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河合塾 高大接続改革で入試が変わる 「入れる大学」から「行きたい大学」へ-高校生たちに求められる力の変化-河合塾 高大接続改革で入試が変わる 「入れる大学」から「行きたい大学」へ-高校生たちに求められる力の変化-

2020年度から実施予定の「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」をはじめ、大学入試を取り巻く状況は大きな変化の時を迎えている。入試の先にある将来を見据え、従来の学力だけではなく、今、社会が求めている力を伸ばしていくにはどうすればよいのか。河合塾教育イノベーション本部 副本部長の近藤治さんに話を聞いた。

新しい人材育成のため時代に合わせた試験に

河合塾教育イノベーション本部 副本部長
近藤 治 さん こんどう・おさむ/1961年生まれ。85年、河合塾入塾。教育情報部門で長年、大学入試の動向分析や進学情報誌『ガイドライン』『栄冠めざして』の編集に従事。その後、営業統括部門などを経て現職。高大接続改革に関する情報分析を統括。

世界の産業構造が大きく変動している今、日本に必要なのは新しい価値を生み出す能力だといわれています。従来「知っていることを正確に再生する力」があればよかった場でも、もうそれだけでは通用しない世の中になっていくでしょう。小学校から大学までの教育を通して、いわゆる英語や数学などの教科学力だけではなく、「ジェネリックスキル(汎用 的な能力、態度、志向)」を身につけることが必須になっています。ジェネリックスキルには、ベースになる知識を組み合わせて活用する力「リテラシー」と、協調性やリーダーシップ、独創性など、他者と協働する力「コンピテンシー」があります。まさにこれらの力が社会で活躍するための能力として大学の現場でも重視されています。しかし、それらを伸ばしていくためには、入試に対応するための高校教育、大学に入るための入試、大学の教育が三位一体で変わっていかなければならない。それが文部科学省が推進する「高大接続改革」です。

入試では、新しい「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の一部の教科で記述式問題が採用されることが話題になっています。現行のセンター試験は、全国の すべての教科書に平等に対応し、ベースとなる知識を測るためによく練られた内容で毎年実施されていますが、例えば語学における「表現力」や、自分の考えをまとめて「書く力」を測るテストはありません。新テストにより1次試験から能動的な力を評価し、時代の需要に合わせた選抜を行う狙いがあります。

国公立大学も変革 AO入試にも多様性

すでに一部の国立大学では、昨年あたりから入試の個別学力検査のウェートを高め、受験生の幅広い能力を見定めています。試験科目を増やしたり、個別面接や集団討論を実施したりといった例が見られます。また、AO入試のバリエーションが豊かになり、プレゼンテーションやリポートなど受験生にハードルの高い内容を課し、より広い意味で優秀で意欲のある学生を入学させようという大学もあります。

受験で思考力、判断力が今より求められるようになると、記憶する勉強とともに、知識を生かすトレーニングが必要になります。別々の教科で習ったことを自分の中で関連させる発想力を持ち、自ら学習する姿勢が大切です。アクティブラーニング型の授業は、自分の考えを発表し、人の考えを聞いて違いを整理するきっかけになりますが、学ぶ姿勢は小さい頃からの経験や環境で養われるものでしょう。特に、AO入試の面接にはテクニカルな対策はなく、本人のそのままの資質が評価されます。教科学習とともに、さまざまな経験で多様な考え方に触れることによって汎用的な力が育つので、大人がそうした機会を意識して与えることも大切だと思います。

小手先の対策はない 意欲を伸ばす選択を

高大接続改革の中心は大学です。一番大切なのはどういう学生を育て、どういう力がついたら卒業させるかという「ディプロマ・ポリシー」を固めることだと思います。実は、今の大学生は、入試の時をピークに学力が落ちてしまうことが多い。学習意欲を持続させるためにも、「結果がすべて」のペーパーテストだけではなく、がんばる過程や潜在能力を測 る試験が有効だと思われます。

改革が進めば、いい大学かどうかの基準も「偏差値」では判断できなくなってくるでしょう。入学後に伸びることができる大学かどうかは、人それぞれ違います。大学の質を判断する多様な尺度が存在するようになり「自分はこの偏差値だからこの大学」といった単純な選び方はますます通用しなくなります。学部や大学の体制について情報収集をして選ぶこと、「行きたい」という意欲を持つことが最も重要な準備だといえます。

河合塾ではアクティブラーニング型の講義が教科学習の定着にもたらす効果について検証しています。また、高校生向けに、大学で最先端の研究に携わっている研究者の話を聞く機会を設け、進学の尺度となる各大学の情報も収集・分析しています。自分がどこの大学に行きたいのかを真剣に考えることで、大学生になってからのモチベーションは違います。第2志望、第3志望も、自分が学びたいと思える大学、学部を探し、自分の人生を豊かに伸ばしていくための大学選びをして欲しいと思います。(談)

これからの高校生に求められる「新しい学力」とは

文部科学省の中央教育審議会では、高等学校教育を通し身につけるべき力を次のようにまとめている。①「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性 ・協働性)」を養うこと、②その基盤となる「知識・技能を活用して、自ら課題を発見しその解決に向けて探究し、成果等を表現するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力」を育むこと、③さらにその基礎となる「知識・技能」を習得させることの3要素だ。これらを学ぶ力を支えるためには、将来のキャリアを考えるための「興味・関心」の明確化や、学習スタイル、生活態度を自覚させることも重要な要素になる。河合塾では、3要素を考慮しながら、ジェネリックスキルを測定し、育成するプログラムを開発した。高校生向けの4種のテストにより、教科学力とそれ以外の能力を測ることができる。教育効果を判断するためのツールとして、カリキュラム開発や生徒指導など、教育現場での活用を想定している。

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