九州産業大学

 今年開学60周年を迎える九州産業大学では、「産学一如」の建学の精神のもと、約12万人もの人材を産業界に送り出してきた。10学部22学科、大学院5研究科が集まるキャンパスは、まさに「知」の集積地といえよう。そして今、「新たな知と地をデザインする大学へ―もっと意外に。もっと自由に。―」をビジョンに掲げ、100年先も地域に愛され信頼される存在であり続けるための大胆なアクションを起こしている。

創立100周年に向け、
新たな知と地をデザインする大学へ

培ってきた歴史を力に
未来をデザインしていく

開学60周年記念事業で新設されたスポーツ複合施設「大楠アリーナ2020」

 開学60周年を機に、九州産業大学では100周年に向けた新たな大学の方向性を三つの視点で考えている。
 一つは「グローバル化への対応強化」である。『ポストコロナ』時代を見据え、オンラインやSNSといったコミュニケーション手段を用いたグローバル化に本腰を入れるため、海外の教育機関とのネットワークを積極的に拡大。今年度は新たに5校の海外大学と協力協定を結ぶ計画だ。
 二つ目は、「地域社会への知的財産の還元」である。地域社会は今、新型コロナウイルスの余波でさまざまな課題が顕在化している状況にある。そうした地域の課題解決や安心・安全、経済の再生などにつながるアイデアを全学部から募り、具体的な取り組みを打ち出していく方針だ。
 三つ目は「100周年に向けた大学の在り方」をしっかりと意識した事業展開である。今年春に竣工したスポーツ複合施設「大楠アリーナ2020」もその一環だ。5000人が収容できる西日本最大級のメインアリーナや将来のトップアスリート育成を目的とした最新のトレーニングルームを完備しているほか、備蓄倉庫を設置し、災害時には地域住民の避難場所としても機能させる。
 「新たな知と地をデザインする大学へ―もっと意外に。もっと自由に。―」という100周年ビジョンの象徴ともいえる「大楠アリーナ2020」の誕生で、地域における同学の存在感はますます高まることだろう。

ソフト、ハード両面での
改革が志願者増に直結

食品開発研究会の学生が開発した「食べるネギ油」の販売会

 同学では2012年度から、時代のニーズに即した多様な新学部・新学科を創設するなど、全学部の再編を進めてきた。
 16年度から芸術学部を3学科から5学科に再編し、従来の「デザイン学科」を「ビジュアルデザイン学科」、「生活環境デザイン学科」、「ソーシャルデザイン学科」に細分化し、より専門性を追求できる体制に整えた。
 理工系学部においては、「九産大ブランドのモノづくり」を精力的に目指すため、新素材や医薬品、食品分野などで活躍できる人材を育成する「生命科学部」をはじめとした3学部7学科体制へ再編。学生の人気が高い教育科目を揃えることで、再編初年度の理工系学部志願者数は前年度から1000人も増加した。
 ハード面での整備にも注力している。一昨年に新設した8階建ての文系新棟には、新学部「人間科学部」の施設として、こども教育学やスポーツ健康科学に特化した最新の実習室や設備を整えている。理工系学部では、九州の大学では初となる食品加工プラント・食品開発ラボを開設し、新たな研究成果も生み出している。生命科学部の学生が食品メーカーと共同開発した「ネギ嫌いの人でも食べられるネギ油」は、実際に商品化され市場で好評を博した。
 こうしたソフト、ハード両面での大胆な改革が実を結び、再編後は一貫して志願者数が増加傾向を示し、昨年度は23年ぶりに2万人を突破した。

実社会を生き抜く力をつける
独自のキャリア教育

Zoomを活用した単独企業説明会を実施している

 志願者数という大学の“入り口”に対し、“出口”に当たる就職率においても、ここ数年、全学部ベースで100%が目前に迫るなど高い水準を保っている。ちなみに19年度の就職率は、文理(平均)計99.5%(就職者1834人/就職希望者1843人)、芸術系95.6%(就職者175人/就職希望者183人)と高い水準だ。また、上場企業への就職者数も増加しており、質の面でのレベルアップも顕著に現れている。
 名実ともに同学を「就職に強い大学」にした指導方針は、1年次から段階的に始まる独自のキャリア教育である。就職テクニックのみに重点を置いた従来型教育ではなく、実社会を力強く生き抜くための徹底した実学教育が特徴で、2500人以上が受講できるカリキュラムは全国的にも例がない。18年度に実施された厚生労働省「キャリア教育プログラム開発事業」において、全国の国公私立大学のなかで独自性の高いものとして選ばれた。また、953社が参加する企業説明会や39講座を開設する資格取得講座、就職希望者のほぼ100%と面談する個別面談などのサポート体制も充実している。
 こうした手厚い支援体制が評価され、「就職支援に熱心に取り組んでいる大学」(『価値ある大学2019年度版』日経キャリアマガジン)で、九州第1位、全国でも第9位に選ばれている。入り口、出口の両方で大学の評価に直結する指標になっていることが、外部からの高い評価に結びついているようだ。

CLOSE UP[注目情報]

全学部共通AI教育の導入を目指して

 どんな分野であれ、優れた社会人としての基礎となるのが、幅広い教養と総合的な判断力、そしてコミュニケーション力に富んだ豊かな人間性である。その力を育むのが、九州産業大学独自の教育プログラム「KSU基盤教育」だ。同学では、この全学部を対象としたKSU基盤教育において、AIリテラシーを学ぶ授業科目をスタートさせた。
 IoT、ビッグデータ、人工知能、ロボット等による技術革新(イノベーション)が進展し、異なる学術分野が融合することで新たな社会的価値や経済的価値が生み出されつつある。AI教育の導入は、こうした産業界の変革に対応し得る人材の育成を目的としたものだ。
 例えば新たに設けられた「実践力育成演習B」という授業科目では、数式演算ソフトウェアであるMATLABを用いて、人工知能の活用事例を体験(習うより慣れろ)し、AIの魅力と必要性を体感。MATLABの使い方やAIの基本的な利用方法を学ぶとともに、AI体験を通じた論理的思考力およびAI倫理を学修する。
 さらに将来的には学部教育と連携し、文系では「人間性あふれるコミュニケーション力」、理工系では「新しい仕組みをつくる力」、芸術系では「世の中を刺激する創造性」など、一段上のスキルを身につけ「AIを使いこなす人」の育成を目指す。

VOICE[在学生・卒業生から]

在学生
地域共創学部
地域づくり学科 3年
井上 諒亮さん
自分の夢にぴったりの学科で
公務員を目指しています

 地域づくり学科を選んだのは、「人々の暮らしに寄り添う公務員になりたい」という夢とぴったり合ったからでした。この学科では、公務員を目指すために必要な科目を中心に学べるコースがあります。自治体やさまざまな業界の人を講師に招き、現場の声が聴けるのも面白そうだなと。多彩な学部があり、多様な価値観と交われるのも魅力でした。
 「地域調査研究入門演習」というカリキュラムでは、エリアとテーマを決めて一つの分野を掘り下げたことで、研究の基本を学ぶことができました。先生方がとても熱心で、研究室で相談する機会も多く、いろいろな面で助けられています。キャリア支援センターのサポートも手厚く、私は公務員受験対策講座を受講しています。卒業後は、行政色の強い地方自治体で民間やNPO等と連携しながら、総合的に地域づくりに関わっていきたいです。

卒業生
イデアパートナーズ株式会社
佐々田 拓実さん
2020年 商学部第一部 観光産業学科卒
観光プロジェクトでの体験が
今の私の力になっています

 地域活性化に取り組むコンサルティングプランナーとして、人を集める仕掛けづくりや自社飲食店のブランディングに携わっています。在学中に参加したさまざまな観光振興プロジェクトの経験が、今の仕事に活かされていると実感しています。なかでも、長崎県対馬で「観光産業と島民の生活の共生」をテーマに取り組んだプロジェクトでは、事業者や自治体の方々と共にイベント等に取り組むことができ、かけがえのない財産となりました。座学だけでなく、プロジェクト型教育を通して実践的に学ぶことができたのは、九産大ならではの大きな収穫だったと思います。
 これから入学する皆さんには、まずは「将来何をしたいのか」を見つけて、そのために「今何ができるか」を考えてほしいですね。学生のうちは失敗しても大丈夫ですから、とにかく積極的にチャレンジしてみてください。

●九州産業大学(私)

【創 立】 1960年
【学 部】 国際文化学部、人間科学部、経済学部、商学部、地域共創学部、理工学部、生命科学部、建築都市工学部、芸術学部
併設校:九州産業大学造形短期大学部
【就職率(学部別)経済、経営、商学部】九州・山口・沖縄2位
【九州、沖縄、学生数】 九州・山口・沖縄3位
【社会人受入実施状況、総合評価】九州・山口・沖縄3位
(いずれも『大学ランキング2021版』より)
〒813-8503 福岡県福岡市東区松香台2-3-1 
☎092-673-5050(代表)
https://www.kyusan-u.ac.jp/

掲載大学一覧[九州・山口・沖縄]

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