長崎国際大学

2000年に長崎県初の公私協力型大学として誕生し、今年で開学20周年を迎える長崎国際大学。若い大学ながら、「人間尊重」を基本理念としたユニークかつ先進的な教育で地域の期待に応えてきた。新型コロナウイルス問題をきっかけに、教育システムの改革や学生サポートにも取り組んでいることから、「安心・安全」という付加価値を持った大学としても注目を集めている。

「安心・安全」なキャンパスで真の国際人を目指す

豊かな心を育てる
ホスピタリティ教育

茶道を通して日本や地域の伝統文化を理解、世界に羽ばたく国際人を育成

 「AIが席巻するであろうこれからの社会において、AIに対抗できるのは『心』です。その人間らしい豊かな心を育てるのが、本学の特色であるホスピタリティ教育なのです」
 今年度から就任した安東由喜雄学長は、同学がもっとも重視するホスピタリティ教育の重要性をそう語る。なかでも特徴的なのが、ホスピタリティ精神を理論と実践で学ぶ「茶道文化」だ。日本の伝統文化である茶道を「広い芸術文化的感覚と深い精神性との融合を目指す総合文化」と捉え、初年次からの教養科目に導入。地元長崎県発祥の「鎮信流」を次世代に継承するべく、教養教育の根幹として位置付けている。
 「茶道文化」では、点前の修得のみならず、政治・経済・地域・芸術面など茶道を幅広い視野で捉え、茶道に対する総合的な理解を助けるためにTA(ティーチング・アシスタント)も活用した少人数でのアクティブ・ラーニングの手法を導入。自国文化を再認識することは、グローバルリテラシーを持った真の国際人の育成にも役立っている。
 理事長、学長らがオムニバス形式で講義を行う「ホスピタリティ概論」もユニークだ。単なる座学ではなく、グループ学習やプロジェクト型学習も取り入れた能動的なカリキュラムによって、「ホスピタリティとは何か」を身をもって学ぶことができる。

時代の変化に応えた
次世代型教育システム

新学長の安東由喜雄学長

 薬学部教授でもある新学長のもと、学生が「安心・安全」に学べる環境づくりが早急に進んでいる。
 新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した今年4月、同学では他に先駆けてZoomやYouTubeなどインターネットを活用したリモート授業を全学で開始。一方、緊急事態宣言解除後の6月1日には、衛生面に万全の体制を敷いたうえで、実習系科目において対面授業をスタートさせている。
 「リモート授業の内容に関しては79%の学生が『満足』と答えています。ネット環境を整備するための支援金として3万円を全学生に支給したのも一因かもしれません。また、教員たちは任意で苦学する学生への寄付活動も行っています。これほど温かい大学は他にないのではないでしょうか」
 安東学長は、今後もリモート授業と実習主体の対面授業を効果的に組み合わせた「次世代型の教育システム」を確立し、新型コロナウイルスの第2波、第3波に備えたいと語る。
 ちなみに安東学長は、地元のラジオ局で『安東由喜雄のシネマ回診』という番組のパーソナリティーも務めている。
 「映画に描かれた疾患などの話題を提供しています。学生には大学や自宅での授業も含めて、いろいろな角度から楽しく学んでほしいですね」

リモート時代の
就職活動もサポート

ハウステンボスに隣接する長崎国際大学キャンパス

 世界に誇る日本人ならではのホスピタリティを身に付けた同学の卒業生へは、企業からの期待も大きい。管理栄養士国家試験合格率100%(2019年度70人/受験者70人)を筆頭とした高い国家試験合格率も、好調な就職状況に反映されている。
 新型コロナウイルスの影響が懸念される観光業界への就職だが、将来は至って明るいと安東学長は言う。
 「佐世保市ではIR(特定複合観光施設)の誘致に取り組んでおり、4年後には大幅な雇用が見込まれています。それに伴い、カジノやギャンブル依存症、トランスポートなどをテーマとした新しい学問領域も生まれるでしょう。本学でも新しいカリキュラムを開設し、新分野をリードできる人材教育に取り組んでいく計画です」
 今後は就職活動もリモートで行われることが増えると予想されるが、その対応も万全だ。地元ケーブルテレビ局と提携してネット回線を大幅に増設し、インターネットによる情報収集や進路相談などの要望に応える体制を整えている。
 「本学は開学20年と若い大学ですが、それだけにフレキシビリティがあり、時代に即応した新しい施策を機敏に取り入れることが可能です」と安東学長。変化が激しく数カ月先、数年先すら見通せないグローバル社会だからこそ、同学の存在が際立つのかもしれない。

CLOSE UP[注目情報]

西日本初、感染症の検査センター・診療所を開設

 学問に勤しみ有意義な学生生活を送るためには、心身の健康が何より重要である。長崎国際大学では、今回の新型コロナウイルスの感染拡大に際し、いち早く教職員らの感染歴の有無を調べる抗体検査を独自に実施するなど、できる限りの対策を講じてきた。同時に、すべての学生にウェブ上で毎日体調を報告するよう求める管理システムを導入し、「命を守るための取り組み」に全力を注いでいる。
 さらにこのほど、第2波や新たな感染症への備えとして、検査や治療を迅速に行える『NIU疾患検査センター』と『NIU利休庵診療所』を開設した。
 7月1日から稼働している『NIU疾患検査センター』では、新型コロナウイルスの感染の有無を判定するPCR検査が可能となっている。また、8月1日から診療開始予定の『NIU利休庵診療所』では、4人の医師(教員)を投入し、新型コロナウイルスをはじめとした感染症の診療を受け入れる。
 いずれも同学の学生・教職員及びそれぞれの家族を対象とするもので、2つの施設を緊密に連携させて感染症の予防と拡大防止に努めていく。医学部を擁しない大学でこのような診療所を設置するのは他に例がなく、西日本エリアの大学では初の試みとなっている。
 同学は、世界各国との交流協定のもと海外留学支援や留学生の受け入れなども盛んな国際大学である。国際交流でグローバルな視野を育みたい学生にとっても、このようなしっかりした医療体制による感染症対策の徹底は心強いに違いない。

VOICE[在学生・卒業生から]

在学生
薬学部 薬学科 5年
高森 美那さん

先生や先輩方との距離が近く
楽しく学ぶことができます

 入学したときから担任の先生がついてくださるので何でも相談できるうえ、担任以外の教授でも研究室に気軽に質問やおしゃべりに行くことができます。こうした先生方との距離の近さが一番の魅力ではないでしょうか。先輩から勉強を見てもらえる制度もあるので、不安な科目があっても安心して学ぶことができます。
 1年次から始まるコミュニケーションを基本とした授業では、薬剤師に必要な心構えなどを早くから学ぶことができました。また、一般の方に模擬患者さんになっていただく服薬指導の実習では、ていねいにわかりやすい言葉で対応する姿勢を身に付けることができました。本学でのいろいろな学びを通して、薬のことだけでなく疾患や生活まで幅広いアドバイスが行え、患者さんに寄り添えるような薬剤師になりたいです。

卒業生
長崎労災病院 薬剤部所属
塚田 晃平さん
2012年 薬学部 薬学科卒
大学で学んだことすべてが
薬剤師の現場で活きています

 薬剤師として、処方の調剤や患者への服薬指導、抗がん剤の調整などを行っています。服薬指導を通じて患者の皆さんに薬のことを理解していただくのも、重要な仕事の一つです。患者様に「薬のことがよくわかった」と言っていただけるよう、資料を用いてわかりやすい言葉でお伝えするなど、日々、頑張っています。薬の併用や副作用について学校で習ったことが大いに役立っていますね。
 薬学部の学びでは、実際に病院や薬局で長期間の実習を行う薬学実務実習がもっとも印象に残っています。授業で習った薬理や薬物動態で薬品の資料(添付文書やインタビューフォームなど)を読めたときはうれしかったです。また、院内製剤の製剤や注射薬の混注などの手技についても、実習を行っていてよかったと思います。大学で学んだことが、今の現場ですべて活きていると実感しています。

●長崎国際大学(私)

【創 立】 2000年
【学 部】 人間社会学部:国際観光学科、社会福祉学科、健康管理学部:健康栄養学科、 薬学部:薬学科(6年制)
【保護者会への参加、参加者の倍率(入学定員を基準)】 九州・山口・沖縄1位
【私学助成、学生1人あたり助成額 学生数2000人以上1万人未満】 九州・山口・沖縄3位
【大学設立年別(1981〜2000年)、外国人留学生(学部)】九州・山口・沖縄3位
(いずれも『大学ランキング2021版』より)
〒859-3298 長崎県佐世保市ハウステンボス町2825-7 
☎0956-39-2020(代表)
http://www.niu.ac.jp/

掲載大学一覧[九州・山口・沖縄]

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