する教育を実施するために、教育課程を見直すこととし、現行の5学科を1学科に統合し、その中に緩やかに並列する5コースを設け、これまでの芸術工学の学問的アイデンティティーを継承しつつ、拡大し流動化するデザイン領域に対応するための芸術工学部の改組(認可申請中)を実施することとした。

新たな社会課題に対応できる柔軟な教育プログラム(認可申請中)

VOICE[在学生より]

在学生
システム情報科学府
情報知能工学専攻修士 1年
吉野 弘毅さん
起業への支援が手厚い
全国でも屈指の大学

 学生生活で一番打ち込んでいることは「歩容認証」の研究です。指紋認証や顔認証などに代表される生体認証の一つで、AIを使い、歩く姿によって個人を識別する技術です。特別な動作をせず、歩くだけで人を識別できる点が魅力です。私はこの「歩容技術」を用いて起業したいという夢を持っています。
 起業したいと考えるようになったきっかけは、工学部が提供する海外短期留学プログラムでした。現地の学生との親密な交流や一流企業への訪問など、本学ならではの充実したコンテンツや、奨学金をはじめとした手厚いサポートが受けられ、非常にいい刺激をもらうことができました。特にシリコンバレーでアントレプレナーシップを学んだことが、起業を考える契機となり、昨年には起業を支援する「起業部」に入部しました。本学は起業に対する支援が手厚い、全国でも屈指の大学だと思います。

在学生
統合新領域学府
ユーザー感性学専攻修士 2年
古澤 美典さん
ロボットを愛し
愛された女子大生ライフ

 一番打ち込んだのはロボット開発です。NHK学生ロボコンでは全国大会に3回出場でき、LEGO社の教育用ロボット製品の監修、国際ロボットバトルに日本人として初の世界大会出場など、ロボットを愛し、愛された女子大生ライフでした。九州大学は、人、キャンパス、教育のすべてが最高の環境にあります。各学部での専門的な教育、特に分野の第一人者の教授陣による講義や実習ももちろんですが、学んだことを実践的に活かす制度がある点も素晴らしいと思います。
 将来の夢は「ハンディがハンディでなくなる世界を、技術とエンタメの力で実現すること」。個々の学部と学府で受けた授業が今の挑戦や技術につながっていますし、ものづくりを支援する「創造工房」、中でもロボコンは私の原点でもあります。私は九州大学で学ぶと決意した数年前の自分に、惜しみない拍手を送ります。もしよければ、あなたも。

●九州大学(国)

【創 立】 1911年
【学 部】 共創学部、文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、芸術工学部、農学部
【就職率(学部別) 教育学部】 全国1位
【社会人からの評価、自分の子どもに入学してほしい】 全国6位
【教育環境(校地、校舎面積)、校舎面積】 全国2位
【外国人留学生、大学院総数】 全国4位
(いずれも『大学ランキング2020版』より)
〒819-0395 福岡県福岡市西区元岡744 
☎092-802-2130(広報室)
http://www.kyushu-u.ac.jp/

掲載大学一覧[九州・山口・沖縄]

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