三重大学

伊勢湾に面し、鈴鹿山脈を望む、豊かな自然のもとに立地する国立総合大学。1949年に三重県で初めての4年制大学として誕生以来、70年近くの歴史の中で規模を拡大し、現在は5学部・6研究科を展開している。また、共同教育研究施設や、病院をはじめとする附属施設も充実。三重県の中核的な教育研究拠点であり、その成果を地域社会へ還元し、世界へ発信していくことを目標に、多様な取り組みを行っている。

独創的で自由な
「知」を育て、
地域へ還元し、
世界へ発信する

三重の力を世界へ

美しい自然環境の中に位置し、7200名を超える学生が学ぶ上浜キャンパス。
三重県唯一の総合大学として、
地域から世界へ
独自性豊かな「知」と
先進的な環境マインドを広く発信

 三重師範学校・三重青年師範学校・三重農林専門学校を母体とする新制大学として、1949(昭和24)年に発足した三重大学。さかのぼる前身は1820(文政3)年設立の津藩校「有造館」で、地域と密につながり、共に歩んできた長い歴史を持つ。三重県で唯一の総合大学でもあり、県の発展を支え、リードする役割を担っている。
 そんな伝統や使命を踏まえて掲げる基本ミッションは、「三重の力を世界へ:地域に根ざし、世界に誇れる独自性豊かな教育・研究成果を生み出す~人と自然の調和・共生の中で~」。その達成に向けての具体的なビジョンは、「安心感のある運営と改革」「社会の未来を創る高等教育」「女性・若手に優しいキャリア支援」「大学発の地域イノベーション」「多様で独創的な学術研究」「自然と共生するグローバル・キャンパス」の6つだ。
 教育目標としているのは、「感じる力」、「考える力」、「コミュニケーション力」、それらを総合した「生きる力」の育成。4つの力を効果的に身につけるため、自分たちで課題を解決する授業や、プロジェクトを達成する授業を推進している。
 また、独創的で自由な発想に基づく研究が、産学連携を推進しながら活発に行われており、県内企業との共同研究の数は全国の大学でもトップクラス。世界に通じる研究も少なくない。
 豊かな自然環境の中にある大学として、「世界に誇れる環境先進大学」を目指しているのも特徴。多様な活動・事業が行われており、社会からも高く評価されている。学生の環境マインドの向上を目的とする「環境ISO学生委員会」が、2017年「地域環境保全功労者表彰(環境大臣賞)」を受賞したのもその例だ。大学の文化として浸透している環境マインドを、長期的には世の中に広めていくことまでを目標としている。

「三重創生ファンタジスタ」!

PBL型集中講義「食と観光実践」で、県内の大学などの教員が連携して学生を指導している様子。
地域イノベーションを
リードする人材を養成
オール三重体制の
プロジェクトの中核を担う

 三重県は今、急激な人口減少と少子高齢化、若者の流出という問題を抱えている。そういった問題に向き合うためのプロジェクトが「地域イノベーションを推進する三重創生ファンタジスタの養成」事業。2015年「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC)」に採択されてスタートした。
 この事業では、雇用創出と若年層の県内就職率の向上につながるものとして、「食と観光」「次世代産業」「医療・健康・福祉」を3つの課題として捉えている。3分野をリードできる人材の養成を目指しており、常に状況を把握し、柔軟で豊かな創造力に富む発想と行動ができる「三重創生ファンタジスタ」を養成している。
 事業はオール三重体制で、県内の20の企業・団体、13の高等教育機関、三重県が参加・協働。その中核を担う三重大学では、事務局ともなる「地域創発センター」(2017年に「地域人材教育開発機構」に改組)を立ち上げ、「三重創生ファンタジスタ資格」を創設。資格認定副専攻コースを全学で展開している。同コースは、地域の産業や実情を知る「地域志向科目群」、地域に入って現状や課題を体験的に理解する「地域実践交流科目群」、地域の人と協働し、地域や産業の活性化や再生プロジェクトを提案する「地域イノベーション学科目群」の3ステージで構成される。また、2017年に実施したPBL型集中講義3科目では、県内7高等教育機関の学生が受講し、同機関の教員が協働で指導する等、高等教育機関との連携が強化された。
 三重県の産業及び採用関係、共同研究や産学連携などに明るい「地域活性化事業推進コーディネーター」が、インターンシップ先や就職先の開拓に関わるのもポイント。学生・企業の相互にとってよりよいマッチングも促される。

※Center of Community Plus

県を網羅する地域拠点サテライト

伊勢志摩サテライトの活動拠点、「海女研究センター」(鳥羽市立海の博物館内)。
エリアで課題の異なる三重県全体が
教育研究フィールドに
県内4つの拠点から、
特性に合った地域創生を目指す

 地域と共に歩み続ける三重大学では、地域連携活動を強化するため、キャンパスの外にもいくつか活動拠点を置いてきた。その連携をさらに強めるべく、2016年度から進めているのが、県全体を大学の教育研究フィールドと位置づけた「地域拠点サテライト構想」だ。
 三重県は南北に長い地形もあって、同じ県内でも地域によって特性も課題も大きく異なる。そこで各地に活動拠点を置き、それぞれの地域と連携した実践的な活動を進めようというのがこの構想。課題に対し、総合大学のメリットを生かして多面的に解決方法を提案し、イノベーションを起こして地域創生に寄与すること、それによる地域住民の幸福感の向上までを目指す。
 具体的には、県内の「伊賀」「東紀州」「伊勢志摩」「北勢」の4つの地域に、連携活動をより強化するために自治体と協力して「地域拠点サテライト」を設置。サテライトが地域課題の解決と地域人材の養成のハブ機能となり、特性に応じた活動を展開する。企業や自治体が抱える課題の発掘、解決方法の共同研究やプロジェクトの推進、実践型授業やインターンシップといった地域の課題を題材にする教育だ。
 すでに「伊賀」「東紀州」「伊勢志摩」の3つのサテライトは始動。例えば、伊勢神宮や鳥羽、志摩などの観光地を擁する伊勢志摩サテライトでは、「歴史ある自然との共生・共存の思想を世界に発信する拠点」というテーマで、歴史文化の交流、海女文化、水産資源の活性化、食品の6次産業化、観光資源の活用など、食と観光産業による地域創生の研究や地域人材の育成などに取り組んでいる。
 残る「北勢」は2018年度内に開設予定だ。地元からの期待も大きい地域連携活動。その究極の形が今、できあがりつつある。

TOPICS[注目のトピック]

ついに誕生!“NINJA”を解き明かす
「国際忍者研究センター」
 日本の文化として世界に知られ、コアなファンも多い“NINJA”。謎のヴェールに包まれた存在であり、今まで学術的な研究が深められることがほとんどなかったが、それに三重大学が着手。2017年7月、忍者の里である三重県伊賀市に「国際忍者研究センター」を発足し、忍者研究に取り組み始めた。
 同センターは、伊賀サテライトの伊賀連携フィールドに所属。研究を通じて日本文化の発展や、伊賀の地域創生、観光や産業の振興に寄与することを目指しており、研究成果を国内外に広く発信していく。
 具体的な活動は大きく分けて3つある。
 1つ目は忍者に関する学術的・学際的な研究活動で、調査、史料の収集とデータベース化、忍術書の科学的分析などを進める。古文書における実在としての忍者、小説・漫画・映画でのフィクションとしての忍者など、研究は多角的だ。
 2つ目は教育活動で、忍者学に関する講義や演習のほか、市民講座も開催する。「伊賀忍者古文書講座」「忍者・忍術学講座」などの市民講座をすでに実施。世界各地での講演活動も予定している。
 3つ目は忍者に関する学術的な情報交流と情報発信活動。シンポジウムの開催、HPやパンフレットなどの作成、そして国内外の忍者研究に対する交流や支援を行い、国際的ネットワークを形成する。事務局を設置し、国際的な忍者学会を結成してその運営も行っている。
 ついに誕生した、初の学術的・国際的な忍者研究拠点。ミステリアスな忍者の真実が、ここから明らかにされる日は遠くないかもしれない。
2017年7月1日に行われた、国際忍者研究センターの開所式。

EVENT INFO[イベント情報]

◉オープンキャンパス
8月8日(水)人文学部、生物資源学部
8月9日(木)医学部医学科、看護学科・10日(金) 教育学部、工学部

◎人文学部 文化学科/法律経済学科 ◎教育学部 学校教育教員養成課程(国語教育コース、社会科教育コース、数学教育・情報教育コース、理科教育コース、音楽教育コース、美術教育コース、保健体育コース、技術・ものづくり教育コース、家政教育コース、英語教育コース、特別支援教育コース、幼児教育コース、学校教育コース) ◎医学部 医学科/看護学科 ◎工学部 機械工学科/電気電子工学科/分子素材工学科/建築学科/情報工学科/物理工学科 ◎生物資源学部 資源循環学科/共生環境学科/生物圏生命化学科/海洋生物資源学科
〒514-8507 三重県津市栗真町屋町1577
TEL 059-232-1211(代表)
http://www.mie-u.ac.jp

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