朝日新聞
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2017年の国公立の大学特集
2016年の国公立の大学特集

一橋大学 ゼミ教育の伝統で 社会を見る目を養う 90年以上、学生を見守ってきた兼松講堂 一橋大学 ゼミ教育の伝統で 社会を見る目を養う

90年以上、学生を見守ってきた兼松講堂

90年以上、学生を見守ってきた兼松講堂

Captains of Industry × Hitotsubashi University

英文の原典を読んでゼミで議論する

経営戦略論、組織論が専門の加藤俊彦教授

経営戦略論、組織論が専門の加藤俊彦教授

日本企業の戦略と組織を研究する加藤俊彦教授が、ゼミの学生たちに向かって次々に質問をしている。

「交渉力が高いのは、相手との関係がどういう場合?」

「価格が多少上がっても買うものってある?」

「セカンドソースという言葉の意味はわかる?」

商学部の3年生10人が参加するこのゼミでは、アメリカの大学などで使われている経営戦略論の教科書を原典で読み、理論の基本的な考え方を学ぶ。

学生は毎週のゼミに備え、20~30ページの英文を予習してくる。みんなで読み進めながら、ポイントごとに加藤教授がどんどん投げてくるボールを打ち返さないといけない。質問の答えを考えることによって、テキストの理解が深まっていく。

「本を読むだけでは知識は定着しません。知っていることを使って考えることが大事なんです」

と、加藤教授は語る。

テキストの輪読の合間には、グループに分かれて、学んだ理論を生かした研究を行う。昨年度のゼミの学生は、「人に見られていると、どのように行動が変わるのか」を、学生を対象とする実験から考察した。

10人以下と少人数 教員と学生が近い

3年生のゼミ。中身は濃いが雰囲気は和やか。ゼミ生のおよそ3分の1は海外に留学する

3年生のゼミ。中身は濃いが雰囲気は和やか。ゼミ生のおよそ3分の1は海外に留学する

一橋大学では、商、経済、法、社会の4学部とも、3年生から全員がゼミに所属する。4年次も原則同じ教員のゼミで学び、卒業論文を仕上げていく。特に商学部では、大学で学ぶための基礎力をつける1年次の導入ゼミに始まり、4年通して週1回のゼミが必修となっている。

4学部あわせて1学年が約1000人という小規模な大学ゆえ、一つのゼミの人数は平均10人以下。夏休みには多くのゼミが合宿を行うなど、教員と学生の距離は近く、ゼミの学生同士も仲がいい。

「ゼミを中心としたフェイス・トゥー・フェイスのコミュニケーションが行われているのが本学の特徴です。教員にとっても、ゼミの学生は特別な存在。ゼミを通じて、学生の能力を引き出したいと考えています」 

加藤教授による4年生のゼミでは、スマートフォンの電子部品メーカーを例に、そのビジネスの仕組みをひもといていた。加藤ゼミの大学院生が執筆した討議用の資料をもとに、学生がそれぞれパワーポイントでまとめた課題分析を発表する。

スマートフォン市場を二分する陣営の生産体制や、それぞれのビジネスの収益構造の違い、性能に優れたハイエンドの製品と廉価なローエンドの製品を一つの会社が手掛けることの意味ーーなどを検討していった。

「ハイエンドとローエンドでは、ブランドは共有しないほうがいいよね」

「有名ブランドの服と、その廉価版のようなことですね」

「ブランドを分ければ、二つの事業をやる合理性はあるの?」

「シナジーを生み出すなら、両方持っていてもいいと思う」

教授と学生がやりとりを重ねていく。議論は白熱し、ビジネスの現場でも通用するレベルの企業戦略にまで話は及んだ。

4年生には卒業論文が控えている。与えられた問題を解くのとは違い、オリジナルな問いを立てるところが難しい。昨年は、ドラッグストアの多店舗展開を研究した学生や、30年で成長に大きな差が出た同業種の2社を調べた学生がいた。

学ぶことの意味を学生に気づかせたい

資料をパソコンで共有し、発表に耳を傾ける

資料をパソコンで共有し、発表に耳を傾ける

加藤教授は学生の教育のほかに、一橋大が企業のエグゼクティブ向けに開設している講座も担当し、経済界に幅広い人脈を持つ。自身の研究では、15年にわたって数十社の日本企業を調査し、優れた組織の特徴をつかもうとしている。こうしたビジネスの現場を知った上での指導がゼミの魅力でもある。

日本で初めてゼミ教育を導入したといわれる一橋大。加藤教授は学びの意義をこう語る。

「社会科学的な考え方を身につけることは、社会を見るために非常に重要です。幅広く勉強しながら、ゼミで特定の分野を深く学んで、社会を見る目を養い、論理的に考える力をつけてほしい。大学は人生をかけた学びの入口です。学ぶことには意味がある。それに気づいてもらえればと思っています」

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光を見つけ、実りにつなげる一橋生の強み

蓼沼 宏一 学長

蓼沼 宏一 学長

今年の入学式式辞で蓼沼宏一学長は、新入生に実行してほしいこととして、「学問を通して光を見つける」「光を実りにつなげる」「向こう側にも立つ」ことの三つを掲げた。

「専門分野を深く学び、社会がどういう仕組みで動いているのかを知る。社会の課題を発見し、論理的に思考して解決への道筋を見出し、他者とも議論を深める。さらに、専門と異なる分野も学び、多様な見方を身につけるとともに、海の向こう側にも立って、物事を相対的に見ることのできる人になってほしい。そんな思いを込めました」

一橋大は明治期から日本の社会科学研究をリードするとともに、産業界を支える多くの人材を送り出してきた。

「開学以来、グローバルに活躍できる人を育てることを使命としています。30年ほど前から1年間の奨学金付き長期留学制度を実施しているほか、さらなる英語教育の充実も図っています」

ゼミを中心とした少人数教育を通じ、深い専門性と高いコミュニケーション能力を身につけた学生は、卒業後、各方面で活躍している。

「例えば法科大学院の司法試験累積合格率は全大学中1位(法務省調べ)ですが、司法研修中は本学卒業生が中心となって修習生をまとめているという話を聞きます。仲間同士で学び合う本学の風土が、合格率という実績のみならず、リーダーシップと協調性も育てています」

入試にはどんな特徴があるのか。

「二次試験は記述式で、新テストがめざす思考力・判断力・表現力を問う入試を昔から行っています。全学部で数学が必須なのも特徴です。また昨年度からは、全学部で推薦入試を導入しました」

蓼沼学長は、一橋大をめざす学生に、こう期待を込める。

「社会が抱える課題の解決や社会貢献という高い目標を持つ学生に、本学を志してほしいと願っています」

Student’s Voice

5年で修士学位までとれる一貫プログラムに参加
社会人との学びも魅力

商学部4年生(5年一貫プログラム在籍中)松本 茂幸 さん

商学部4年生(5年一貫プログラム在籍中)
松本 茂幸 さん

高3の時、オープンキャンパスで一橋大を訪れ、厳かで美しい雰囲気に惹かれました。その時受けた加藤俊彦教授の模擬講義に刺激を受けたのがきっかけで、現在加藤ゼミに所属しています。

ある時、私のレポートを読んだ加藤教授から「大学生の表現としては稚拙」と、辛辣(しんらつ)な指摘を受けました。どう悪いのかを丁寧に指導してくれて、改めて少人数制で親身になってくれる一橋大の良さを実感しました。

私は札幌出身ですが、ゼミ生の半数以上が地方出身。また入学後2年間は留学生が多い国際寮に入寮していたこともあり、多様な人とのつながりができたことに感謝しています。

現在、4年間の学部教育と1年間の大学院教育を組み合わせ、5年で修士学位を取得できる「5年一貫プログラム」に参加しています。社会人の方もいるので、机上の理論に偏らず、ビジネスの現場の話を学べる点が魅力です。修士課程修了後は人の人生に寄り添える仕事に就きたいと考えています。

落ち着いた環境の中、
活発な議論ができる刺激とチャンスに満ちた毎日

商学部4年生 神谷 有紀 さん

商学部4年生
神谷 有紀 さん

愛知県で生まれ育ち、進路を考えるまで一橋大のことはあまり知りませんでした。高校時代は英語のディベートに力を入れており、英語方面の進学を考えていたのですが、専門分野を学んだほうがプラスになると考えました。ディベートでは経済、経営系のテーマを扱うことが多く、商学部のある一橋大への興味が高まりました。

入学後は刺激に満ちた毎日。1年次から始まるゼミではいろいろな人の意見を聞き、積極的に発言できる環境にありました。少人数なので、気兼ねなく意見の交換ができるのがいいですね。また、初めての一人暮らしでしたが、日々の暮らしの何にどれだけお金がかかるのかが実感でき、いい勉強にもなりました。

英語ディベートのサークルに入り訪日外国人へのガイドを行ったり、インターンシップでベンチャー企業に赴いたりと、いろんなことに挑戦できています。大学のある国立は落ち着いた雰囲気で住みやすく、勉強しやすい環境。都心に近いと誘惑も多いですから(笑)。私にはとても合っていると感じています。

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