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創立から60年、引き継がれてきた 経営学部の魅力とは 専修大学 経営学部長 青木章通教授×タレント 上田まりえ

2022年に創立60周年を迎えた経営学部。1962年の創立以来、ビジネスの現場から企業や組織の研究を行い、2019年には既存の経営学科に加えビジネスデザイン学科を新設し2学科体制となりました。「理論と実践の融合」を意識した伝統的な学びを引き継ぐ経営学部の魅力について知りたく、9月から学部長に就任する青木章通教授のもとを訪れました。

学んだことを実践へと繋げることが大事

青木章通教授
青木章通教授

上田 私は会社を辞め、独立して初めて会計士の方とお会いする機会がありましたが、青木先生のご専門も会計学ですよね。その会計や経営というのは、どのように学んでいくものなのですか?

青木 経営学部では、会計学は必修科目となります。なぜなら、組織の経営を考えるうえで会計学は必要不可欠だからです。マーケティングなどに興味をもつ学生が多いのですが、例えば、新しい商品を開発したり新しい事業を考えるとき、「売上げ金額はこのくらい見込んでいる」とか「コストはこのくらいかかるから利益はこうなるだろう」など、会計のことがわかっていなければ、経営戦略のこともマーケティングのことも語れません。

上田 数字という確かな指標は大事ですよね。それを会計と意識していないことが多いと思いますが…。

青木 学生にもよく話をするのですが、コンビニなどで見かけるPOSレジは、お客目線で見ると何をいくら購入しているかを計算しているだけに見えますが、実際には膨大な履歴が記録され、いつ誰に何がどれだけ売れたのかといった情報がデータ化されています。そして、そのデータは次の仕入れ戦略に役立てられています。

上田 私も大学時代にコンビニでアルバイトをしていたのですが、レジで性別など購入者の情報も含めて入力していました。当り前のことですけど、お店側はこういうデータを必要としているんだなということを、改めて知りました。

青木 そういった会計で得られた情報は重要ですが、経営学は多面的なものですので、会計だけでは不十分です。それだけでは金銭などの収支を記録するだけになってしまうので、その記録をどのように読み解くかが重要になってきます。その際、会計がどのようなルールで記録されるものなのかを知らなければ、正しく読み解くことができないので、会計学を学ぶ必要があるというわけです。

上田 私も会計についてそこまで深く意識したことはありませんでした。テレビ局員時代のお金のイメージというと、番組予算のほか、視聴率や営業でどのくらいの売上げがあったかといった部分に興味をもち、その数字の奥に隠された意味を深く読み解くことはなかったように思います。

青木 会計の情報は切り分け方でいろいろな発見ができるところが、おもしろいところです。私はプロスポーツチームの売上げをお客さまの特性ごとに切り分けて分析したことがあります。そのとき調査したのは、「シーズンチケットを購入しているようなヘビーユーザーと一見さん、どちらが多い方が儲かるか」というもの。結果、一見さんはチケット代のほかにも食事やグッズなどにお金をかけるケースが多いことがわかりました。そのため、一見さんが多いと収益は高くなります。しかし、これはあくまで短期的な視点で見た場合です。今回のコロナ禍のような状況で売上げを支えてくれるのは、シーズンチケットを購入してくれるヘビーユーザーであり、長期的な視点では見え方が変わってきます。

上田 ただの数字でも、そのように分析して見るととてもおもしろいですね。ほかに経営学部ではどのようなことを学んでいくのですか?

青木 1、2年次は様々な学問領域を広く学んでいきます。先ほどお話した通り経営学は多面的な学問ですから、経営学の基礎だけでなく、マーケティングや経済学、ICTそして統計学などを通して、ビジネスの基礎知識を学んでいきます。

上田 統計学は私も学びましたが、本当に難しくて挫折しそうだった苦い思い出があります。

青木 経営学を学ぶ学生のなかには「商品開発」や「マーケティングリサーチ」というものに興味をもつ学生も多いのですが、どちらも統計学を知っていると深い学びができます。ですから、経営学部は統計学も必修科目にしています。そして、3年次以降は自分の学びたい分野を選んでいきますが、このとき10のテーマ科目群から経営学科は3つ、ビジネスデザイン学科は2つのテーマを選択し、集中的に学んでいくところが特色です。

青木章通教授

上田 確かにテーマを複数選ぶというのは珍しいと思いますが、なぜそのようにしたのですか?

青木 よくいわれることですが、複数の専門を組み合わせることで、より大きな力が発揮できるということです。さらに、10のテーマ科目群のなかから複数を選ぶとなると、その組み合わせのパターンがものすごく多くなり、オリジナリティも出せます。

上田 一つだけを専門的に学ぶより幅が広がりそうですし、より個性的な学びが見つけられる環境があるわけですね。確かに好きなことだけを学んでいたら広がりがないですから、とても大事なことかもしれませんね。一つだけだと、それが役に立たなくなると拠り所がなくなってしまいますし、柱となる学びを複数もっていれば、どんなことにも繋げられるような気がします。

青木 その繋がりという部分がすごく大事なことだと思っています。

上田 先ほど、私も文学部なのに統計学の授業を履修していたというお話しをしましたが、その理由は好きな野球に繋げられると思ったからです。私は当時から、将来はアナウンサーとして野球に携わりたいという夢をもっていました。そのため、野球を多面的に見て、競技としての魅力だけでなく、球団経営やマーケティングまで含めて学びたいと考えていたので、その一つとして統計学を選択しました。

青木 それは学びを深めるうえですごく大切な考え方だと思います。また、今の時代はとても変化の激しい時代ですから、専門的に学んだ分野が一つだけでは対応しきれない場合もあるでしょう。得意分野を複数持つことで変化の激しい時代に対応していくことができますし、学んだ知識と自分の関心とを繋げて能力を発展させていくことが、今の時代に合った学びなのかもしれません。

「理論と実践の融合」の考え方をしっかり引き継ぎたい

上田まりえ
上田まりえ

上田 青木先生はこのたび、新学部長にご就任されるということですが、経営学部をこのようにしていきたいという抱負を教えてください。

青木 経営学部はこれまでも「理論と実践の融合」を学部の理念とし、一つの大きなテーマとしてきましたので、これをしっかりと引き継いでいきたいです。そもそも理論というものは、最大公約数なんです。多くのシチュエーションになるべくあてはまるような一般的なものが良い理論とされます。逆に特定のシチュエーションにしかあてはまらないものは理論とはいえません。大学でも当然、広くあてはまる理論を学んでいくわけですが、その学びを特定の場面でどう活かしていくのかを実践の場で身に付けていくことが重要だと考えています。

上田 「理論と実践の融合」のために行っている特徴的な学びはありますか?

青木 ビジネス研究という特徴的な授業があります。一つの授業を専門分野が違う二人の教員で行います。教員と企業の方がタッグを組むこともあります。

上田 具体的にはどのような授業ですか?

青木 例えば、情報学が専門の教員と経営学が専門の教員が組んで、ビジネスゲームの演習を行っています。通常はIT系に強い情報学の教員が担当するか、ビジネス系に強い経営学の先生のどちらかひとりが担当しますよね。しかし、この授業では情報学の教員は情報の活用方法について、経営学の教員は経営学的な意思決定について取り上げるなど、二人の教員による多角的な学びを展開することが可能となるのです。

上田 それはおもしろそうですね。学生のみなさんの反応はどうですか?

青木 学生からのコメントシートなどを見ると肯定的な意見が多く、好評です。学生がいろいろな視点で学べるのはもちろんですが、教員にとってもほかの教員の専門的な考え方を聞くことで新たな発見がありますので、そういった意味でもとても有意義な授業だと思っています。

上田 経営学部の歴史は長く、先日は創立60周年記念行事が行われ、タレントの小堺一機さんが基調講演を行われたそうですね。

上田まりえ

青木 経営学部OBの小堺さんのほか、たくさんの卒業生にご来校いただき、学生を含めて約300人の方々に集まっていただきました。そのなかで一番良かったことは、卒業生の方々に記念行事の幹事を引き受けていただいたことでした。これまでは教員が幹事になり、みなさまをご招待していたのですが、今後は卒業生の方々にも積極的に関わっていただきたいという思いがありましたので、今回は幹事をお願いしました。

上田 卒業してしまうと大学との接点をもつのはなかなか難しいですから、大学からそういう働きかけがあるのはうれしいですね。卒業生にしてみれば、同じことを学んだ人たちが集まり、世代を超えていろいろな情報を共有できるのは、貴重な機会になると思います。

青木 私たちは次回の開催は10年後くらいかなと考えていたのですが、終了後にとったアンケートを見ると、3年後、5年後にまた開催してほしいという意見が多く見られました。

上田 こういうことは経営学部に限らず、ほかの学部にも広がってほしいと思いますね。学部ごとだけでなく、横にも繋がっていってほしいです。やはり学び同様、人と人との繋がりも大事ですから。

青木 学んだことをほかに繋げて考えることは本当に大事だと思います。学生にもよく話をするのですが、高校で学んだことを日常生活に繋げることはなく、むしろ放棄しているように思えるんです。例えば、小学校で学んだ算数は日常生活のいろいろな場で使いますが、高校で学んだ二次関数などはあまり使う場面がないと思ってしまう。

上田 私も「日常生活で絶対に使わないでしょう?」と思っていました。

青木 一番怖いのは、経営学部の学びもそうなってしまうことです。例えば、経営管理論の学びはバイト先の人間関係や部活でのリーダーシップのあり方を考えるのに役立ちますし、会計の知識も様々なシーンで役立ちます。そういった知識を頭のなかだけに留めず、ぜひ実際の行動に移して実践してほしいと思います。

上田 社会の中できちんと実践して、学んだ知識を還元するところまでが経営学部の学びということですね。では、最後に受験生や在学生、その保護者の方へ向けてメッセージをお願いします。

青木 まずは、物事を繋げて考えることを高校生のうちから意識してほしいです。学んだことを他のことと繋げて考え、利用していくと、その学びがどんどんブラッシュアップされ、やがては自分にとって大きな武器になると思います。そして、それが変化の激しい現代社会における対応力にも繋がっていくことになります。また、専修大学に来てくださった学生さんには経営学部という場によって与えられる機会を使い切ってほしいと思います。コロナ禍により制限されることもありますが、経営学部で出会った人と積極的に関わり、学べる環境をしっかり使い切ってほしいです。

青木章通青木章通(あおきあきみち)
専修大学経営学部教授。慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。2001年東京経済大学専任講師、2004年同助教授、2005年専修大学助教授、2007年同准教授を経て2010年より現職。2012年~2013年ワシントン州立大学Michael G. Foster School of Business客員研究員、2022年専修大学経営学部長。日本原価計算研究学会常任理事。専門は管理会計、原価計算。

上田まりえ上田まりえ(うえだまりえ)
1986年鳥取県境港市生まれ。専修大学文学部を卒業後、2009年に日本テレビにアナウンサーとして入社。2016年1月末、日本テレビを退社し、同年2月にタレントに転身。現在は、タレント、ラジオパーソナリティ、ナレーター、MC、スポーツキャスター、ライターなど幅広く活動中。2021年7月に「知らなきゃ恥ずかしい!? 日本語ドリル」(祥伝社黄金文庫)を上梓。同年9月、日本語検定委員会審議委員に就任。また、2022年8月、専修大学大学院文学研究科日本語日本文学専攻日本語プロフェッショナルコースの広報アンバサダーに就任した。
現在のレギュラーは、テレビ東京「インテリア日和」ナレーター、YouTube「上原浩治の雑談魂」アシスタント、MONDO TV「俺プロ!~俺たちのプロ野球~」MC、ラジオNIKKEI第一「マネジメントのすゝめ」パーソナリティ

Vol.20
~上田まりえの母校訪問~
創立60周年を迎え、引き継がれてきた
経営学部の魅力とは
専修大学 経営学部長
青木章通
タレント
上田まりえ
Vol.19
~上田まりえの母校訪問~
情報技術を活用した新しい価値を
世の中に提案できる力を育てる
ネットワーク情報学部の学びとは
専修大学 ネットワーク情報学部長
飯田周作
タレント
上田まりえ
Vol.18
~上田まりえの母校訪問~
興味のあることなら何でも研究対象にできる
社会学科の魅力
専修大学 人間科学部社会学科
樋口博美
タレント
上田まりえ
Vol.17
~上田まりえの母校訪問~
生田キャンパスの進化の象徴
新しくなった2・3号館を訪問
専修大学 理事長室 広報課
佐野潤
タレント
上田まりえ
Vol.16
~上田まりえの母校訪問~
創立140周年記念の高層新校舎
神田10号館(140年記念館)の魅力を体感
専修大学 理事長室 広報課 主任
小川淳史
タレント
上田まりえ
Vol.15
~上田まりえの母校訪問~
コロナ禍のなかで生まれた
専修大学の新たな可能性とは
専修大学 学長
佐々木重人
タレント
上田まりえ
Vol.14
~上田まりえの母校訪問~
ビジネスオフィスに囲まれた環境で展開される
商学部の新たな学びとは
専修大学 商学部長
渡辺達朗
タレント
上田まりえ
Vol.13
~上田まりえの母校訪問~
身近な問題を経済学の視点で読み解いていく
経済学部の新たな学びとは
専修大学 経済学部長
兵頭淳史
タレント
上田まりえ
Vol.12
~上田まりえの母校訪問~
真の国際人を育成する
専修大学の新たな学びとは
専修大学 国際コミュニケーション学部 日本語学科教授
王伸子(現 文学部教授)
専修大学 国際コミュニケーション学部 異文化コミュニケーション学科准教授
鈴木健郎(現 商学部准教授)
タレント
上田まりえ
Vol.11
~上田まりえの母校訪問~
変化を恐れず、多彩な改革を進行中
創立140周年以降の専修大学とは
専修大学 学長
佐々木 重人
タレント
上田まりえ
Vol.10
~上田まりえの母校訪問~
日本で初めて「ジャーナリズム」を学科名称とした
文学部ジャーナリズム学科の学びとは
専修大学 文学部長
高岡貞夫
タレント
上田まりえ
Vol.9
~上田まりえの母校訪問~
経営学部が「ビジネスデザイン学科」を新設。
2学科制となる経営学部の新たな学びとは
専修大学 経営学部長
関根純
タレント
上田まりえ
Vol.8
~上田まりえの母校訪問~
2020年に140周年を迎える
専修大学の目指す「新しいカタチ」とは
専修大学 学長
佐々木 重人
タレント
上田まりえ
Vol.7
~上田まりえの母校訪問~
上田さんが最も強く印象に残っているという
「ジェンダー論」で展開された授業の内容とは
専修大学 文学部教授
広瀬裕子
タレント
上田まりえ
Vol.6
~上田まりえの母校訪問~
スポーツに強い憧れとこだわりをもつ
上田まりえさんの原点、スポーツ心理学の学びとは
専修大学 スポーツ研究所 スポーツ心理学教授
佐藤雅幸
タレント
上田まりえ
Vol.5
音声(発音)に軸足を置き、
4技能統合型の学びを実践
専修大学文学部教授
田邉 祐司
Vol.4
現場重視のフィールドワークで、
変容する世の中を生き抜く能力を身に付ける
専修大学商学部教授
神原 理
Vol.3
学んだことを「外」の世界で試せるチャンスが
学生のキャリア意識をいっそう高める
専修大学商学部教授
鹿住 倫世
Vol.2
日本語を共通言語として海外と
ネットワーク利用共同授業
―日本文学文化学科のユニークな試み
専修大学文学部教授
板坂 則子
Vol.1
グローバリゼーションのもう一つの
側面を支える 「日本語教育」を、
海外実習を通して深める
専修大学文学部教授
王 伸子 備前 徹

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