
長崎県初の公私協力型大学として開学し、今年で創立21年を迎える長崎国際大学。3学部4学科と3研究科5専攻の大学院を有する高等教育機関へと進化し続け、グローバルな人材の育成と地域の発展につながる教育を行っている。また、昨年7月からキャンパス内に設置した「NIU疾患検査センター」にてPCR検査を行っており、各方面から注目を集めている。
全国でも珍しい、全学部の学生が教養課程として学ぶ「茶道文化」を取り入れている長崎国際大学。
「『ホスピタリティ』を辞書で調べると、『異人歓待』と書かれています。400年前、キリシタンが長崎に来日した際、異国の人を容易く受け入れた歴史があり、長崎にはそういう土壌が古くから継がれているのかなと感じています。そんな長崎の地で、茶道を中心に、立ち居振る舞いや精神論を通じて、おもてなしの心を探った教育を行っています。また、これらの教育をベースに、大学としての研究も活発に行っています」と語るのは安東由喜雄学長。
多くの学生が初めて経験する茶道、慣れない授業にも関わらず、概ね反応も良い。茶道文化を通じて、日本文化を再認識することにより、グローバルリテラシーを醸成し、国際人育成にも役立っている。同大学がモットーとして掲げる『いつも人から。そして心から。』は、いつも優しく人に接しながら心を持っておもてなしの心を忘れずにというメッセージが込められており、茶道文化が持つホスピタリティ精神に通ずるものがある。
西九州有数の規模の大学として、地域貢献を重要な役割と位置付けており、また地域のために大学が出来ることを実践している。『最西端から最先端へ情報の提供を発信』することを大学の方針としており、医学部を擁しない大学としては、国内で初めてPCR検査を学内で実施し、昨年の7月から今年の4月まで述べ5千人がPCR検査を受けている。これまでPCR検査を受けた人々の内訳は、学内の生徒や職員にとどまらず、全体の約6割が佐世保市民である。現在では地域のコロナ感染によるクラスターを予防する役割を担い、地域貢献やホスピタリティの意味合いも併せ持つ。
「地域の感染センターとして、市民の方々に感謝されていることが何より嬉しいです。PCR検査を行うことにより、クラスターを未然に防ぎ、市民の大切な人を守ることにつながっています」と安東学長が語ってくれた。
「コロナ禍において、国内のあらゆる教育機関が対面授業を取りやめ、オンライン授業が増える中、本学では約7割が対面授業を行っています。その背景には、学内で実施しているPCR検査でしっかり感染対策を講じているからです。仮に感染者が出た際は、しっかりクラスターを抑え、感染に関する授業を行い徹底した対策を取っています」と、安東学長。昼休みには食堂の見回りを行い、黙食指導も実施している。常に学生目線に立った教育を実施しており、対面授業を貫いている理由は、学長の学生目線に立った強い想いがある。
「学生が学園生活を謳歌し、本学の学びを通じてグローバルな視野を広げ、国際社会で活躍できる人材を育てていくことが大切だと考えています」
昨年8月、学内に「利休庵」と名付けた診療所を開設し、本年4月より医師が常勤。学生や職員は医師による診療をいつでも受けることができる体制を作っている。立地の問題もあり、同大学から最寄りの医療機関まで3・4キロ離れているため、学生がいつでも不安なく学生生活を送れるように設けられた診療所である。また、全学生の約6割が県外生でもあり、実家を離れて大学生活を送る生徒の健康を心配する保護者にとって、学内診療所は好評を得ている。
6月21日より各地で開始された、新型コロナウイルスワクチンの職場や大学での「職域接種」。長崎国際大学でもいち早くに学生や職員を対象にワクチン接種が始まった。同日に接種を始めた大学は、11都道府県で17校である。九州で唯一接種を始めた長崎国際大学は、大学でのワクチン接種の先駆けとして話題を集めている。
同大学での職域接種におけるワクチン接種の対象は、九州文化学園グループの学生、教職員、教職員の家族を含む約4千人。今後も文部科学省は、それぞれの大学が大学関係者以外の近隣の学校関係者や、地域住民に対しても接種を行う拠点となるような取り組みを進めている。
「『大学内でも安全安心が整っていることが大切である』と、コロナ禍になり再確認しました。至極当たり前のことですが、大学に関わる全ての人が安全安心なキャンパスライフを送るために学内における医療環境の充実はとても重要な役割を果たしています」と安東学長は話しを締めくくった。
「Society5.0」の実現に向けた特色ある教育研究の推進や、地域社会への貢献、イノベーションを推進する研究の社会実装の推進など、特色・強みの明確化、伸長に向けた大学の積極的な改革に取り組み、成果を出した大学等を支援する国の事業「私立大学等改革総合支援事業」において、今年度、長崎国際大学は4タイプ全てが選定された。なお、4タイプ全て選定された大学は同事業に申請した624校のうち、長崎国際大学を含む7校のみであった。
4タイプの詳細は、「タイプ① 『Society5.0』の実現等に向けた特色ある教育の展開」「タイプ② 特色ある高度な研究の展開」「タイプ③ 地域社会への貢献」「タイプ④ 社会実装の推進」であり、各大学が改革への取り組みを点検した。大学は複数のタイプに申請でき、タイプごとに設定された改革の進展度の評価項目について自己評価する。総合得点の高い順に選定され、国が求める大学改革の取り組みに対し、同大学の取り組み状況から算出した点数が選定基準を上回ったため、選定に至っている。
今後も同大学では、これまで培った豊富な国際交流や地域交流だけでなく、最先端の取り組みを積極的かつ迅速に実施し、九州を代表する革新的な大学改革を担っていくのではないだろうか。
長崎国際大学では入学時から担任制度があり、大学生活をスムーズに送る事が出来ます。勉強で疑問に感じたことがあると、先生が資料やホワイトボードを使ってわかるまで教えてくれました。薬局と病院での実務実習では、薬剤師になったら何ができて、どのようにして患者に貢献するのかを自分の目で見て体験。専門的な知識を修得しながら、学内外で様々な価値観の人と交流できる大学生活は、今後の役に立ってくると思います。昨年よりCOVID-19の感染が広まる中、オンライン授業が導入され、人との交流の変化に最初は戸惑いましたが、新しい学び方に適応していくうちに、過去ではなく今の自分に視点を置くことが大切だと気づくことができました。
卒業後は、薬剤師として働き、人の幸せについて考えたい。全ての人をハッピーにするために、まずは自分がハッピーに、過ごすことが目標です。
抗がん剤調剤、院内製剤調製、感染抑制チーム活動などの業務に携わっており、特に、薬剤管理指導において、他職種のスタッフと専門知識を共有して患者さんをサポートすることにやりがいを感じています。患者さんが病気と向き合い、治療方針を前向きに選択する姿勢には、日々励まされています。
在学中に所属していた研究室では、研究の楽しさを知っただけでなく、先生方が毎日楽しそうに研究される姿に憧れを抱いたことから、大学院進学を決意しました。また、アジアやアフリカなどから年間12名の留学生が研究室に在籍していたため、英語やジェスチャーでのコミュニケーションを介して仲良くなり、今でも交流が続いています。多様な文化、思考を持った方々との交流は、自分の常識や文化を超え、一旦ありのままに受け入れるという姿勢が自然と身につきました。現在でも相手の考え方や捉え方が様々である服薬指導の場などで活きています。
【創 立】 2000年
【学 部】 人間社会学部:国際観光学科、社会福祉学科 健康管理学部:健康栄養学科 薬学部:薬学科(6年制)
【公務員採用 自衛官】 九州・山口・沖縄2位
【障がい学生支援 総合】 九州・山口・沖縄1位
【私学助成、学生1人あたり助成額 学生数2千人以上1万人未満】 九州・山口・沖縄3位
(いずれも『大学ランキング2022版』より)
〒859-3298 長崎県佐世保市 ハウステンボス町2825-7
☎0956-39-2020(代表)
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