朝日新聞
 広告特集 企画制作:朝日新聞社メディアビジネス局
昨年の国公立の大学特集

九州大学 世界基準の人材を育成52年ぶり新学部設置へ 「地球的・人類的課題の解決方策」を学ぶ共創学部 九州大学 世界基準の人材を育成52年ぶり新学部設置へ

「地球的・人類的課題の解決方策」を学ぶ共創学部

前人未踏の領域へ挑戦 Kyushu University

共創学部の土台は、「21世紀プログラム」

21世紀プログラム生の門松舞さん

歯学部の設置以来52年ぶり、12番目の学部となる「共創学部」が、来年度の開設に向けて申請中だ。共創学部とは何か、なぜ今、必要なのか。新学部担当副理事の小山内康人教授はこう説明する。

「世界は今、グローバル化が進み、人類が抱える課題は多様化しています。とても一つの専門分野だけで解決できるものではありません。例えばどこかで感染症が起こると、たちまち他国に伝染する可能性がある。これを防ぐには医学だけでなく、交通インフラや地政学、経済学など、さまざまな知識が必要になります。このように、ある課題を解決するにはどんな学問が必要かを考え、専門分野や言葉の壁を越えて世界の人々と手を組み、新しい知や価値を“共創”していける。そんな人材を育てたいと思っているんです」

共創学部は、九州大学が2001年に導入した「21世紀プログラム」が土台になっている。このプログラムは入学時から特定の学部に属さず、オーダーメイドでカリキュラムを組み立てる。目的は、「専門性の高いゼネラリスト」の養成。現在4年生の門松舞さんは、そんな21世紀プログラム生の一人だ。

「高校時代は、与えられた課題をこなすのに必死。自分が何をしたいのか考えたこともなく、ぼんやりと薬学の道に進めたらいいなと思っていました」

浪人時代に21世紀プログラムの存在を知った。文理を問わず、興味を持った科目を自由に学べるところに魅かれた。苦手な面接や論文を克服し、AO入試で入学。2年生の時、農学部食糧化学研究室の立花宏文主幹教授の授業を受け、これだと思った。

「食品、とくに緑茶の機能性を研究する授業だったのですが、知れば知るほど面白いんです。今は研究一色の毎日。21世紀プログラムでなければ農学に興味を持つことはなかったし、こんなに積極的な自分になることもなかったと思います」

社会や地球の問題を俯瞰的に見てほしい

 「21世紀プログラムの卒業生の約4割は、大学院に進学しています。その後、研究を続ける者もいますし、企業に入って国際的に活躍している者もいます」と小山内教授は言う。

この理念を受け継いだ共創学部のカリキュラムはユニークだ。まず、入学早々「英語インテンシブコース」で英語の特訓を受ける。海外留学は必須だ。また、「構想」「協働」「経験」のプロセスを繰り返し、学びのサイクルを身につけるため、課題解決型学習やチーム型学習を最大限に活用する。3年次の後半からは指導教員団とともに卒論の課題を設定し、解決のための方法論を練り上げていく。課題の解決策を二つの異なる学問分野からアプローチするのも特徴だ。

入試は4タイプ。AO入試、国際型入試のほか、推薦入試と、一般入試・個別学力検査での小論文を初めて導入した。

「すべての入試で『志望理由書』を、AO入試と推薦入試では『活動歴報告書』を提出してもらいます。知識偏重ではなく、生徒のいろいろな能力を見て選抜したいと考えています」

新学部担当副理事を務める小山内康人教授。下は、東南極ナピア岩体トナー島でのひとコマ。「南極は雨が降らないので風化がない。植生もなく、人も住んでいない。40億年前におよぶ地球最古の岩石がそのまま残っているので、研究には最適なんです」と話す

実は、小山内教授自身が“共創の体現者”でもある。専門は地球科学で、日本南極地域観測隊にこれまで4度参加。各国研究者との共同研究も多く、最近では考古学と密接に連携し、アジア埋蔵文化財研究センターのセンター長も務めている。

「一つの専門にとらわれず、社会や地球の問題を広い視点で、俯瞰(ふかん)的に見てほしい。そして教員や職員とともに新しい学部をつくっていける、そんな学生に入ってほしいと思います」

President’s Voice 総長の声

アジアの窓口「伊都の国」で世界最高水準の教育を

久保千春 総長

2005年秋に工学系の第一陣が箱崎から移転し、開校した伊都キャンパスは、来年秋までに人文社会科学系、農学系、新中央図書館が完成、移転が完了します。

この地は古来、「伊都の国」として歴史に彩られた場所であり、また豊かな自然に恵まれ、貴重な生物も生息しています。このことから、多くの遺跡や自然環境に配慮しながら開発を進めてきました。キャンパスの面積272ヘクタールは、国内の大学の中でも有数の広さとなります。

この広大な敷地内に自動運転バスを走らせるべく、現在、実証実験を行っています。また、本学は水素燃料や次世代燃料電池、風力発電など、エネルギー研究において世界のトップレベルにあり、その研究拠点も設置されています。

九州大学は留学生が多いのも特徴で、全学生約1万9000人のうち、およそ12%が留学生です。構内には留学生向けの学生寮があるほか、留学生や外国人研究者と交流を図る国際村構想も、糸島市との間で締結しました。かつてアジアとの窓口だった伊都の地で、世界最高水準の教育、研究、人材育成を目指したキャンパスづくりが進んでいるのです。

人材育成の一環で、本学では2014年度から科学技術振興機構の支援事業として、「世界に羽ばたく未来創成科学者育成プロジェクト」を進めています。九州全県と沖縄県、山口県の高校1、2年生から60人を選抜し、8月から3月までの毎月2回、4学部9コースで大学院生、教員とともに研究を進めるというものです。年々関心が高まり、今年度は158人の応募者がありました。

これまでの受講者のなかには、国際学会での外国語による研究発表や、論文を発表した生徒もいます。受講者の7割以上が国立大学に進学し、その半数近くが九州大学に入学、なかには米マサチューセッツ工科大学に入った者もいます。まさに世界に羽ばたくプロジェクトとして、今後も大切にしていきたいと思います。

Campus Topics

1. 世界初!成体マウスのiPS細胞から、卵子の作製に成功

①成体マウスの尻尾のiPS細胞 ②卵母細胞(第1次卵胞) ③卵子 ④誕生直後のマウス

医学研究院の林克彦教授の研究グループは、成体マウスの尻尾にある組織由来のiPS 細胞から、培養皿上で卵子を作製することに成功。卵子は正常に受精し、健常なマウスに成長、自らの子どもを産んだことも確認された。卵子は複雑な過程で形成されるため、体外培養での再現はほとんど成功例がなかった。この研究では、多能性幹細胞から卵子形成までの過程を培養皿上で行う「卵子産生培養システム」を構築。今回の成功により、不妊治療法の開発などが期待されている。

2. 患者の負担を軽減!微細気泡を発射する「針なし気泡注射器」

「針なし気泡注射器」の構造。穿孔径は卵子で4μm(1000分の4ミリ)ほどしかない

注射器は痛みを伴い、感染症の危険性もある。インスリン注射などに使われる、バネの力で液体を高圧発射する「針なし注射器」は、神経を傷つけるなどの問題があった。そこで工学研究院の山西陽子教授が開発したのが、「針なし気泡注射器」。電圧をかけることで高速発射される微細気泡のはじける力で、細胞に極小の穴を開ける。皮膚に押し当てるだけで、試薬や遺伝子を注入できるのが特徴だ。硬い金属の加工も可能になるなど、この技術は多方面から注目されている。

3. アジア初の快挙!新元素113番を発見その名は「ニホニウム」

世界最高の分解能を誇る質量分析器ガリス(GARIS)と森田教授

新元素の発見は、これまで欧米の研究グループの独壇場だった。そこにアジアで初めて風穴を開けたのが、理学研究院教授で理化学研究所超重元素研究グループディレクターの森田浩介教授だ。亜鉛(原子番号30)の原子核と、ビスマス(原子番号83)の原子核を衝突、融合させたもので、原子番号は113番。2003年9月から2012年8 月までに3度合成に成功したことが確認され、昨年11月、「ニホニウム」と命名された。次なる標的は「119 番元素」だという。

関連書籍のご案内

国公立大学 by AERA 2018
好評発売中!

研究、教育、キャンパスライフまで、
国公立大学の“今”を特集しています。
受験生必読の一冊です!

プロフェッサー・ビジット
参加高校募集中

特集記事