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経営学部が「ビジネスデザイン学科」を新設。
                                    2学科制となった経営学部の新たな学びとは
                                    専修大学 経営学部長 関根純教授×タレント 上田まりえ

2019年4月より「ビジネスデザイン学科」を新設する専修大学の経営学部。経営学科のみの1学科から2学科制へ移行し、自分の興味のある分野をより深く探求できるようになりました。今回は、経営学部の授業がどのように展開されていくのかを聞くため、関根純教授のもとを訪れました。

サービスやビジネスの創造を深く学べるよう、新学科を設立!

関根純
関根 純教授

上田 経営学部では、どのような学びを展開されているのですか?

関根 企業を中心とした組織をどのように作り、管理し、効率的に運営していくかということを中心に学んでいます。専門科目は多彩で、経営戦略、マーケティング、会計、ベンチャー創造、ITなど10テーマに分類できますが、学生は2年次の後半から2つ選択し、それらについて集中的に学べるようにしています。

上田 先生の専門、ITの分野ではどのようなことを学ばれているのでしょうか?

関根 企業の中で情報システムをどう使うか、どう役に立てるかということを専門としています。基礎として、1年次には、情報リテラシーとコンピューターリテラシーという2つの領域を学びます。情報リテラシーでは、例えば課題が与えられると、調べ物をし、情報を整理・分析し、それをもとにアイデアを練って提案しますが、そのプロセスを学びます。コンピューターリテラシ―では、エクセルやパワーポイントの使い方など、パソコンを使いこなす技術や、コンピューターやインターネットの仕組みを学びます。

上田 私たちの学生時代には情報処理について学ぶ機会がほとんどなかったので、今、学生だったらぜひ学んでみたいです。

関根 さらに2年次以降になると、経営情報論という授業の中で、企業は情報システムをどう使っているのか、どうしたらデータを役立てられるのかなどを学びます。また、プログラミングやセキュリティなどいろいろな情報技術についても学んでいます。私は、経営情報論を担当しています。

上田 経営情報論の授業では具体的にどのようなことが行われているのですか?

関根 情報システムの事例に関する学びに加えて、架空のデータを配布し、設定した課題(目的)に沿って分析して結果を提出してもらっています。そのデータも通常の演習では100件程度ですが、私の場合は1万件レベルのものを渡しています。

上田 それは大変ですね!

関根 1万件といっても、それを課題に合わせて集計するだけですから、そんなに複雑な計算や理論が必要なわけではありません。大事なことはその集計結果をどのように解釈し、社会にどう生かすかを考えることです。また、私のゼミの学生の卒論では「こういうデータがあれば、こういうサービスに生かせる」といったことをテーマにしたものが多くあります。

上田 社会に出たとき、とても役に立ちそうな学問ですね。ところで、経営学部には2019年4月より新しい学科ができるそうですね。

関根 現在、経営学部は経営学科のみですが、ビジネスデザイン学科が新設され、2学科制になります。経営というと、すでにある組織を上手く運営していくというイメージが強いですよね。しかし、経営学部の中には「新しいサービスを生み出したい」「新しいビジネスを生み出したい」と思っている学生が一定数います。また、経営学という学問は、既存の組織を上手く運営していくためだけの学問ではなく、新しいサービスを生み出したり起業したりと、何もないところから何かを作りだすことも研究の対象になっています。
現在、経営学部はこの両方を経営学科だけで学んでいますが、来年からは、新しい組織を作って新しいサービスやビジネスを生み出すことに興味のある学生はビジネスデザイン学科、既存の組織を上手く運営して大きくすることに興味のある学生は経営学科と、2つにわけて学べるようにしました。我々は、前者をスタートアップ、後者をスケールアップと呼んでいます。そうすることで、自分の興味のあるテーマをより深く学べるようにしたわけですが、実はこの両者は一体なんです。例えば、ある新しいサービスを提供する会社が創業され、ビジネスが軌道に乗って会社が拡大されていくと、効率的に運営していくことを考えなければなりません。しかし、しばらくして市場が飽和状態になり、成長が頭打ちになってくると、今度は新しいビジネスを考えなければならなくなります。このため、経営学科で学ぶこととビジネスデザイン学科で学ぶことは一体なのですが、専修大学ではより深い学びを提供するため、あえて2つに分けることにしました。

上田 ビジネスデザイン学科は野心的な学生にとって興味深そうな学科ですね。先生は、どのような学生が入学してくることを期待されていますか?

関根 小さくてもいいから自分で何かを創造したいという意欲のある学生ですね。ただし、「何か」というのは「起業」や「ベンチャー」といったイメージのものだけではありません。例えば、「自分の店をもちたい」「新しいNPOを立ち上げたい」「地域活性化のために何か新しいことに取組んでみたい」といったものも含まれます。また、「今ある会社の中で新しいサービスを生み出したい」といったことも含めて対象としています。ですから、新しいといっても、既存の企業の中で新しい組織を作るというケースも全て含めてビジネスデザイン学科で学ぶ範囲に入ります。

データの分析結果をどう意味づけるかが一番大事なポイント

上田まりえ
上田まりえ

上田 ビジネスデザイン学科では、具体的にどのような授業が展開されるのでしょうか?

関根 経営学部の理念「理論と実践の融合」に基づいて、座学だけでなく演習科目の強化を図っています。例えば、ビジネス学科の場合は新しいサービスやビジネスを作った事例をとことん研究し、そのエッセンスを身に付けてもらったうえで、実際に何か新しいものを考えてもらうといったことを計画しています。そして、企業や地域などとコラボレーションして何かの課題に取組んだり、生み出したアイデアを外部に発信するといったプロジェクト的なものも考えています。

上田 学生達にとってはモチベーションの上がりそうな授業ですね。やはり、自分が学んだことが社会貢献に繋がり、世の中の誰かの役に立つという実感が得られるというのは、すごく大事なことですよね。

関根 考えたアイデアを外部発信するとなると、当然、企業の方々の前で発表するので、フィードバックがあります。そうなると学生達も必死でがんばるでしょう。また、これまでチームでの活動の経験がほとんどない学生にとって、プロジェクトを組んで仕事をすること自体も大きな経験になると思っています。

上田 演習の前に実際の事例をとことん研究するということですが、それは具体的にどのような事例でしょうか?

関根 本当に何もないところから事業を起こした例としては、Appleとか、ユニクロがあります。一方、既存の組織の中で新しい事業を起こした例をあげると、LINEというサービスがありますね。現在、皆さんは主にメッセージングサービスを利用されていると思いますが、あの会社は元々、オンラインゲームの会社だったんです。ところが、現在はメッセージングサービスが主な事業になっていますね。また、クロネコヤマトは現在、宅急便の会社として知られていますが、元々は法人から法人へ荷物を運ぶ法人相手の企業でした。それが、個人相手の宅急便という事業を立ち上げて、今があります。

上田 先生の専門分野ではどのような事例がありますか?

関根 農業機械メーカーのクボタでは、コンバインにセンサーを付け、さまざまな情報を集めて提供するサービスを始めました。例えば、お米のおいしさを表す指数に食味値というものがありますが、その中の測定成分であるタンパク質や水分などの含有率をセンサーで測ります。さらに、場所ごとの収量や肥料の量までわかるので、利用者は「この場所でこのくらいの肥料を与えるとこのくらいの収量があり、このくらいのおいしいお米がとれる」といった分析結果を得られ収入の増加につなげることができます。このようにクボタはモノを売るだけでなく、サービスの分野でも新しい事業を起こしました。
また、建設機械メーカーのコマツでも、機械の所在地や車両状態、稼働状況を知るため、機械にGPSやセンサーを取り付けています。そして、携帯電話や通信衛星経由で情報を収集。そこで得られたデータを元に、最適な時期に点検や部品交換を行ったり、盗難防止に役立てたりしています。

上田 単純にモノを売るだけの時代ではなくなっているわけですね。スポーツの世界でも、今はデータがすごく重視される時代になっていますよね。私は、メジャーリーグ情報を中心にお届けする番組「ワールドスポーツMLB」を担当しているのですが、メジャーリーグはかなり先進的で「打球の上がった角度が何度だったらホームランになりやすい」など、ものすごく緻密にデータをとっているんですよ。

関根 大谷翔平さんがメジャーへ行って以来、「打った時の初速が何キロで角度はどのくらい」、「投げたときのボールの回転数がどうだった」など、今まで耳にしたことがないようなことをよく聞くようになりましたね。また、メジャーでは新人選手を獲得するとき、学生時代のさまざまな数値を分析して、その選手がどの程度活躍できるかを予測し、獲得するかどうかを決めている球団があるそうです。

上田 その結果によって、契約の内容も変わるんでしょうね。しかし、データがどのように分析され、その数字がどのような意味をもっているかがわかると、同じ野球の見方でもより深みが増しますよね。

関根 まさに、そこが一番大事なポイントだと思います。データを上手く活用するためには、算出された結果をしっかり意味づけられるかがすごく大事なんです。その典型的な例がAIだと思います。AIは、より多くのデータを学ばせることで賢くなっていき、より確かな判定や結果を出せるようになっていきますが、なぜそうなったのかを説明することがすごく難しいんです。例えば、先ほど例にあげたプロ野球の選手の獲得の場合、学生時代に人間から見てものすごくいい成績を出した選手なのに、AIが獲得に対して「ノー」と判断した場合、なぜそういう結果が出たのか人間が説明することは難しいでしょう。我々人間は、AIの内部で何が起こったのかわからないですから。

上田 確かに難しいですね。AIというと、人間の雇用を奪うのではないかということがよく話題になりますね。

関根 たしかに定型的に何かをやるような仕事は減っていく可能性があると思います。

上田 既存の仕事がAIに奪われ、AIにはできない仕事をしなければならない時代を生きていくためにも、若い学生達はどのような力を磨いていくべきでしょうか?

関根 常に「なぜ?」と考えることが大事だと思います。何をするにしても「今、こういうことをしているが、本当にこれが一番いいやり方なのか?」など、疑問をもつようにしてほしいです。この“疑問”がなければ、将来の改善や改革ということに繋がりません。また、疑問をもったら今度は行動を起こさなければなりません。疑問をもっただけで終わってしまうと何も変わらないですから、「まあ、いいや」と楽な方に進まず、行動を起こしてほしいと思います。

関根純 上田まりえ

関根純関根純(せきねじゅん)
専修大学経営学部長。
1982年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了(計数工学専攻)。日本電信電話公社(現NTT)横須賀電気通信研究所入社、博士(工学)。2005年株式会社NTTデータ技術開発本部へ転籍。10年専修大学経営学部准教授、11年同教授、18年専修大学経営学部長。研究分野はデータベース、ビジネスインテリジェンス、データモデリング、要求工学。
主な著書は『データベース概念設計』(1996年、NTT情報通信研究所)、『データベース論理設計』(1996年、NTT情報通信研究所)、『BI革命』(2009年、NTT出版)。

上田まりえ上田まりえ(うえだまりえ)
1986年鳥取県境港市生まれ。専修大学文学部を卒業後、2009年に日本テレビにアナウンサーとして入社。2014年には“とっとりふるさと大使”に就任する。2016年2月、日本テレビを退社し、同年2月に松竹芸能に所属。タレントとして現在はバラエティ番組から、野球をはじめとしたスポーツ番組など、幅広く活動中。
主なレギュラーに、TOKYO MX「5時に夢中!」(月-木アシスタント)、NHK BS1「ワールドスポーツMLB」(土日キャスター)

Vol.11
〜上田まりえの母校訪問〜
変化を恐れず、多彩な改革を進行中
創立140周年以降の専修大学とは
専修大学 学長
佐々木 重人
タレント
上田まりえ
Vol.10
〜上田まりえの母校訪問〜
日本で初めて「ジャーナリズム」を学科名称とした
文学部ジャーナリズム学科の学びとは
文学部長
高岡貞夫
タレント
上田まりえ
Vol.9
〜上田まりえの母校訪問〜
経営学部が「ビジネスデザイン学科」を新設。
2学科制となる経営学部の新たな学びとは
経営学部長
関根純
タレント
上田まりえ
Vol.8
〜上田まりえの母校訪問〜
2020年に140周年を迎える
専修大学の目指す「新しいカタチ」とは
専修大学 学長
佐々木 重人
タレント
上田まりえ
Vol.7
〜上田まりえの母校訪問〜
上田さんが最も強く印象に残っているという
「ジェンダー論」で展開された授業の内容とは
専修大学 文学部教授
広瀬裕子
タレント
上田まりえ
Vol.6
〜上田まりえの母校訪問〜
スポーツに強い憧れとこだわりをもつ
上田まりえさんの原点、スポーツ心理学の学びとは
専修大学 スポーツ研究所 スポーツ心理学教授
佐藤雅幸
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上田まりえ
Vol.5
音声(発音)に軸足を置き、
4技能統合型の学びを実践
専修大学文学部教授
田邉 祐司
Vol.4
現場重視のフィールドワークで、
変容する世の中を生き抜く能力を身に付ける
専修大学商学部教授
神原 理
Vol.3
学んだことを「外」の世界で試せるチャンスが
学生のキャリア意識をいっそう高める
専修大学商学部教授
鹿住 倫世
Vol.2
日本語を共通言語として海外と
ネットワーク利用共同授業
―日本文学文化学科のユニークな試み
専修大学文学部教授
板坂 則子
Vol.1
グローバリゼーションのもう一つの
側面を支える 「日本語教育」を、
海外実習を通して深める
専修大学文学部教授
王 伸子 備前 徹

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