愛知医科大学

充実した環境で医師と看護師を育成。地域の医療の中心を担い、医学の進歩に貢献する医科大学。2年後には開学50周年を迎える。

最先端医療と
地域の医療を拓き、
社会が求める
医師・看護師を養成

50周年と、
その先を見据えて

「医療も教育も変わる必要がある」と、多様な課題に応えて発展していく構想を語る祖父江理事長・学長。

 2022年に開学50周年を迎える愛知医科大学。建学の精神に謳われる「良き医療人を育てて地域に役立つ」という目的を踏まえ、将来ビジョンとして掲げるのは「社会から評価され、選ばれる医科大学」。そのもとで、50周年の節目、そして、その先へ向かっている。新病院をはじめとするキャンパスの大々的な再開発が2018年に完了し、ステージは次の、ソフト・ヒト・システムの再開発に進んできている。
 2019年策定の中期計画で示すのは、「自己実現」「独自性」「連携」というキーワード。祖父江元(げん)理事長・学長は「医科大学が発展していくためには、個人、各組織、大学全体の各レベルで理想が実現できる環境、また、抜きん出た特徴や独創的なもの、そして、地域、病院診療、研究など、あらゆる面での連携が重要」と話す。
 キーワードから、「世界を見据えた教育・研究活動の充実と発展」「診療・研究・教育を担う卓越した人材の育成」「地域医療・地域貢献の促進」などの5つの目標を立て、実現に向けたプロジェクトを順次発足させている。例えば研究では、ブレインリソースセンターのサンプル約6000例、睡眠臨床・脳波データ約1万例、腎・泌尿器系がん組織サンプル約2万例といった、これまでに蓄積してきた大規模データを世界規模の連携研究に生かす計画も。
 各プロジェクトのスムーズな推進のため、枠組みを超えて組織横断的に機能する、理事長直轄の組織を設置。自由に、柔軟に、迅速に対応できる体制を整えた。

時代に即した医療教育改革

時代と共に移り変わるニーズに合わせた教育システムを整え、優れた医療人を輩出し続けている。

 医療の進歩で多くの命を救えるようになった現代。一方で、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、がん、神経難病など、ほぼ全ての疾患の経過・予後が長くなり、その中で別の病態も発現するようになっている。経過・予後は疾患や個人で違い、複合的に疾患を抱えることも少なくない。
 祖父江理事長・学長は「病気の構造が大きく変わっています。長い時間軸で見ることが重要で、また、患者さん、疾患ごとに再発や別の病態への移行を予防することも必要。患者さんは病気を抱えながら生活する時間が長くなっている」と語り、そんな視点を養えるよう、教育を変えていこうとしている。
 その一環が、「地域医療・地域貢献の促進」に向けた「地域医療連携プロジェクト」だ。急性期の治療を終えた人を地域の病院と連携して継続的にみていく「循環型」の体制を作るため、愛知医科大学病院を中心とする10㎞圏の病院との連携を推進し、地域ネットワークの構築を図っている。医師や看護師同士の交流で「顔の見える連携」を進め、ゆくゆくはリハビリ分野にも広げていく予定だ。「まず地域ネットワークを作り、その現場を時間軸の視点などを養う教育に生かしていきます」と理事長。
 また、同じ目標に向けたもう一つ「救急医療体制改革プロジェクト」では、「断らない救急医療」体制をより強化していくと共に、救急の医師に必要とされる広い知識や技術を持つ医師を育成していく。 地域医療の中心として、命の砦として、その姿勢には地域のこれからがかかっている。

高い成果をあげる人材育成

看護学部は看護師国家試験の合格率が5年連続で100%。臨床実習が増え、医学部との合同授業も増加している。

 医学部は、国際基準の評価である「医学教育分野別評価」※1を2019年9月に受審。高評価を得て、国際基準に適合していることが認定された。「臨床実習の週数を増やすなど、充実を図る取り組みが評価されました」(若槻明彦医学部長)。国際バカロレア資格での入試も導入しており、2019年度に私立医科大学で初の入学事例を作り、志願者も増えている。
 1年次から医師のプロフェッショナリズムを身につける独自の教育も充実。先輩が後輩を教えることで共に成長するいわゆる〝屋根瓦式教育〟が根付き、それを発展させ、卒業後に留学などの経験を経て大学へ戻り、指導者となる仕組みを考案中だ。また、長久手市や周辺都市と連携するコホート研究※2の計画も動こうとしている。
 看護学部は、活躍中の看護師ら〝実践家〟や〝当事者〟を積極的に招く授業も実施。手厚いサポートもあり、看護師国家試験は2016年から5年連続で合格率100%を達成※3。2020年は保健師国家試験も100%を達成した※4
 開設20周年を迎えた今年、「20年の歴史をもとに未来へ」をテーマに記念事業を予定。さらに、地域包括ケアシステムに対応できる人材を養成する新カリキュラムを検討中だ。「強みである大学病院との良好な関係、地域とのつながりを生かし、新時代に向けたものを構築します」(坂本真理子看護学部長)。 長久手高校での連携授業も始まり、対象を2年生と3年生の2学年に拡大。人材の芽も育てている。

※1 米国・カナダ以外の医学部出身者が米国内で医師活動をするにはWFME(世界医学教育連盟)の認可が必要で、2010年、その受験資格を2023年以降は国際認証を受けた大学医学部の出身者に限るとの意向が示された。日本での国際認証は、WFME の認可機関、JACME(日本医学教育評価機構)の医学教育分野別評価で審査される。
※2 対象とする病気やその要因がある群・ない群のその後を追跡し、結果を調査する研究。
※3 2020年3月卒業生受験者95人。
※4 2020年3月卒業生受験者29人。

TOPICS[注目のトピック]

「THE世界大学ランキング 日本版」
教育充実度で評価
 愛知医科大学は、英国の高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」が発表する「THE世界大学ランキング 日本版」の「教育リソース」分野で、2019年は13位にランクイン。2020年は同率17位で、私立大学では同率3位、私立医科大学では同率2位だった。
 同ランキングは、日本の大学の「教育力」を総合的に評価するもの。「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」の4分野・16項目を指標とし、学生調査の導入で在学生の声も反映している。
 「教育リソース」は、「学生一人あたりの資金」「学生一人あたりの教員比率」「教員一人あたりの論文数」「大学合格者の学力」「教員一人あたりの競争的資金獲得数」の5項目で構成され、各データから、どれだけ充実した教育が行われている可能性があるかを評価している。この評価が高いことからは、学生一人ひとりにきめ細かい対応が行われていることや、教育環境のクオリティーの高さがわかる。
教育環境が充実したシミュレーションセンターでの実習。

TOPICS[注目のトピック]

実習と研究の場、
最先端医療を実践する愛知医科大学病院
 高度医療を提供する特定機能病院でもある愛知医科大学病院。愛知県内唯一の高度救命救急センターとドクターヘリも有し、ハイブリッド手術室や手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」など、高度な設備機器を完備する。
 神経を中心にしたiPS細胞研究など、世界的な研究も数多く進行。加齢医科学研究所のブレインリソースセンターでは世界有数のデータ数を生かし、脳の老化や多様な疾患のメカニズム解明に挑んでいる。
 また、国内初の睡眠科では、睡眠障害に含まれる子どもの過眠症や高齢者の睡眠時行動障害など幅広く対応し、現代社会の複雑な病気にも寄り添う。ハード面では待ち時間の有効活用ができるシステムを導入。患者の利便性が大幅に向上した。外来患者数は年々増加し、1日平均2650人と、地域トップクラスだ。
 最先端をゆく医療の提供。地域から愛され、医療連携の中核でもある附属病院がすぐそばにあり、医療の「今」を肌で感じられる。こうした環境がよき医療人を育てる基盤となっている。
愛知医科大学病院は、愛知県内唯一のドクターヘリを有している。

PROFILE

愛知医科大学

1972年に医学部の単科大学として開学し、1980年に医学研究科、2000年に看護学部、2004年に看護学研究科を開設。2学部2研究科体制の医科大学へ発展した。キャンパスは、住みよい街として人気の愛知県長久手市。自然豊かな高台に広がり、10年以上に及んだ整備により、教育環境も一層充実した。同敷地内に、実習の主な場となる愛知医科大学病院のほか、世界的な研究施設もあり、医療の今と未来を肌で感じられる。
https://www.aichi-med-u.ac.jp/

掲載大学一覧[東 海]

OPEN