名古屋芸術大学

「ボーダレス」な学びで
可能性を広げる芸術系総合大学

新時代に呼応する
マルチな力を育む教育

名古屋芸術大学学長 竹本義明氏。北海道生まれ。1972年武蔵野音楽大学を卒業後、名古屋フィルハーモニー交響楽団へ入団し、トランペット奏者として活躍。1989年名古屋芸術大学へ。2010年より学長。

―名古屋芸術大学は2020年の今年、創立50周年を迎えました。これまでの歩みはどんなものでしたか?

 本学は1970年、当時珍しかった音楽学部・美術学部を併せ持つ大学として誕生しました。中部圏唯一の私立芸術系総合大学として存在感を強めるなか、2002年、美術学部から独立させてデザイン学部を開設。母体である学校法人名古屋自由学院は幼稚園教諭や保育士の育成に力を注いできており、その一環である名古屋自由学院短期大学保育科の流れをくむ人間発達学部を2007年に開設しました。そして、2017年に大々的な改組を行い、新しい学びをスタートさせました。

―「ボーダレス」な学びですね。その背景、詳細を教えてください。

 社会が大きく変わるなか、色々なものが結びつき、新しい文化が誕生しています。芸術の在り方も変わり、活躍のスタイルや場も広がって、従来の枠に収まらなくなっています。さまざまな世界で、ジャンルを超えたトータルな力が求められるようになっています。そこで生まれたキーワードが「ボーダレス」です。 縦割りだった学部学科の壁を取り払い、芸術学部に統合し、「音楽領域」「美術領域」「デザイン領域」と、新たにリベラルアーツを学ぶ「芸術教養領域」を設置。人間発達学部子ども発達学科と共に学修体系を整備しました。各領域の科目を自由に選択できるカリキュラムで、専門の領域プラス他の領域の素養も身につけられ、マルチに活躍できる力を育てる体制を作りました。

―「Worldea(ワールディア)」という新プロジェクトも始まっています。

 学生数も増え、成果が見えてきた「ボーダレス」な学びを進化させるため、2019年に開始しました。「WorldクラスのIdea」 を自分のものにする、世界で通用するスキルを磨くプログラムを、3セクションで展開しています。活躍のステージを広げる表現力を培う「アート/エデュケーション」、語学力を身につける「グローバル」、学びを社会に還元する思考力を習得する「キャリア」です。例えば「グローバル」では、外部スクール提携の講座などで、世界に自分をアピールできるような英語力を養成。思い描く出口からプログラムを提供しています。

音楽で磨いた感性を生かし、教育改革をリード。現在も教鞭をとり、文化貢献活動にも取り組む竹本学長。

芸術で磨いた感性はあらゆる道で生きる

新しく誕生する「舞台芸術領域」では、舞台芸術全般の学びに加え、専門的内容を理論と実践の両面から学ぶ。

―将来はどんな道が開かれているのでしょう。また、サポートは?

 芸術大学出身者は、プロの演奏家やアーティストになる以外、就職は厳しいと考えられがちですが、卒業生は芸術を通じて学んだ感性やコミュニケーション能力を生かし、多様な分野で活躍しています。確かにプロになれるのは一握りですが、チャンスはあります。たとえ叶わなかったとしても、何かを追求することで得るものは大きく、それを色々なところで生かせます。
 各種の講座やインターンシップ、また、ポートフォリオの作成といった「Worldea」のプログラムも含め、キャリアサポートも充実させており、本人の希望をできるだけ実現できることを大切にしています。
 いい大学を出て、いい企業に入って一生安泰、という図式は崩れています。そんな時代にこそ大切なのは、感性。それはビジネスにも、どんな世界でどう活躍するにも必要です。私自身、オーケストラで学んだことが大学運営にも生きています。感性は芸術に接することで身につきます。それでしか身につかないと言っても過言ではないでしょう。だからこそ一般の大学も芸術にアプローチすることが増えています。

―これから大学へ進む人に向け、一言お願いします。

 好きと思えること、学びたいことがあれば、ぜひ飛び込んでください。そうすることで納得できる、いい人生が送れると思います。あなたの前にはあらゆる可能性が開かれています。芸術を通して磨かれる感性、ひらめき、創造性を生かす道はいくらでもあります。

―最後に今後の展望を。

 これまでにやってきたことをさらに発展させ、新時代に芸術大学としてあるべき姿を示していきたいと考えています。まず2021年度に行うのは、「美術領域」の時代に合わせた改編。もう一つが「舞台芸術領域」の開設です。音楽も美術も、デザインも、すべてが有機的に結びついて完成するのが舞台。これはまさに芸術の集大成、中心で、その専門家を今までにない実技体制で育てます。またこれにより、音楽領域にあるミュージカル俳優やダンサー、声優を養成する課程と併せ、舞台を創り上げる人材の育成を網羅できます。

※ 2021年4月、開設準備中。

TOPICS[注目のトピック]

「美術領域」が多様化に即して
リニューアルへ
 「美術領域」が2021年4月の改編を予定している。現在の「日本画」「洋画」「アートクリエイター」の3コース体制を、4類6コース体制にする計画で、1年次の授業の半分は美術領域の全ての基礎を学ぶ。松岡徹学長補佐は「表現方法も多様化している今、選択の幅を広げ、時代に沿う要素を加味した教育に変えます」と説明。
 新体制は「Ⅰ類:日本画コース」「Ⅱ類:洋画コース・現代アートコース」「Ⅲ類:コミュニケーションアートコース・工芸コース」「Ⅳ類:美術総合コース」。
 Ⅱ類では洋画コースに属していた現代アートを1コースとし、新しい表現の育成を強化。Ⅲ類では、社会に役立てるアートを作るコミュニケーションアートと工芸を選べるようにする。Ⅳ類の美術総合は、美術を幅広く学びながら自分の表現を見つけられるコース。高校の美術実技が減ったことで増えた「やりたいことがわからない」という声に応え、今までにない表現のアーティスト誕生にも期待する。
「美術領域のボーダレス化をさらに進める」と語る松岡学長補佐。

TOPICS[注目のトピック]

2021年4月、
「舞台芸術領域」が新しく誕生
 名古屋芸術大学は2021年4月、新たに「舞台芸術領域」を立ち上げる。音楽、演劇、舞踊などの舞台は、演者だけではなく、プロデューサー、ディレクター、演出、照明、音響といった多くの職種が力を合わせて出来上がる。その専門職を育てる新課程だ。
 コースは、舞台装置などの「舞台美術」、音響・照明を両方学ぶ「演出空間」、企画制作力を磨く「舞台プロデュース」の3つ。1年次は全ての基礎を学び、2年次からコースを選ぶ。実際に舞台作品を創る経験も積んでいく。また、劇団「第七劇場」を主宰する演出家・鳴海康平氏ら、第一線で活躍するプロを指導者に迎え、実践的な学びを行う。
 舞台芸術のためのこれらの教育を網羅する課程は全国でも珍しく、梶田美香教授は「夢や思いをキャリアにつなげます」と、意気込む。さらに「劇場での舞台芸術に携わる専門家になる以外にも進路は多様です。照明技術を生かしてまちづくりに関わるなど、あらゆる場所が舞台になります」とメッセージを送る。

※ 2021年4月、開設準備中。
新領域を統括する梶田教授。「将来、共に舞台を創る仲間もできます」

PROFILE

名古屋芸術大学

私立大学では東海地区唯一の芸術系総合大学として、1970年に開学。2017年に教育改革を行い、音楽・美術・デザイン・芸術教養を学べる芸術学部芸術学科、人間発達学部子ども発達学科の、2学部2学科を構築し、選択と可能性の幅を広げた。2つのキャンパスは名古屋駅から30分圏内の、各地から通いやすい立地。緑の多いのびのびとした環境で、それぞれの活動をバックアップする施設・設備も整っている。
http://www.nua.ac.jp/

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