九州大学

わが国を代表する基幹総合大学として、世界トップレベルの研究成果を数多く生み出してきた九州大学。2018年に完成した国内最大級の伊都キャンパスでは、広大な敷地を活かして最先端の研究が実施されている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、充実したオンライン授業の環境整備や、独自の手厚い学生支援などを実施している点も注目だ。

教育・研究をリードする
屈指の基幹総合大学

完成した伊都キャンパスで
多様な実証実験がスタート

学生・教職員約1万9千人が集う伊都キャンパス

 国内最大規模である約272ヘクタールの広さを誇る九州大学の伊都キャンパスでは、企業等と連携し、自動運転バス、電動バイク・電動キックボードのシェアリングサービス、みちびき(準天頂衛星システム)を利用した案内ロボットなどの実証実験などを実施しているほか、2019年4月から、「AI運行バス」の仕組みを活用したオンデマンド学内バス「aimo(アイモ)」を全国で初めて社会実装した。
 20年6月には、新型コロナウイルスを想定した新しい生活様式実現に向け、大学最寄り駅および伊都キャンパスのバス停の混雑度をリアルタイムに提示するシステム「itocon(いとこん)」を開発。
 今後は伊都キャンパスを次世代通信規格である5G(第5 世代移動通信方式)エリア化し、様々な実証実験に活用していく予定だ。さらにキャンパス周辺地域では国際的な学術研究都市が構想されており、産学官民が一体となって街づくりを推進している。

物質・エネルギーなど多分野で
世界トップレベルの研究成果

カイコによる新型コロナウイルスのワクチン研究

 同大学は、屈指の基幹総合大学としてほぼすべての研究分野を有し、特に、新元素ニホニウムや有機ELをはじめとした物質や材料分野、エネルギー分野や医療・生命科学分野では世界トップレベルの研究成果を創出している。
 カイコを使った新型コロナウイルスのワクチン研究、既承認薬からの新型コロナウイルス治療薬探索研究開発や、航空機の電気推進化、空飛ぶ車の研究開発など、次世代に向けた研究も実施されている。
 近年では、未来社会のエネルギーシステムを構想する「エネルギー研究教育機構」に続く研究教育機構として、「アジア・オセアニアの課題解決は世界中の課題解決に繋がる」との考えのもと「アジア・オセアニア研究教育機構」を設置し、同地域で生じている社会的課題の解決、発生抑制への貢献を目指している。
 大学の国際化も進んでいる。18年4月に芸術工学研究院に設置されたSDGsデザインユニットでは、19年度に世界初のSDGsデザイン国際賞(SDGs Design International Awards 2019)を開催。第2回となる20年度は『パンデミックを乗り越え、進化するためのデザイン』をテーマに8月末までの応募期間で募集中だ。
 数多くのグローバル人材を輩出しているのも同大学の大きな特色だ。全学生数1万8934人のうち、留学生数は世界97の国・地域から訪れた2427人(今年5月現在)。全学生のおよそ8人に1人が留学生となっており、国内の大学で16年連続トップ10に入るほど、多くの留学生が学んでいる。

新型コロナの感染拡大に伴い
独自の学生サポートを実施

 同大学は13年に全学生のPC必携化を実施するなど、以前からデジタル学習環境を全学で展開してきた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う今年4月からのオンライン授業移行にあたっては、以前より開発していた学習プラットフォーム「M2B(みつば)」システムとビデオ会議システムを活用し、①好きな時間に学習できるオンデマンド型、②リアルタイムで音声とデジタル教科書を配信するネット同時配信型、③講義映像をリアルタイムに配信する映像中継型、の三つの形態を導入。20年6月現在で約4900科目の授業を実施している。
 一部の授業での学習状況はM2B(みつば)システムに蓄積したデータを活用し、ラーニングアナリティクスの手法で分析評価され、同大学のオンライン授業の品質向上に役立てられている。
 また、オンライン授業への移行にあたっては、急激に増える問い合わせ対応に学生が主体の「quickQ」というチームを結成。想定される状況を細かく分析し、フローチャート化するなどサポート体制を短期間で作り上げ、現在ではオンライン学習にあたっての不明点があればフォームから問い合わせれば、短時間で回答が得られる体制となっている。
 また新型コロナウイルスの感染拡大に伴って収入に大きな影響が出た学生への本学独自支援として「緊急授業料免除」や「緊急学生支援金」の給付を実施するとともに、さらなる支援のため「新型コロナウイルス対策学生支援基金」を創設し、広く寄附を募っている。

CLOSE UP[注目情報]

変わる工学部!

 九州大学では、工学部と工学系大学院を2021年4月に一斉に改組し、カリキュラムも全面的に見直す。工学部の主な変更点は、①これまでの大学科コース制を改め12学科に改編。②融合基礎工学科と量子物理工学科を新設。③入学者選抜の方法を多様化し、一般選抜に加え総合型選抜を導入。④一般選抜では募集人員の80%を五つの学科群(Ⅰ〜Ⅴ群)に分けて選抜し、これに加えて学科群の選択を入学1年後に行うⅥ群も募集するハイブリッド型選抜を導入。⑤一般選抜での入学者の学科は入学1年半後に決定――の5点。これに併せ、工学部卒業生の8割以上が進学する大学院も、工学部の各学科から連続した教育が行えるよう専攻を改編する。
 IоTやAIの進化、リモートワークの導入などにより社会が激変している今、エンジニアや研究者になるために重要なことは、①自身の専門分野の考え方を確立し、②専門分野外のさまざまな観点で物事を捉え、③新しいことにチャレンジできることだ。
 今回の改組の目的は、学部から大学院修士課程まで連続した6年一貫型教育を行い、工学共通の基礎から専門まで、さらには情報や専門分野外の教育を6年間で計画的に行うことにある。さらに、新しい入学者選抜でさまざまな特徴を持った学生を受け入れ、学生のモチベーションを喚起・持続させながら教育を行うとともに、学生には最先端の研究に携わってもらう。
 工学部では、講義のすべてを英語で行う学士課程国際コースで外国人留学生を受け入れて国際化を推進しているほか、独自の海外研修プログラムや、ロボコン等への参加を支援する創造工房など、課外活動支援にも力を入れている。

VOICE[在学生から]

在学生
共創学部
共創学科 2年
冨田 里奈さん
オンライン授業サポートチームの
立ち上げは貴重な体験でした

 1年次の春から「iQLab」という組織でさまざまなプロジェクトに関わり、その経験が最も自己成長につながったと感じています。iQLabとは、本学で実証実験を行いたい企業と実験に関わる九大生をつなぐ産学連携プラットフォームのことです。
 春学期開始前、本学では遠隔授業という初めての試みに多くの学生や職員が不安を抱えており、膨大な問い合わせが発生することが懸念されていました。そこで私たちは「quickQ」というオンライン授業サポートチームを組織することに挑戦し、わずか10日間でサポート体制を整えることに成功しました。私はマネージャーとして関わったのですが、「オンライン授業のお問い合わせ対応」という未知の領域から、手探りでスキームやフローを設計していく作業は非常に貴重な体験でした。これからもここで多くのことを経験し、自分を成長させていきたいと考えています。

在学生
共創学部
共創学科 3年
浅見 昂志さん
新コースや先駆的プロジェクトが
成長するための刺激になります

 私の考える九州大学の魅力は、変化と立地です。伝統ある大学でありながら、変化に寛容で挑戦的です。私の所属する共創学部も、複雑化・多様化したグローバル社会に対応するために新設されました。新コースや先駆的プロジェクトも多く、こうした環境は自分自身が変化し、成長するための刺激になっています。田舎・観光地・地方都市の三つの側面を感じることのできる伊都キャンパスの立地も大きな魅力です。
 共創学部は異文化対応という海外活動に伴う単位が必須となっています。私は「現場と本場」を肌で感じる環境に身を置きたいと思い、カンボジアのアグリフィンテック企業に直接連絡し、インターンシップをさせていただきました。リアルな農業環境やインフラなどの「現場」を実体験し、多国籍スタートアップ企業の「本場」の考え方や取り組みを間近で見て、自分を成長させることができたと思います。

●九州大学(国)

【創 立】 1911年
【学 部】 共創学部、文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、芸術工学部、農学部
【就職率(学部別) 農、水産、生物系学部】 全国1位
【教育環境、校舎面積】 全国2位
【外国人留学生、大学院総数】 全国4位
【社会人からの評価、自分の子どもに入学してほしい】 九州・山口・沖縄1位
(いずれも『大学ランキング2021版』より)
〒819-0395 福岡県福岡市西区元岡744 
☎092-802-2130(広報室)
https://www.kyushu-u.ac.jp/

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