愛知大学

幅広い専門領域から
「人間とは何か」に迫る文学部

多彩な文系学問を揃える「総合型文学部」

新元号「令和」の出典となった『西本願寺本萬葉集』(複製)の巻第五「梅花歌三十二首」の序文(愛知大学豊橋図書館蔵)。

 中部地区唯一の旧制法文系大学として1946年に誕生した愛知大学。設立の地・豊橋キャンパスに拠点を構える文学部は、同学で最も古い歴史を持つ学部のひとつで、2019年に創設70年を迎えた。
 時代や社会の変化に対応しながら学科・専攻の改革を重ね、2021年度には「歴史地理学科」と「日本語日本文学科」を新設。4学科13専攻を揃える総合型文学部として、哲学・文学・史学など基本分野だけにとどまらず、心理学や社会学、図書館情報学やメディア芸術といった幅広い文系学問を探求できることが特徴だ。
 公認心理師(国家資格)取得に対応したカリキュラムを展開する「心理学科」をはじめ、各学科で実践的な教育・研究が行われ、「現代文化」「社会学」「欧米言語文化」の3コースに8専攻を有する「人文社会学科」など探究可能な専門分野も多彩。〝時間〟と〝空間〟という双方の軸から歴史や地域を研究する「歴史地理学科」、世界という視点から日本語・日本文学・日本語表現を多角的に見つめる「日本語日本文学科」の新設により、学びの内容がさらに明確化される。
 いずれも1年次では13専攻すべての基礎を学び、2年次から専攻に属して、学修・研究を本格的に始めることになる。幅広い分野に触れながら専門分野を絞り込むことができるのは大きな魅力だ。また、各学科とも海外留学やフィールドワーク、心理学実験、社会調査、教職インターンシップなど、アクティブな学びの機会が用意されている。

歴史地理学科(日本史学専攻)の山田邦明教授。「日本史学基礎講読」等の講義を担当。専門分野は日本中世史。

史料を正しく読み解き歴史・文化を解明

「日本語学講読」「日本語文法論」等の講義を担当する日本語日本文学専攻の和田明美教授。専門分野は日本語学。

 文学部では卒業論文が必修科目となっており、各学生がテーマに基づく資料・文献を比較研究し、独自の結論を導き出す。専門文献を読み、その意味を正しく解釈する上で不可欠な技術のひとつが「講読」だ。多くの専攻で講読の授業が用意され、なかでも書状や日記など古文書を扱う「歴史地理学科」、歌集や物語といった古典文学・古典語から現代文学・現代語までを扱う「日本語日本文学科」では、講読が研究活動の中心となる。
 「歴史地理学科」には日本史学、世界史学、地理学の3専攻があり、講義と専門演習による基礎知識と研究技法の習得に加え、講読を通じた史料重視の教育を実践する。日本を含む世界を俯瞰的に捉え、地域による特殊性や普遍性を理解する力の習得を学科の共通目標に掲げ、現場に赴き、歴史的景観や実物に触れるフィールドワークを重視する点も特色といえるだろう。
 日本史学専攻の山田邦明教授は、かつて豊橋に存在した私設図書館「羽田八幡宮文庫」を調査し、室町幕府二代将軍の足利義詮や、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康らの書状を鑑定。筆づかいや墨の色など、講読の技法を用いて真偽を判別し、信頼する配下とのやりとり、政治動向に関わる重要な指示、ほのぼのとした大名間の交流など、当時の社会状況を知る上で貴重な史料となる事実を読み取った。史学研究の魅力は、文献の解読を通じて、その時代や地域の社会を理解し、誰も知らなかった未知の事実を発見すること。例年、卒業論文テーマには「戦国織豊期 越中の政治情勢」「中・近世ヨーロッパの魔女」など独自性豊かなものが並ぶ。
「日本語日本文学科」では、日本の言語・文化を歴史的観点から学び、日本人特有の思想や文化への優れた見識と教養を備えた人材を養成する。「古典文学」「近現代文学」「日本語学」の3分野から学びを進め、万葉集から現代に至る文学作品と、その中で使われてきた日本語を研究対象とするため、講読技術の修得が不可欠だ。
 日本語日本文学専攻の和田明美教授は、「日本語はやまと言葉をもとに、漢字・漢語を取り入れ、片仮名や平仮名を生み、外来語をも吸収しながら発展してきた。その柔軟性の秘密を探り、詩歌や物語、随筆の特徴を分析することは、その時代の歴史的背景や文化を理解することにつながる」と研究の魅力を語る。
 担当する「日本語学講読」では、万葉集を題材に現代のJ-POPにも連なる日本人の歌の源流に迫り、平安時代の言葉に注目しながら「源氏物語」の表現の独自性を探究。「『源氏物語』の音色表現」をはじめ、卒業論文のテーマも多彩だ。
 また、同科は日本語教授法や日本史、漢文学、図書館学、外国文学といった関連領域を学ぶことが可能で、教員免許取得を目指す教職課程も設置。広い視野を持った国語科教員を輩出しており、これまでも東海地区の小・中・高等学校の教員として新卒採用されてきた実績がある。

TOPICS[注目のトピック]

日本史学、世界史学、地理学の3専攻を有する「歴史地理学科」
 愛知大学は2021年4月、文学部に歴史地理学科を設置する。
 歴史学と地理学は、それぞれ「時間」と「空間」を軸に、人間の営みを考察する学問分野。新設される歴史地理学科は、東海地方で両分野を総合的に学ぶことができる数少ない学科となる。
 2022年に高校の必修科目として「歴史総合」「地理総合」が新設され、教育現場では歴史と地理をそれぞれ総合的に理解する力が求められるようになる。また、グローバル社会で生じる諸問題を理解する上で、時間軸と空間軸から国際関係を捉える歴史学・地理学の素養は欠かすことはできない。
 歴史地理学科では、研究活動を通じて歴史資料の読解や地理データの分析といった方法論を身につけ、時代や地域によって変化する多様な価値観を学びながら柔軟な思考力と自由な発想力を養成する。
 グローバル社会を生きる力を備えた人材の育成を目指す。
歴史地理学科長(就任予定)長井千秋文学部准教授

TOPICS[注目のトピック]

2021年4月、文学部に「日本語日本文学科」が誕生!
 社会のグローバル化が進み、日本の教育現場では海外にルーツを持つ児童・生徒が増えている。また、日常生活においても日本語を母国語としない外国人とのコミュニケーション手段として日本語を用いる機会が増加。多文化共生社会を生きる我々には、日本語や日本文化について深く理解することが求められている。
 こうした社会のニーズに対応するため、愛知大学では2021年4月、文学部に日本語日本文学科を開設する。
 日本語日本文学科では、「日本語」の歴史的成り立ちや特性を学び、身につけた知識を起点に「日本文学」や「日本語表現」を探究する。
 なかでも日本語表現学は、文章や会話によるコミュニケーションを包括的に学ぶ新たな学問分野として注目が集まる。また、世界の主要言語としての日本語、世界の中の日本文学など、グローバルな視点から日本語文化を多角的に捉え、多文化共生社会を生き抜く力と豊かな教養を養成する。
日本語日本文学科長(就任予定)漆谷広樹文学部教授

PROFILE

愛知大学

旧制法文系大学として1946年に創立。「知を愛し、世界へ。」のスローガンのもと、国際社会、地域社会とのつながりを重視した学びの場を提供し、地域社会の発展に貢献する人材を養成。14万人を超える卒業生が行政、企業、教育、法曹、芸術・スポーツなど多様な分野で活躍している。建学の精神は「世界文化と平和への貢献」「国際的教養と視野をもった人材の育成」「地域社会への貢献」。
http://www.aichi-u.ac.jp/

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