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文学部に日本初となる新たな学科が誕生。“伝える力”を磨く「ジャーナリズム学科」の学びとは
                                    専修大学 文学部長 高岡貞夫教授×タレント 上田まりえ

2019年4月より「ジャーナリズム学科」を新設する専修大学の文学部。ジャーナリズム講座やスポーツ科学など、大学の長い歴史のなかで蓄積された学びの資源を活用する新学科について詳しく聞くため、文学部卒業の上田さんが、文学部長の高岡貞夫教授のもとを訪れました。

メディア通ではなくジャーナリズム通になってほしい

高岡貞夫
高岡 貞夫教授

上田 文学部に新設されたジャーナリズム学科とは、どんな学科でしょうか?

高岡 ジャーナリズムの研究・教育に正面から取り組む学科です。これまで、メディアに関する学科はたくさんありましたが、ジャーナリズム教育に焦点を当てた学科は日本で初めてではないかと思います。具体的な学びとしては、「ジャーナリズム」「情報文化アーカイブ」「メディアプロデュース」「スポーツインテリジェンス」と、4つの柱があります。まずジャーナリズムは、取材や報道の理論と実践を体系的に学んでいきます。そして、情報文化アーカイブでは、これまで新聞社や出版社、テレビ局が独自に行ってきた、重要な情報の保存や活用、伝達などの技術や技法を学んでいきます。次に、メディアプロデュースでは、実習などを通して映像、あるいはWebコンテンツなどの制作技術を学んでいきます。

上田 実際にコンテンツを作るんですね。それは、専門性がかなり高いですね。

高岡 今の時代、発信力を高めるためには、伝える技術を知っておくことが必要不可欠だと思っています。そして、最後にスポーツインテリジェンスですが、スポーツジャーナリズムは非常に大きな影響力をもつ分野だと考えており、これを柱の一つとして力を入れていきたいと思っています。

上田 今までにない、新しい切り口ですね。私もメディアの世界に入って10年目になりますが、その間、スタッフや関係者から大学でこういうことを学んだということを聞いたことがありません。

高岡 メディア系の学科では、情報の伝え方や伝えるツールの社会的影響などを学ぶことが多いと思いますが、専修大学のジャーナリズム学科では、メディアすなわち情報の伝送路の上で展開されているジャーナリズムの中身を学ぶということが特徴になります。

上田 先ほどの話にありました、メディアプロデュースの実習ですが、それはどこかの企業などと連携されて行われるのですか?

高岡 メディアコンテンツ制作やウェブデザインを専門とする教員が授業を担当し、実際にコンピュータで映像を加工するなど、制作技法について学んでいきます。これはもし、将来ジャーナリズムの現場に立ったとき、情報を発信していくうえで非常に役立つと思います。また、自分では直接制作に携わらなくても、情報発信の技法を知ったうえでジャーナリズムに関わっていくということは、非常に大事なことだと思っています。

上田 4つの柱のどれも興味深いですが、現在は東京オリンピックを控えていますから、とくにスポーツインテリジェンスは気になりますね。

高岡 スポーツには理屈抜きにして楽しめるという部分があります。白熱した試合の結果や模様をおもしろく伝えるだけでも、情報の受け手は楽しめます。しかし、そこに少し理屈を加えるだけで「なるほど!」と、理解を深めながら楽しむことができます。例えば野球でも、過去の記録との比較といったことは報道されますが、新しい記録が生み出された要因や勝利を導いた仕組みといったものをスポーツ科学の側面から解説されると、またさらに理解が深まり、よりいっそう楽しめるようになると思います。ジャーナリズム学科では、そのようなことについても学んでいくことができます。

上田 スポーツ科学の研究などは、これまでの専修大学の学びのなかにあったものだと思いますが、そのような大学の歴史のなかで積み上げてきたものを、新しい学科で活かしていくということですね。

高岡 そのとおりです。そもそも専修大学の文学部には、創立当初からマスコミ・ジャーナリズム講座というものがありました。新学科はそれを起源として発展してできたものになります。

上田 まさに、専修大学のいいところ取りをした学科というわけですね。あと、15年早くできていれば、私も学びたかったです。ジャーナリズムについてかなり深く学べそうですね。

高岡 授業を担当される先生のなかには、新聞社や出版社などジャーナリズムの現場に勤めていた経験のある方々がおられますし、各種の協力講座ではジャーナリズム界の最先端をその第一線にいるプロから直接学ぶことができます。また、独自にメディア関連の企業約40社と連携しながら、正規の授業としてインターンシップを取り入れます。

上田 現場のことを知ることは大事ですから、それはとてもよい仕組みですね。ところで、今、なぜこのタイミングでジャーナリズム学科ができたのでしょうか?

高岡 ジャーナリズムのノウハウは、各媒体社がそれぞれに経験知を蓄積しながら作ってきていると思いますが、それだけではそれぞれに強みや弱みがあると思います。これまでの強みを伸ばし、弱さを克服するような学びが必要ではと思ったのが一つの理由です。また、今の時代はSNSなどを通して誰でも情報を発信できるようになっています。しかし、一方でフェイクニュースやオルタナティブファクトといった問題があり、正しい情報を取捨選択して受発信することが、ジャーナリズムに携わる人に限らず、重要になっています。そういったことを背景として、ジャーナリズム学科が誕生しました。

上田 たしかに今はスマホなどで情報を受発信するのが当たり前の時代ですから、情報や言葉の危険性などについて理解することは重要ですね。

高岡 現在の若い人たちは多彩なメディアを使いこなし、さまざまな情報を受発信していますが、多彩なメディアツールを使いこなすメディア通になるよりも、その中身に精通したジャーナルズム通になってほしいと思っています。

好奇心+伝える行動力をもってほしい

上田まりえ
上田まりえ

上田 ジャーナリズム学科では、どんな学生に学んでほしいですか?

高岡 いろいろなことに興味関心をもつ好奇心の強い学生はもちろん、好奇心だけにとどまらず、調べたり知ったことを元に行動できる学生がよいと思います。行動というのは、知ったことや調べたことを分析し伝えるということです。これはなかなか苦労を伴うことだとは思いますが、ぜひ好奇心+行動したいという学生に学んでほしいと思います。

上田 たしかに苦労しますよ。いろいろありますから(笑)。ジャーナリズム学科に入ってくる学生の多くは、メディア関連の仕事に就きたいという気持ちをもっていると思うのですが、もし違う分野の仕事に就いても、伝えるという技術は活きてきますよね。どんな仕事でも必要なことですから、その意味では人間の基礎が学べそうですね。

高岡 仕事に限らず日常生活でも、情報を分析して発信するという機会はいくらでもあると思いますので、さまざまな分野で活躍できる人材を育てられると思っています。

上田 私は大学時代、専修大学の文学部は学科のなかにさまざまな専攻があり、学べる領域が広いのが魅力だと思っていました。私の興味のあることは、ほとんど網羅されていた印象があります。例えば、文学部でスポーツを学べる機会があるとは思わないですよね。私は日本語日本文学科でしたが、自分が興味をもっていたスポーツやメディアはもちろん、社会学や心理学の分野も学べましたので、「私って何学部だっけ?」と思うほどでした(笑)。

高岡 それはいい学び方をされましたね。文学部のなかには7学科あり、どの学科の専門科目も受けることができます。上田さんのように幅広く学ぶことは、私たちが学生に勧めている学び方でもあります。また、少人数教育を重視していることも特徴の一つです。ですから、授業時間以外でも学生が研究室に訪ねてきて、質問をするといったこともできます。学生には、そういう環境をもっと活かしてほしいと思っています。

上田 先生の専門分野は地理学ということですが、具体的にはどのような学びを展開されているのでしょうか?

高岡 地理学では地球上で起きているさまざまな自然現象や、そこで暮らす人々の生活や文化、歴史などを総合的に研究・教育しています。地形や気候や生物分布は相互に影響しあいながら成り立っていますし、人間の諸活動も地域間の相互作用や歴史的背景のなかで発展してきました。また人と自然の間の関係を考えることも、世界で起きていることを理解するうえで重要です。そういったことについて、野に分け入って大地と対話し、街を歩いて確かめ、地域の人々から話を聞くといった、フィールドワークを重視する教育に力を入れています。

上田 まさに現場主義ですね。ジャーナリズムでも、現場を知るということは非常に重要です。例えば、私はメジャーリーグの番組を担当していますが、それまでメジャーリーグの試合を現地で見たことがありませんでした。そのため、昨年の夏休みに見に行ったのですが、自分が映像で見てイメージしていたものと同じものもあれば、それをはるかに超えるものもあり、非常に勉強になりました。以来、「そうですね」「なるほど」「たしかに」といったちょっとした相づちでも、何か立体感が出るようになったなと感じました。

高岡 上田さんはどのようなきっかけで現在のお仕事に就かれたのですか?

上田 小学校3年生の時に好きだったマンガの主人公が最後はアナウンサーになる話だったので、そのときからアナウンサーになりたいと思っていました。その後、興味のあることはたくさんあったのですが、専修大学に入学してから、ある程度絞り込むことを考えました。とくに大好きな野球に携わることのできる仕事に興味があり、トレーナーや栄養士、ディレクター、雑誌記者、新聞記者、球団職員など、いろいろな仕事を考えたうえで、最終的には「大好きな野球に携わることができなかったとしてもやりたいことは何なのか」が決め手になりアナウンサー1本に絞りました。アナウンサーになれたのは、専修大学でいろいろな領域のことを学べたからだと思っています。もし、専攻のことだけに専念していたら、おそらくもっと狭い範囲でしか仕事を選択できなかったでしょう。専修大学で本当に自分のやりたいことは何だろうと突き詰められたからこそ、今があると思っています。また、自分の専攻とは全く関係ないように見える領域のものでも、学んだことは何一つ無駄なことはなく、全て繋がっていて、そのおかげでバランス感覚も身についたと思っています。

高岡 学問とは本来、そういうものだと思います。文学とか地理学とか経済学とか、何々学と名前はわかれてついていますが、深く理解しようと思うと必ずそういう学問領域の垣根を越えなければ理解できないことが出てきます。そういうことを理解しながら、関係のあるものを取り込んでいく姿勢が大事だと思います。

上田 違う分野だと思っていたことがどこかで繋がっているということは、社会人になって仕事のなかでもよく感じています。スポーツでも経営学の視点から見たら違うものが見えてきたり、文学の観点から見ておもしろさを感じたり…。専修大学の学生さんも幅広くいろいろなことを学んでほしいですね。では、最後に受験生や現役の大学生に向けてメッセージをお願いします。

高岡 まず、挑戦する人であってほしいなと思います。別に勇ましいことを言うわけではなく、ちょっとしたことでいいんです。これはできない、あれは難しいなどと言わないで、自分の興味や関心を元に小さな芽を育てる感じで学んで欲しいですね。私たちもあまり水をやりすぎたり肥料をやりすぎたりして枯らしてしまってはいけませんから、そこは上手く付き合いながら、大事に学生を育てていきたいと思っています。

高岡貞夫 上田まりえ

高岡貞夫高岡貞夫(たかおかさだお)
専修大学文学部長。
1993年東京都立大学理学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(理学)。
92年日本学術振興会特別研究員、93年東京都立大学助手、99年専修大学文学部専任講師、2001年同助教授、07年同教授、18年専修大学文学部長。
研究分野は地理学(自然地理学)。
主な著作は『実践 統合自然地理学−あたらしい地域自然のとらえ方』(2018年 共著 古今書院)、『上高地の自然誌−地形の変化と河畔林の動態・保全』(2016年 共著 東海大学出版部)、『自然地理学』(2014年 共著 ミネルヴァ書房)等。

上田まりえ上田まりえ(うえだまりえ)
1986年鳥取県境港市生まれ。専修大学文学部を卒業後、2009年に日本テレビにアナウンサーとして入社。2014年には“とっとりふるさと大使”に就任する。2016年2月、日本テレビを退社し、同年2月に松竹芸能に所属。タレントとして現在はバラエティ番組から、野球をはじめとしたスポーツ番組など、幅広く活動中。
主なレギュラーに、TOKYO MX「5時に夢中!」(月-木アシスタント)、NHK BS1「ワールドスポーツMLB」(土日キャスター)

Vol.14
〜上田まりえの母校訪問〜
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Vol.13
〜上田まりえの母校訪問〜
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経済学部の新たな学びとは
専修大学 経済学部長
兵頭淳史
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上田まりえ
Vol.12
〜上田まりえの母校訪問〜
真の国際人を育成する
専修大学の新たな学びとは
専修大学 国際コミュニケーション学部 日本語学科教授
王伸子(現 文学部教授)
専修大学 国際コミュニケーション学部 異文化コミュニケーション学科准教授
鈴木健郎(現 商学部准教授)
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上田まりえ
Vol.11
〜上田まりえの母校訪問〜
変化を恐れず、多彩な改革を進行中
創立140周年以降の専修大学とは
専修大学 学長
佐々木 重人
タレント
上田まりえ
Vol.10
〜上田まりえの母校訪問〜
日本で初めて「ジャーナリズム」を学科名称とした
文学部ジャーナリズム学科の学びとは
専修大学 文学部長
高岡貞夫
タレント
上田まりえ
Vol.9
〜上田まりえの母校訪問〜
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2学科制となる経営学部の新たな学びとは
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上田まりえ
Vol.8
〜上田まりえの母校訪問〜
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専修大学の目指す「新しいカタチ」とは
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佐々木 重人
タレント
上田まりえ
Vol.7
〜上田まりえの母校訪問〜
上田さんが最も強く印象に残っているという
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上田まりえ
Vol.6
〜上田まりえの母校訪問〜
スポーツに強い憧れとこだわりをもつ
上田まりえさんの原点、スポーツ心理学の学びとは
専修大学 スポーツ研究所 スポーツ心理学教授
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上田まりえ
Vol.5
音声(発音)に軸足を置き、
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専修大学文学部教授
田邉 祐司
Vol.4
現場重視のフィールドワークで、
変容する世の中を生き抜く能力を身に付ける
専修大学商学部教授
神原 理
Vol.3
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専修大学商学部教授
鹿住 倫世
Vol.2
日本語を共通言語として海外と
ネットワーク利用共同授業
―日本文学文化学科のユニークな試み
専修大学文学部教授
板坂 則子
Vol.1
グローバリゼーションのもう一つの
側面を支える 「日本語教育」を、
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専修大学文学部教授
王 伸子 備前 徹

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