朝日新聞
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昨年の国公立の大学特集

横浜市立大学 未来を創る新たな学問データサイエンス 横浜市立南高等学校で行われた小泉和之准教授によるデータサイエンスの出張授業の様子 横浜市立大学 未来を創る新たな学問データサイエンス

横浜市立南高等学校で行われた小泉和之准教授によるデータサイエンスの出張授業の様子

DATA SCIENCE × Yokohama City University

医療データ活用で 横浜市と協力

医療ビッグデータを解析し、がん患者の生活の質(QOL)を向上させたいーー。横浜市立大学は、横浜市と協力して、市内のがん患者の医療実態把握に向けた取り組みを始めている。

同大は、横浜市と協力して、国が管理する健康診断や診療報酬請求に関するナショナルデータベースの使用許諾を取得。今年から、市内の医療機関を利用したがん患者に関する、年代、性別、外来頻度、使用している抗がん剤の種類などを解析している。医学部臨床統計学教室の山中竹春教授はこう語る。

「これまで、がん患者がどれだけ外来治療を受けているか、その実態は不明でした。レセプト(診療報酬明細)データを見ることで、外来で抗がん剤治療を受けながら生活している人たちがどれだけいるかなどが明らかにできると考えています」

外来治療の患者実態がわかれば、患者の就労先である企業への啓発や、病院での就労相談など、仕事と治療の両立支援につなげられるという。

膨大なデータを統計学の手法で解析

データサイエンス推進センター長の岩崎学教授

横浜市立大学は、来年4月にデータサイエンス学部を新設する。現代社会では、ICT(情報通信技術)の発達によって膨大なデータが日々生まれている。それらを整理・分析し、新しい価値を見いだそうとするのが、データサイエンス(以下、DS)という学問だ。

データサイエンス推進センター長の岩崎学教授(前日本統計学会会長)は、DSの重要性を次のように語る。

「データとひと言で言っても、数字だけではなく、例えばソーシャルメディア上の文章や画像、音声、動画なども含まれます。それらビッグデータを数学と統計学の手法を使って解析します。それを担うのが、データサイエンティストです。日本ではこうした人材が欧米などに比べて不足しており、政府もデータサイエンティストの養成を国家戦略の一つとして位置づけています」

大学はDS周知のために、市内の高校にDSを専門とする教員を派遣する出張授業にも取り組んでいる。取材した横浜市立南高等学校の授業では、スポーツ統計学の研究をしているデータサイエンス推進センターの小泉和之准教授が、「あのピッチャーって本当はもっと良いんじゃないの?」と題した講義を行った。

あらゆる分野で活躍できる

データサイエンスの授業に熱心に聞き入る横浜市立南高
等学校の生徒

野球のピッチャーの成績は、勝ち星や防御率などで評価される。しかし、それらには味方のエラーなどの外的要因も含まれる。そこで小泉准教授は、外的要因に依存しない新たな評価指標をDSの手法で導き出したという。小泉准教授の話を聞いた生徒たちは、身近なスポーツがテーマということもあり、DSの面白さを大いに理解したようだ。

新学部のカリキュラムには、数学や統計学、情報科学をベースとした基礎科目に加え、医学や経済学なども組み込まれる。また、市内にある企業や医療機関との連携を通じたPBL(問題解決型学習)により実務体験を積み、データの基となる人々の動きなどが生まれる「現場」を知る機会も設ける。現場を目の当たりにすることで、データ分析を通じたコミュニケーション能力や課題発見、解決能力を養うことができるという。

「今、ビッグデータが社会のあらゆるところで生まれています。それは、あらゆる分野でデータサイエンティストが活躍する基礎ができていることを示しているともいえます。DSを日本に根づかせるべく、我々がこの分野を牽引できればと考えています」

岩崎教授は、新学部開設の抱負をこう結んだ。

President’s Voice 学長の声

横浜ならではの強みを生かした教育を提供する

窪田吉信 学長

来年度開設するデータサイエンス学部は、日本で2番目、首都圏では初となる新しい学部です。社会に新たな価値を提供できるデータサイエンス人材を養成するために、統計学を中心にIT、AI(人工知能)、医療、経営などのさまざまな分野の専門家を迎え入れました。

本学はもともと、1928年に横浜市立横浜商業専門学校として創設されました。その後、横浜医科大学と統合するなど、古くから商学と医療を源流に、横浜市とともに歩んできた大学です。市が持つ膨大なデータの活用や、横浜に集結する多くの先端企業とも連携できる、横浜ならではのメリットもあります。既に市医療局とともに、山中教授が手掛ける医療ビッグデータを活用したがん対策など、本学ならではの取り組みが進んでいます。

高大連携活動としては、金沢高等学校、南高等学校、横浜サイエンスフロンティア高等学校、横浜商業高等学校を中心に、県内10校に本学の教員を派遣して出張授業を行ったり、逆に本学での授業を高校生に受講してもらったりしています。また、それぞれの高校の特性に合わせた施策も行っています。例えば、横浜サイエンスフロンティア高等学校とは、「横浜市立大学チャレンジプログラム」という、国際総合科学部理学系への進学を前提とする特別プログラム( 10人程度)を設けています。これに合格すると、高校生のころから大学入学後の研究を見据えた勉強に取り組めます。一方、2020年からの入試改革では、医学部の推薦入試で既に実施しているMMI(Multiple Mini Interview:評価項目別に複数回の面接を行うこと)を、他学部にも拡大していくことなどを検討しています。

データサイエンス学部を筆頭に本学では、既成の枠組みにとらわれない自由な発想でものごとを考え、課題解決を試みて自らの人生を切り拓(ひら)く、強い意志を持った若者を求めています。

Student’s Voice

海外フィールドワークで
貴重な異文化を体験

医学部看護学科3年生 三坂愛里紗さん

神奈川県内か都内の国公立大学で看護学科がある大学を探していました。そんな時に、二つの附属病院があって医学科とも連携している横浜市立大学を知り、ここなら幅広い知識を身につけられるだろうと思い、志望しました。

2年生の夏には、大学の海外フィールドワーク支援プログラムでフィリピンに行き、母子保健と災害現場での医療支援について学んできました。現地のお母さんと保育園児に、災害時にビニール袋と布を使っておむつをつくる方法や、イラストと英語の歌で手洗いの指導をしました。マニラのWHO(世界保健機関)も訪問し、WHOの役割や母子保健の取り組みについても学びました。

日本とは異なる文化を肌で感じられ、貴重な体験ができたと思っています。大学生の間に一度は海外に行ってみたいと考えていたので、その願いも叶いました。

チャレンジプログラムなら早くから研究に取り組める

国際総合科学部理学系物質科学コース2年生 大野周平さん

小学生のころから科学者になりたいと思っていました。早いうちから研究活動ができるよう、横浜サイエンスフロンティア高等学校に入学した1年生の時に、横浜市立大学の「チャレンジプログラム」に応募しました。このプログラムに合格すると、国際総合科学部の指定校推薦入試の受験資格が得られます。また、高校生のうちから大学の講義に参加できたり、先生方に指導してもらえたりします。

音楽が好きでチェロを習っているのですが、弦の材質や太さ・硬さなどで音色がどう変わるのかを物理の方程式を使って解明する研究を高校時代から続けています。この研究で文部科学省が主催する「サイエンス・インカレ」に応募し、「サイエンス・インカレ・アンバサダー賞」をいただきました。

高校時代から継続して研究活動ができるのも、この大学の良さだと思います。

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