熊本学園大学

1942年以来の伝統を有し、約9万8千人の卒業生が社会の各方面で活躍している熊本学園大学。コロナ禍を乗り越え、創立80周年、さらに100周年を見据えて、教育・研究、地域と連動したプログラム、キャンパスアメニティーなどの新しい取り組みをさまざまな方面で始めている。「学生第一主義」という基本方針を掲げ、さらなる躍進に挑む大学の魅力を探ってみた。

学生第一主義を貫き、さらなる躍進に挑む。

学生の満足度が高い教育を
幅広く深く進めていく

細江守紀学長

 「学生第一主義」を掲げる熊本学園大学。その姿勢が顕著にあらわれているのが教育分野だ。教育における基本方針には幾つかの柱がある。ひとつは、数多くの多彩なゼミを各学部・学科に配置し一人ひとりの学生に配慮する「少人数教育」。商学部、経済学部、外国語学部、社会福祉学部第一部、社会福祉学部第二部を擁し5千人以上の在学生をもつ文系総合大学だが、あえてきめ細かで手厚い教育を進めている。コロナ禍の現況では主にオンラインによる遠隔授業だが、これでは学生と教員の間にも心理的な距離が生まれ学修に影響が出ると危惧する声もある。そこで対面式を含めた新時代の授業の在り方を検討していく。
 次は「教育カリキュラムの見直し」。例えば、商学科の「くまもと未来創造科目」はリアルなビジネスの現場に直結した学びであり、地域の企業やプロスポーツチームをゲストに迎えた講義や「課題解決型学習(PBL)」などに力を入れている。今後はこのように学生が能動的に学べる科目の新設も視野に入れて見直しを進めていく。「文理融合プログラムの検討」も柱の一つ。政府が策定した「第5期科学技術基本計画」では「Society5・0」として、ロボットや人工知能(AI)、ビッグデータ等の新技術を産業や社会生活に取り入れて社会的課題を解決する新たな社会が提唱された。文系の学問領域もデータ分析によって基礎づけることになるといわれている。同大学ではこれに沿い、データサイエンスや地方創生などの教育プログラムを構築、DX時代も視野に入れた文理融合型の教育・研究に先駆けて取り組んでいく。
 「学生第一主義を貫くため、忌憚なく意見を交わす教育改革会議を設けました。また私に直接メールを送れる学長直行便などを実施しニーズを吸収しています」と、細江守紀学長は語った。

学生の声を反映しキャンパス
アメニティの向上を目指す

「新1号館 みらい」と「クマガクスマイリア」

 熊本学園大学(クマガク)はアクティブでアグレッシブだという評価をしばしば聞く。細江学長も同大学の印象を「にぎやかで自由闊達」と話す。学内に約70のサークルやクラブがあることも、学長の印象を裏付けているだろう。ポストコロナを見据え、この特長を高めてさらに魅力的なキャンパスづくりを進めるのが「キャンパスアメニティの向上」プロジェクトだ。個人やグループで自由に学修し交流できる快適空間がある「新1号館 みらい」、図書館の「ラーニングコモンズ」、ICT拠点である「e-キャンパスセンター」等、充実した教育環境に加え、食堂のカフェ風リニューアル、トレンドフーズ街中のように楽しめる「キッチンカー」の設置など、わくわくするようなプランを検討中だ。アメニティ向上ワーキンググループには在学生も参加しており、学生の声を反映した新しく楽しいキャンパスライフの実現が期待される。

卒業後の可能性を広げる
充実したキャリア教育

「新1号館 みらい」2階に設置してある一人用の学習エリア

 卒業後に配慮したキャリア教育や就職サポート体制も伝統的に充実している。そのため企業からの評価も高く、2020年度の求人件数は5887件。一人あたりの求人件数は5.8人にのぼる。また、熊本県内企業の社長数、公務員合格者数、社会福祉士合格者数も九州・沖縄ではトップクラスで、さらに講義履修で取得できる免許や資格は16種類に及ぶ。一般企業への就職はもとより、起業、公務員、資格取得と将来への選択肢が広いのは大きな魅力だ。
 就職課のスタッフは就職専門アドバイザーを含め12名。同規模の大学としては九州屈指の充実した体制のもと、学生一人ひとりに応じたきめ細かなサポートを行っている。1年次から始まるキャリア・就職ガイダンスなど早い時期から自分の将来について考える環境が整っており、就職活動の準備期間から本格的な活動までさまざまなプログラムで後押しする。また、Web面談の随時受付、オンラインでの「学内合同会社説明会」開催など、現状に即したフレキシブルな対応も行っている。

CLOSE UP

地域のスポーツ・文化活動に貢献する「熊本学園クラブ」

 さまざまなかたちで地域に貢献している学校法人熊本学園。最近の一例が、「熊本学園クラブ」の活動だ。同クラブは、学園が持つ人的資源(指導者・学生)と物的資源(施設・設備)を活用した新たな地域貢献の取り組みとして創設され、地域を対象としてスポーツ・文化活動を推進している。その活動のスタートとして2020年7月に開設したのが「熊本学園ジュニアスポーツクラブ」だ。
 「熊本学園ジュニアスポーツクラブ」は、子どもたちのスポーツでの活躍を支援することを目的としており、具体的には「ソフトテニス」と「新体操」の2競技を対象とし、指導には競技経験者である学園の教職員と学外指導者があたっている。まずはジュニアスポーツの活動から開始し、将来的には生涯学習や文化クラブ等の活動を通して、地域のコミュニティの活性化、青少年の健全育成、健康増進等に寄与することをめざしている。ジュニアスポーツクラブ開設から1年が経った現在は、両クラブで計65名の子どもたちが活動している。

ソフトテニスの練習風景
新体操の発表会

VOICE[在学生・卒業生から]

在学生
経済学部リーガルエコノミクス学科 4年
吉村 尚大さん
九州学院高等学校卒
そのときの気持ちに応じて
多彩な学びや出会いがある

 熊本学園大学の魅力は、海外留学制度をはじめとする幅広い学びの機会です。私は入学後にサマープログラムを利用してイギリスを訪問。先進国の次は発展途上国を実感したいと思い、フィリピンに短期留学しました。この時に受けた衝撃が忘れられず、もっと深く知りたくなり休学して再びフィリピンへ。9カ月間の間、ボランティア活動などに従事しました。授業で語学(英語)の面白さを深く知り、留学生との交流で異文化コミュニケーションの楽しさに気付き、留学とその後の海外体験で自分の価値観が変わっていく。そのときの気持ちに応じて新しい学びや出会いの機会を提供していただき、自分を大きく伸ばせたような気がします。
 入学当初は公務員志望でしたが、現在は世界に貢献できる自分になるためにグローバル企業へ変更。どこに行っても通用する「頼られる人」を目指します。

卒業生
熊本製粉株式会社 海外事業部
藤木 マンナさん
2018年 外国語学部英米学科卒
未来へ向かう人の背中を
いつも全力で押してくれる

 私が今、世界をフィールドとした環境で働けているのは、クマガクでの4年間があったからこそ。英語の基礎的なスキルはもちろん、「翻訳法」「通訳法」などの実践的な学びは仕事の現場でとても役立っています。授業以外で印象深いのは、熊本地震の際、仲間たちと大学に設けられたボランティアセンターの活動に参加したこと。そこで得た出会いや経験を通して相手の想いを察し心に寄りそう大切さに気付き、コミュニケーション力が上がりました。
 クマガクは全力で背中を押してくれます。さまざまなカリキュラムやプログラムなどで自分の世界を大きく広げるサポートをしてくれます。
 私もキャンパスライフで得たさまざまなことをさらに磨き、「海外向けの営業を極める」という目標に向かってどんどん成長していきたいと思います。

●熊本学園大学(私)

【創 立】 1942年
【学 部】 商学部、経済学部、外国語学部、社会福祉学部第一部、社会福祉学部第二部
【公務員採用 消防官】 九州・山口・沖縄2位
【国家試験合格 社会福祉士(人)】 九州1位
【社長の出身 都道府県別(企業所在地)熊本】 全国1位
(いずれも『大学ランキング2022版』より)
〒862-8680 熊本市中央区大江2-5-1 
☎096-364-5161(代表)
https://www.kumagaku.ac.jp/

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