朝日新聞
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昨年の国公立の大学特集

東京工業大学 東工大が新しい活力ある社会を切り開く ワークショップの成果と東工大改革の方向性について「2030年に向けた東京工業大学のステートメント」としてまとめられ、ポスターも制作された 東京工業大学 東工大が新しい活力ある社会を切り開く

ワークショップの成果と東工大改革の方向性について「2030年に向けた東京工業大学のステートメント」としてまとめられ、ポスターも制作された

Statement for 2030 × Tokyo Tech

東工大にしかできない教育・研究改革

2030年に創立150周年を迎える東京工業大学は、「世界トップ10に入るリサーチユニバーシティ」を目標に掲げている。その実現に向けて、昨年春から教育・研究改革を精力的に進めている。学部と大学院を統合・再編した六つの「学院」(理、工、物質理工、情報理工、生命理工、環境・社会理工)、教養教育の専門家集団が担う「リベラルアーツ研究教育院」、従来の研究所を再編・集結した「科学技術創成研究院」を相次いで設置した。

改革2年目を迎えた今年、三島良直学長は、その手応えを次のように語る。

「今年の2月、昨年入学した1年生を相手に、私自身が大学時代の『志』を語るという催しを行いました。講演後の質疑応答では今までにないくらい多くの学生から手が上がり、その後の懇親会でも質問攻めにあいました。こんな元気な姿は見たことがありません。これも、入学直後に『東工大立志プロジェクト』(下記事参照)を経験したからだと思います」

目指すビジョンを共有するために

東工大の未来像を語る三島良直学長

東工大の未来像を語る 三島 良直 学長

三島学長は、世界トップ10に入るためには、組織改革と同時に、学生・教職員・執行部らが大学の目指すビジョンを共有することが大事だと考えたという。そこでスタートしたのが、「2030年の東工大像」を策定するプロジェクトだ。

昨年秋からワークショップを4回実施。東工大独自の強みはどこにあるのか、その強みで節目となる30年の社会にどんな価値を提供できるのかが話し合われた。「その人たちがやりたいように研究をしてもらう」「他では気づかないシーズ(種)を育てる」「高い専門性とある程度の協調性を併せ持つマニアックな人材を輩出する」など、独創的な意見が多く出された。

「『世間におもねることのない尖(とが)った存在であり続けたい』という、みんなの思いを強く感じました。理工系総合大学として最高の『知』が集結した大学であるという自負、科学・技術の力で世の中を豊かにしたいという『志』も鮮明になりました。さらにわかったのは、学生・教員・職員らの距離がすごく近くて、なんでもざっくばらんに話し合える空気を持ち合わせていたということ。これも本学の良さだと思います」(三島学長)

ワークショップの成果と東工大改革の方向性をまとめた『2030年に向けた東京工業大学のステートメント』を発表。「ちがう未来を、見つめていく。」というスローガンを全学的に共有する“Spirit”として打ち出した。

「今後、本学の構成員一人ひとりが、“Spirit”を胸に抱き、『尖らせる』『共鳴する』『実装する』“Action”で、新しい社会を切り開いていく。それにより、必ずや本学が目指す姿に達することができると確信しています」(三島学長)

ワークショップとは?

輪になって座り対話をするところから

ワークショップで輪になって話し合う学長や教職員

ワークショップで輪になって話し合う学長や教職員

「本学の将来のビジョンをつくるには、会議ではなく、ワークショップで行うことが重要だと考えました」

こう語るのは、上記のワークショップでファシリテーターを務めた、リベラルアーツ研究教育院の中野民夫教授だ。

今回のワークショップは、4人一組の小さなグループになって、互いの意見を出し合った。その際に威力を発揮したのが、直径80センチの円形に切り抜かれた段ボール「えんたくん」だ。向かい合った4人の膝の上にこれを置き、「東工大がいいなと思った瞬間はいつ、どんな時ですか」といった具体的な質問をしながら意見をシェアする。年代や、学生・教職員・執行部といった立場の違いを認識しながらテーマを深めていったという。

こうした手法は、昨年春から1年生全員を対象にして始まった授業「東工大立志プロジェクト」でも取り入れられている。

与えられた問題の正解を出すのが高校までの学びとするなら、大学の学びは自ら問いを立てることへと変わる。立志プロジェクトは、大学生活で広がる無限の可能性の中で自分は何をしたいのか、何ができるのか、その「志」を自らに問いかける授業だ。さまざまな分野の専門家による大人数講義と、少人数のグループワークとを交互に繰り返しながら考える力を養い、自身の志を深めていくという。

「この授業を通じて、彼らの志が徐々に明確になっていく様子を見るのは、非常にうれしいですね。アクティブ・ラーニングが話題となっていますが、主体的で協働的な学びの場として、対話重視のワークショップは非常に有効な手段だと思います」(中野教授)

2030年に向けた東京工業大学のステートメント

Spirit

ちがう未来を、見つめていく。

まだ、見たことのないこと
まだ、触れたことのないこと
まだ、信じられていないこと
まだ、想像さえできないこと

この世界に
まだ、ないものを見つけ、創りだせた喜び
そして、世界の人々の幸せにつなげていく喜び
私たちは、その喜びを手にできる入り口にいる

だから、何万回という失敗を楽しめる
闇の中を一人で進み続け
たったひとつの答えを探し続けることができる
同じ夢を見る人と、国境も領域も超えてつながり
共に動き続けることができる

ここには、そんな思いを持つ人たちがいる
予定調和の結論はいらない
前例のあることに興味はない
風変わりなヤツだと言われてもかまわない
何故なら、私たちには私たちにしか見えない
未来があるのだから

Action

尖らせる

私たちは知の源泉は、個人の多様性と先鋭性の中にあると考える。だからこそ、高い「志」を何よりも大切にし、基礎領域から応用領域まで、自由な研究と発想を尊重する。それとともに、“Student-centered”を教育理念に置いて、学生の主体的な学びを重んじることで、世界で活躍する人材の育成を目指していく。

共鳴する

私たちはこれまでの垣根を超えて、新領域・融合領域の教育研究をさらに進める。個人の専門性を尊重しながら、大学が「知の共鳴場」となって、新しい知を持続的に生み出していく。さらに世界との協働、社会との連携を進め、開かれた教育研究機関として、新しい理工系総合大学の形を世界に先駆け実現していく。

実装する

私たちは新たなイノベーションで人々の生活を豊かにするために、大学から生まれた知を様々な形で社会に実装していく。産学連携研究の進化、科学・技術のコンサルティング、アントレプレナーシップ醸成、ベンチャー育成・支援。本学の変わらぬ理念である「新産業の創造」を未来に起こしていくために動き出す。

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