長崎国際大学

2020年に開学20周年を迎える長崎国際大学では、「人間尊重」を基本理念としたホスピタリティ豊かなグローバル人材の育成で、その個性を際立たせてきた。茶道教育など特色あるプログラムに加え、本年度からはアクティブ・ラーニングを全教科で取り入れるなど、主体的・能動的な学修を実施。地域はもちろん世界的な課題解決に取り組んでいける能力の鍛練にも注力する。

ホスピタリティ精神豊かな国際人を育てる

独自の「茶道教育」で養う
ホスピタリティ精神

茶道を通して日本や地域の伝統文化を理解 世界に羽ばたく国際人を育成

 建学の理念で「人間尊重」を掲げ、「ホスピタリティの探求・実現」を目指している長崎国際大学。理論だけではなく、実践的にホスピタリティを学ぶためのカリキュラムが非常に充実している。なかでも特徴的なのが、全学必修の教養教育科目「茶道文化」と「ホスピタリティ概論」「教養セミナー」だ。
 「茶道文化」は初年次から学び始める。茶道は我が国の誇る伝統文化であり、広い芸術文化的感覚と深い精神性を融合させた総合文化である。同大学では、地元長崎県発祥の「鎮信流」を次世代に継承するべく、教養教育の根幹として位置付けている。
 施設面では、専用研修室「自明堂」と「不息庵」を設置。茶道文化研究室として専任および非常勤職員を雇用するほか、上級生を指導補助員として雇用する。茶会見学などのフィールドワーク、茶道点前の実習など少人数のアクティブ・ラーニングを取り入れている点も特色だ。ホスピタリティ精神の涵養に加え、「茶道文化」で自国文化を再認識することにより、グローバルリテラシーを醸成し、真の国際人を育成する。
 「ホスピタリティ概論」では、理事長、学長、副学長、各学科教員によるオムニバス形式の講義を展開。事務職員もサポートとして協力し、全学を挙げての教育が実施されている。グループ学習やプロジェクト型学習も実施し、学生たちは自ら学びながら「ホスピタリティとは何か」を理解していく。
 少人数のクラス編成で実施される「教養セミナー」では、密度の濃いコミュニケーションを活用して有意義なキャンパスライフを送る力を育成するとともに、アクティブ・ラーニングによって主体的な学びを促進する。

学内公募プロジェクトで
大学改革を積極的に推進

学内公募型改革予算措置件数推移

 2014年度から学長裁量によって始まった「学内公募型改革予算措置」では、「教育改革」「地域研究」「科研費チャレンジ」等の5区分による学内公募型の改革事業を展開している。
 学内の教育・学生支援・地域連携・研究の各種シーズに対してスタートアップ予算を重点的に配分するもので、すでに新たな取り組みが実を結んでいる。「地域文化資源を活用したMLA連携による博物館展示教育の実践」や「学生のホスピタリティを育むユニバーサルキャンパスづくり」などはその代表だろう。採択件数は年々増えており、19年度には「大学間関連研究」と「特別課外活動」の2分野が新たに加わり、計21の事業が採択された。
 また、18年度は文部科学省の「私立大学等改革総合支援事業」において四つのタイプが採択。その一つ「九州西部地域大学・短期大学連合産学連携プラットフォーム」は、地域の問題を解決し持続発展可能な社会の創出につながる意欲的な取り組みとして注目を集めている。
 国際大学としての強みを生かした「異文化理解教室」も独特だ。11カ国・地域から約240人の留学生が在籍しているというヒューマン・リソースを活用し、地域の小中高校へ留学生を派遣。留学生との異文化体験や国際交流を通じて、未来を担う子どもたちのグローバルな視野を育んでいる。

「学生ファースト」の理念で
全学的な支援体制を構築

学長裁量経費で作成したバリアフリーマップ

 同大学が掲げる改革の方針を示すのが「学生ファースト」という言葉だ。学生一人ひとりに対して、教員と職員が一体となり、全学的な支援体制を整備。その範囲は学習面だけではなく、生活面やメンタル面にも及んでいる。
 「教育基盤センター」は、学修支援部門、初年次・共通教育部門、教職等支援部門、評価IR・研修部門の4部門で構成。このうちの学修支援部門では、一般学生、障がいのある学生、留学生、留年生に対し、学修支援や相談対応を実施している。
 「国際交流・留学生支援センター」では、外国人留学生の学生生活の支援や相談対応を行うほか、日本人学生の海外留学の支援・相談対応、日本人学生と外国人留学生の交流や共修を支援している。
 学生の心身の健康を支援するのが「キャンパスライフ・ヘルスサポートセンター」だ。保健室では専門職員が体の健康をサポート。学生相談室では専門カウンセラーによる個別の心理相談が受けられる。学業面、大学生活面、対人関係について教員や大学院生が相談に乗る学生生活サポート室もある。障がいのある学生への支援制度も充実しており、さまざまな学生が安心して大学生活を送れる環境が整備されている。

CLOSE UP[注目情報]

「国際生物学オリンピック2020」の開催拠点に

 生物学に関心をもつ高校生や中学生を対象とした国際的なコンテスト「国際生物学オリンピック」の2020年国際大会が、来年7月、長崎県(長崎国際大学)で開催される。日本において同大会が開催されるのは、09年の筑波大会に次ぐ2回目。国際大会を複数回開催することは規模の小さかった初期大会を除けば、日本が世界初となる。
 長崎国際大学では「生物学オリンピックをきっかけにした高大連携ネットワークの構築」を教育改革の一環に掲げており、「国際生物学オリンピック」の日本代表選考を兼ねた「日本生物学オリンピック2019」の予選および本選会場ともなっている。同学ではこの大会を通じ、若者たちに生物学の問題や実験にチャレンジする場を与えることにより、科学的マインドをもった社会人の育成につなげる狙いだ。
 「日本生物学オリンピック2019」の成績上位者約15名は「国際生物学オリンピック」の日本代表候補者に認定され、代表選抜試験を突破した若者たちが、来年7月3日から11日までの9日間、長崎国際大学で開催される2020年国際大会に挑む。
 期間中は同学に、世界80カ国から選ばれた次世代の生物学分野のリーダーや教育関係者が多数集う。また試験のみならず開・閉会式や交流パーティーなども同学で開催される。世界的な知のオリンピックが長崎国際大学を拠点に開催されることは、在学生にとっても大きな刺激となるに違いない。

ハウステンボスに隣接する長崎国際大学キャンパス

VOICE[在学生・卒業生より]

在学生
薬学部・薬学科6年
小森 ひささん
 
ホスピタリティ精神を養い
人間性を高められる大学

 学問だけではなく、人間性の成長も図れるのが長崎国際大学の魅力。授業や茶道文化を通して、ホスピタリティ精神を養うことができます。先生方は親身に接してくださり、親切で頼りになる先生ばかりです。キャンパスは自然に囲まれたストレスフリーな環境で、ハウステンボスにも無料で入場できるので、よく食事をしたり写真を撮ったりしています。
 薬品資源学研究室に所属していますが、私の好きな生薬の研究ができ、薬草園の管理を通じて生薬を身近に感じることができます。研究室内ではたまに葛根湯を作ってみんなで飲むこともあります。以前は人前で話すことが苦手でしたが、グループディスカッションや学会発表の経験を通じて、自分が成長できたと実感することが多いです。卒業後は患者さんに寄り添い、同じ方向を向きながら前に進めるような薬剤師になりたいと思います。

卒業生
佐賀大学医学部附属病院・薬剤部
合原 嘉伸さん
2017年 薬学部・薬学科卒業
大学で学んだ薬学の知識が
医療の現場で活きています

 佐賀大学医学部附属病院の薬剤部で、抗がん剤などを取り扱う「製剤室」に所属しています。チーム医療の一員として、医師や医療スタッフと協力し、患者さまに合った治療をサポートしています。患者さまからの「ありがとう」の一言が原動力になることが今の仕事の魅力です。薬についての説明をするときには「副作用」の要素が欠かせませんが、こうした業務にも大学で勉強した薬学の専門知識が活きています。
 学問だけではなく、人とのつながりを作ることの大切さも大学で学びました。在学中は先輩の友人から勉強を教えていただくこともあり、そのつながりから今の職場に勤めることになりました。先生方と学生との距離が近く、少人数に1人の先生がついて、勉強だけではなくさまざまなサポートをしていただけます。先輩が後輩に勉強を教える場もあり、学習環境が充実した大学だと思います。

●長崎国際大学(私)

【創 立】 2000年
【学 部】 人間社会学部:国際観光学科、社会福祉学科/健康管理学部:健康栄養学科/薬学部:薬学科(6年制)
【外国人教員の比率(規模別) 学生数1000人未満】 九州・山口2位
【大学選手権入賞 (2018年度)アーチェリー男/女】 九州・山口・沖縄1位
【私学助成・学生1人あたり助成額 学生数2000人以上1万人未満】 九州・山口・沖縄3位
(いずれも『大学ランキング2020版』より)
〒859-3298 長崎県佐世保市ハウステンボス町2825-7 
☎0956-39-2020(代表)
http://www.niu.ac.jp/

掲載大学一覧[九州・山口・沖縄]

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