佐賀大学

教育・芸術・経済・医・理工・農と幅広い分野の学部を擁する佐賀大学では、「グローバルな視野を持つ地(知)の拠点」を目指し、大胆なキャンパス改革に取り組んでいる。地域に必要とされる大学であると同時に、社会の変容に対応できる多様性に富んだグローバル人材の育成に主眼を置き、学生の「自ら学ぶ力」を豊かに育んでいる真っ最中だ。

キャンパス改革で主体的な学びを加速させ、
多様性の中でオリジナリティーを追求する

キャンパスへの企業誘致で
社会実装教育を実現

シティナウ・アジア(株)との進出協定締結式(右から佐賀市秀島市長、シティナウ・アジア(株)タイ社長、佐賀大学宮﨑学長)

 今年、佐賀大学のキャンパス内に、ITシステム開発を手がけるベトナム企業「シティナウ・アジア」の佐賀オフィスが開設された。また、2017年、東証一部上場企業として国内の国立大学に初めて開業したIT企業「オプティム」に続き、8例目となる企業誘致である。シティナウ・アジアはベトナムに本社をもつスタートアップ企業で、IT人材を佐賀大学と協力して育成することで、自国と佐賀のIT産業の活性化を目指す考えだ。
 もちろん、大学側のメリットも大きい。寺本憲功理事・副学長は語る。
 「これまでIT関係をはじめロボット工学やAI、電気化学などに関わる企業が、新たなビジネスチャンスを求めて本学にオフィスを構えています。誘致の目的の一つは人材育成。学生が自分の学んでいることが現実にどう活かされているのかを目の当たりにできる、すなわち社会実装教育がキャンパス内で行えるからです。また、第二の目的は企業との共同研究によって、学内での研究をさらに発展させる目的もあります」
 実際、学内で企業のインターンシップやアルバイトをしている学生は、若い先輩社員に刺激を受けながらいきいきと学んでいるという。今後は「佐賀大学発ベンチャー」としてキャンパス内での起業支援も視野に入れており、学生の社会実装の機会はますます増える見込みだ。

「主体的な学び」を支援する
快適・最適な環境づくり

学生がチームでブレインストーミングに取り組む様子

 キャンパス改革は、学生が主体的に学べる環境づくりにおいても進められている。
 最たるものが、アクティブ・ラーニングに適した建物や教室の改修である。同学のアクティブ・ラーニング導入率は83.5%(18年3月)と非常に高いが、ハード面の整備を進め3年後までに100%を目指す。すでに、グループワークが自在にできる可動式の机や、チームでのディスカッションに最適な壁面全体ホワイトボードを導入したAL(アクティブ・ラーニング)教室を整備。学生が集まって勉強や議論ができるラーニングコモンズも、学内のあちこちに設けている。
 自動録画した講義を学内外から視聴できる「自学自習支援システム」は、講義の内容を復習したいという学生や、受講できなかった学生を支援するツール。先生の講義だけでなく学生自身のプレゼンテーションなども録画できるため、より幅広い自学自習が可能となっている。全国に先駆けて整備を開始した学内無線LAN(Wi-Fi)は、すべての教室、図書館、生協などで利用でき、今年度から始まったパソコン必携化に対応している。メール利用、成績確認、オンライン学習など、全学のサービスが一つのIDで利用でき、一部を除いて自宅からもアクセスできるという便利さだ。

総合大学ならではの
多様性を活かした学びを

学生と女子中高生との座談会の様子(継続・育成型リケジョプラットフォーム in SAGA)

 多様性に富んだ人材育成のための教育プログラムの充実もめざましい。
 13年から実施しているTOEIC®全員受験(全学統一英語能力テスト)では、すべての年度で1年次より2年次のスコアが上昇し、着実な成果をあげている。また、テストで選抜された学生が受講できるISAC(留学支援英語カリキュラム)や、留学生との交流を深める多彩なインターナショナルプログラムも、グローバルな活躍を望む学生たちの推進力となっている。
 学問的な幅の広さと多様性を身に付けることを目的に、今年度から、各学部で修得する主専攻に加えて修得する「副専攻」も開講。得意とする分野を複数持つことは自己アピールにもなる上、さまざまなことに挑戦する意欲を湧き立たせてくれるだろう。
 多様な学生が集う総合大学だけに、互いの性別や性的指向、民族、国籍などを認め合いながら学ぶ環境を実現する「ダイバーシティ推進室」の活動も盛んだ。昨年度から実施している「継続・育成型リケジョプラットホームin SAGA」では、女子中高生の理系進路選択支援を目的に、教員による専門講義や実験体験会などを展開。昨年は746名の女子中高生が聴講し、理系分野の学びや仕事への興味を深めた。佐賀大学の女子学生比率は国立の総合大学では全国屈指である。

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継続型の高大連携「とびらプロジェクト」

 学力の3要素(思考力・判断力・表現力)を伸ばすことを目的とした「高大連携活動」においても、佐賀大学は先駆の取り組みを行っている。
 開始から6年目となる「とびらプロジェクト」は、同学が佐賀県教育委員会と協力して開発・実施している高大連携カリキュラムだ。従来のような高校への単発的な出前授業ではなく、高校3年間で段階的に受講できる「継続・育成型」となっている点で他に類を見ない。
 目的となる分野を絞っているのも特徴的だ。複数学部を擁する総合大学の強みを活かし、すでにスタートしている『教師へのとびら』『科学へのとびら』『医療人のとびら』『社会へのとびら』に加え、今年度からは『アートへのとびら』も開講。高校生は幅広いプログラムの中から、自分の興味のある学問や職業について知識を深めることができる。例えば『教師のとびら』では、教師の魅力だけでなく教育の厳しい現場を伝える講演や、大学での専門的な講義、先輩や現職の職員と語り合う機会などが設けられている。
 いずれのプログラムも県内の多くの高校から受講生が集まっており、年間の受講者が100名を超える『とびら』も少なくない。これらのプログラムの一つの大きな意義は、高校生の段階で「自分が将来どうなりたいか」を知り、それに適した進路選択ができることだ。進路のミスマッチを防ぐうえでも、高校生にはぜひとも受講してほしいプログラムである。

『科学へのとびら』ポスターセッションの様子

VOICE[在学生・卒業生より]

在学生
教育学部 小中連携教育コース 4年
久我 薫さん
(福岡雙葉高等学校 出身)
 
充実した留学支援制度が
夢を後押ししてくれました

 私が佐賀大学を選んだ理由は二つあります。一つ目は留学制度が充実していることです。留学に興味がある学生向けの英語クラスISACも用意されており、1年次から高いモチベーションを持って同じ目標を持つ人と学ぶことができます。TOEICのスコアを1年で100点程伸ばすことができました。学内ではアジアを中心に欧米など様々な国からの留学生が多いのでイベントや日本語ボランティアなどに積極的に参加して国際交流を楽しんでいます。
 二つ目は授業次第で複数の科目・校種の免許の取得が可能なことです。私は小学校・中学校・高校の社会と英語の教員を目指しています。フィンランドへの10カ月間の交換留学では現地での生活や授業、学校視察を通して、将来教師になった時に活かせる経験をたくさん得ることができました。これらの経験をもとに生徒が興味を持ち楽しんで臨める授業をすることが目標です。

卒業生
AGC株式会社 化学品カンパニー 開発部
中村 駿介さん
2016年 理工学部 機能物質化学科 卒業
2018年 大学院工学系研究科博士前期課程 修了
大学で学んだことすべてが
思考や開発アイデアの基盤に

 世界トップレベルの技術を強みに「ガラス」「電子」「化学品」「セラミックス」の事業領域で新たな価値創造に挑戦している会社で、化学品部門の開発を担当しています。誰もやったことのないことにチャレンジし、自分のアイデアが形になったときの喜びはひとしおです。大学時代に学んだ理系科目の授業すべてが、現在の私の思考や開発アイデアの基盤になっているといっていいでしょう。
 大学院へ進学したのは、大学2年のときのニュージーランドへの短期留学がきっかけでした。海外で専攻の学問である化学をやりたいと思うようになり、大学院では研究留学でイギリスへ行きました。弊社は約30カ国で事業展開するグローバルメーカーですが、2度の海外留学で養った異文化理解と多様な価値観で、一つ一つの目標を達成することにやりがいを感じています。

●佐賀大学(国)

【創 立】 1949年(2003年に旧佐賀大学と佐賀医科大学が統合)
【学 部】 教育学部、芸術地域デザイン学部、経済学部、医学部、理工学部、農学部
【就職率 学部別 農、水産系】 全国1位
【国家試験合格 医師(率)】 九州・山口・沖縄1位
【女子学生 学部別比率 医学部医学科】 全国1位
(いずれも『大学ランキング2020版』より)
〒840-8502 佐賀県佐賀市本庄町1 
☎0952-28-8153(広報室)
http://www.saga-u.ac.jp/

掲載大学一覧[九州・山口・沖縄]

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