名古屋工業大学

心豊かな未来づくりを担う
「実践的工学人材」を育成

 1905年に官立名古屋高等工業学校として創設された、東海地区で最も歴史ある工科系国立大学。国内最大規模の産業集積地にある大学として、産業界の発展に貢献する教育と研究を使命とし、時代や社会の要請に応じて教育体制を拡充。基盤的・先進的工学分野をほぼカバーする国内屈指の工科系大学に成長し、名古屋市中心部の鶴舞公園に隣接する緑豊かなキャンパスから、数多くの優れた技術者・研究者を産業界に輩出している。

産業界の発展に貢献する
高度かつ創造的な教育・研究

 国立の工科系大学として、常に産業界と一体となった教育・研究を使命とし、製造業が集積する中京地域の発展に貢献してきた名古屋工業大学。技術の進化で産業構造が大きく変化する現在も、幅広い分野をカバーする〝工学の総合大学〟の強みを生かした研究と、豊かな未来づくりを担う実践的工学人材の育成に力を注いでいる。2016年には多様化・細分化する産業界の要請に応えるため、独自の理工系人材育成戦略に基づき学部を改組。専門を深掘りする「高度工学教育課程」と、分野の枠を越えて工学全体を俯瞰する「創造工学教育課程」を設置した。
 生命・応用化学、物理、電気・機械、情報、社会の5学科で構成する高度工学教育課程で養成するのは、高度な専門性を備えた中核的技術者。一方で創造工学教育課程は、技術進化を社会の変化に結びつける「価値創造型」の技術者・研究者を養成する。工学のミッションが技術の「改良」から「革新」へと変化し、これからの工学人材には専門性に加えて、人や社会に寄り添う「心で工学」をする資質が大切であると名古屋工業大学は考える。専門を深め、広げる2つの教育課程、さらに2022年度に設置を構想している基幹工学教育課程において、実践的な教育を展開することで、新しい価値や人々の幸福を創出できる研究者・技術者を産業界に送り出していく。
 また、他分野との融合研究・国際共同研究により卓越した研究成果の創出を目指す「フロンティア研究院」の設置や、外国人教員・研究員を招致する「教育研究ユニット招致」など、グローバル化に対応した教育・研究環境の整備にも注力。ウーロンゴン大学(豪)との共同大学院「国際連携情報学専攻(博士後期課程)」や、国内外の若手女性研究者のキャリア形成を支援する「スタートアップ助教」など、教育と研究を一体化した多彩な取り組みを通して、大学の国際競争力を高め、国際社会で活躍できる工学人材の育成を目指している。

大学院博士後期課程を再編
学際的な教育・研究指導を展開

「分野を越える専門の広がりに期待したい」と猪股克弘副学長

 国際的な産業構造の変化や、工学教育に対する産業界の要請に対応するため、2020年度に大学院博士前期課程を改組した名古屋工業大学。博士前期課程から修了者が生まれる2022年度には、接続する大学院博士後期課程の再編を予定している。新体制では生命・応用化学、物理、電気・機械、情報、社会の5つに分かれていた専攻を、前期課程に合わせて「工学研究科工学専攻」の1専攻に統合。分野の垣根を越えた学際的な教育・研究指導を展開する。
 学生は設定したテーマのもと研究計画書を作成し、研究と報告を重ねて博士論文の作成に取り組む。主指導教員に加え、専門領域の異なる副指導教員が研究活動をサポートし、必要に応じて学外の研究者の助言を仰ぐことも可能だ。この共同指導体制により学際的な研究テーマの設定が可能となり、幅広い専門の視点から新たな価値を見出すことのできる人材を育成していく。新たな後期課程が養成するのは、社会の諸課題を技術的・倫理的観点から理解・考察し、他者の意見に耳を傾け、チームの一員として主体的に研究を推進していく力。「複数の専門をつないだ領域融合的なアプローチで、まったく新しい分野を切り拓く、自立した技術者・研究者を育てたい」と猪股克弘副学長。今後も研究指導体制の充実を図り、変化を柔軟に受け入れ、新たな価値を創造し、協奏的に社会を変革できる有為な人材を産業界に送り出していく。

「基幹工学教育課程」を新設
多様な学びの場を提供

「技術者としてのキャリアアップを支援したい」と岩崎誠学長特別補佐

 名古屋工業大学は2022年度に工学部第二部を改組し、新たに夜間教育を主とする「基幹工学教育課程」を設置。高度工学教育課程、創造工学教育課程と合わせた3本の柱で、産業界が求める工学人材の育成を目指す。基幹工学教育課程は機械、エレクトロニクス、製造設備など、中京地域の産業構造を反映した学びの分野を設計。既設4学科を「電気・機械工学」「環境都市工学」の2コースに再編し、徹底した工学基礎教育と実践的工学教育を通じて、製造・インフラ産業の現場で活躍できる人材を養成する。
 新課程では高大接続を重視し、工業高校からの学校推薦型選抜を中心に学生を募集する。地元企業の協力により就職支援を行うなど、進学と就職を一つのスキームとしていることが特徴だ。学生は工学の専門基礎を学びながら、就業現場に関する課題解決型学習(PBL)に取り組み、5年間で実践的なスキルを磨いていく。高度工学教育課程の授業科目を履修して、より深く専門を究めることも可能だ。大学と企業が連携して、高校卒業者を産業の現場で即戦力となる技術者・研究開発者に育てる新課程のミッションは、「企業の製造・施工部門と研究・開発部門の〝橋渡し役〟を担う『創成人材』の育成」と語る学長特別補佐の岩崎誠教授。オンデマンド講義の充実など、時間・空間的にフレキシブルな学修環境を整え、働きながら学ぶ学生をサポートしていく。

CAMPUS TOPICS

自動運転の神経網を研究する
「未来通信研究センター」

 データを介してあらゆるものがつながるデジタル社会では、膨大な情報をリアルタイムに伝える、信頼性の高い通信環境が不可欠だ。名古屋工業大学は2021年1月に「未来通信研究センター」を開設。国内外のエレクトロニクス分野の先端研究拠点と連携して、デジタル社会を支える通信の高信頼化技術の研究を推進する。同センターは開発した技術の国際標準化を目指し、関連規格の試験・認証を行うテストハウスを併設していることが大きな特徴。すでに自動車分野では、JASPARなど業界団体との連携により、自動運転車の人工神経網となる車載高速ネットワークに関する高信頼化研究と国際標準化に取り組む「次世代車載ネットワーク研究所」が立ち上がっており、今後はセンターとの連携により競争力を強化。国際市場を獲得するルール形成型研究の仕組みを構築し、通信の高信頼化研究を実践するイノベーションハブの実現を目指していく。

※一般社団法人JASPAR(Japan Automotive Software Platform and Architecture)

「オールジャパンで国際標準化を目指す」と語る各務学センター長

ひらく 日本の大学
[朝日新聞 × 河合塾共同調査]

産業界と連携した実践的工学教育

 産業界で中核的役割を担う人材を育成するため、課題解決型授業をはじめ実践的な工学教育を展開する名古屋工業大学。産学官連携共学プログラム「学び合いプロジェクト」や「ジェネラルインターンシップ」など、正課外でも多彩な取り組みが行われている。なかでも6年一貫の創造工学教育課程は、主軸となる分野を中心に関連領域を横断的に学び、独自の専門を組み立てていくことが特徴だ。「PBL演習」などアクティブラーニングを重視し、企業在籍者による工学デザイン教育、外国人講師による専門教育など、特色あふれるカリキュラムを実践。学部1年後期から始まる「研究室ローテーション」や、国内外の企業や研究機関で研究開発に参加する「研究インターンシップ」など、幅広い分野に触れることでエンジニアの役割や産業人としての責任感を養成する。 学生一人ひとりにメンター教員が付き、科目履修から研究テーマの設定まで、細やかなサポートが受けられることも魅力だ。


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