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ビジネスオフィスに囲まれた環境で展開される 商学部の新たな学びとは 専修大学 商学部長 渡辺達朗教授×タレント 上田まりえ

2020年4月より、神田キャンパスへ移転となる商学部。東京の中心地、世界最大の古書店街としても有名な千代田区神田神保町に位置する神田キャンパスで、商学部の学びがどのように進化するのかを詳しく聞くため、商学部長の渡辺達朗教授のもとを上田まりえさんが訪れました。

学生たちが神田の商店街を取材し、SNSで情報発信しています

渡辺達朗教授
渡辺達朗 教授

上田 いよいよ靖国通り沿いにある神田新校舎の完成が目前まで来ました。現在は生田キャンパスで学ぶ商学部も神田キャンパスへ移転しますよね。

渡辺 商学部の全学年が丸ごと移転します。今の1~3年次の学生たちには入学時から2020年に神田キャンパスへ移ることを予告しており、「こんないいことがありますよ」と話をしてきました。

上田 「こんないいこと」とは、どんなことですか?

渡辺 例えば就職活動がしやすくなるとか、地域の人達や企業との繋がりなどが強くなるとか、新しい世界が広がるといったことなどです。

上田 ビジネスオフィスにも囲まれた神田キャンパスは、商学部にとっては非常によい立地なのではないでしょうか?

渡辺 商学部にはマーケティング学科と会計学科がありますが、神田の街はどちらにとっても非常に恵まれた立地だと思います。神田キャンパスへ移転することが決まった段階で地域の商店街や町会の方々へ挨拶に行き、「地域のために何かお手伝いしたい」「一緒に何かやれることはありませんか?」という話をしていました。すでに一部で地元との交流が始まっており、私のゼミでは、九段下から秋葉原の手前あたりの約1.6キロに及ぶ長いエリアにいくつもの商店街が集まった「靖国通り商店街連合会」と交流を深めています。それまで、神田の専修大学には法学部しかなかったため、どうしても地域との繋がりが限定されていたのですが、「商学部であればいろいろ協力できますよね」ということを話していました。とはいえ、まだ今の段階では学生が生田から遠征しなければならず日常的に接することができませんので、私のゼミでは、その商店街連合会を応援するためのFacebookを立ち上げることから始めました。商店街連合会は高齢の方が多く、IT対応に苦慮されているようでしたので、そういった点で協力することになりました。

上田 それは、商店街の方々にとっても助かりますね。

渡辺 今ではFacebookのほかTwitterやInstagram、さらに公式ホームページでも学生が情報発信できるようにしています。このように、まずはIT系から街との繋がりをもち、学生が月に何度か商店街へ行ってイベントやお店を取材し、それらの魅力を学生目線でSNSにアップするようにしています。ただし、商店街の皆さんはSNSを利用する方が少ないので、私たちの活動の効果をまだまだ実感してもらえてないかもしれません(笑)。

上田 しかし、地域外の方から「SNSの投稿を見たよ」といった反応があるのではないですか?

渡辺 そのようなケースはあるようですね。例えば、神田キャンパスから東に位置する淡路町付近には「神田まつや」や「かんだやぶそば」などの有名な老舗が立ち並ぶ地域があるのですが、そのエリアに「竹むら」という甘味処があります。そのお店は「ラブライブ!」というアニメでキャラクターの実家の元ネタに使われていることから「聖地巡礼」で知られているのですが、学生がその店でインタビューを行なった内容をSNSにアップしたところ、予想もしていなかった多くのアニメファンの人達から「いいね」がつき、大変驚きました。

上田 商学部の学びとしては、マーケティングの実地検証をしているような感覚がありますね。

渡辺 今の時代、お金をかけて大々的に広告を出し、イベントなど何か大きなことをやるというのではなくても、発想や企画力次第でいろいろな工夫ができるということを、学生たちには学んでほしいと思っています。

上田 商店街の人たちにしてみれば、若い学生さんの柔軟な発想や今どきの感覚というものが入ってきますし、逆に学生さんも新鮮な経験ができそうですね。

渡辺 先日、他大学の学生が「古書店というのは私たちのような若い人が入ると、はたきで叩いて追い出されちゃうようなイメージがあったので、入店することが怖かったです」と言っていました(笑)。その話を専修大学の学生に話したら、「たしかにそういう雰囲気はある」と言っていました。

上田 古書店に限らず、最近は本が読まれず書店の経営が厳しいようですが、商学部的な視点で地元の古書店街を盛り上げるための協力など、何かお考えのことはないですか?

渡辺 古書店も今までと同じことをやっていてはいけないということはわかっているので、今は新しい場に作り替えようとしています。わかりやすい例では、カフェを併設したお店が増えていますね。また、外国人観光客にも人気があるサブカルチャー系の品揃えをウリにするお店も増えています。今はインターネットで何でも物が買える時代ですから、そこに行かないと体験できない、あるいは味わえないというものを提供できる場にしていかないといけません。古書店はまさにそういうことができる場所だと思いますので、「有名な作家の初版本で大変な高額希少本だよ」ということをアピールする従来の方法だけでなく、時代に合わせた付加価値を持つ工夫が必要です。「ここでしか見ることのできないものを説明つきで売りたい」、「共通する趣味をもつ人たちが集って刺激し合える場を作りたい」など、さまざまなアイデアをもって、このまちでトライしている人たちがいますので、そういう人たちと協力していきたいと思っています。

商学部、法学部、国際コミュニケーション学部の共通科目を設置し、シナジー効果を高めます。

上田まりえ
上田まりえ

上田 生田には生田のよさがあります。勉強に集中できる環境や生活しやすい環境、豊富な自然などもありますし、私もそういう環境が好きだったのですが、社会との接点という意味ではどうしても薄い部分があったと思います。私も学生時代は少し意識的に学外へ出るようにしていたのですが、その点、神田は社会との接点がすごく増えそうですね。

渡辺 生田にいると周りの人達からすごく大事にされるんですよ。多摩区・3大学連携協議会(専修、明治、日本女子、多摩区)もあり、地域の人達が学生に優しいですよね。しかし、神田に行くとたくさん大学があるので、地元と積極的に繋がりをもちたいと思っても反応が薄く、最初はすごくハードルの高さを感じました。

上田 たしかに生田キャンパスは、地域にしっかり溶け込んでいますよね。

渡辺 ただし、神田エリアは元々江戸っ子気質のようなものがあり、一度理解していただけるとすごく受入れてくれるんです。学生たちもそういった壁を乗り越えるような経験をしつつ、江戸の昔からあった人と人との温かい繋がりのようなものを実感してほしいです。

上田 学生にしてみればそれだけ大きなチャレンジになりますし、やりがいがあるのではないでしょうか。

渡辺 学生は計画を立てて実行していくのが苦手で、定期試験の勉強でも1、2週間前になってバタバタやりだすようなタイプが多いですよね。ゼミの研究でプロジェクトを進めていく時もそうなりがちですけど、ゴールから逆算して何をどう計画を立てていけばいいのか、そのためには誰に何を説得すればいいのかということを考えていかなければなりません。その点、生田は周りが協力的でやりやすかったかもしれませんが、神田はひとつひとつ自分たちでハードルを乗り越え、合意形成しながら進めていかねばなりません。なかには事前の相談や調整が不足し、「私は聞いていないぞ!」と怒られることがあるかもしれません。さまざまな経験をすることも、勉強になると思っています。

上田 ほかに商学部として何か、中長期的なプランはありますか?

渡辺 以前からですが、商学部には3つの軸あり、その一つが地域との繋がりです。これまでも川崎市をはじめとする地域で多数の教員が学生とともに活動し、社会貢献もしてきました。2つ目は国際展開です。現在はベトナムやラオス、カンボジア、タイ、ミャンマー、中国など、とくにアジアの国々との協力関係を深めていますが、神田キャンパスでは国際コミュニケーション学部(2020年4月開設)もありますので、相互に協力することで国際展開をさらに強化していけると思っています。そして3つ目は、会計士や税理士などの資格を含めた会計専門職人材の育成です。神田という立地を生かして、資格取得にはさらに力を入れていく予定なのですが、現在はAIの進化によって会計士や税理士の仕事の内容が大きく変わる可能性があり、それに対応していく教育も重要だと個人的には考えています。

上田 AIの進化により雇用がなくなるという問題ですね。

渡辺 仕事がなくなるわけではないと思うのですが、役割は変わると思います。例えば、複雑な計算についてはAIに任せる一方で、会計専門職人材にはクライアントとのしっかりとしたコミュニケーションができることが求められるとかです。つまり、AIの普及を前提とした次世代型の会計専門職を育てていくことが大事だと思っています。

上田 私もフリーランスで仕事をしていますので、すごくわかります。私の仕事の背景的なことも理解してくださり、今後の展望まで考えてくださるような会計士さんはすごく助かりますし、信用できます。また、先ほど国際コミュニケーション学部の話が出ましたが、相互乗り入れ科目もあるそうですね。

渡辺 既存の法学部も含めて3学部共通で受講できる授業があります。これまでの仕組みと違い、限られた自由選択の範囲内ではなく専門科目自体を相互に乗り入れているのが特徴です。

上田 その3学部は一見、専門分野が全く違うように感じますが、どういう部分を融合させて授業を展開していくのでしょうか?

渡辺 法学部との関係では民法、商法というのは会計学科にとってはメインの科目になりますし、マーケティング学科の学生も取引にかかわる法律のことを知らないと思わぬ落とし穴にはまることがあります。例えば消費者保護法、独占禁止法などの知識は必要ですし、そのような科目は従来の商学部のなかにもありますが、より専門性の高い知識を身につけたければ法学部の授業が役立つでしょう。逆に法学部の学生で、会計士や税理士を志望している学生にとっては、簿記を学ぶのに商学部の授業が役立つようになります。また、国際コミュニケーション学部との関係では、商学部からビジネス英語の授業を開講しますし、商学部の学生にとっては国際的な文化や慣習を学ぶ、よい機会が得られるようになっています。

上田 他学部の視点から自分の学部を見ると、自分の専門分野のおもしろい部分や特徴的な部分を再発見できそうですね。では、最後に受験を考えている高校生へメッセージをお願いします。

渡辺 商学部では、最初は幅広い内容を学びながら、学生自らの希望に応じて専門的に学ぶ分野を絞っていけるカリキュラムを採用しています。ですので、将来こういう方向をめざしたいということが決まっている人はもちろん、まだ漠然としている人でも、自ら主体的に学びたいという意欲があれば、大学での学修や生活の面白さが実感できるようになると考えます。ぜひ、神田の地で社会や地域の課題を発見し解決に取り組んだり、資格取得に励んだりする仲間に加わってほしいと思います。

渡辺達朗 渡辺達朗(わたなべたつろう)
1985年横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程修了。博士(商学)。
財団法人流通経済研究所研究員、新潟大学助教授、流通経済大学助教授を経て、1999年専修大学商学部助教授、2001年同教授、15年大学院商学研究科長。17年専修大学商学部長。
専門は経営学(マーケティング)、商学(流通論)、流通政策論など。
研究テーマはマーケティング・チャネル論
著作は『沖縄の共同店の現状と買い物弱者対策への示唆』(吾郷貴紀編著『買い物弱者問題への多面的アプローチ』第4章所収) (2019年、白桃書房)、『J・C・パラマウンテン,Jr.-集団分析による流通の政治経済的研究』(マーケティング史学会編『マーケティング学説史 アメリカ編供拌茖款禄蠎)(2019年、同文舘出版)など。

上田まりえ上田まりえ(うえだまりえ)
1986年鳥取県境港市生まれ。専修大学文学部を卒業後、2009年に日本テレビにアナウンサーとして入社。2016年1月末、日本テレビを退社し、同年2月にタレントに転身。現在はバラエティ番組から、野球をはじめとしたスポーツ番組など、幅広く活動中。2014年に“とっとりふるさと大使”、2018年には“WE LOVE とよた スペシャルサポーター”に就任。
主なレギュラーに、文化放送「なな→きゅう」(月~木パーソナリティ)、NHK BS1「ワースポ×MLB」(土日キャスター)

Vol.14
〜上田まりえの母校訪問〜
ビジネスオフィスに囲まれた環境で展開される
商学部の新たな学びとは
専修大学 商学部長
渡辺達朗
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Vol.13
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Vol.12
〜上田まりえの母校訪問〜
真の国際人を育成する
専修大学の新たな学びとは
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上田まりえ
Vol.11
〜上田まりえの母校訪問〜
変化を恐れず、多彩な改革を進行中
創立140周年以降の専修大学とは
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上田まりえ
Vol.10
〜上田まりえの母校訪問〜
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Vol.8
〜上田まりえの母校訪問〜
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上田まりえ
Vol.7
〜上田まりえの母校訪問〜
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Vol.6
〜上田まりえの母校訪問〜
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上田まりえ
Vol.5
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田邉 祐司
Vol.4
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専修大学商学部教授
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Vol.3
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Vol.2
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Vol.1
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