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目指せ!理工系女子2018 明日を拓く理工学の力 採録 目指せ!理工系女子2018 明日を拓く理工学の力 採録

心惹かれるものには適性がある

パンパシフィック・カッパー株式会社 資源開発部 調査担当 石山 沙那さん

石山 沙耶(いしやま・さや)/2013年、広島大学 理学部 地球惑星システム学科卒。同年、同大学大学院 理学研究科 地球惑星システム学専攻へ進学(地殻流体の関与した岩石破壊の研究を実施)。15年、JX金属入社。資源開発部を経て、18年、パンパシフィック・カッパー株式会社 資源開発部。銅・金など非鉄金属の探鉱を担当。

理工系の学問を修めた後、企業の第一線で働いている2人を紹介します。まず、子どものころからの「好き」と「好奇心」を突き詰め、「地道な努力」を重ねて、資源探査のエキスパートになった石山沙耶さんです。

 「石山」という名の通り、私は山から石を採ってきて、観察、分析をする資源探査の仕事をしています。きっかけは2つ。まず、幼少期から好きだった「砂場の宝探し」です。私の出身は、海に囲まれた長崎県。公園や運動場にある砂場は、海の砂で作られたものでした。灰色の砂の中には波に磨かれた水晶をはじめ、きれいな鉱物や貝殻が含まれており、こうしたキラキラしたものを見つけることに喜びを感じていました。

 もう1つは高校生のときに、ある火山学者に出会ったことです。授業の自由課題研究で、私は毎日学校に飛んでくる「鳥の観察」をしていました。新しい種類の鳥が来たら自分独自の図鑑に記録する地味な研究活動を、この火山学者がほめてくださったのです。この方は長年、雲仙普賢岳の定点観察をしていて、その功績は教科書にも載っているのですが、記述されているのはわずか2行だけ。それでもご自身の興味、関心のあることを突き詰めて研究していらっしゃるのです。そのことに感銘を受け、この方が面白いといっている地学を私も学ぼうと思ったのです。

 私は現在、電線や自動車、医療用機器など幅広い分野で使われている銅を探し求めて、主に環太平洋地域で地質調査などを行っています。データ収集、分析、精査など地道な作業の積み重ねで、実際に銅鉱山を開発するか否かの評価を下すまで5年もの月日を費やします。長期的視野が必要で、ときには上手くいかないこともあるため、それにめげない忍耐力が求められます。でも、1つ1つ点をつくるような作業がある日突然、線になるような大きな発見につながるなど、やりがいにあふれています。

 もし、女子中高生の皆さんが進路に迷っているなら、まず自分の興味、関心に正直になってみてください。少しでも心惹(ひ)かれるものには適性があると思うからです。また、今の成績や理系・文系の科目にとらわれずに考えてみることも大事です。そして、好きなことを見つけたら、興味が尽きるまでとことん調べ、体験してみること。訪れた出会い、チャンスを大切にして、例え不安があったとしても、一度は挑戦してみましょう。10代にさまざまな経験をして、見識を広げることはとても重要なのです。

数学、物理が苦手でも諦めないで

キャタピラージャパン合同会社 油圧ショベル開発本部 石田 あずささん

石田あずさ(いしだ・あずさ)/1992年、東京農工大学農学部農業工学科を卒業後、キャタピラージャパンに入社。相模事業所(旧相模開発センター)を経て、2012年より油圧ショベル開発本部に配属。

続いては、まるで提示された申し出を拒まず受け入れてきたら、いつのまにかこの道に辿り着いてしまったという建設機械メーカーのエンジニア、石田あずささんです。自らの経験に基づく力強いエールを送ってくれました。

 今日、皆さんにお届けするのは、何となくその道に進んだら、それが好きになって離れられなくなってしまったという話です。

 私は東京農工大学へ進学しました。英語が苦手で数学の方がマシ。母の実家が兼業農家。そして、高校時代に憧れていた野球部の先輩を追いかけて。というのが理由です。そんな私ですが、学業を修めたからには、農業機械の研究機関に就職したいと思いました。しかし、世の中はそんなに甘くなく、残念ながら不合格という結果に終わりました。これ以外、とくにやりたいことがない私に、大学の先生が就職先にと紹介してくれたのが芝刈り機メーカーと建設機械のキャタピラーでした。どちらも会社訪問をしましたが、キャタピラーがつくる建設機械のスケールの大きさに惚れ込み、この会社に就職した次第です。

 身近な乗用車に比べスピードが出ない、人数が乗れない、振動が大きい、砂漠や雪の中など過酷な環境で稼働しなければならない建設機械が活躍する場所は、採掘地であったり、ダムや空港、道路などの建設・解体・修復現場であったり、また農業・畜産、除雪、災害復旧など実にさまざまです。世界中の厳しい環境下で、お客様が必要とし、時代の要請に応える機械を開発すること、さらに問題が発生したら原因を究明し対策を講じていくことに、今では無上の喜びを感じています。

 早い段階で自分はこれが好き、これをやりたいということが明確な人は迷わず進めばいいのですが、私のようにやりたいことがない、見つけられないという人は、自らの選択肢にはないオファーを受け入れ、いろんな経験を積んでみることで大きく成長できるのではないかと思います。まだまだ圧倒的に女性エンジニアが少ない理工系の世界。建設機械業界でも1割程度しかいないといわれており、一緒に頑張ってくれる仲間を世界中の女性エンジニアが待っています。大学の受験科目として数学、物理を苦手とする人もいるとは思いますが、少しでも理工系女子を目指したいと思うなら、数学、物理なんかに負けるな! と皆さんに強く言いたいです。対策はいろいろあるから、諦めないでください。将来、どんな人になりたいか、先を見据えて頑張りましょう。

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